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- 【news】SIROCO《Fantasy on Ice 2026》出演
フィギュアスケート宮原知子と夢の共演 (lunes, 4 de mayo 2026) 京都を拠点に日本各地で舞踊・教授活動を展開し、TVやメディアでも注目を集めるフラメンコダンサーSIROCOさんが、日本で10年以上にわたり開催されているアイスショー《Fantasy on Ice 2026》にプロスケーターとの共演で出演します。 今回共演するのは、2018年の平昌オリンピック日本代表でもあり現在はプロスケーターとして活躍する宮原知子さん。かねてからフラメンコへ熱い思いを抱き続けてきたという宮原さんが今回披露するのは、フラメンコの名曲”Poeta”をオマージュした作品『Homenaje a Poeta ~詩人への賛辞~』。 SIROCOさんとともにギタリスト徳永健太郎さんをはじめ国内のフラメンコトップミュージシャンらが集結し、生演奏で「フラメンコ×フィギュアスケート」が繰り広げる新しい氷上の芸術作品を披露します。 フラメンコダンサーがフィギュアスケートと氷上で共演することは、日本人としては初めて実現するという今回の舞台。フラメンコが好きな方はもちろん、フィギュアスケートが好きな方も必見の贅沢なアイスショーを、ぜひお見逃しなく! 《Fantasy on Ice 2026 in MAKUHARI》 [日時]2026年5月30日(土)開場11:00 開演12:00/開場16:00 開演17:00 2026年5月31日(日)開場12:00 開演13:00 [会場]幕張イベントホール(千葉県千葉市美浜区中瀬2-1) [URL] https://www.fantasy-on-ice.com/special.html ●Satoko MIYAHARA Flamenco Collaboration 『Homenaje a Poeta ~詩人への賛辞~』 スケート 宮原知子 バイレ SIROCO ギター 徳永健太郎 カンテ ニーニョ・カガオ/高橋綾 バイオリン&ピアノ 森川拓哉 チェロ 平山織絵 パーカッション 高木亮太 ●スケジュール&チケット情報 https://www.fantasy-on-ice.com/schedule.html#ticket =====
- 新・フラメンコのあした vol.39
(viernes, 1 de mayo 2026) 20年以上にわたりスペインで活動するジャーナリスト東敬子が、今気になるスペインフラメンコのあれこれを毎月お届けします。 今月は、昨年10月にマドリードで開催された第20回「スマ・フラメンカ」フェスティバルで世界初演として上演された、ホセ・マジャの公演についてのリポートです。 ホセ・マジャ 『レハーノ』世界初演 第20回「スマ・フラメンカ」フェスティバル カナル劇場(赤の間“コンチャ・ベラスコ”)、マドリード、スペイン 2025年11月1日 José Maya "Lejano" XX Festival Suma Flamenca Teatros del Canal, Sala Roja Concha Velasco, Madrid. 1 noviembre 2025 文/東 敬子 画像/宣伝素材、東 敬子 Texto por Keiko Higashi Fotos por promoción, Keiko Higashi (c)Aitor Lara アンティークの店が立ち並び、週末は蚤の市で賑わうラストロ地区は、マドリード随一のフラメンコ地区でもあります。その地区を代表する現代アーティストの一人がホセ・マジャ(José Maya)です。 1983年、ヒターノのフラメンコの名門マジャ家に生まれた彼は、子供の頃より踊り手としてステージに立ち、10代でマノレーテやエル・グイトら巨匠の舞踊団に客演し、頭角を表します。40代となった今は、踊り手としてはもちろん、踊りながらカンテも披露するマルチアーティストとしてステージを沸かせています。 ヒターノのバイレというと皆さんファルキートを思い出されることでしょうが、彼と同世代のホセは同様にこのスタイルの代表格と言えるでしょう。緩急の踊りに光る瞬発力、力強さ、一瞬も気を抜けない緊張感、そして潔さ。「ヒターノの」と表現されるバイレのこれらの要素は、そうでない踊り手たちの動きにはないもの、それははっきり言えることでしょう。これはあくまでスタイルの違い、観客からすれば「好き嫌い」のことであって、どちらが「良い悪い」ということではありません。しかしながら、その差は一目瞭然。肌に触れる空気も、色も、匂いも、違います。 ヒターノのアルテ。それははるか遠い過去から受け継いできたもの。ホセはそれを受け取り、自身のクリエイティビティーで新しい世界を作り上げます。一族の伝統を守るファルキートとの違いは、ホセのその創造性にあります。 「記憶が無ければ、自分が何者かを確認することはできない」。「スマ・フラメンカ2025」フェスティバルの一環で初演された新作「レハーノ(遠く Lejano)」で彼は、自分自身の存在をその遠くの根源に見出し、また、これから続いていく遠い未来に夢を馳せます。後ろを見ることで今の地点を、未来への道筋を見つける、それはまた、人生の半ばに立つ誰もが到達する心境なのではないでしょうか。 当夜は世界初演ということもあり、踊りながら歌う場面(見せ場)で、装着した声を拾うマイクが何度も外れてしまうというアクシデントもありましたが、それをカバーしつつ歌い切り、踊り切った彼は、やはりプロでした。グレーのシャツという衣装で、汗染みが目一杯目立ってしまい、それもあまりスマートなチョイスとは言えなかった。けれど、見応えはあって余りある。 (c) Keiko Higashi 激しいだけにとどまらないリズミカルな足捌き。子供時代にバレエなどの訓練も受けているだけあって、フラメンコらしい動きも単調にならず、表情がある。イスマエル・エル・ボラ、ホセ・エル・カジ、デリア・メンブリべら3人によるカンテ、エル・ペリのギター、バティオ・ハンゴニーのチェロ、そしてルッキー・ロサーダのパーカッションに支えられ、トナー、セギリージャ、ソレア、ブレリアと、彼は思う存分羽ばたきます。そしてクライマックスでエネルギーを爆発させ、客席を興奮の渦に巻き込みました。 1時間と10分ぐらい。作品としては短い方でしょう。でも昨今よくある、無音でスーッと出てきて15分ぐらい何もなくすぎるという流行りの演出は、私にとっては退屈で、それから2時間やられると、本当に最後は観る気が削がれてしまう。 でも同じように静かにステージに登場しても、ホセはそんな風に勿体ぶったりしません。登場するやその存在感で私たちを圧倒し、溢れ出る動きで心を鷲掴みにし、激しく揺さぶり、そして終わればさっと帰っていく。私たちが「もっと観たいのに」と懇願しても。短くても私にはその方が断然いい。私にとっては「これがフラメンコ」。彼はそんな、心を熱くさせてくれる希少なアーティストなのです。 【筆者プロフィール】 東 敬子 (Keiko Higashi)/フラメンコ及びスペインカルチャーのジャーナリストとして、1999年よりマドリード(スペイン)に在住し執筆活動を続ける。 =====
- 【特集】マドリード『第20回スマ・フラメンカ』
(viernes, 19 de diciembre 2025) 毎年マドリードで行われる大規模なフラメンコの祭典、『スマ・フラメンカ』フェスティバル。 第20回目となる今回は、フラメンコの「伝統と革新」をテーマに掲げ、若手アーティストらによる公演や、フラメンコ識者らによる講演会や写真展、そしてメインとなるコンサートシリーズでは世界初演19作品を含む46作品が上演されました。 そのプログラムのラインナップや注目の作品などについて、20年以上にわたりスペインで活動するジャーナリスト東敬子さんがリポートします。 マドリード『第20回スマ・フラメンカ』フェスティバル 2025年10月14日〜11月2日、マドリード、スペイン 20º festival Suma Flamenca de la Comunidad de Madrid 14 octubre - 2 noviembre 2025, Madrid, España 文: 東 敬子 画像: 宣材写真 Texto: Keiko Higashi Fotos: material promocional 《INDEX》 ・フラメンコ・ホベン ・「伝統と革新」のはざまで ・20周年を飾る今年のフェスティバルは… ・公演レポート5選 日本の秋が「紅」なら、マドリードのそれは「青」でしょう。夏の熱風は過ぎ去り、朝・夕の爽やかさを取り戻しても、マドリードの秋空は、尚もはれやかな青で満たされるのです。 そんな中、今年もマドリードを代表するフラメンコの祭典『スマ・フラメンカ』が開催されました。第20回目となる今回は、フラメンコの「伝統と革新」をテーマに、10月14日から11月2日まで、世界初演の19作品を含む、全46作品が公演されました。1ヶ月前からソールドアウトの公演も数多く、その人気度の高さは毎年更新されているように感じます。 もちろん昨年同様、前哨戦としてカナル劇場にて9月25日から28日まで、30歳以下のアーティストの為の「スマ・ホベン」フェスティバル、そして本編と並行してアテネオ会館にて10月1日から4日まで講演会も行われました。 「伝統と革新」という今回のテーマは、フラメンコではもう1980年代のパコ・デ・ルシアの頃から扱われていますが、伝統を守ることに頑なな純粋主義者たちと、「フラメンコは常に革新によって発展してきた芸術だ」と言う革新派の間には、未だ深い溝があります。 しかし純粋主義者が占めていた昔とは違い、2020年代半ばの今は、伝統を支持する者は「頭が硬い」、他ジャンルの芸術を自由にフラメンコに取り入れる革新派は「おもしろい」と言う雰囲気が漂うようになったような気がします。 しかし私は、他ジャンルを取り入れたから新しいと言うのはもう安直だと感じるし、それがフラメンコの発展につながるとも思っていません。フラメンコの「ルール」の中での興味・実験・発展が、本当の未来につながるのではないかと思っています。皆さんはどう考えますか? 【フラメンコ・ホベン】 今年で5回目を迎える「フラメンコ・ホベン2025」は、この5年で、観客の期待度大の人気フェスティバルに成長しました。4日間に渡り、それぞれの公演で3組のグループが紹介され、その新しい息吹に会場は大いに沸きました。 初日の「ガラ1」では、まずはピアニストのホセ・ルイス・カエレ(バジャドリード出身)がベテランのハビエル・コリーナのダブルベースと共に演奏。そしてカンタオーラのレジェス・カラスコ(セビージャ出身)、バイラオーラのイレネ・モラレス(グラナダ出身)と続きました。 二日目の「ガラ2」は、外国人ギタリスト、アンデラ・ミシック(セルビア出身)の演奏でスタートし、エスペランサ・ガリード(グラナダ出身)のカンテ、ネレア・カラスコ(マドリード出身)のバイレが披露されました。 「ガラ3」では、ギターにパブロ・エレディア(カディス出身)、カンテにダビス・フェルナンデス(セビージャ出身)、バイレにローレ・デ・ロス・レジェス(セビージャ出身)と、アンダルシア勢が揃いました。 そして最終日の「ガラ4」では、ギターのホアン・アンギータ(セビージャ出身)のソロに始まり、カンテのセリア・ロメーロ(バダホス出身)と続き、最後は22歳のジョエル・バルガス(タラゴナ出身)のバイレでフェスティバルの幕を閉じました。 今回はアンダルシア出身者にあまり偏ることなく、外国出身のアーティストも含むスペイン全土からのアーティストがバランスよく選ばれ、このフェスティバルの意義を果たしたと思います。 【「伝統と革新」のはざまで】 アテネオ会館では10月1日から4日まで、ペドロ・カルボ、ペドロ・G・ロメーロ、ホセ・マヌエル・ガンボア、ホセ・ルイス・オルティス・ヌエボのお馴染みの4人のフラメンコ識者たちが壇上に登り、「伝統と革新」を軸に講演を行いました。それぞれの講演にはミニコンサートも行われ、サルバドール・グティエレス(ギター)、セバスティアン・クルス(カンテ)、アル・ブランコとエル・ペリ(カンテとギター)、アレハンドロ・ウルタード(ギター)が、堅苦しくなりがちな空気を和ませてくれました。 また同じテーマを用いて同会館内において10月1日から29日まで、クラウディア・ルイス・カロの写真展も行われました。 【20周年を飾る今年のフェスティバルは…】 今年のテーマである「伝統と革新」の二つの要素を同時に表現し得たアーティストと言えば、やはりカンテの巨匠、エンリケ・モレンテの名前が挙がるでしょう。亡くなって15年が過ぎた今でも、エンリケが建てた金字塔は人々の心の中にそびえ立っています。その彼へのオマージュとも言える今回のフェスティバルは、前回と同様、マドリード市内を中心に、近郊のエル・エスコリアル、ラスカフリア、ラ・カブレーラの4箇所で開催されました。 今回は世界初演19公演を含む46作品が上演されましたが、なんと言ってもハイライトは、カンタオールのエル・チュリー、ピアニストのフアン・カルロス・ガルバージョ、そしてマドリード・オーケストラの共演による「アレグロ・ソレア」の再演でしょう。この作品はエンリケ・モレンテその人とアントニオ・ロブレド共演による名作として語り継がれており、その再演は観客を感動に導きました。 「スマ・フラメンカ」フェスティバルはフラメンコの全てのジャンルを網羅していますが、一番力が入っているのはやはりカンテでしょう。今年も若手から大御所まで、様々な公演が行われました。 若手のアンヘレス・トレダーノに始まり、今年ラ・ウニオンのコンクールで最優秀ランパラ・ミネーラ賞を受賞したグレゴリオ・モヤがモレンテにその歌声を捧げます。また、ベテラン感が増したアルカンヘルの「カンテとコプラ」公演や、自身の過去20年を振り返ったマイテ・マルティンの公演。今勢いのあるサンドラ・カラスコや、アントニオ・レジェス、ヘスス・メンデスら実力派たちに加え、ラ・マカニータ、エスペランサ・フェルナンデス、ホセ・メルセー、エル・ペレ、グアディアナらの大御所も勢揃い。ギターを弾きながら歌うテレサ・エルナンデスや、ピアノを弾きながら歌うマリア・トレドも、マルチな実力を発揮しました。 ARCANGEL-foto-2-Demetria Solana MAYTE MARTIN-foto-Itsaso-Arizkuren JOSÉ MERCÉ-foto-Archivo Universal ギターコンサートは小ホールなどで控えめながら、女性ギタリスト、アンドレア・サルセドや、ベテランのオスカル・エレーロ、そしてピノ・ロサーダ、ダニエル・カサレス、エル・アミールなどが登場しました。 DANIEL CASARES バイレでは、オルガ・ぺリセー、ラファエラ・カラスコ、カリメ・アマジャ、アルバ・エレディア、ベゴーニャ・カストロなど、今回は女性の公演が目立つ一方、男性も、ケリアン・ヒメネスのチャールズ・チャプリンをモチーフにした世界初演など話題を呼びました。 Rafaela Carrasco (c) Jean-Louis DUZERT ピアノでは大御所ドランテスに加え、若手のアンドレス・バリオス。ジャズ界からはお馴染みのベナベン・ディジェラルド・パルドのトリオ。そしてフアン・カルモナが自身のギターと共に「フラメンコ・ゴスペル」を世界初演。そしてホセ・エル・マルケスは、チェロによるフラメンコを披露しました。 Dorantes 【公演レポート5選】 今年の中から厳選してご紹介するのはこの5作品。どれも個性に溢れ、心に残る公演でした。 まずはバイラオーラ、サラ・カレーロによる「タベルナ・ファム」。ロックなど他ジャンルの音楽も大胆に織り込み、賛否両論あると思われる作品でしたが、会場は大いに盛り上がりました。 Sara Calero © marcosGpunto そしてカディス出身のカンタオール、ダビス・パロマールによる「シエン・べセス・ぺルラ」公演。彼を観ていて、チャノ・ロバートを思い出しました。とにかくMCが面白い、けど長い(笑)! すごく久しぶりにこんなカンタオールを観た気がして、ちょっと嬉しくなりました。 次にラ・カイータら、エストレマドゥーラ出身のアーティストが出演した「ベンゴ・デ・ミ・エストレマドゥーラ」公演。迫力のカンテと燻銀のギターを堪能しました。 やはり彼の新作は抑えておきたい。今、新境地を開拓しつつあるバイラオール、マヌエル・リニャンの公演「バイラオール(ラ)」。私は昔、もう15年ぐらい前、男性の身体に女性の心を宿した踊り手の小説を書いたのですが、そのモデルの一人が彼、マヌエル・リニャンでした。私が小説を書いた当時はマヌエルはもちろんパンタロンでしか踊っていませんでしたが、その彼が今、ファルダに身を包み、奇しくもあの小説を具現化しているのを観ると、なんだか不思議な気がします。 そして最後は、ホセ・マジャの新作「レハーノ」。今回もやってくれました。彼はハズレなし。行けば必ず感動を胸に帰路につくことが出来る今一番ノっている踊り手のひとりでしょう。 それぞれの詳しい公演レビューは、記事をアップ時に随時リンクしていきますのでお楽しみに。 【筆者プロフィール】 東 敬子 (Keiko Higashi)/フラメンコ及びスペインカルチャーのジャーナリストとして、1999年よりマドリード(スペイン)に在住し執筆活動を続ける。スペインに特化したサイト thespanishwhiskers.comを主宰。 =====
- 第13回CAFフラメンコ・コンクール受賞者決定
(jueves, 30 de abril 2026) 第13回CAFフラメンコ・コンクールの本選が1月31日に東京・北千住Theatre1010で行われ、同日に各受賞者が決定しました。 各受賞者および関係者のコメントと、優勝した脇川愛さんのインタビューをお伝えします。 *優勝者インタビューはこちら 写真/大森有起 Fotos por Yuki Omori 編集/金子功子 Edición por Noriko Kaneko 主催/公益財団法人スペイン舞踊振興MARUWA財団 [審査結果] 優勝:脇川 愛/シギリージャ 準優勝:宮北 華子/アレグリアス 海外留学賞:荒濱 早絵/アレグリアス [受賞者・関係者コメント] ◎優勝:脇川 愛 「この度は、第13回CAFフラメンコ・コンクールにて優勝という栄誉ある賞をいただき誠にありがとうございます。貴重な機会をくださいましたマルワ財団関係者の皆様、そして心強いサポートをしてくださいましたミュージシャンの皆様、沢山ご指導をくださいました田村陽子先生、応援してくださいました全ての皆様に深く感謝申し上げます。ありがとうございます。今後はスペインで沢山の素晴らしい芸術に触れ、吸収して参ります。さらに成長した姿をお届けできるよう、より一層精進いたしますので、引き続き応援よろしくお願いいたします。」 ◎準優勝:宮北 華子 「このたび準優勝をいただき、関わってくださったすべての方へ心より感謝申し上げます。2013年から13年にわたり、コンクールという舞台に挑み続ける中で、理想と現実の隔たりに悩みながらも、自分が信じる表現の在り方を手放さず、進み続けてきました。海外留学賞をいただきスペインで学んだ時間は、フラメンコを技術や型の習得にとどめず、何をどう生き、どう表すのかを問うものとして捉え直す契機となりました。これらの経験を糧に、今回いただいた結果を通過点として、これからも問いを抱えながら踊り続けていきます。今後の歩みにご期待いただけましたら幸いです。」 ◎海外留学賞:荒濱 早絵 「この度は海外留学賞をいただき、誠にありがとうございます。MARUWA財団、審査員の先生方をはじめ、支えてくださった全ての皆様に感謝申し上げます。CAFコンクール初挑戦で、バタ・デ・コーラとマントンで踊るというのは私にとってとても大きな挑戦でしたが、その過程には沢山の学びがあり、自分の踊りや表現を見つめ直すきっかけとなりました。沢山のアドバイスをくださったムシコスの御三方には感謝してもしきれません。留学という大きなチャンスを活かして、精進してまいります。」 ◎審査員 志風 恭子(フラメンコ研究家) 「全体的にレベルが高く、中でも受賞者三人は僅差の受賞であり、本当に誰が優勝してもおかしくなかったと思います。それは絶対的な力を持った人がいなかったということでもあります。みんな上手は上手、でも上手に踊るその先を見つめて欲しいと思います。その技術を使ってあなたという人を、プラスアルファの何かを客席に訴えられる、伝えられるようになってくださることと期待しています。」 それぞれに素晴らしい演技を披露した受賞者の皆さん =====
- 第13回CAFフラメンコ・コンクール優勝:脇川愛インタビュー
(jueves, 30 de abril 2026) 聞き手/金子功子 Entrevista por Noriko Kaneko (写真)本人提供 ――この度は第13回CAFフラメンコ・コンクール優勝おめでとうございます。まず率直に、今のお気持ちを聞かせていただけますか。 脇川愛: 本当に嬉しいです。正直に言うと自分の中では優勝すると思っていなかったので、素直に嬉しい気持ちでいっぱいです。 ――ということは、本番はあまり思い通りではなかった? 脇川:はい、思い通りではなかったですね。 リハーサルの方が正直良かったと思っていたので...。でも受賞する気で本気で練習を頑張ってきたので、とても嬉しいです。 ――今回踊られたのはシギリージャ・コン・パリージョと、愛さんにとっては十八番と言える曲での本選でしたが、コンクールに向けて何か構成を変えたりとかしましたか。 脇川:ほとんど変わってないです。構成は新人公演の時とほぼ同じです。 ――本番の前に何か心がけた事や、意識した事はありますか。 脇川:とにかくリラックスして踊ろうという気持ちで臨みました。やっぱり緊張してしまうと力んでしまうので、そうならないように心がけました。 ――本番は緊張する方ですか。 脇川:緊張する時としない時がありますね。それと緊張の種類があるんですけど、いやな緊張といい緊張があって。今回はわりといい緊張感で挑めたなと思います。 ――先ほどの表彰式の時の優勝者スピーチで、このコンクールに第9回から毎回挑戦を続けてきたっておっしゃっていましたね。過去4回分の間に何度も、結果に対しての一喜一憂などあったと思いますが、その道のりを今振り返ってみていかがですか。 脇川:挑戦する度に色々な発見やアドバイスを頂き、自分自身の成長を感じることができましたので、無駄なことはひとつもなく、挑戦し続けて良かったと思っています。 ――今回の二次予選は何を。 脇川:二次予選はソレア・ポル・ブレリアを踊りました。これまでに踊ったソレア・ポル・ブレリアをちょっとアレンジして、構成もミュージシャンの方たちと一緒に考えて挑みました。 ――今回優勝ということで、スペインでの研修費と往復航空券が贈られましたね。 脇川:ずっと留学したかったので、本当にありがたいです。コロナ以降はスペインに行っていなかったので、もう6年ぶりです。 ――これからどういう踊り手を目指していきたいですか。 脇川:今回のエキシビションで鬼頭幸穂さんと伊藤笑苗さんの踊りを見て、柔軟に踊れる体幹があって、すごい表現者だと思いました。私もそういう表現者になりたいなと強く感じました。今後、色々なことに挑戦したいと思っています。心に響き記憶に残る踊り手になれよう精進して参ります。 ――それはまた楽しみですね。これからのますますのご活躍を期待しています。 脇川:ありがとうございます! 【プロフィール】 脇川 愛(Ai Wakikawa)/5歳からフラメンコを始める。2008年〜2016年平富恵スペイン舞踊研究所にてスペイン舞踊全般を学ぶ。2017年より稲田進氏に師事。2018年日本フラメンコ協会 第27回新人公演 バイレ・ソロ部門 準奨励賞受賞。2020年より田村陽子氏に師事。2024年 第33回新人公演バイレ・ソロ部門 奨励賞受賞。2026年公益財団法人スペイン舞踊振興MARUWA財団 第13回CAFフラメンコ・コンクール優勝。 *コンクールの結果発表はこちらへ。 =====
- EL CARTERO スペイン旅行記 2016 /8
[期間]2016年2月14日~3月14日 (domingo, 23 de noviembre 2025) 昨年2024年10月にこの世を去ったカンタオール、瀧本正信さん。 日本のフラメンコ界に本場のカンテの種をまき、強い信念と歯に衣着せぬ率直な物言いで周囲に大きな刺激を与え、何人もの後進を育て多大な功績を残しました。 約10年前に瀧本さんが教え子たちとともにスペインを巡った旅行記が、当時メンバーの一人として同行した、現在歌い手として活躍する金高荘子さんの手により記されていました。 現地で出会った様々な人たちとの、フラメンコへのアフィシオン(愛情)に溢れた交流の記録を、たくさんの写真とともにご紹介します。 【金高荘子さんより】 ここに綴る旅の記録には、今はもう会うことのできない大切な友人たちも登場します。 彼らを偲び、心からの感謝と祈りを込めて記します。 また、時の流れの中で、この記録に登場するお店のいくつかはすでに営業を終えています。 失われたものへの想いと共に、ここに残された記憶を紡ぎました。 当時の旅を歩む"El Cartero"こと瀧本正信氏の姿を思い浮かべながら読んでいただければ幸いです。 文・写真/金高荘子 Texto y fotos por Soko Kanetaka 【第8回】 ◆2月28日 22:00 Tabanco El Pasaje “El Cartero”ライブ当日。 朝から少し緊張気味のCartero 。 こういう時はやっぱり日本食が力になる!と、日本から持って行った食材でごはん。 見かけによらず繊細なCartero。 そして、いざ出陣。 Pasajeへ向かう道をCarteroはひと言もしゃべらず歩く。 ライブ会場であるTabanco El Pasajeのある通りまで来ると、入り口に人だかりが見えた。 中に入るとすでに満員の人! テーブル席は全て予約済みで、カウンターも身動き取れないほど。 当初22:30~の予定で宣伝など行われていたのだが、当日お店に出された情報 は、22:00~に変更されていた。本人もびっくりの変更。 数日前ギターのRamonに、時間よりも少し早めに来てほしいと言っていたCarteroだった。少しだけ打合わせをしたかったらしい。しかしRamonがやってきたのは 本番開始時間を過ぎてから。やっぱりここもスペイン時間。リハーサルなどはやらないらしい。舞台の上で挨拶し、すぐにライブが始まる。 数日前に聴いたモデルノで賑やかな印象だったRamonのギターが、Carteroの唄にどんな風に絡むのだろうかと心配と期待が半々だったが、ライブが始まると心配のほうはどこかに行ってしまった。 さすがヘレス!この前と全然ちがう!モデルノとかアンティグアとかそんなの関係ないんだな。唄に寄り添うってこういうことか。Carteroの唄に語りかけるようなギターに感動。 https://youtu.be/3meyWsdK1EI?si=laI71R1zzG3TJthA Tiento、Soleá、Taranta、Fandango、Siguiriya、Bulería。最初から最後まで、Carteroの思いが詰まった熱いライブだった。Fin de Fiestaはホセ(大西)やAna Maria Lopezも加わり盛り上がった。 https://youtu.be/09u7iLbxrHI?si=FgwYCvOd8BXJOYji ◆3月1日 Sanlucar 昼過ぎからバスに乗り、サンルーカルへ海鮮ランチに。 バス代ひとり1,9€。(安い!) どこまでも続きそうなオリーブ畑の丘陵地を車窓に見ながらバスに揺られて、30分でサンルーカルに到着。 "GITANA”の看板のボデガ(シェリーの醸造所)の前を通って繁華街へ。 お目当てのバルに行き、皆で食事を楽しんだ。海鮮料理が美味しかった。 太陽がまぶしい快晴の空の下、海岸までの道を散歩。 グアダルキビル川の河口の景色を楽しんだ後、ヘレスに帰った。 Jerezに着いて駅の近くのBarでひと休みしていると、入ってきたお客さんが大きな声で「Cartero!」と声をかけてきて驚いた。…有名人?! ◆3月2日 Cernicalos Ana Maria LopezのBuleríaクラスで踊りのクラスの伴奏。 踊りを習いに来るのは、初心者から踊れる人まで色々。入れ代わり立ち代わりやってくる練習生相手に、Ana Maria Lopezは唄いながら踊りを教える。難しいことはやらない。シンプルな振りを、ただただ唄を聴いて踊るブレリアクラス。 JerezのBuleríaを満喫。 Ana Maria Lopezの唄も満喫。 Zorriおじさんがパルマをやっていて、Carteroのギターと唄に合わせてちょっと足を打ったりする。 そのちょっとが、これまた素敵だったりする。 ◆帰り道、Domingo Rubichiとバッタリ会う。 立ち話をしていると、今度はPaco Ceperoが通りかかった。ヘレスは狭い街なのでよく顔見知りと会う。Carteroはその度に記念撮影をする。 ◆3月3日 San Fernando Camaron de la Islaを偲ぶ。 13 : 53分発のカディス行きの電車に乗り2駅。 カマロンのふるさと、サンフェルナンドに到着。 駅も街も新しく綺麗。 駅から出てすぐ、案内板の前で困っていたところ、親切な男性がカマロンゆかりの地の説明をしてくれて途中まで道案内までしてくれた。スペインの人はみんなとても親切。 カマロンの像を見た後、Venta de Vargas店内へ。想像していたより高級な店で、写真を撮ってはダメと言われたけれど既に撮ってしまった後。(すみません) かつてこの場所で唄っていたカマロンに想いを馳せながらのランチ。料理はちょっと高めだったけどとても美味しく、素晴らしい時間を過ごすことができた。 食事の後Venta De Vargasを出て、本日の目的地へ。へとへとになりながらやっとこさカマロンのお墓のある墓地に辿り着く。 スペインのお墓は明るく、花で彩られていてとてもきれいな印象。 カマロンのお墓は立派な銅像とお花に囲まれていた。 「ここにCamaronが眠ってるんやな」 Carteroは暫くの間Camaronと何か話をしているようだった。 来れて良かった。 再びRenfeに乗ってJerezへ帰る。 (*第9回に続く) ©近藤佳奈 【筆者プロフィール】 金高荘子(Soko Kanetaka)/幼少期から音楽に触れ、学生時代にはロックなどのバンド活動を通し音楽に親しむ。2002年にフラメンコと出会い、2010〜2024年に瀧本正信氏に師事。短期渡西を繰り返しながら現在も研鑽を重ねている。 =====
- EL CARTERO スペイン旅行記 2016 /9
[期間]2016年2月14日~3月14日 (miércoles, 24 de diciembre 2025) 昨年2024年10月にこの世を去ったカンタオール、瀧本正信さん。 日本のフラメンコ界に本場のカンテの種をまき、強い信念と歯に衣着せぬ率直な物言いで周囲に大きな刺激を与え、何人もの後進を育て多大な功績を残しました。 約10年前に瀧本さんが教え子たちとともにスペインを巡った旅行記が、当時メンバーの一人として同行した、現在歌い手として活躍する金高荘子さんの手により記されていました。 現地で出会った様々な人たちとの、フラメンコへのアフィシオン(愛情)に溢れた交流の記録を、たくさんの写真とともにご紹介します。 【金高荘子さんより】 ここに綴る旅の記録には、今はもう会うことのできない大切な友人たちも登場します。 彼らを偲び、心からの感謝と祈りを込めて記します。 また、時の流れの中で、この記録に登場するお店のいくつかはすでに営業を終えています。 失われたものへの想いと共に、ここに残された記憶を紡ぎました。 当時の旅を歩む"El Cartero"こと瀧本正信氏の姿を思い浮かべながら読んでいただければ幸いです。 文・写真/金高荘子 Texto y fotos por Soko Kanetaka 【第9回】 ◆3月4日 ピソでパーティ ピソのオーナーのミラさんが、ランチに招待して下さった。 Carteroは近くのお菓子屋さんでお土産のケーキを購入。 マドリード出身のミラさん作のコシード(豆やチョリソーの煮込み。マドリードの伝統料理)はすごく美味しかったが、Carteroはグロめな見た目の食べ物が苦手。おかわりを断ったせいでミラさんのご機嫌を損ねパエリアをなかなか貰えなかった。 気を取り直し、食後はCarteroの唄とギターでミラさんにお礼の気持ちを伝えた。 ◆3月5日 再び、Peña La Buleriaへ 地元の歌手のライブの後、 例によってアフィシオナードたちのカンテが始まる。Cartero大活躍。 唄自慢のおじさんたちの素晴らしいSoleaやFandangoが続く。またしてもCarteroは大人気。みんなが「俺のために弾け」と集まってくる。途中でCarteroの取り合いになりケンカ勃発?!でもすぐに仲直り。みんなフラメンコが大好き。 https://youtu.be/EW-Px-UA7vY?si=zxPsekH_e0UuN8fe https://youtu.be/tDhhyDs0KaI?si=oJ9LiwXZwR6J1L3g ペーニャ・ブレリアのオーナーManuelと唄い手のMoritoと、Jerez再訪を約束。 ◆3月6日 Tabanco El Guitarron ピソの近所にあるBarでライブをやっていたので覗いてみたが、若い女の子がバンドでポップスを歌っていてフラメンコではなかった。せっかく来たので外の席で飲んでいると、以前ArriateのカンテライブでFandangoを唄っていたカンタオールのSalui Galeraとバッタリ会った。彼はCarteroとアカペラでSoleaを唄ってくれた。 ◆3月7日 Jerez最終日 朝10時前。Domingo Rubichiとバルの前でバッタリ会い、一緒に店に入る。バルにはカンタオーラのDolores Agujetaもいて朝食中のようだった。 CarteroはDomingoに、 「ドローレスちょっと唄ってくれんかな?聞いてみてくれへん?」 Domingoは 「こんな朝早くから唄えなんてオレには言えん。おまえが自分で言え!」 Carteroは勇気を出して、 朝ご飯中のDoloresにお願いする。 「今日はJerez最後の日やねん。ちょっと唄ってもらわれへん?」 するとDoloresはニコニコしながら、 いいよ~と、Carteroのそばに来て素晴らしいFandangoを唄ってくれた。 Domingoは、 「Doloresの伴奏するならもっと高いギターにしろ」などと冗談を言って笑っていた。(Carteroがスペインに持っていくギターは飛行機に乗せても平気な安物なので…) ◆Domingoたちと別れて、Carteroは再びAna Maria Lopezのクラスへギターを弾きに行く。 この日もクラスには色んな人が来ていた。 Zorriおじさんやギターの練習生らしき人もいて、Carteroのギターを研究モードで観察し楽しんでいるようだった。 Anaのブレリアクラス、歩くようなテンポで続くAnaの唄が心地良い。 Carteroはずっと伴奏しているが疲れている気配はなく楽しそう。 Anaと来年の再訪を約束して、Cernicalosを後にした。 ◆Los Tres Reyes 明日ヘレスを去ることを伝えに挨拶がてらランチに行く。 店主のエミリオがおばあちゃんから受け継いだという家庭料理、豆の煮込みを出してくれた。 食後はRumbaやBuleriaを居合わせたみんなと楽しむ。いつも来ているPacoおじさんは今日は来ないのか?とたずねると、Pacoはいま風邪をひいて家で寝てるとのこと。会えなくて残念。 帰り際になってまた他のお客さんに呼び止められて伴奏してくれと言われる。おじさんは素晴らしいFandangoやBuleriaを唄い、Carteroもそれに応える。そしてまた仲良くなる。 結局夕方の閉店時間までフラメンコを楽しんだ。 Carteroは、このままここに住もうかな、と、帰りたくなさそうだった。 明日はグラナダへ向かう。 (*第10回に続く) ©近藤佳奈 【筆者プロフィール】 金高荘子(Soko Kanetaka)/幼少期から音楽に触れ、学生時代にはロックなどのバンド活動を通し音楽に親しむ。2002年にフラメンコと出会い、2010〜2024年に瀧本正信氏に師事。短期渡西を繰り返しながら現在も研鑽を重ねている。 =====
- EL CARTERO スペイン旅行記 2016 /10 最終回
[期間]2016年2月14日~3月14日 (domingo, 26 de abril 2026) 一昨年2024年10月にこの世を去ったカンタオール、瀧本正信さん。 日本のフラメンコ界に本場のカンテの種をまき、強い信念と歯に衣着せぬ率直な物言いで周囲に大きな刺激を与え、何人もの後進を育て多大な功績を残しました。 約10年前に瀧本さんが教え子たちとともにスペインを巡った旅行記が、当時メンバーの一人として同行した、現在歌い手として活躍する金高荘子さんの手により記されていました。 現地で出会った様々な人たちとの、フラメンコへのアフィシオン(愛情)に溢れた交流の記録を、たくさんの写真とともにご紹介します。 【金高荘子さんより】 ここに綴る旅の記録には、今はもう会うことのできない大切な友人たちも登場します。 彼らを偲び、心からの感謝と祈りを込めて記します。 また、時の流れの中で、この記録に登場するお店のいくつかはすでに営業を終えています。 失われたものへの想いと共に、ここに残された記憶を紡ぎました。 当時の旅を歩む"El Cartero"こと瀧本正信氏の姿を思い浮かべながら読んでいただければ幸いです。 文・写真/金高荘子 Texto y fotos por Soko Kanetaka 【第10回/最終回】 ◆3月8日 Granada Jerezからバスで5時間、Granadaへ。 ◆"El Parron"Jaime Herediaと会う。 友人であるギタリストのEmilio Mayaが紹介してくれて、カフェで待ち合わせることになった。 大好きなカンタオールである彼のカンテをグラナダで聴けることを今回とても楽しみにしていたのだが、彼は喉の手術をしたばかりらしく唄はお休み中とのこと。 なんとも残念…! けれど、ランチをご一緒したり、サクロモンテを案内してもらったり。友情を深め、楽しい時間を過ごした。 ◆3月9日 アルバイシン、サクロモンテ散策。 Peña La Plateriaへ。 ◆Cucharitaとの再会 Peña La Plateriaは丘の上にある老舗の立派なペーニャ。私たちはフラメンコライブを観る目的で行ったのだが、Carteroにとって大切な用事がもう一つあった。 25年前にCarteroがマドリードのペーニャSoleaで知り合った少年がいた。彼は当時まだ16歳だったのだが、現在Cucharitaという名前でフラメンコをしている事が最近判明し、Carteroは彼のFacebookにメッセージを送っていた。 その返事が来たのがなんと、私たちがグラナダに着いた翌日だった。 彼から来た返事は、 「Carteroがスペインに来るなら会いたいけど、俺は今グラナダに住んでるから会いに行けないんだ」だった。 なんと!グラナダにいると?! CucharitaはPeña La PlateriaまでCarteroに会いに来てくれた。25年ぶりの再会! ◆3月10日 バスに乗ってサンニコラス展望台に行き、グラナダの美しい景色に感激していると、ひとりの男性がCarteroに話しかけてきた。彼はManuel。Ramon (ギタリストの俵さん)の友達だという。 Manuelは広場でギターを弾き始め、 Carteroが唄い始める。 フラメンコが始まると人がどんどん集まってきた。BuleríaやRumbaが始まると、そこに居合わせた人たちもパルマや踊りで飛び入り参加し盛り上がる。そしてバックはアルハンブラ宮殿という最高の舞台! 日本では決して見られない光景を楽しんだ。 ◆3月11日 Manuel Diazギター工房 Carteroは、カポタストのお土産を買って帰ろうと考えていたのだが、まだ良い品物が見つけられていなかった。楽器屋を見つけたのでカポタストの取扱いがないか尋ねたが良いものがなく、諦めて店を出ようとした時、ひとりの紳士が店に入ってきた。 楽器屋の店員さんは店を出ようとしたCarteroに、 「ちょっと待て待て、その人ならカポタスト持ってるよ、ギター工房の人だよ!」 話をしてみると、その紳士の名前はManuel Diaz。Carteroは、昔見たフラメンコ専門誌にManuel Diazという名前のギタリストが載っていたことを思い出し、 「あなたは昔ギタリストだったよね?!」 するとManuel Diazは、 「今もギタリストだよ!」 そして一緒にギター工房に向かった。 ギター工房はヌエバ広場からちょっと坂道を上がったところにあった。工房には、ヘッドにザクロを模した形の装飾が施されたギターがいくつもあり、これがManuel Dias製作のギターの証なのだそう。 Manuel Diazは手作りの綺麗なカポタストをいくつか出してきて試させてくれた。 そして、Soleá、Siguiriya、Soleá por buleríaなど、Carteroの伴奏をしてくれて、私たちは思いがけず贅沢なライブを楽しむことができた。 感謝のしるしにみんなで彼をランチにご招待。一緒にManuel Diazおすすめのレストランへ向かう。 ちょっと前に偶然再会した踊り手の高橋英子さんも合流されて、楽しいランチの時間を過ごした。 ◆Manuel Diazと別れた後は、英子さんのフラメンコスタジオにお邪魔し、グラナダでの色んなお話を聞かせていただいた。 長年の友人であるCartero、ホセ(大西)、英子さん。彼らの会話からは、彼らが長年向き合ってきたフラメンコへの情熱が感じられた。そして、ここグラナダで外国人がフラメンコに向き合うのは並大抵の事ではなかっただろうと思うと、胸が熱くなった。 ◆Bar Tacon サンニコラス展望台で知り合ったManuelがライブに誘ってくれた。 ライブの後半はお客さんが次々に出てきて唄う。Carteroは唄ったり弾いたり大活躍。 ギターのManuelもCarteroの伴奏でSoleáを唄った。みんな何でもできるんだなぁ。さすがフラメンコの国。 ◆Cucharita 帰国する前日、Cucharitaを夕食に誘った。Carteroの話だと彼は16歳の頃、カマロンが好きでよく唄っていたらしい。 Carteroは、いつか日本で一緒にライブをやろう!と連絡先を聞いていた。実現してほしいなぁ。 ◆3月12日 Granada~Madrid バスターミナルに行くと、Cucharitaが見送りに来てくれていた。 25年前も同じように見送ってくれたらしい。 Cucharitaは少し前に彼が出したCDをみんなにプレゼントしてくれた。CDにサインをしてもらい、バスが出るまでのつかの間、話したり唄ったりしながら別れを惜しんだ。 ◆3月13日~14日 Madrid ~日本へ 約1ヶ月のスペイン旅行。 思えば奇跡のような出会いがいくつもあった。 Carteroは、 「やっぱりスペイン行かなあかんね!毎年恒例にするぞ!」と、飛行機の中で、もう来年の計画を立て始めていた。 帰りの機内食、あんまり美味しくない~と文句を言いながらも、ごはんと味噌汁があるとやっぱりホッとするな~と嬉しそうだった。 旅が終わるのは寂しいけれど、フラメンコの旅はまだまだこれからも果てしなくつづく。 おつかれさまでした。 2016年3月14日 (Fin.) ©近藤佳奈 【筆者プロフィール】 金高荘子(Soko Kanetaka)/幼少期から音楽に触れ、学生時代にはロックなどのバンド活動を通し音楽に親しむ。2002年にフラメンコと出会い、2010〜2024年に瀧本正信氏に師事。短期渡西を繰り返しながら現在も研鑽を重ねている。 =====
- 【news】立川フラメンコ2026
(miércoles, 22 de abril 2026) 2004年から毎年GWに東京・JR立川駅南口エリアの街を彩る恒例イベント、『立川フラメンコ』が4月28・29日に開催されます。 28日は夕方から前夜祭が行われ、メインの29日当日はすずらん通りにて「ストリート・セビジャーナス・パレード」や、特設ステージやライブハウスでの白熱したライブ、また駐車場ビルの屋上に開設される特設カセタなど、盛りだくさんのフラメンコ企画が行われます。 現地ではクーポン券付きのプログラムチラシが配布されますので、お得情報も一緒にゲットして、初夏のアウトドア・フラメンコを楽しんでみませんか? 【第23回立川フラメンコ】 [前夜祭]4月28日(火)17:00~20:00 JRAウインズ立川A館 [メインイベント]4月29日(水祝) ●ストリート・フラメンコ『セビジャーナス』 すずらん通り 12:20~13:40 ●ライブステージ ・すずらん路上ステージ 11:00~12:00 オープニングステージ 14:00~14:30 FLESPON全国学生フラメンコ連盟 14:45~15:30 堀江朋子と仲間たち(出演:堀江朋子 奥濱春彦 脇川愛 山田あかり 菅沼聖隆) ・JRAウインズ立川A館 11:00~16:10 ・ライブハウスBABEL 11:00~16:00 ・ライブハウス立川HeartBeat 11:00~16:00 ●三幸駐車場屋上特設『カセタ』12:00~16:00 【公式サイト】 https://flamenco-tachikawa.tokyo/index.html =====
- アーティスト名鑑 vol.33
(martes, 24 de marzo 2026) スペイン在住30年以上、多数の一流フラメンコ・アーティストらとも親交のあるフラメンコ・ジャーナリスト志風恭子が、歌・踊り・ギターそれぞれの代表的アーティストらのプロフィールをピックアップ。過去の取材で撮影した写真や、チェックしておきたい動画などもご紹介します。 文・写真/志風恭子 Texto y fotos por Kyoko Shikaze *名鑑登場アーティスト一覧は こちらから エスペランサ・フェルナンデス(カンテ) ハビエル・ラトーレ(バイレ) ペドロ・シエラ(ギター) Esperanza Fernández Vargas Sevilla 11-7-1966 エスペランサ・フェルナンデス 1966年7月11日セビージャ生まれ 現在一番いいカンタオーラと評した人もいる実力派。歌い手クーロ・フェルナンデスの長女で、父譲りのトリアーナの歌、母ペパゆかりのレブリーハの歌を得意とする。両親、そして弟たち、ギタリストのパコ、踊り手のホセと共にファミリア・フェルナンデスとして各地のフェスティバルなどに出演。母の妹コンチャ・バルガスを加えて1985年に新宿“エル・フラメンコ”にも出演しているが、それ以前にマリオ・マジャ舞踊団『アマルゴ』にも出演するなど若い頃から活躍。1994年のビエナルでの作品『ア・オスクーラス』出演以降、歌い手としての安定感が増し、ソロだけでなく、オーケストラとの共演でファリャを歌い、ジャズミュージシャンたちとの共演など活躍の場を広げた。ソロアルバムも3枚リリースしている。また2006年頃から当時の夫と開講したアカデミアでクラスをはじめ、後にはヘーレン財団などでも指導にあたっている。 2007 en La Unión 【動画】 1989年カナルスールの番組にファミリアで出演。ブレリアを歌う。最初、踊りを習っていただけに踊りも上手。 2007年発表のアルバム『レクエルドス』収録のブレリアのプロモーションビデオ。 ホセミ・カルモナ伴奏のタンゴのプロモーション。ヘアスタイルが黒人風だけどビデオにはトリアーナの風景や人たちも出演。 『恋は魔術師』をセビージャ交響楽団との共演で。 2012 Sevilla クラスで教える 2021 Sevilla新譜発表記者会見 1988 ディエゴ・カラスコのコーラスを務めたヘレス公演の楽屋にてエレナ・アンドゥーハルと Javier Antonio García Expósito "Javier Latorre" Valencia, 12-6-1963 ハビエル・ラトーレ 本名ハビエル・アントニオ・ガルシア・エスポシト 1963年6月12日バレンシア生まれ 子供の頃から歌って踊り舞台に立ち1979年スペイン国立バレエ団入団、ソリスト、第一舞踊手に昇格。退団後はコルドバに居を移し1988年舞踊団を旗揚げ、89年コルドバのコンクールで史上初のアントニオ賞受賞。ビセンテ・アミーゴのグループなどで活躍し、94年ラ・ウニオンのコンクール優勝。その頃から振付家として本格的に活動を始め、98年スペイン国立バレエ団に『ポエタ』、アンダルシア舞踊団に『コサス・デ・パジョス』を振り付け、その後もムルシア舞踊団などに振付。2007年からは小島章司の作品も多く手がけている。舞踊家として残像が残るような優雅さが特徴的だった彼の振り付けは、群舞の一人一人までよく目が行き届いた、ドラマチックなものが多い。コルドバでも多くの若手を育て、ヘレスのフェスティバルではこれまでずっと講師を務めるなど教授歴も長く、世界中でクラスを行っている。 2022 Jerez 【動画】 1990年のアレグリアス。歌はフアン・レイナとエンリケ・ソト。ギターはモライートとパコ・セラーノ(?)。 2019年、コルドバでの公演から。 スペイン国立バレエ団『ポエタ』当時監督のアイーダ・ゴメスと共にアントニオ・ナハロ前監督、ルベン・オルモ現監督などの顔も見える。 2017 Málaga en Flamenco 2017 Cursillo de Festival de Guitarra Córdoba 2022 Festival de Jerez fin de curso de coreografía 1992年頃 Sevilla Pedro José Sierra Marín "Pedro Sierra" L'Hospitalet de Llobregat (Barcelona) 24-11-1966 ペドロ・シエラ 本名 ペドロ・ホセ・シエラ・マリン 1966年11月24日バルセロナ県オスピタレ・デ・ジョブレガ生まれ 8歳でギターを習い始め9歳で初舞台。ペーニャやタブラオで活躍し80年代半ばにマドリードに出て、カルメン・リナーレスやハビエル・バロン、アントニオ・カナーレスらの伴奏で活躍。クンブレ・フラメンカ舞踊団で世界中で公演。歌い手ラ・トバラと結婚、彼女の故郷セビージャに移り、マリオ・マジャ、マヌエラ・カラスコ、ファルーコ・ファミリー、イスラエル・ガルバンら第一線で活躍するアーティストを多く伴奏。伴奏録音多数の他、ソロアルバムも3枚。2007年からはクリスティーナ・ヘーレン財団フラメンコ芸術学校ギター科教授として後進の指導にも当たる。伴奏での活躍の印象が強いがソロも絶品。経験と知識で裏打ちされた演奏は美しいメロディ、スピード感、強靭なコンパスと全てを兼ね備えている。 2019 Teatro Flamenco de Triana, Sevilla 【動画】 2024年ウエルバで開催された第4回ウエルバ・フラメンコ・ギター・コンベンションでの演奏。 1989年カナルスールのフラメンコ番組でのソロ 2008年フラメンコ番組でのブレリア イスラエル・ガルバン、パストーラ・ガルバンを伴奏 2017 Fundación Cristina Heeren 1988 Salón de Acto de Caja Madrid con Carmen Linares 1992 セビージャ万博アンダルシア館ファルーコファミリーを伴奏 【筆者プロフィール】 志風恭子(Kyoko Shikaze) /1987年よりスペイン在住。セビージャ大学フラメンコ学博士課程前期修了。パセオ通信員、通訳コーディネーターとして活躍。パコ・デ・ルシアをはじめ、多くのフラメンコ公演に携わる。 =====
- アーティスト名鑑 vol.34
(martes, 21 de abril 2026) スペイン在住30年以上、多数の一流フラメンコ・アーティストらとも親交のあるフラメンコ・ジャーナリスト志風恭子が、歌・踊り・ギターそれぞれの代表的アーティストらのプロフィールをピックアップ。過去の取材で撮影した写真や、チェックしておきたい動画などもご紹介します。 文・写真/志風恭子 Texto y fotos por Kyoko Shikaze *名鑑登場アーティスト一覧は こちらから ロサリオ・ラ・トレメンディータ(カンテ) ダニ・デ・モロン(ギター) アナ・モラーレス(バイレ) Rosario Guerrero Rosario La Tremendita Sevilla. 1-7-1984 ロサリオ・ラ・トレメンディータ 本名ロサリオ・ゲレーロ 1984年7月1日セビージャ生まれ ギターやベースも演奏し、作詞作曲も手がけるマルチな才能のロサリオはトリアーナ生まれ。父はタブラオなどで活躍の歌い手ホセ・エル・トレメンドで、芸名のトレメンディータはそこから。今は弟も歌い手でセビージャのタブラオなどで活躍中。小さい時から歌い始め、2002年にはラ・ウニオンのコンクールでファイナリストに。2004年にはコルドバのコンクールで優勝、ペーニャやフェスティバルへと活躍の場は広がり、またソロだけでなくベレン・マジャやロシオ・モリーナ、アンドレス・マリンらへの舞踊伴唱でも活躍。2010年には初のソロアルバムを発表して以来、これまでに4枚のアルバムをリリース。伝統的なフラメンコを敬愛しつつも現在の自分の言葉で語るフラメンコ。片側刈り上げ金髪や顔ピアスなどのパンクな風貌も過去のものとなり、新しい時代に突入したのかもしれないが、tremendaものすごい彼女の活躍は止まりそうにない。 2019 Archidona(Málaga) 2007 Antequera(Málaga) espectáculo de Rocío Molina 2021 Sevilla 父と弟と 2023, Vela de Triana 【動画】 2002年のフラメンコ番組から。ソレア・ポル・ブレリア 2014年、ロシオ・モリーナとの公演、オランダのビエナルのためのプロモーションビデオ。 2022年に公開された新譜プロモーションビデオ 2024年ビエナルで初演されたカイータとの作品から Daniel López Vicente “Dani de Morón” Sevilla, 6-9-1981 ダニ・デ・モロン 本名ダニエル・ロペス・ビセンテ 1981年9月6日セビージャ生まれ 幼い頃から住んでいるモロンの名前を芸名にしたダニ。モロンでギターを学び舞踊伴奏を志してセビージャへ。マティルデ・コラルの教室で弾きはじめ、1999年にはマティルデの弟、ミンブレの伴奏でプロとしてのスタートを切り、後、アントニオ・カナーレスやマヌエラ・カラスコの伴奏で活躍。また、2007年にはパコ・デ・ルシアのセクステットでニーニョ・ホセーレの代役を務める。2012年ソロアルバムをリリース。以来これまでに合計4枚のCDを発表。ソリストとしてだけでなくパトリシア・ゲレーロらへの舞踊伴奏、アルカンヘルらの歌伴奏も継続して活躍中。その演奏は一般に思い描くモロンの古風なトーケではなくずっとモダンなものなのだが、その中にも伝統は息づいている。 2025 Peña Torres Macarena, Sevilla acompañando a Patricia Guerrero 2007 Málaga con Javier Barón 2007 Cádiz con Paco de Lucía 2017 Festival Internacional de Cante de las Minas La unión (Murcia) acompañando a Arcangel 【動画】 2011年のリサイタルから。 2013年カナルスールの番組での演奏。 2020年バルセロナでパトリシア・ゲレーロとファルーカで共演。最初の4分半は足だけでギターはそのあとで始まる。 2020年ビエナルでの公演からのプロモーションビデオ Ana Morales Moreno “Ana Morales” Barcelona, 1982 アナ・モラーレス 本名アナ・モラーレス・モレーノ 1982年バルセロナ生まれ エレガントで官能的。完璧な身体のコントロール、確かな技術と表現力。フラメンコの基本を究めた上でのモデルノ。アナ・モラーレスは彼女ならではの魅力と実力を兼ね備えた踊り手。バルセロナの舞踊学院で舞踊を習い、16歳で父の故郷セビージャへ。アンダルシア舞踊センターに学び、2001年ホセ・アントニオ監督時代のアンダルシア舞踊団入団、4年間在籍。退団後はハビエル・ラトーレ、ハビエル・バロン、アンドレス・マリンらのカンパニーで活躍。2009年にはウニオンのコンクールで優勝、2010年に最初の自分の作品『デ・サンダリア・ア・タコン』をヘレスのフェスティバルで初演。以後これまでに7作品を発表しているほか、ルベン・オルモの舞踊団やダビ・コリアらとも共演。ラファエラ・カラスコ監督時代のアンダルシア舞踊団ではソリストも務めた。2022年スペイン文化省の舞踊国家賞受賞。同時受賞したアンドレス・マリンとの『マタリフェ/パライソ』が最新作。 2025 en Peña Torres Macarena Sevilla 2009 La Unión 【動画】 2009年、ラ・ウニオンのコンクールでグアヒーラ 同コンクールでのタラント 2015年セビージャ、トーレ・デ・ドン・ファドリケでの『ロス・パソス・ペルディードス』 2017年パンプローナのフェスティバル、フラメンコ・オン・ファイアでカルメン・リナーレス、アルカンヘル、マリナ・エレディアとのブレリア 2015 Jerez 【筆者プロフィール】 志風恭子(Kyoko Shikaze) /1987年よりスペイン在住。セビージャ大学フラメンコ学博士課程前期修了。パセオ通信員、通訳コーディネーターとして活躍。パコ・デ・ルシアをはじめ、多くのフラメンコ公演に携わる。 =====
- 《CARMENCITA. COM 〜カルメンシータドットコム〜》
Con Daniel Torres y Jacob Guerrero ダニエル・トーレスとハコブ・ゲレーロを迎えて (lunes, 20 de abril 2026) 日程 2025年10月18日(土) 場所 ShowレストランGARLOCHÍ(東京・新宿) 写真/佐藤尚久 Fotos por Naohisa Sato 文/金子功子 Texto por Noriko Kaneko 2024年にスペイン舞踊家の小池朱美が招聘した、カディスの舞踊家ダニエル・トーレスとサンルーカル出身の舞踊家ハコブ・ゲレーロによる来日クルシージョで教わったカルメンの振付を、一緒に受講したプロダンサーらとともに舞台作品として披露するフラメンコライブが行われた。 オープニングからさっそく今回のメイン作品となる「カルメン」の群舞で、観客を引き込んでいく。世界的にも有名なオペラ作品でもあるカルメンの音楽をモチーフとしたモダンなアレンジ曲に乗せて、3人の女と二人の男の絡み合いを演出しながら踊りを展開していく。特に女性3人による群舞では、黒のトップスに色違いのファルダという揃いの衣装で息の合った踊りを披露。半年以上前から一緒に練習を重ねてきたといい、ムーディーな照明とともにカルメンの世界観をたっぷり表現した見応えのある一曲となった。 ミュージシャンらのソロでは、ギターとバイオリンによる穏やかなメロディーのグアヒーラが奏でられる。そこにのびやかにたっぷりと歌うパコのカンテが加わり、山本のソロのグアヒーラへと続いていく。滑らかな身のこなしで優美に舞い、少女のような純真さを見せたかと思うと大人の色香を感じさせるような雰囲気も見せたりと、いろいろな表情に目が離せなくなる。 黒のマントンシージョをまとい登場した林が踊るソレア。抑制のきいたしっとりとした踊りで、その内側にある秘めた情熱が感じられる。長い腕を生かして表現豊かに踊る姿は気迫に溢れ、細やかに奏でられる足技は丁寧でしっかりした音色を響かせる。 今回のスペシャルゲストとして出演したハコブのソロはシギリージャ。かつてはアントニオ・ガデス舞踊団で主席ダンサーを務めるなど、姿勢の良い端正な踊りとドラマティックな表現力に目を見張る。長身の体でみせるダイナミックな踊りや深い溜めのある動き、そして正確でクリアな足技の音はまさにフラメンコの醍醐味だ。 小池は得意のバタとマントンによるアレグリアス。黒地に金の模様や縁取りをあしらったバタデコーラを自在に操り、サーモンオレンジに金の刺繍の大判のマントンで表現豊かに楽しそうに舞う。その姿には明るさと上品さが感じられ、華やかな存在感を醸し出していた。 ラストはダニエルのカーニャ。小池が長年にわたり信頼を寄せる舞踊家であり、メリハリの効いた踊りはレマーテのキレも良く、リズムの波に乗って遊ぶように踊る姿は野性的な魅力に溢れる。これまでスペインの数々の名門舞踊団で活躍してきたというその舞踊技術や表現力は素晴らしく、足技の展開も見事で大トリにふさわしい一曲を魅せてくれた。 一つのクルシージョのプログラムをきっかけに、みんなで作品作りに打ち込みその努力の結晶となった舞台作品が披露された今回のライブ。今作もまた「カルメン」という名作から誕生したひとつの独創的な作品として、出演者それぞれの個性も楽しめた充実の一夜であった。 【出演】 バイレ:小池朱美 林 由美子 山本秀子 (スペシャルゲスト) ダニエル・トーレス ハコブ・ゲレーロ ギター ミゲル・イグレシアス カンテ パコ・プラテアオ バイオリン 三木重人 =====











