小松原庸子スペイン舞踊団《2024真夏の夜のフラメンコ》
- norique
- 7月29日
- 読了時間: 4分
更新日:7月30日
第53回野外フェスティバル
(martes, 29 de julio 2025)
2024年7月27日(土)
日比谷野外大音楽堂(東京)
文・写真/金子功子
Texto y fotos por Noriko Kaneko

ひとつの公演企画が50年以上続くとは、まさに偉業と言えるだろう。
日本でのフラメンコの夏の風物詩として親しまれる野外フェスティバル「真夏の夜のフラメンコ」が、昨年7月に日比谷野音で開催された。
雨天決行のため悪天候でも毎年公演を重ね、今回で53回目。この2025年秋から予定している会場の建替工事を受けて、野音での「最後の真夏」となった。
オープニングは、『どよめき』という若者らのグループによる、太鼓やミニシンバルなどの打楽器や笛を使った若々しく活気ある演奏からスタート。
続いて闘牛士姿の男性舞踊手らと美しい女性舞踊手らによる迫力ある群舞エスパーニャ・カニーをはじめとするスペイン舞踊や、子供たちや女性群舞による華やかなフラメンコ舞踊と、個性が光る魅力的な舞曲が次々に繰り広げられる。
ソロやパレハ(ペア)による7曲の舞踊によるクアドロ・ステージでは、それぞれが気迫に満ちた渾身の一曲を披露。そして、ムーディーな演出のリベルタンゴ、全日本フラメンココンクールの入賞者やファイナリストらによるタンゴ・イ・ティエント、ベテランと若手の男性舞踊手らによるマルティネーテ、小松原舞踊団員らによるラ・ビダ・ブレベやアレグリアスなど、見応えのある群舞が続いた。

フィナーレは全員参加のセビジャーナス。ステージを埋め尽くした出演者たちや、舞踊団員や研究生らは客席通路に出て踊れる観客を交えて踊ったり、最後には主催の小松原も舞台で一振り踊って会場を沸かせた。
観客も出演者も和やかな空気に包まれながら、半世紀以上の歴史を刻んだ真夏のフェスティバルは幕を閉じた。
挨拶で小松原は「またどこかでお目にかかれたら」と語った。野音の再開は数年後だが、ひとりひとりのフラメンコを愛し大切にしたいという思いがあるなら、場所を変え形を変えてでも、次の世代へと受け継がれていくことだろう。
そして今年は、舞踊団のお膝元である東京・高円寺氷川神社の境内で「2025真夏の夜のフラメンコ」が8月9日に開催されることが決まった。公演規模はもちろんこれまでとは違うが、これから新たな夏の風物詩として、再び多くの人達に楽しんでもらえることを期待したい。

【プログラム】
イントロダクション:打響伝(どよめき)
1. エスパーニャ・カニー
2. トレロ(奥濱春彦 クリスチャン・デ・ラ・フエンテ ボルハ・レブロン)
3. アラゴネサ
4. ソレア・ポル・ブレリア(カンデーラ発ともだち列車たからもの号)
5. ブレリア(Las 4 petirrojas/篠田三枝 島崎リノ 福山奈穂美 松島かすみ)
6. ソロンゴ(鈴木敬子 クリスチャン・デ・ラ・フエンテ)
7. カラコレス
8. カーニャ(入交恒子フラメンコ教室アカデミアマルガリータ)
9. ガロティン
10. セビジャーナス
11. クアドロ:
・バンベーラ(田村陽子)
・ソレア・ポル・ブレリア(幸田愛子)
・カンティーニャ(松 彩果)
・タラント(鍜地陽子)
・カーニャ(二村広美)
・グァヒーラ(大槻敏己 津幡友紀)
・シギリージャ(中田佳代子)
12. リベルタンゴ
13. タンゴ・イ・ティエント
14. ラ・ビダ・ブレベ
15. マルティネーテ
16. アレグリアス
17. フィナーレ:みんなで踊ろうセビジャーナス
【出演】
小松原庸子スペイン舞踊団
中島朋子 松尾美香 北山由佳 藤川淳美 関 真知子 横山さやか
伊集院久美子 髙橋麻木 林 美奈子 鈴木小登子 阿部智恵 平田小織 久保智恵 柴垣由紀 金光三枝子 高橋ひとみ 勝呂公美子 福田 薫 黒澤真弓 北詰桂子 宮下香鈴 鬼頭篤子
クリスチャン・デ・ラ・フエンテ
ボルハ・レブロン
奥濵春彦
鈴木敬子
入交恒子
田村陽子
松 彩果
Las 4 petirrojas(篠田三枝 島崎リノ 福山奈穂美 松島かすみ)
大槻敏己 津幡友紀 鍜地陽子 中田佳代子 二村広美 幸田愛子
山本 涼
入交恒子フラメンコ教室 アカデミアマルガリータ
カンデーラ発ともだち列車たからもの号
第5回全日本フラメンココンクール入賞者&ファイナリスト
伊藤笑苗(バイレ部門優勝)
齋藤克己(カンテ部門優勝) 熊谷善博(カンテ部門準優勝)
南 豪(小松原庸子特別賞)
松下ひろみ 福岡由理 千葉真優美 大里尚子 佐藤陽美 中村太香子
平田かつら(第4回小松原庸子特別賞)
ヴァイオリン:寺島貴恵
カンテ:チェマ 井上 泉
ギタリスト:髙橋紀博 長谷川 暖
カホン:山本将光
パーカッション:橋本容昌
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