スペインNews 1月号・2026
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更新日:2 日前
(martes, 6 de enero 2026)
文・写真/志風恭子
Texto y fotos por Kyoko Shikaze
12月といえばなんといってもクリスマス! 街のあちこちに美しいイルミネーションが輝き、教会はもちろん、駅やホテル、空港などにもクリスマスツリーやナシミエントと呼ばれるキリスト生誕の場面のお人形やその周りの景色、家々や店、畑や川なども描きジオラマのようにしたベレンと呼ばれるものが飾られたりして、フィエスタのムードを高めます。フラメンコ好きはフィエスタ、というとフラメンコの宴を思い浮かべるかもしれませんが、宴と共に、祝日やお祭りのこともフィエスタといいます。元々カトリック国だったスペインではクリスマス、12月25日は、1月1日や公現の主日(東方の三博士が幼な子イエスに贈り物を持って現れたとされる)の1月6日も祝日です。クリスマスと大晦日は家族が集まってご馳走を食べて過ごし、6日はプレゼントを贈るのが習慣なので、12月となるとプレゼントを買ったりご馳走を準備したりと街中はウキウキ、いそいそとした雰囲気になるのです。友人同士はもちろん、お店やタクシーなどでも、クリスマスおめでとう「フェリス・ナビダ」新年おめでとう「フェリス・アーニョ・ヌエボ」などと挨拶交わしたりするの、なんかあったかくて私は好きです。
《INDEX》
【ヘレスのサンボンバ】
ここ数年、すっかりメジャーになって、全国各地からの観光客をも集めるようになったサンボンバ。もともとは素焼きのツボのようなものに皮をかぶせてその真ん中に棒の先をつけ、棒を上下させることで音をだす伝統的な楽器のことなのですが、転じて、この楽器を使って伴奏してスペインのクリスマスソング、ビジャンシーコを歌う集いのことをヘレスでそう呼ぶようになりました。元々は長屋の中庭などに親戚や近所の人たちなどが集まって歌い踊る、いわば身内の宴だったもので、伝統的なものに始まり、古いロマンセなどをビジャンシーコ化したもの、そして新曲などをも集めたレコードを地元の金融機関が毎年発表することで、レパートリーも増え、またそのアルバムの中心的存在だったギタリスト、パリージャ・デ・ヘレスの存在もあって、フラメンコなビジャンシーコは次第にヘレスの外でも知られるようになってきて、現在では、楽器のサンボンバやヘレスのビジャンシーコのあるなし関係なく、クリスマスシーズンに行われるビジャンシーコを取り入れたフラメンコ公演を全てサンボンバと呼んでいるようです。30年前くらいには、全国的に歌われるもの以外に、ヘレスにはヘレスの、セビージャにはセビージャの、独自のクリスマスソングがあるという風に土地ごとの特徴があったように覚えているのですが、ずいぶん様変わりしました。
それでも断然人気があるのはヘレスのサンボンバで、ヘレスでは11月末から12月にかけて10ものクリスマスのフラメンコ公演が行われ、どれも満席だったほか、市内の広場などで教会の信者会やペーニャなどの主催でたくさんのサンボンバが行われ大いに賑わったほか、ルイス・デ・ペリキン率いる“アシ・カンタ・ヘレス・ラ・ナビダ”のようにグラナダ、セビージャ、ウエルバ、マドリードなど各地を巡演するグループも。ヘレス公演の模様を貼っておきますね。ルイスの兄姉、甥などファミリーをはじめとする若手中心で、気張らずに聴ける感じがヒットの理由でしょうか。
今年はアンダルシアの放送局、カナルスールのクリスマスのプロモーションにも出演していました。
ヘレスの公演の様子です。下に全編も貼っておきますね。
【訃報】
12月17日、ヘレスで歌い手、アルフォンソ・カルピオ・ガジャルド“エル・ミヒータ”が亡くなりました。74歳でした。歌い手アルフォンソ・カルピオ、ホセ・カルピオも歌い手。その家系を辿ればマヌエル・トーレやフアニート・モハマ、ビエホ・アグヘータ、ルビチらもファミリーだというヘレスのフラメンコ一家。プラスエラ、サン・ミゲル街、プラスエラのカンテを熟知した存在として知られていました。2024年の夏、ビエルネス・フラメンコへの出演が最後の舞台になってしまいました。ご冥福をお祈りします。
2014年ペーニャでの公演から。ギターはこれも親戚に当たるドミンゴ・ルビチ。
なお同日、マドリードで長らくプロモーターとして活躍したアレハンドロ・レジェスも生まれ故郷のアルメリアで亡くなりました。81歳。マドリードのサン・フアン・エバンへリスタ大学寮の音楽とジャズのクラブ創立者の一人で、カマロン(その最後の舞台はここだった)やパコ・デ・ルシア、エンリケ・モレンテ、ジャズではチェット・ベイカーやダイアナ・クラールなどのライブを行っただけでなく、カハ・マドリードのフラメンコ祭、アルメリア・フラメンコ祭などの制作に携わった、フラメンコの裏方の一人。今あるマドリードのフラメンコの繁栄の礎の一つを作った一人と言えるかもしれません。安らかに。
【ヘレスのフェスティバル】

11月27日ヘレスのフェスティバルのプログラムが発表になりました。30回目となる今年は、ヘレス出身のバイラオーラ、マヌエラ・カルピオがマカニータやホセ・バレンシアなど豪華なゲストを迎えてオープニングを飾り、最終日のラ・ルピまで48公演が行われます。そのうち11公演は新作初演とのこと。前売りはもう始まっていて、地元ヘレス出身メルセデス・ルイスがレオノール・レアルやサロメ・ラミレスとの共演で行う作品や、サロメのソロ作品、歌い手レラ・ソトやサンドラ・カラスコ、ギタリスト、ジェライ・コルテスの公演など8作品がすでに売り切れとのこと。フラメンコ舞踊とスペイン舞踊のフェスティバルではありますが歌やギター中心の公演もありますよ。あなたもいつかぜひ。
◇第30回ヘレスのフェスティバル
2/20(金)20時30分『ライセス・デル・アルマ』
[出]〈b〉マヌエラ・カルピオ、サライ・ガルシア、ロシオ・マリン、スサナ・カサス、特別協力〈c〉ラ・マカニータ、ホセ・バレンシア、マヌエル・モネオ“バルージョ”、エル・トロ、アンヘリータ・モントージャ、アナベル・バレンシアほか
[場]ヘレス ビジャマルタ劇場
2/21(土)18時30分
[出]〈b〉ニノ・デ・ロス・レジェス
[場]ヘレス ブラス・インファンテ文化センター
2/21(土)20時30分『フロンテーラス・エン・エル・アイレ』
[出]〈b〉ヌエボ・バレエ・エスパニョール、特別協力〈b〉エレナ・マルティン
[場]ヘレス ビジャマルタ劇場
2/21(土)23時『ソロ・ギターラ』
[出]〈g〉サンティアゴ・ララ
[場]ヘレス ラ・アタラジャ博物館
2/22(日)18時30分『ナトゥラル』
[出]〈b〉ファルー、ゲスト〈c〉ラファエル・デ・ウトレーラ
[場]ヘレス サラ・コンパニア
2/22(日)20時30分『ラ・マテリア』
[出]〈b〉オルガ・ペリセ、舞踊/ダニエル・アブレウ
[場]ヘレス ビジャマルタ劇場
2/22(日)23時『アベセダリオ・フラメンコ』
[出]〈c〉アルカンヘル
[場]ヘレス ラ・アタラジャ博物館
2/23(月)18時30分『デ・ヘレス・アル・シエロ』
[出]〈piano〉ミリアム・メンデス
[場]ヘレス ラ・ゴテラ・デ・アソテア劇場
2/23(月)20時30分『レブリサ』
[出]〈b〉 コンチャ・バルガス。〈c〉イネス・バカン
[場]ヘレス ブラス・インファンテ文化センター
2/24(火)18時30分『クエスティオン・デ・ティエンポ』初演
[出]〈b〉ディエゴ・アギラール、ウーゴ・アギラール
[場]ヘレス サラ・コンパニア
2/24(火)20時30分『ドンセジャス(フエルガ・ペルマネンテ)』
[出]〈b〉エステベス/パーニョス
[場]ヘレス ビジャマルタ劇場
2/25(水)18時30分『ラ・ファミリア』
[出]〈b〉フリオ・ルイス、ゲスト〈c〉ぺぺ・デ・プーラ
[場]ヘレス ブラス・インファンテ文化センター
2/25(水)20時30分『エル・レナセル』
[出]〈b〉サラ・カレーロ、〈c〉ヘマ・カバジェーロ、ゲスト〈コントラバス〉パブロ・マルティン・カミネロ
[場]ヘレス ビジャマルタ劇場
2/26(木)18時30分『ゲレラ』
[出]〈b〉カルメン・エレラ
[場]ヘレス ブラス・インファンテ文化センター
2/26(木)20時30分/パライソ』
[出]〈b〉アンドレス・マリン、アナ・モラーレス
[場]ヘレス ビジャマルタ劇場
2/27(金)18時30分『パイサヘ・フラメンコ・アンダルース・コン・ホンドゥーラス』
[出]〈b〉イレネ・オリバレス、ゲスト〈c〉ホセ・デ・ロス・カマロネス、パコ・モジャノ
[場]ヘレス サラ・コンパニア
2/27(金)20時30分『ロダン』
[出]〈b〉セルヒオ・ベルナル
[場]ヘレス ビジャマルタ劇場
2/27(金)23時『エル・フエゴ・ケ・ジェボ・デントロ』
[出]〈c〉レラ・ソト・ゲスト〈c〉ビセンテ・ソト、ルイサ・エレディア、〈g〉ディエゴ・デル・モラオ、クーロ・カラスコ、リカルド・モレーノ、ダビ・セレドゥエラ
[場]ヘレス ラ・アタラジャ博物館
2/28(土)18時30分『カルネ・デ・ペッロ』
[出]〈b〉エレナ・マルティン
[場]ヘレス ブラス・インファンテ文化センター
2/28(土)20時30分『ガラ・ヘレス』フェスティバル30周年記念
[出]〈b〉メルセデス・ルイス、レオノール・レアル、サロメ・ラミレス、特別協力〈b〉アンへリータ・ゴメス、アナ・マリア・ロペス、チキ・デ・ヘレス
[場]ヘレス ビジャマルタ劇場
2/28(土)23時『ロ・ケ・ナディエ・べ』
[出]〈c〉エセキエル・ベニテス
[場]ヘレス ラ・アタラジャ博物館
3/1(日)18時30分『ロス・マグニフィコス』
[出]〈c〉サンドラ・カラスコ、〈piano〉アンドレス・バリオス、〈b〉エル・ジジョ、〈g〉ダビ・デ・アラアル
[場]ヘレス サラ・ラ・コンパニア
3/1(日)20時30分『ラティドス』
[出]〈b〉ベレン・ロペス
[場]ヘレス ビジャマルタ劇場
3/1(日)23時
[出]〈c〉マイテ・マルティン、〈g〉ホセ・ガルベス
[場]ヘレス ラ・アタラジャ博物館
3/2(月)18時30分『ア・カマロン・イ・パコ・デ・ルシア』
[出]〈piano〉アントン・コルテス
[場]ヘレス ラ・ゴテラ・デ・アソテア劇場
3/2(月)20時30分『バベル』(ワークインプログレス)
[出]〈b〉ダビ・コリア
[場]ヘレス ビジャマルタ劇場
3/2(月)23時
[出]〈g〉ジェライ・コルテス
[場]ヘレス ラ・アタラジャ博物館
3/3(火)18時30分『パロ・コルタオ』
[出]〈b〉サロメ・ラミレス、ゲスト〈c〉ミゲル・アンヘル・エレディア
[場]ヘレス サラ・ラ・コンパニア
3/3(火)20時30分『ティエラ・ベンディタ』
[出]〈b〉アンダルシア舞踊団時代
[場]ヘレス ビジャマルタ劇場
3/4(水)18時30分『パトロン』
[出]〈b〉オルーコ、ゲスト〈b〉ロシオ・モリーナ
[場]ヘレス ブラス・インファンテ文化センター
3/4(水)20時30分『ティトゥロ・テンタティボ』
[出]〈b〉ヘスス・カルモナ
[場]ヘレス ビジャマルタ劇場
3/5(木)18時30分『レアルタ』
[出]〈c〉ホセ・モントージャ“ベレンヘノ”
[場]ヘレス サラ・ラ・コンパニア
3/5(木)20時30分
[出]〈b〉マリア・モレーノ
[場]ヘレス ビジャマルタ劇場
3/5(木)23時
[出]〈c〉アルバ・バサン
[場]ヘレス パラシオ・ビジャビセンシオ
3/6(金)18時30分『マルティニコス、レ・ディ・ア・ミ・クエルポ』
[出]〈c〉ダビ・ラゴス、〈b〉レオノール・レアル、〈g〉マヌエル・バレンシア、プロジェクト・ロルカ
[場]ヘレス ブラス・インファンテ文化センター
3/6(金)20時30分『コロール・シン・ノンブレ』
[出]〈b〉ホセ・マジャ
[場]ヘレス ビジャマルタ劇場
3/6(金)23時
[出]〈c〉ミゲル・ラビ
[場]ヘレス パラシオ・ビジャビセンシオ
3/7(土)18時30分『アルテ』
[出]〈b〉ベアトリス・モラレス
[場]ヘレス ブラス・インファンテ文化センター
3/7(土)20時30分
[出]〈b〉ラ・ルピ舞踊団、ゲスト〈b〉ミゲル・アンヘル・コルバチョ
[場]ヘレス ビジャマルタ劇場
【筆者プロフィール】
志風恭子(Kyoko Shikaze)/1987年よりスペイン在住。セビージャ大学フラメンコ学博士課程前期修了。パセオ通信員、通訳コーディネーターとして活躍。パコ・デ・ルシアをはじめ、多くのフラメンコ公演に携わる。
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