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《エンリケ坂井 TOQUE, CANTE 77.7》

  • norique
  • 4 日前
  • 読了時間: 4分

(sábado, 31 de enero 2026)

 

2025年10月10日(金)

SHOWレストラン GARLOCHÍ (東京・新宿)


写真/川島浩之

Fotos por Hiroyuki Kawashima

文/金子功子

Texto por Noriko Kaneko


A_web_エンリケ坂井251010
フィン・デ・フィエスタではギタリスト全員で演奏

16歳から本格的にフラメンコギターを学び始め、やがてカンテの魅力にも目覚め60年以上にわたり純粋なフラメンコを愛し追求し、ライブ演奏やCD制作・編集にも精力的に取り組んでいるエンリケ坂井の喜寿を祝う記念リサイタルが開催された。実際には誕生日から7ヶ月過ぎていることから、公演名は『77.7』。ラッキーセブン揃いで縁起がいい。


プログラムは1部がギターソロを中心に、かねてより憧れ敬愛するスペインのギタリストから学んだ曲を揃え、2部ではそれぞれ縁のあるギタリストらの伴奏でカンテソロを披露。また特別ゲストには同じ時代に共に活躍した盟友の三澤勝弘と、踊り手でありパートナーの佐藤佑子が出演した。


1曲目のソレアは、集中して気合を込めて披露した一曲。深い音色を奏でながら不思議と重く感じない。むしろスペインの乾いた空気を突き抜けるようなカラッとした爽やかさが残る。


ティエントは、2025年7月に亡くなったというペリーコ・デル・ルナール(Ⅱ世)から学んだ曲。「あんな音で弾けたらいいな」と思っていたと言い、他にもディエゴ・デ・モロンといったギタリストたちからも直接教えを受けられたのが良かった、とかつてを振り返る。渋く味わい深い音色を聴かせ、敬愛する先達への思いがほとばしるようにギターをかき鳴らす。


土地の陽気さが伝わるタンギージョ・デ・カディス。歌い手のマノロ・バルガスやペリコンが醸し出すカディスの気性やグラシア(気品)といった、あの雰囲気をギターで出したいという。洒落っ気のある軽快さの中で音を楽しむような、遊び心のある演奏が楽しい。


そして1部の最後は三枝のパルマとともにブレリアを披露。伝統的な味わいのあるフレーズを次々と繰り出し、さらに拍手の後にはプチアンコールにも応えてくれた。


2部はカンテソロを中心に構成。カンティーニャスでは久保のやわらかい音色のゆったりした伴奏で、メリスマの効いた節回しを利かせる。


マラゲーニャを伴奏する西井は現在エンリケにカンテ伴奏を習っているといい、泣きを誘うような歌に寄り添うようにギターを奏でる。


そしてカンテソロ最後の曲は三澤の伴奏でのシギリージャ。嘆きのカンテをギターがどっしり受け止める。エンリケがスペインから帰国した後に二人でコンサートをやるほどの旧知の仲で、スペインでも今はこういうギターを弾く人はいない、と三澤を絶賛する。


ラストの曲は、佐藤が踊るアレグリアスを伴奏する夫婦共演。70年代にマドリードのタブラオで長期出演していたという佐藤の踊りはシンプルでストレート。ヒターノの踊りを彷彿させた。


フィン・デ・フィエスタでは全員が舞台に上がり、一人ずつファルセータを披露。最後はエンリケの歌とギタリスト全員による伴奏で、三枝と佐藤のパレハのセビジャーナスで舞台を締めくくった。


60余年にわたる演奏活動で作り上げてきた唯一無二の音色で、フラメンコギター本来の魅力を堪能させてくれた今回のコンサート。ギターを弾きカンテを歌い、その横顔にはフラメンコに夢中な少年の面影がそのまま残っていた。


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【出演】

エンリケ坂井


(特別ゲスト)

バイレ 佐藤佑子

ギター 三澤勝弘


ギター 江戸裕 久保守 西井つよし

カンテ 有田圭輔

パルマ 三枝雄輔 佐藤幸子


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【プログラム】

1部 ギターソロ

1. ソレアレス

2. ティエントス

3. タンギージョス

4. ブレリアス(パルマ:三枝雄輔)


2部

1. カンティーニャス

(カンテ:エンリケ坂井、ギター:久保守)

2. マラゲーニャス

(カンテ:エンリケ坂井、ギター:西井つよし)

3. シギリージャス

(カンテ:エンリケ坂井、ギター:三澤勝弘)

4. アレグリアス

(バイレ:佐藤佑子、カンテ:有田圭輔、ギター:江戸裕、エンリケ坂井、パルマ:三枝雄輔、佐藤幸子)

5. フィン・デ・フィエスタ

(全員)


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