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《Juana Amaya & Pepe Torres group》ガルロチ公演

  • norique
  • 2 日前
  • 読了時間: 3分

(miércoles, 29 de octubre 2025)

 

2025年10月23日(木)〜11月9日(日)

ShowレストランGarlochí(東京・新宿)


写真/近藤佳奈

Fotos por Kana Kondo

文/金子功子

Texto por Noriko Kaneko

 

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オープニングのブレリア・デ・モロン

 

エルフラメンコ時代から合わせて50年以上にわたり新宿伊勢丹会館にてスペイン人グループを招聘してフラメンコショーを行い、2016年から営業を引き継いできたガルロチが年内をもって閉店することが発表されてから初めてとなるスペイン人グループ公演が初日を迎えた。


今回出演するアーティストは、ともにモロンで生まれ育ち、今やスペインでも最高峰のフラメンコ舞踊手と評されるフアナ・アマジャとペペ・トーレス。

共演には、カンテに昨年のカンテ・デ・ラス・ミナスのコンクールでシギリージャとマラゲーニャの2部門で優勝を収めたイバン・カルピオと、かつてエルフラメンコ時代に2回ほど半年間の公演に出演したカディス出身のレジェス・マルティンが出演。

そしてギターには鮮やかな超絶テクニックで日本でもファンの多いエル・ペルラが、待望のガルロチ初登場となった。


2部制による公演プログラムは2種類用意され、初日はAプログラム。プレゼンテーションは、踊り手二人の故郷であるモロンのブレリアだ。テーブルを囲むように半円状に並べられた椅子にそれぞれ座り、ペルラのギターを軸にパルマやハレオ、ヌディージョで濃密なフィエスタの空気が広がっていく。さらに気持ちを高揚させるようなイバンの歌や、レジェスのハスキーで懐の深い歌声で、ブレリアの醍醐味を堪能させてくれる。

歳を重ねますます脂が乗ったペペの踊りは、持ち味のキレの良さや抜け感も楽しくずっと目が離せない。一方フアナは対照的に、抑えた動きの中から内面の激しさが溢れ出るような力強い踊りをみせ、衣装の色とともにその姿は真紅の炎のようだ。


カンテソロはイバンがマラゲーニャとアバンドラオを披露。さらにキャリアを重ねたその歌いぶりは堂々として安定感があり、細やかな音の動きもなめらかに艶と伸びのある歌声を会場に響かせた。


1部のペペのソロはソレア。黒のスーツに白のベストで、おしゃれで正統派な印象。踊る姿勢は整った輪郭を描き、ジャケット使いが小気味良くダンディでかっこいい。リズミカルでトリッキーな足技の連続にはワクワクが止まらず、観ていて幸せな気持ちに包まれた。


フアナのシギリージャは、高い集中力で気迫が全身からみなぎる踊り。感じるままに無心で連打するエスコビージャは彼女の魂の叫びそのままのよう。骨太の分厚いギターの響きと相まって、渾身の一曲を見せつけた。


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Juana Amaya/シギリージャ


休憩をはさんで2部の始まりは、ペルラのギターソロによるマラゲーニャ。低音の深い響きから高音のやさしい音色まで、鮮やかな指さばきで多彩なフレーズを聴かせてくれた。


ペペのカンティーニャスは楽しさが詰まった一曲。美しくブレないお手本のようなマルカールや、跳んだり跳ねたりひねったり、足音やパルマや全身を使ってのコンパス遊びはさすがの一言。


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Pepe Torres/カンティーニャス


最後はフアナのソレア。女性的でありながらも力強く、激しい本能のままに踊る姿は観る者の胸を打つ。機関銃を撃つように足を連打し、惜しみなく全力を捧げて踊る彼女の姿は感動的だった。


これだけの素晴らしいアーティストが集結した公演をスペインに行かなくても日本で観られるというのは、多くの関係者らの協力と奔走の努力の賜物である。

公演は11月9日まで休演日なく開催されるので、この貴重な機会を逃さず、ぜひ本場のフラメンコを体感してほしい。


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フィン・デ・フィエスタ



【出演】

B. Juana Amaya(踊り:フアナ・アマジャ)

B. Pepe Torres(踊り:ぺぺ・トーレス)

C. Reyes Martín(唄:レジェス・マルティン)

C. Iván Carpio(唄:イバン・カルピオ)

G. El Perla(ギター:エル・ペルラ)


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