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faroles para futuros flamencos 〜未来への道標〜 vol.4

(viernes, 28 de junio 2024)

 

大阪を拠点に活動し、劇場公演からタブラオライブまで日本各地で活躍する今人気急上昇中の若手フラメンコダンサー、出水宏輝さんのエッセイを2か月毎に全6回、1年間にわたりお届けします。

第4回となる今回は、コンクールや新人公演に出場したエピソードについて語っていただきました


文/出水宏輝

Texto y fotos por Kouki Demizu

写真/大森有起

Fotos por Yuki Omori

 

A_2406_出水宏輝ph1 ©大森有起
新人公演 Alegrías ©大森有起

いつもご覧いただきありがとうございます!

「faroles para futuros flamencos〜未来への道標〜」第4回目は「コンクール&新人公演への挑戦」についてお話ししたいと思います。


ソロリサイタルを終えた翌年から、全日本フラメンココンクールとフラメンコ・ルネサンス21「新人公演」に挑戦しました。


B_2406_出水宏輝ph2 ©大森有起
第1回全日本フラメンココンクール ©大森有起

2018年、全日本フラメンココンクールに挑戦したのは第1回目のとき。出ようと思ったきっかけは、カメラマンの大森有起さんからのご案内。それを見つけて受けることとした僕はすぐさま申し込み。何も考えずにとにかく申し込みを急いだことを覚えています。


当時の全日本フラメンココンクールは、予選・本選いずれも会場は「インスティトゥト・セルバンテス東京」。

お金がない僕は夜行バスで行って、到着してからすぐにリハーサルをして、コンクールに挑んでから、夜行バスで帰るという金欠過密スケジュールでした。


今考えると、作り込むほどの仕上げができていない行動に猛省です………。


予選で挑戦した曲は「アレグリアス」。

前回のエッセイでお話しした、ソロリサイタルでも踊ったファルキートとエドゥアルド・ゲレロに振り付けてもらった「アレグリアス」を5分にまとめて踊りました。


伴奏は、ギターを東京在住の尾藤大介さんに、カンテは小松美保さんにお願いしました。小松さんは以前に共演させていただいたことがあって、歌の雰囲気やレトラの感じをイメージした時にアレグリアスはお任せしたい、と思いお願いしました。


そして予選通過!

本選にも挑戦することとなりました。


本選は「ソレア」を踊りました。

ギターを引き続き尾藤さんに、カンテは歌っていただきたいレトラがあったので大阪在住の小山奈美さんにお願いしました。

この時の「ソレア」は特に振り付けてもらったものではなく、これまで見て学んできたものを用いて、初めて自己流に作ったもので挑戦しました。


結果は優勝とはなりませんでしたが、予定になかった【努力賞】を受賞することができました。

もちろん受賞して終わりではないけど、これをきっかけに次の新人公演出場のモチベーションへとつながりました。


C_2406_出水宏輝ph3 ©大森有起
第1回全日本フラメンココンクール ©大森有起

翌年の2019年、第28回フラメンコ・ルネサンス21「新人公演」は抽選にも通り、やっと参加できることとなりました。


新人公演では、出場前から「アレグリアス」を踊ることを決めていました。

コンクール、新人公演、ライブ、公演など全ての本番を迎える時に、必ずイメージを持って踊るようにしています。


個人的に「アレグリアス」と聞いて、広がるイメージは


青い海と空が広がり、雲は一つもなく太陽はカンカン照り。

足首ぐらいまで海の水に浸かっていて、水をパチャパチャさせてフラメンコで遊んでいる


です。

このイメージを出すためにも衣装や靴などビジュアル部分から考えて、全体の色味は「ブルー」と決めました。


新人公演に出場するということをいつもライブやイベントの応援に駆けつけてくださる方々にお伝えしたところ、フラメンコシューズをプレゼントしていただきました。

僕の挑戦を応援してほしいので見に来てほしいという、厚かましいお願いをしたかっただけなのに、フラメンコシューズまで買ってくださるとは本当にありがたい気持ちでいっぱいでした。


オーダーメイドで購入していただいた「Artefyl」の青いフラメンコシューズ。


とは言え、現地で履いたわけでもないので、サイズが合っているかもわからないしスペインから届くかも不安でしたが、無事に届いて本番で履くことができました。


スーツも上下ブルーだったので全身ブルーになりましたが、肌の黒さが砂浜の雰囲気を出せたのかな?と思うと、まさに僕の持つイメージ通り(笑)


ギターは尾藤さん、カンテは小山さん、カホンに橋本容昌さん。カンテの小山さんとは何度か大阪で合わせをしていましたが、ギターの尾藤さんとカホンの容昌さんは本番前日のみ。


本番までの時間は考えれば考えるほど何をするべきかわからなくなっていた時間ですが、とにかくイメージを見ていただいてる方々にも伝えて、自分らしさを出せるように頑張ろうと踊りました。


本番の感覚は覚えてませんが、楽しめたことは今でも覚えてます。心の底から楽しいと感じられるように踊れたことが、僕にとっては大収穫でした。


「2番 出水宏輝 アレグリアス」

今でもこの番号も、名前も、曲名も、イントネーションを聞くとあの時の緊張感を思い出します。


結果は後日発表されるとのことだったので、その日は出場後すぐに大阪へ帰りました。たくさんの方が応援に駆けつけてくれて、本当に支えられた挑戦でした。


結果が出た時はマレーシアに向かうフライト中でした(笑)

現地到着後にWi-Fi接続をしたら、祝福のLINEがたくさん届いてました。

そしてメールも見て、正式に受賞できたことを身をもって感じることができました。


本番前の「頑張って」

本番後の「おめでとう」


これを言われると安心するし、また頑張る気になれます。

今ではライブや公演を通して、そんなことを感じながらフラメンコと向き合っています。



挑戦って難しい。

何やってもできないことが、まず始めに目の前にやってくる。

だからこそ向き合っていかないといけないなと思います。


個人的な意見ですが、フラメンコのコンクールは勝敗や結果をもらうものではなくて「まずは過去の自分に勝つこと」だと思います。


過去の自分に勝つために少しずつ努力すると良いのかな?と思います。



次号へつづく

▶︎「コロナ禍以降の公演やライブ」


出水宏輝プロフィール写真 ©Shigeto Imura
©Shigeto Imura

【プロフィール】

出水宏輝(Kouki Demizu)/10歳の時に石川敬子フラメンコ教室にてフラメンコを始め、田中光夫氏にギター・カンテを、舞踊・パルマを棚原美和氏に師事。14歳のときにタブラオ ロス・ヒターノスで男性舞踊手としてプロデビュー。2014年、官民協働海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」の1期生として1年間スペイン留学。2018年第1回全日本フラメンココンクールで努力賞、2019年日本フラメンコ協会第28回フラメンコ・ルネサンス21「新人公演」で奨励賞、2021年第10回エルスール財団新人賞(フラメンコ部門)を受賞。

また、2018年摂南大学入学宣誓式にて、在学生300名以上とフラメンコのフラッシュモブを大阪城ホールにて実施。

現在、大阪を拠点としながら全国各地で精力的に活動している。


☆活動情報はこちらから。


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