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faroles para futuros flamencos 〜未来への道標〜 vol.3

(viernes, 26 de abril 2024)

 

大阪を拠点に活動し、劇場公演からタブラオライブまで日本各地で活躍する今人気急上昇中の若手フラメンコダンサー、出水宏輝さんのエッセイを2か月毎に全6回、1年間にわたりお届けします。

第3回となる今回は、初めてのソロリサイタルの話題を中心に語っていただきました


文・写真/出水宏輝

Texto y fotos por Kouki Demizu



いつもご覧いただきありがとうございます!

「faroles para futuros flamencos 〜未来への道標〜」第3回目は「スペイン留学、そして初めてのソロリサイタル〜後編〜」についてお話ししたいと思います。


出水宏輝Farolitoソロリサイタル
ソロリサイタルのときの写真(撮影/大森有起)

ファルキートとのレッスンが何日間か続き、アレグリアスの振付も終盤を迎えました。


フ…ファルキート

僕…出水宏輝


フ「よし、ほんなら最初から通すで! 力抜いてリラックスして踊りや!」


そう言われて、緊張ながらも最初から通すことになりました。

ファルキートの前で踊るだけでも緊張するのに……。

通すときに彼は、自宅にあるカホンやジャンベなどの楽器を叩きながら、歌も歌ってくれました。(一人で4役も笑)


ただ単にパルマ叩いてくれて通すだけだと思っていたので、


僕「え…そんなにたくさんしてくれるの?」

と聞いたら


フ「フラメンコはイメージが大切。パーカッションから出てくる音色で風景をイメージして、歌詞を聴くように踊るんや」

そう、教えてくれました。


最初で最後の通し。

それは涙も溢れるものとなりました。踊ってるときは失敗もたくさんしたけど、踊り切った時にはハグをしてくれました。


今でもあの振り付けを踊るとその時の感覚が思い出されます。身体が覚えてくれているんだなと思うと、改めてフラメンコの感覚ってすばらしいなと思いました。


出水宏輝Farolitoソロリサイタル

(写真)ファルキートと僕。ソロリサイタルのチラシにサインを書いてもらいました


そしてレッスン終了後、ファルキートがソロリサイタルのタイトルを考えてくれたと言ってくれました。


『La luz de aquella Farola』

 

La luz は 光

de aquella は あの

farola は (farolよりも大きい)街灯

 

『あの街灯の光』

 

フ「farolaというものはfarolよりも大きい街灯のことや。道にある2つに垂れ下がってる街灯わかるか? あれがfarolaっていうんや。farolは1つの光しかない街灯で、よく道の壁とかにくっついてたりするようなもの。だからFarolitoはさらに小さい光のこと。そのFarolitoという小さな光が、farolaという大きな光に向かって歩んでいく姿。それでこの名前をつけたんやけど、どうや?」

と。


僕「そう、それが僕のコンセプト通りでまさにそういうことが伝えたかったんです!」

フ「ほんでや、ファロリート。Camarón(de la isla)の『La luz de aquella farola』っていう曲知ってるか? そのタイトルから連想させたんやけど、レトラも良い歌詞やから聞いとき!」


なんか…、すごいなって思いません?(笑)

僕のコンセプトからカマロンの曲が連想されてそれがピッタリやって思ってくれた彼のひらめき、感動しました。


そこから日がたち、

【Farolito Solo Recital 「La luz de aquella 'Farola' 〜街燈の灯り〜」】開催が決定しました。



開催が決定してから、再びスペインへ。

この滞在ではEduardo Guerreroのクラスを受講しました。


彼から学んだことが、こりゃまた大きかったです。

自分というものを引き出してくれるし、音楽と身体をどうあわせていくかということを、実際に見せて伝えてくれました。

身体全部で踊るってこのことかってぐらい、全身筋肉痛に見舞われる日々でした。笑


出水宏輝Farolitoソロリサイタル

(写真)エドゥアルド・ゲレロにもサインをいただきました


そして帰国後、ソロリサイタルを開催しました。当時大学生だった僕は、


「フラメンコの認知度向上と若手フラメンコを育成したい」


その夢を大学に語ったところ、大学も全面的に応援してくださることになりました。

そして大学の最寄駅にある駅近のホール350席が、うれしいことに開催日までにSOLDOUTで満席に。


当日のプログラムにはもちろん、カマロンの曲『La luz de aquella farola』を取り入れました。

なんならオープニングにしちゃいました。笑


まだまだ未熟なFarolito(街灯)だけど、フラメンコに一歩でも近づきたくて、夢(Farola)に向かって光り続けていく姿をテーマに演じました。


たまたまソロリサイタルでそのテーマを掲げましたが、これからのフラメンコ人生でもそのテーマのまま真摯に向き合っていきたいなと感じました。


きっかけは大事。でもそのきっかけを作るのも自分次第だな、と感じたソロリサイタルでした。


そして、その翌年からコンクールなどに挑戦していくようになりました。



次号へつづく

▶︎「コンクール&新人公演への挑戦」



出水宏輝Farolitoプロフィール写真
©Shigeto Imura

【プロフィール】

出水宏輝(Kouki Demizu)/10歳の時に石川敬子フラメンコ教室にてフラメンコを始め、田中光夫氏にギター・カンテを、舞踊・パルマを棚原美和氏に師事。14歳のときにタブラオ ロス・ヒターノスで男性舞踊手としてプロデビュー。2014年、官民協働海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」の1期生として1年間スペイン留学。2018年第1回全日本フラメンココンクールで努力賞、2019年日本フラメンコ協会第28回フラメンコ・ルネサンス21「新人公演」で奨励賞、2021年第10回エルスール財団新人賞(フラメンコ部門)を受賞。

また、2018年摂南大学入学宣誓式にて、在学生300名以上とフラメンコのフラッシュモブを大阪城ホールにて実施。

現在、大阪を拠点としながら全国各地で精力的に活動している。


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