EL CARTERO スペイン旅行記 2016 /2
- norique
- 10月5日
- 読了時間: 4分
更新日:10月12日
[期間]2016年2月14日~3月14日
(domingo, 5 de octubre 2025)
昨年2024年10月にこの世を去ったカンタオール、瀧本正信さん。
日本のフラメンコ界に本場のカンテの種をまき、強い信念と歯に衣着せぬ率直な物言いで周囲に大きな刺激を与え、何人もの後進を育て多大な功績を残しました。
約10年前に瀧本さんが教え子たちとともにスペインを巡った旅行記が、当時メンバーの一人として同行した、現在歌い手として活躍する金高荘子さんの手により記されていました。
現地で出会った様々な人たちとの、フラメンコへのアフィシオン(愛情)に溢れた交流の記録を、たくさんの写真とともにご紹介します。
【金高荘子さんより】
ここに綴る旅の記録には、今はもう会うことのできない大切な友人たちも登場します。
彼らを偲び、心からの感謝と祈りを込めて記します。
また、時の流れの中で、この記録に登場するお店のいくつかはすでに営業を終えています。
失われたものへの想いと共に、ここに残された記憶を紡ぎました。
当時の旅を歩む"El Cartero"こと瀧本正信氏の姿を思い浮かべながら読んでいただければ幸いです。
文・写真/金高荘子
Texto y fotos por Soko Kanetaka
【第2回】
◆2月17日 9:00 am
日本では夜行性(?)のCarteroだが、スペインではなぜか早起き。
まだ時差ボケか?
在りし日のCamaronが マドリードでデビューしたというタブラオ
"Torres Bermejas" の前を通る。
表に貼ってあるポスターによるとちょっとお値段高めだな…、今回はお店を眺めるだけで良いことにする。
Camaronに思いを馳せながらTorres Bermejasのすぐそばにある広場でひとときを過ごす。
◆SOFIA美術館
4階から順に降りることにしたが、
広過ぎて2階の本命ゲルニカに辿り着く頃には みんな疲れ果てていた…。
が、ゲルニカを目の前にしたらその迫力に疲れもどこかに行ってしまった。
Carteroは、ン十年前の若かりし頃に一度見たらしい。
「今回はその時と印象が全然違うな~」と言って感動していた。 (ちょっとオトナになったってことですかね)
美術館のすぐ近くのレストランでみんなで食事ができた。

マドリードの美しい街並みを楽しみながら、アトーチャ通りのゆるやかな登り坂をホテルまでゆっくり歩いて帰る。

◆2月17日 Tablao Flamenco Villa Rosa
一度は行ってみたかったタブラオへ。観光客の多いお店。
唄、ギター、踊り、華やかで賑やかで、さすがスペインだな~!と楽しんだのだけれど、私達が見たかったものとはちょっと雰囲気が違っていた。
Enrique Pantojaがぼやいていた「プーロなフラメンコは最近はもう誰もやらない」って、こういう事なのかもな。これはこれで楽しいけれど。
お食事付でお値段高め。食事は美味しかったが、パエジャがいまいち…。
びちゃびちゃのバエジャにクレームをつけるCarteroとホセ(大西)。
作り直してもらったけれど、やっぱり美味しくなかったらしい。
それでも、みんなで行けたことは嬉しく楽しい夜だった。
◆2月18日 JEREZへ!
アトーチャ駅のCAFÉで昼食。
Atocha駅からRenfeに乗って憧れの地、JEREZへ向かう。
Renfeに乗り込んだら荷物置き場は既に他のお客さんの荷物でいっぱいになっていた。私たちの荷物が置けない。
詰めれば乗るかなぁ?
巨大スーツケース達を置くためみんなで協力して荷物の積み替えテトリスに挑む。
同じ車両の乗客はみんな心配そうにその様子を伺っていたが、最後の荷物が収まった瞬間その車両の全員が拍手喝采。スペインっていい国だ~と思った。

◆駅からタクシーに乗り、ピソに到着。荷物を置いて散策に出る。
夜のJerezは街燈の色が心地よい。全員で中心街へ。
歩いているとどこからともなくFlamencoが聞こえてくる!
28日にCarteroがライブをする予定の Tabanco Pasaje へ行ってみると、Jose MendezとJuan Moneoのライブが行われていた。
すごい唄に圧倒される。
ライブが終わるとCarteroは、Jose Mendezに声をかけ再会をよろこび合う。
そしてまたそこでフラメンコが始まる。

残っていたお客さん達大喜び。
私達はもっと大喜び。
Ana Maria Lopezが唄ったBuleríaにも感動。 Jose Mendezはギターも上手だった。
みんな何でもできるんだなぁ。
ギターはCartero。Ana Maria Lopezが唄い、ホセ(大西)が踊る。
ピソに帰り、Carteroがみんなにラーメンを作ってくれた。
日本から持ってきてくれたチャルメラ醤油味かきたま入り。美味しかった。

(*第3回に続く)

【筆者プロフィール】
金高荘子(Soko Kanetaka)/幼少期から音楽に触れ、学生時代にはロックなどのバンド活動を通し音楽に親しむ。2002年にフラメンコと出会い、2010〜2024年に瀧本正信氏に師事。短期渡西を繰り返しながら現在も研鑽を重ねている。
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