第5回Webフェス優勝者インタビュー:入交 恒子
- 2 日前
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(viernes, 8 de mayo 2026)
フラメンコをテーマにした動画をインターネット上で一般公開し、全ての視聴者の投票でその成果を競うコンテストとして開催された、「第5回フラメンコWebフェスティバル」の各賞が発表されました。
最優秀賞を受賞した入交恒子さんに受賞の喜びや作品作りの舞台裏など、お話を伺いました。
主催/Flamenco2030フラメンコWebフェスティバル実行委員会
聞き手/金子功子
Entrevista por Noriko Kaneko
【第5回フラメンコWebフェスティバル最優秀賞】
エントリーNo.19
出演者:入交恒子
動画タイトル:Summer
曲名:Idan Balas : Eres Natural

――この度は第5回WEBフェスティバル最優秀賞の受賞おめでとうございます。受賞したお気持ちと、今回の応募のきっかけや理由など教えていただけますか。
入交恒子:ありがとうございます。今回の動画作品をつくったのは、元々は『アートにエールを!』の合同試写会で恵水流生(えみ りゅうせい)監督と出会って『狐の嫁入り』という短編映画に出演させていただいたことがきっかけです。この時はとても素晴らしい経験をさせていただきましたが、この作品は映画だからお芝居なので、踊りの場面は多くなかったんです。それで、今度は踊りのムービーを撮ってみたいなと思うようになって、知り合いの衣装デザイナーの吉田摩奈美さんに相談してみたら、倉崇紘さんっていう若手の人がいるから、撮ってもらったらどう? って言ってくれたので、紹介してもらいました。倉さんも快く引き受けてくださって、それじゃ一緒に何か作りましょうと話し合っていたところに、たまたま Facebook で志風(恭子)さんの投稿を見て、WEBフェスの締め切りがもう近いっていうのを知ったんです。志風さんは昔からよく知っていて親しみも感じていましたので、それならエントリーしてみよう、と。より多くの人に見ていただけるのもありがたいとも思いましたし。撮影は元々8月末ぐらいの予定でしたが、7月は発表会とかもありましたので、一気に6月まで繰り上げて大急ぎで取り掛かりました(笑)。
今回の受賞はとてもうれしいですし、みんなもすごく喜んでくれました。近々、倉さんと摩奈美さんと紀さん(*ご主人の髙橋紀博さん)と4人で集まって今回の打ち上げ会をやるんですが、お祝い会になりますね。
――作品のテーマやコンセプトは、どのように決めていったのでしょうか。
入交:動画のプランを話し合い始めたときに、ちょうどこれから夏だから、夏からシーズンごとにロケーションを変えて、それに摩奈美さんの衣装を合わせて、そういうシリーズものの作品を作っていこうかって方向が決まっていきました。そこで倉さんが「夏」っていうテーマで、こういうプランでどうですか?と絵コンテも考えて来てくれました。倉さんは前に広告業界にいたらしくて、絵コンテを作るのが上手で。撮影についても、ここに目があって顔がだんだん見えてきてっていうプランは彼が考えてくれました。
――踊りはもちろんですが、衣装や背景、音楽も素敵でした。
入交:衣装の方はもうすでに摩奈美さんが作って下さっていたものの中から、合いそうなものを3着選びました。白の衣装と、ブレリアの曲に合うようにフラメンコらしい燃えるような赤がいいなって思いました。
音楽を選んでくれたのは倉さんです。フラメンコについてはほとんど知らないんですけど、たまたまイスラエルのギタリストIdan Balasさんの"Eres natural"というかっこいいブレリアを持ってきてくれて。それと映像専用のサイトから"Like a bird"という幻想的な曲を選んでくれました。
ロケーションは、始めは都内でどこかいいところがあればと考えていたんですけど、倉さんが「富士山の見える、あの山中湖のところがすごくいい」って提案してくださって。そこはこれまでにも『狐の嫁入り』の撮影や荻久保次郎さんの写真撮影の時も使ったことがある場所なんです。それで今回は、朝の光がとても素晴らしいからって、日の出を狙って撮影に行くことになりました。でも撮影当日は前日から結構雨が降っていて、その日に決行するかどうか、中止しようかとか言ってたぐらいだったんですけど、まず行ってみようってことになって。明け方4時現地集合でしたから前泊して真夜中に出発して、もう霧で何にも見えないところを車で行くんです。でもそこがパーッと晴れてきて、富士山が見えてきて…もうすごい感動しました、本当に綺麗で。しかも晴れていたのは、本当に撮影してる3時間ぐらいの間だけでした。

――動画制作で大変だったことや、何か発見した事などはありますか。
入交:制作はほぼ4人だけでやったような感じでしたね。高橋も車を運転していろいろ運んでくれたり、隣でパルマを叩いてくれたり撮影のサポートをしたりと一人で何役もやってくれて。倉さんもカメラ一台で走り回って全部撮ってくれて、摩奈美さんも衣装だけでなくて、当日のメイク直しの手伝いなどもしてもらいました。
映像では、本当は曲と曲の間にソロ・デ・ピエとか入れる予定だったんですけど、実際に録ってみたら向こうの板がどうにも音が悪くて。もう少しフラメンコらしいキレのある響く音をイメージしていたんですけど、ちょっと曇った音になってしまって、結局カットしました。また、砂浜の上で板を敷いてちょっとした足の音を入れたシーンもあったんですけど、そっちの音は拾えてなくて。フラメンコ的に見たら物足りないだろうなと思いましたけど、今回は仕方ないかな、と。屋外での録音は難しいですね。
それと、こういうのは自分の目線ではできなかった、といいますか…。今回、全然フラメンコを知らない人に撮ってもらったことで、こういう風にやれば素敵なんじゃないかなっていう、まったく別なアプローチを見せてもらいました。そういうのも、私すごく大切かなって。今回はフラメンコのフィルムフェスティバルでしたけども、多くの人にみていただいてフラメンコを広めていくためにはね、いろんな角度の見方が必要だなと感じました。
――今後も、動画制作のプランなどはありますか。
入交:この作品も含めてシリーズものの作品にする予定ですので、これから秋とか冬とかね、撮影のプランを考えていきたいと思っています。
映像には、生の舞台とはまた違った素晴らしさがありますよね。もちろん私は今でもフラメンコの良さって実際に観て伝わるものだと思っていますけど、映像作品をきっかけとして、例えば現地に足を運ぶのが難しいお客様や、それこそ海外の人にも幅広く届くのはおもしろいですよね。多くの人にとって何が取っかかりになるか分からないじゃないですか。衣装が綺麗かもしれないし、音楽が素敵とかかもしれないし、どういうきっかけでもいいから裾野を広げたいっていう気持ちで、この作品を作ってみました。
今の時代、公演でも何でも高くなりましたよね。だから気楽に、それこそ若い人にも見てもらえたり、映像で広がっていけばって思います。リール動画とかに出してみたりもしたんですけど、ものすごく多くの方に見てもらえているようです。
――最後に、動画を観て下さった視聴者の皆様にメッセージをお願いします。
入交:フラメンコってとても魅力的なもので、いろんな表情があるじゃないですか。私はその中でもすごくワイルドでかっこいい部分や、その一方でエレガントさもあるというか、そういう両極端なところが好きなんです。その 2つの標語を念頭に頑張っているんですけど、そういう部分を表現できるようこれからもいろんな切り口で作品を展開していきたいと思っています。正直に言えばやっぱり生の舞台を観ていただきたいですが、映像作品からでも何かフラメンコの魅力みたいなものを感じていただけたら嬉しいですし、これからもそういうものを作っていきたいと思いますので、是非観ていただきたいと思います。
――インタビューありがとうございました。ぜひ、続編の作品も楽しみにしています。
【プロフィール】
入交恒子(Tsuneko Irimajiri)/大学入学と同時に小島章司氏に師事。その後スペインへ政府の奨学金制度で留学。帰国後コンクールで奨励賞を受賞。小松原庸子スペイン舞踊団に入団。独立後公演活動を開始。主催公演多数。2006、07年文化庁芸術祭で優秀賞を2年連続受賞。その後NYのカーネギーホール、国連本部、ブロードウェイ始め、パリ、ケルンと海外公演を行う。近年は映画出演やフォトアートのモデル等、多方面で活躍。
アカデミアマルガリータ 入交恒子フラメンコ教室主宰(東京、長野、北海道)。
[公式サイト]
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