宮野ひろみ舞踊40周年記念公演 《絆 Los Lazos》
- norique
- 2025年9月8日
- 読了時間: 3分
(lunes, 8 de septiembre 2025)
2024年11月2日(土)
千代田区立内幸町ホール(東京)
写真/近藤佳奈
Fotos por Kana Kondo
文/金子功子
Texto por Noriko Kaneko

9歳からフラメンコ舞踊を始めて19歳で教室を立ち上げ、以来30年以上にわたり舞踊・教授活動を続けている宮野ひろみの活動40周年を記念する劇場公演が行われた。
公演は2部制で、1部は生徒たちが出演する教室発表会が行われ、後半の第2部で今作品が上演された。
フルートのメロディが流れる中、日本歌謡の「この道」を歌う宮野の歌声が場内に広がる。歌が終わり幕が上がると、青のグラデーションが鮮やかなドレス姿の宮野が登場。ギターとフルートで奏でるベネズエラの伝承曲に身を委ね、しなやかでな芯のある踊りをみせる。曲がファルーカに変わると力強くキレのある足技を聞かせ、美しさと勇ましさのギャップに圧倒される。音楽はアストゥリアスからカーニャへと続き、舞踊団員による群舞はフォーメーションなども工夫され、ソロとは違う楽しさが加わる。

有田のカンテソロのマラゲーニャ。歌い終えて立ち去る有田と絡むように踊るシーンでは恋人との別れを表現。男が座っていた椅子がスポットライトで照らされ、そこに想いを寄せるように踊る演出はまるでドラマのワンシーンのよう。
日本の有名な歌曲「浜辺の歌」の独唱に続いて、アレグリアスの華やかな群舞が舞台を彩り、そしてハバネラでは黒のマントを羽織った宮野が登場。マントを脱ぐと黒のパンツスタイルで、凛々しい闘牛士のような出で立ち。 ブレリア・デ・カイでは群舞とともに、フォーメーションなどショーアップした演出が楽しい。

カンテソロやフルートのソロを聴かせ、最後の曲はグアヒーラ。後ろの裾を少し長くフリルのボリュームを出して仕立てたサーモンピンクのドレスは、キューバ由来のこの曲にぴったり。アバニコやマントンを巧みに使いながら、明るい笑顔とともに華やかな踊りで締めくくった。
出演者挨拶では、舞台中にも披露した「Tea for two」のフルート演奏の中で行われ、そんな優しい雰囲気での演出にも彼女の人柄が感じられる。
最後の挨拶で宮野は、この公演が実は2か月前の9月に亡くなった最愛の母の米寿を祝う予定のものであったことを打ち明けた。音楽好きだった母のために、様々なジャンルの曲を選曲に取り入れたという。そして、ギタリストを4人も迎えカンテもフルートも縁のあるアーティストたちを迎えたこと、恩師である田中美穂氏らへの感謝と、これまで舞踊活動を通して関わった日本人やスペイン人のアーティストたち、そして家族や生徒たちと、全ての人への感謝の気持ちを伝えたいと語った。
バイタリティが溢れるような踊りからは想像もつかなかったが、もともと身体が弱かったという彼女が舞踊活動を続けていく過程では、きっと様々な困難を乗り越えてきた事だろう。舞踊活動40年というここまでの長い道のりと、その間に築き上げられてきた「絆」の大切さに、しみじみと想いを馳せるような公演だった。

[プログラム]
Ⅰ 人生 祈りと共に
Ⅱ 女 愛とは
Ⅲ 仲間 尊きもの
Ⅳ 夢 憧れ
Ⅴ フィナーレ
[出演]
宮野ひろみ
Lucero Flamenco 舞踊団(稲田起子 川嶋沙瑛子 今野明日香 永島孝子 中山智代 中村玲奈 三浦好子 山口彩子)
柴田杏里(ギター)
鈴木英夫(ギター)
斎藤誠(ギター)
稲津清一(ギター)
有田圭輔(カンテ)
ダニエル・リコ(カンテ)
天辰直彦(フルート)
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