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アーティスト名鑑 vol.30

  • norique
  • 2 日前
  • 読了時間: 5分

(domingo, 21 de diciembre 2025)

 

スペイン在住30年以上、多数の一流フラメンコ・アーティストらとも親交のあるフラメンコ・ジャーナリスト志風恭子が、歌・踊り・ギターそれぞれの代表的アーティストらのプロフィールをピックアップ。過去の取材で撮影した写真や、チェックしておきたい動画などもご紹介します。

 

文・写真/志風恭子

Texto y fotos por Kyoko Shikaze

 

*名鑑登場アーティスト一覧はこちらから

 


José Sánchez Gómez

"Pepe de Lucía"

Algeciras(Cádiz)1945


ぺぺ・デ・ルシア

本名ホセ・サンチェス・ゴメス

1945年カディス県アルへシーラス生まれ

 

パコ・デ・ルシアの兄。セクステットなどで長年共演していただけでなく、ソングライターとしても『コモ・エル・アグア』など多くのヒット曲を飛ばしているほか、プロデューサーとしてもポティートやカプージョを世に送り出すなどしている。10歳の時にはすでにあらゆるカンテを見事に歌ったという天才少年ぶりは、2024年に発売された1959年の録音でも確認できる。1962年には弟パコの伴奏でヘレスのコンクールで大絶賛され、チキート・デ・アルヘシラスの名前でレコード録音。60年代にもパコのギターで録音、70、80年代にも歌謡系の曲も含め数枚のアルバムをリリースしているほか、グラン・アントニオ舞踊団への伴唱などでも活躍し、初来日もグラン・アントニオとだった。どこかフリオ・イグレシアスのような感じがするベテラン。2025年ラ・ウニオンで金のカスティジェーテ賞を受賞。


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1995年マドリードにてカルメン・リナーレス、フェルナンダ・デ・ウトレーラと



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2010年ウエルバで行われたパコの公演の前に


【動画】

子供番組で。ルベン・ダンタスや甥のホセ・マリア・バンデーラに加え、バックで踊っているのがマカニータだったりするのが面白い。

 

1989年 ブレリアをモライートとニーニョ・デ・プーラの伴奏で。最初にルイス・デ・ピカの歌詞を歌っている。

 

1993年 パコのセクステットでカナルスールの音楽番組出演

 

YouTubeチャンネルで前述の子供の頃の録音を含めたくさん聴けます。



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2025年 ©︎Festival Internacional de Cante de Las Minas


Manuel Soler Osa Reyes

"Manolo Soler"

Sevilla 1943 6-6-2003

 

マノロ・ソレール

本名 マヌエル・ソレール・オサ・レジェス

1943年セビージャ生まれ 2003年6月6日没


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1981年新宿『エル・フラメンコ』チラシ

パコ・デ・ルシアやカマロンら数多くの超一流アルティスタと共演してきたコンパスの神様。アデリータ・ドミンゴ門下。15歳でプロとなり、若き日はメキシコなど主にスペイン国外で活躍。その後マドリードのタブラオ、ロス・カナステーロスに入り、ディエゴ・カラスコとの共演などで注目され、1985年パコ・デ・ルシアのセクステットに加入。心臓が悪くセクステット脱退後はセビージャに帰り、カホン演奏や後進の指導を中心に活躍。1996年のビエナルでハビエル・バロン、イスラエル・ガルバン、ラファエル・カンパージョを率い『ポル・アキ・テ・キエロ・ベル』を上演。その後もバロン『ディメ』やイスラエルらの作品でも活躍。2003年手術中に急逝。セビージャのセントラル劇場の楽屋やヘーレン財団の舞踊コンクールにはその名が冠されている。


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1981年新宿『エル・フラメンコ』チラシ、共演のフアン・ホセ・アマドールやミゲル・ペレスの顔も見える。若い!


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1992年ビエナル『タンゴ』でパーカッションを演奏する。

 

【動画】

アンダルシアのテレビ局のフラメンコ番組から。ギターはペドロ・シエラ、歌はフアン・ホセ・アマドール、アナ・マリア・ゴンサレス、ラ・トバラ。カホンとパルマもするがカンテのマルカールのかっこよさ。重みと風格型のカホン技。

 

同じ番組でのブレリア、後半ほんの少しだけ踊ってみせる



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1991年日本公演プログラムより

Ramón Sánchez Gómez

"Ramón de Algeciras"

Algeciras(Cádiz)5-2-1938 Madrid 20-1-2009

 

ラモン・デ・アルヘシラス

本名ラモン・サンチェス・ゴメス

1938年2月5日生まれ、2009年1月20日マドリード没

 

パコ・デ・ルシアのほぼ一回り上の長兄。父アントニオの薫陶を得て、ニーニョ・リカルド流のトーケでひと足先にプロとなり、フアニート・バルデラマやアントニオ・マイレーナ、ニーニャ・デ・ロス・ペイネス、カマロン・デ・ラ・イスラなどフラメンコの歴史に残る偉大な歌い手たちを数多く伴奏。60年代半ばにはパコとのデュオで数枚のアルバムを録音。また、パコのセクステットでもパコを支え続けた。パコの隣で支え、ツアーでもグループの監督的存在で日本公演ではビデオ撮影している観客を舞台から見つけたことも。風格のある演奏そのままの人柄で優しく、頼りになる家長的存在だった。


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2000年5月、パコ・デ・ルシア東京公演リハーサルで。


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2000年7月 

 

【動画】

1974年バルセロナのカサ・デ・アルメリアでのパコ・デ・ルシアのリサイタルで第2ギターを務める。

RTVE は登録すれば日本からでもみられるものが多いです。

 

1975年カマロンのカンテ・デ・レバンテの伴奏

 


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2004年パコのパストーラ・パボン賞授賞式でビセンテ・アミーゴ、パコと。



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1991年日本公演プログラムより

【筆者プロフィール】

志風恭子(Kyoko Shikaze)/1987年よりスペイン在住。セビージャ大学フラメンコ学博士課程前期修了。パセオ通信員、通訳コーディネーターとして活躍。パコ・デ・ルシアをはじめ、多くのフラメンコ公演に携わる。

 

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