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アーティスト名鑑 vol.28

  • norique
  • 10月21日
  • 読了時間: 4分

(martes, 21 de octubre 2025)

 

スペイン在住30年以上、多数の一流フラメンコ・アーティストらとも親交のあるフラメンコ・ジャーナリスト志風恭子が、歌・踊り・ギターそれぞれの代表的アーティストらのプロフィールをピックアップ。過去の取材で撮影した写真や、チェックしておきたい動画などもご紹介します。

 

文・写真/志風恭子

Texto y fotos por Kyoko Shikaze

 

*名鑑登場アーティスト一覧はこちらから

 


  

Manuel Moreno Maya

“El Pele”

Córdoba 17-1-1954

 

エル・ペレ

本名 マヌエル・モレーノ・マジャ

1954年1月17日コルドバ生まれ

 

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 2009年ヘレスにて

  

マノロ・カラコールとフアン・タレガを敬愛し、フラメンコの伝統に敬意を払いつつも今の空気も取り入れた熱唱で今、フラメンコ好きに最も人気のある歌い手の一人。両親共にプロではないが歌い、叔父には歌い手もおり、小さい時から歌っていた。闘牛士コルドベスが、芸名、ペレの名付け親。1969年にコルドバ県カブラのコンクールで優勝し頭角を現し、83年にはコルドバのコンクールでソレアとブレリア、2部門で優勝。86年発表のアルバム『ラ・フエンテ・デ・ロ・ホンド』で全国区の人気を獲得。このアルバムでも共演していたビセンテ・アミーゴ伴奏で1990年来日。同時期、デビッド・ボウイの前座を務めたりもしている。今までに6枚のソロアルバムを発表。1990年に発表したアルバム『ポエタス・デ・エスキーナス・ブランダス』収録の『ベンゴ・デ・モーロ』は一般にもヒットした。


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2024年©︎ Laura León / La Bienal

 

【動画】

1989年ビセンテ・アミーゴ伴奏でブレリアを。

 

 2024年のビエナルで歌ったマラゲーニャ。ギター伴奏はニーニョ・セベ。



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2010年ウエルバでパコ・デ・ルシアを囲んで。左からアルカンヘル、ペレ、パコ、ビセンテ、ネグリ。


 

María Blanca Ávila Molina

“Blanca del Rey”

Córdoba, 1946


ブランカ・デル・レイ

本名ブランカ・アビラ・モリーナ

1946年 コルドバ生まれ

 

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2019年 ヘレスにて小島章司さんと

 

86年私が初めて訪れたタブラオで、12時過ぎ彼女が舞台に登場するとそれまで騒いでいたアメリカ人観光客は鎮まり、居眠りしていた日本人も目を開け舞台に見入った。古き良き時代のフラメンコを伝える一人。幼くして踊りはじめ、6歳の時にはコンクールで優勝、12歳の時にはすでにプロとしてタブラオで踊っていたという。14歳でマドリードに出てタブラオに出演。当初はラ・プラテーラという芸名で知られた。19才で老舗タブラオ、コラル・デ・ラ・モレリアに出演、後、同店オーナーのマヌエル・デル・レイと結婚。一時舞台から遠ざかっていたが復活。芸名をブランカ・デル・レイと変え、スペイン舞踊家シローの助けを得てマントンのソレアなどを代表曲に復活。タブラオの大看板として大トリを務めるほか、カンパニーを率いて各地で劇場公演も行った。現在は舞台からは引退したもののタブラオの芸術監督を務め。また2015年にはマントンのソレアをスペイン国立バレエ団に振りうつしするなど、現在も活躍中。

 

【動画】

2011年ラ・ウニオンのフェスティバルでのマントンのソレア。


2011年コラル・デ・ラ・モレリアでアレグリアスをバタ・デ・コーラで



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プロモーション写真

 


José Antonio Rodríguez Muñoz

“José Antonio Rodríguez”

Córdoba 28-3-1964


ホセ・アントニオ・ロドリゲス

本名ホセ・アントニオ・ロドリゲス・ムニョス

1964年3月28日コルドバ生まれ


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プロモーション写真

 

フラメンコ性だけでなく、誰が聞いても耳に心地よいメロディをクリエイトする才能を持つギタリスト。幼くしてギターを弾き始め、コルドバの音楽院を卒業。弱冠20歳で教示資格を得る。1981年にラ・ウニオン、翌年にはヘレス、そして86年にはコルドバと、フラメンコギターの重要なコンクール3つで優勝。85年に初のソロアルバムをリリース。以来計10枚のアルバムを発表しているほか、オーケストラとの共演作品も上演。また、マリオ・マジャやマリア・パヘス、ホセ・アントニオ、アイーダ・ゴメスなどの舞踊家の作品の音楽やカルロス・サウラ監督『フラメンコ』『イベリア』をはじめ、さまざまな映画(劇映画も多い)やロシオ・フラードやアレハンドロ・サンスなどミュージシャンのアルバム、ツアーなどにも参加してきたベテラン。近年はアメリカを中心に活躍していたが、またスぺインでも公演活動を再開した。


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 2015年セビージャにて、同世代のギタリスト、ラファエル・リケーニと。

 

【動画】 

1991年のタランタ

 

2017年コルドバのギター祭で

 

2018年マンハッタン・デ・ラ・フロンテーラをマドリードで演奏。

 


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2025年セビージャ、ギター祭での公演を終えて

 

 

【筆者プロフィール】

志風恭子(Kyoko Shikaze)/1987年よりスペイン在住。セビージャ大学フラメンコ学博士課程前期修了。パセオ通信員、通訳コーディネーターとして活躍。パコ・デ・ルシアをはじめ、多くのフラメンコ公演に携わる。

 

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