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アーティスト名鑑 vol.26

  • norique
  • 6 日前
  • 読了時間: 5分

更新日:4 日前

(jueves, 21 de agosto 2025)

 

スペイン在住30年以上、多数の一流フラメンコ・アーティストらとも親交のあるフラメンコ・ジャーナリスト志風恭子が、歌・踊り・ギターそれぞれの代表的アーティストらのプロフィールをピックアップ。過去の取材で撮影した写真や、チェックしておきたい動画などもご紹介します。

 

文/志風恭子

Texto por Kyoko Shikaze


 

*名鑑登場アーティスト一覧はこちらから


Juan José Amador Amador

“Juan José Amador”

 Sevilla, 1960


フアン・ホセ・アマドール

本名 フアン・ホセ・アマドール・アマドール

1960年 セビージャ生まれ

 

舞踊伴唱の名手として真っ先に名が上がるだろう一人。声がよく音程コンパスはもちろんのこと、さらに芝居っけもあり、あらすじがあるような作品でのパフォーマンスも素晴らしい。子供の頃からプロとして歌い1975年にソロでシングルをリリース、従兄弟にあたるパタ・ネグラのアルバム『ロック・ヒターノ』(1982年)などにも参加。マリオ・マジャ、マヌエラ・カラスコ、マティルデ・コラル、ファルーコ、クリスティーナ・オヨス、イスラエル・ガルバンら、フラメンコの歴史に名を残す超一流の舞踊家たちを数多く伴唱。ソロアルバム録音はないが、ラファエル・リケーニのアルバム「スイテ・セビージャ」などに参加。同姓同名の息子、フアン・ホセ・アマドール、“ペッレ”も歌い手でありスペイン国立バレエ団などで活躍中。


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2011年トリアーナにて©︎ Kyoko Shikaze

【動画】

1998年、フラメンコ番組でのタンゴ。伴奏はパコ・ハラーナ。


2005年放映のイスラエル・ガルバンの舞踊伴唱をエンリケ・エル・エストレメーニョと。ギターはヘラルド・ヌニェス。

 

2022年ビエナルでの公演。イスラエル・ガルバン作品でもお馴染みのピアニスト、アレハンドロ・ロハス・マルコスとラッパー、フアニナッカとの共演。



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2024年セビージャ県パロマーレスにて、右はモイ・デ・モロン ©︎ Kyoko Shikaze

 

María Jesús Pagés Madrigal

“María Pagés”

Sevilla, 1963

 

マリア・パヘス

本名 マリア・ヘスス・パヘス・マドリガル

1963年セビージャ生まれ

 

長身、長い手足を柔らかに体に巻きつくかのように自在に操る独特の舞踊スタイル、スタイリッシュな作品作りでスペインを代表するフラメンコ舞踊家の一人。4歳から踊り、マティルデ・コラルやマノロ・マリンに師事。マリア・ロサ、ラファエル・アギラール、アントニオ・ガデス舞踊団を経て独立。96年にはアンダルシア舞踊団監督として『アンダルシアの犬』を公演。フラメンコ以外の音楽をフラメンコのテクニックで踊った作品は新鮮で話題をよんだ。以後、自らの舞踊団で『ラ・ティラナ』『セビージャ』『ジョ、カルメン』など数々の作品を上演。マントンやアバニコ、カスタネット、バストンなど伝統的な小道具使いやユーモアを交えたりなどの工夫で効果的に見せる。来日公演も多い。


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2018年 セビージャにて ©︎ Kyoko Shikaze

 【動画】

1990年のタラント。1988年のビエナルでの若手コンクールで優勝こそ逃したものの、多くの人に強い印象を残した彼女の代表曲と言われたのがタラント。オーソドックスな形。

 

2005年、同じくタラントだが構成も違う進化形。衣装も映画『カルロス・サウラのフラメンコ』のペテネーラで着ていたようなシンプルなもの。

 

2006年『セビージャ』は東京初演で初演には日本のダンサーも参加した。

 

2009年作品『ドゥーナス』はコンテンポラリーのシディ・ラルビ・シャンカウイと共演したこの上もなく美しい作品。


2022年作品『デ・シェエラサーデ』からマリアのソロと群舞など。



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2014年 ©︎ Antonio Acedo Bienal de Flamenco

 

Gerardo Núñez Díaz

“Gerardo Núñez”

Jerez de la Frontera(Cádiz),29-6- 1961

 

ヘラルド・ヌニェス

本名 ヘラルド・ヌニェス・ディアス

1961年6月29日カディス県ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ生まれ

 

無音も含めた音のコントロール、間合いの良さ。フラメンコの故郷ヘレス生まれながらジャズとの共演も多く、独自のフラメンコ世界を築き上げたヘラルドはヘレスのギター名教授ラファエル・デ・アギラ門下。10代からエル・ボリーコら名だたる歌い手たちを伴奏。1981年パコ・セペーロ、ランカピーノとの日本ツアーに参加。帰国後マリオ・マジャ舞踊団へ『アイ、ホンド』に出演。退団後はパートナーである踊り手カルメン・コルテスとのグループやジャズ・ミュージシャンとの共演などで活躍。87年ソロアルバム『エル・ガジョ・アスル』をリリース。カルメンの作品『サロメ』やジャズとの共演作など10枚以上のアルバムをリリース。また別宅を持つサンルーカル・デ・バラメーダで1990年から毎年7月にクルシージョも行っている。

 

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2004年

【動画】

2004年フラメンコ番組で、セピージョ、パブロ・マルティンとの黄金トリオでの演奏『セビージャ』。間合いの良さが最高。


2010年 ブレリア。カホンはセピージョ


2024年パンプローナのフェスティバル、バルコニーでの演奏。



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2007年ラ・ウニオン。踊りはカルメン・コルテス、歌はヘスス・メンデス

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2010年サンルーカルにて ©︎ Kyoko Shikaze

 

【筆者プロフィール】

志風恭子(Kyoko Shikaze)/1987年よりスペイン在住。セビージャ大学フラメンコ学博士課程前期修了。パセオ通信員、通訳コーディネーターとして活躍。パコ・デ・ルシアをはじめ、多くのフラメンコ公演に携わる。

 

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