来日クルシージョ体験記《Mercedes de Córdoba》
- norique
- 10月3日
- 読了時間: 3分
メルセデス・デ・コルドバ
クルシージョツアー2025 in JAPAN
(viernes, 3 de octubre 2025)
のべ16日間、合計7都市、全55クラス。
スペインはもちろん世界各地でも絶大な人気を集めるフラメンコ舞踊家、メルセデス・デ・コルドバの来日クルシージョツアーが5月から6月にかけて開催されました。
このまたとない絶好の機会に、私もバイレ練習生のひとりとしてクラスに参加。
さらにツアー最終日には、メルセデスご本人へのインタビューという貴重な機会を得ることができました。
今回はクラスの体験リポートと、メルセデスへのインタビューをお届けします。
文/金子功子
Texto por Noriko Kaneko
写真提供/松 彩果
Foto por Ayaka Matsu

メルセデス・デ・コルドバの今回の来日クルシージョ。私は横浜で行われた中級のシギリージャ・クラスを受講してきました。
練習生としての自分のレベルを考えると中級にも及ばないのですが、それは一旦置いておいて、「メルセデスが踊るシギリージャを間近で見たい」という強い思いから受講を決めました。
2日間のクラスでしたが、都合により初日のみ参加。
最初のジャマーダからレトラまでを習いました。
「大地からエネルギーを感じて」
「そう踊ると、嘘になるの」
「こう動きが続くと、自然でしょ?」
普段踊る時にやってしまいがちな、身体に力が入りすぎたり、間が持たなくて振りを詰め込みすぎたり、といった問題点をさりげなく、でもズバリ指摘してくる。
足の動きは、「まずは音を何度も聴いて覚えて」と言い、口三味線で何度も繰り返して、音とリズムのパターンを頭に染み込ませる。そうすると、一見難しそうなパソでも意外にも打ちやすくなる。
身体使い、マノやブラソのフォルム、表情、呼吸、そして醸し出す雰囲気…、全てが貴重な教えであって、得難い経験。
「目の前でメルセデスが踊ってくれてるんだ…」そんな夢のような出来事に感動しながら、つい我を忘れてしまう。
そしてギター伴奏で入ってくれた逸見豪さんの演奏に合わせて、メルセデスがシギリージャを本気で歌ってくれる。そのカンテを聴いて、私も真剣に踊りに集中する。
今回の招聘を実現し、メルセデスを師と仰ぐ松彩果さんがこの日は通訳も担当してくれました。やさしく分かりやすく、時には冗談まで訳してくれてクラスが笑いに包まれる瞬間も。
最後は、通しで踊る自分の姿を参加者同士で撮影し合って、この日教わった振付を大切に保存。あっという間の70分でした。
フラメンコを踊るために大切な事をたくさん教えてくれたメルセデス。それぞれのクラスにはレベルが指定されていたけれど、そんな事が気にならないくらい充実した、宝物になるような体験ができました。
【プロフィール】
Mercedes de Córdoba(メルセデス・デ・コルドバ)/舞踊家・振付師
古き良き時代のフラメンコの薫り、豊かで品格に満ちたフラメンコ舞踊家。
スペインで最も権威のあるコンクールで数々の優勝を重ね、自身のカンパニーで有望なキャリアをスタートさせる。『Sin Más』『Ser. Ni conmigo ni sin mi』『Si. Yo quiero』どの作品も観客、評論家、専門誌から最高の評価を得ている。
更には多くの現代の踊り手達が彼女に振付や芸術監督として公演を手掛けてもらっている。
パウラ・コミトレ『Cámara abierta』
フェルナンド・ヒメネス『Con-migo』
アンヘル・ロハス『Ya no seremos』
ラファエル&フアン・カンパージョ『Sangre』
アデラ・カンパージョ『Nacer para morir』『De Sevilla a Cádiz』
ヘマ・モネオ『Sonido de mi amor』
アゲダ・サアベドラ『Venero』
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