(viernes, 28 de julio 2023)
フラメンコダンサーとして様々な舞台で活躍し、また舞踊作品の振付や演出、さらには教室を主宰するなど多才な活動を行っている田村陽子さんの連載を、毎月1回半年間にわたりお届けします。
第2回目となる今月は、奇数月のテーマ「バイレの現場から」について、今の季節にふさわしい内容のエッセイをご紹介します。
文/田村陽子
Texto por Yoko Tamura
Side B:バイレの現場から
「暑さと練習」
季節的に当たり前だけれど暑いですね。ダラダラ汗が止まりません。何もしなくても流れ出る汗は不快ですが、運動してかく汗は最高です。体に良い事しているっていう気分になります。もちろん水分補給は忘れずに。
寒い時に比べて身体が動きやすいので、今の時期は色々とチャンス! 特に柔軟性を身につけるにはもってこいではないでしょうか。いつもよりも少しだけ無理しても壊れにくいのではないかな、と思います。また柔軟性を高めれば怪我しにくくなりますし、表現の幅も広がります。
誰かの踊りを観て「あ、こんな風に私も踊りたい」と思ったら、とことん観察します。体のどの部分をどの様に使っているのかな…。隙のない人ほど表面に見える動きは控えめで、コアの部分で踊っているなぁと感じます。いわゆる先端の部分はコアについていっているだけで、無駄なくナチュラル。
体の芯の部分をしっかり鍛えて、他の部分はゴムの様に柔らかくのびのびと動くのが私の理想です。そこに向けて体幹トレーニングとストレッチを一生懸命しています。理想の動きに近づくには、自由自在にコントロールできる体を手に入れなくてならないと思っています。
柔軟性というのは、サボると如実に表れます…。すぐにこんなはずじゃなかったのに、となってしまうので、今の暖かい(暑い)時期に基礎を作り上げてしまいたい! そうすると、これから寒くなって来た時に楽になると思います。
練習中はあまりエアコンを強くしたくない派です。ボーっとなるほどの暑さはNGですが、汗をかいた時に少し動きが止まると急に冷える事がありますし、筋肉も硬直します。ちょっと暑くて汗が出るな、くらいで練習するのが好きです。満足度も上がりますし、プラス思考になります。
暑い日はむしろスタジオへの移動の方が辛いですね。心が萎えそうになる時もありますが
「その時の100%を出す」
を目標に頑張るのです。
気分が乗らなくて50%しか出来なくても、その50%を100%出すのです。10%や20%にしてはいけない。これは野球のイチロー選手の受け売りですが、そう思うと辛い時でも頑張れます。
試合の一振りで何万人をも魅了する彼とは比較にもならないけど、私のステージを観て
「元気が出た」
「明日から頑張ろうと思った」
「心が洗われた」
など感想を聞くと、こちらも嬉しくなってもっともっと頑張ろう!と思えるのです。それぞれの大切な時間を使って観に来てくれる一人一人の事をいつも考え大切にしています。
今週末は10年振りの日比谷野外音楽堂での『真夏の夜のフラメンコ』。暑い中観に来て下さる皆様と最高の時を過ごせるよう、しっかり準備いたします。
¡¡¡¡¡¡ Vamooooooooos!!!!!!
【プロフィール】
田村陽子(Yoko Tamura)/フラメンコダンサー、フラメンコ教室「Estudio LA FUENTE」主宰。
幼少よりバレエ、バトントワリング、ジャズダンス等様々なジャンルの舞踊を習得。17歳のころより中井不二子、アントニオ・アロンソ、水村繁子らに師事した後2002年小松原庸子スペイン舞踊研究所に入所。同舞踊団の下、フラメンコやクラシコエスパニョールをスペインの著名アーティストらに指導を受け、国内外の公演に多数参加。2012年7月退団後は国内のタブラオ出演や多様なジャンルとのコラボレーション、テレビCM出演等多彩な活動をしている。また、スペイン留学を重ね多くの一流アーティストらに師事、研鑽を重ねつつ舞台やライブの創作活動にも意欲的に取り組む。
2011年第6回CAFフラメンコ・コンクール優勝。2015年フラメンコ生活20周年記念公演「Mirada∼Piano con Duende」にて平成27年度文化庁芸術祭新人賞受賞。
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