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フラメンコギターコンサート 暁 AKATSUKI vol.3

  • norique
  • 1 日前
  • 読了時間: 3分

~心のままに渡ったパイオニアたち~

 

(miércoles, 30 de abril 2025)

 

2024年5月17日(金)

新宿ガルロチ(東京・伊勢丹会館6F)


写真/川島浩之

Fotos por Hiroyuki Kawashima

文/金子功子

Texto por Noriko Kaneko


A_240517_ギターコンサート暁

(写真左から)エンリケ坂井、鈴木尚

 

ちょっとユニークで、聴き応えのあるコンサートだった。

劇場公演や発表会など様々なフラメンコの現場で撮影活動を行う写真家で、自身もギターを弾く川島浩之が企画するフラメンコギターコンサートの第3弾が、東京・新宿ガルロチで開催された。


今回のコンサートは、まだフラメンコの普及がままならない時代に現地へ飛び込んで修行を積み、日本のフラメンコギター界のパイオニアとなったギタリストへの敬意を込めて企画されたという。エンリケ坂井・鈴木尚の両氏を招き、彼らへのインタビュー映像からそのリアルな体験談を共有し、また年輪を重ねた味わい深いギター演奏も堪能できるという実に贅沢なプログラムだ。


B_240517_ギターコンサート暁_YUNA
YŪNA

第1部は プレコンサートとしてセミプロや愛好家たちによる演奏と、注目の若手ギタリストYŨNAによるステージ。選曲や演奏スタイルにそれぞれの個性が感じられ、演奏も皆なかなかの腕前だ。そしてフラメンコギターへの深い愛情も伝わってくる。

YŪNAはソロを2曲演奏。鮮やかな指さばきで、きれいな粒のそろった確かな音色を奏でた。

 

そして第2部はパイオニアたちによるAKATSUKIコンサートとして、エンリケ坂井、鈴木尚両氏へのインタビュー動画の鑑賞と、交互にギター演奏も楽しめるという形式で進行していく。

まず1本目のインタビュー動画は、両氏のフラメンコギターとの出会いから渡西に至るまでのエピソードが紹介される。

鈴木はセビージャに留学した時の話を語り、マノロ・マリン舞踊学院の話やタブラオで成長できたことなどを打ち明ける。

エンリケは高校生の時にラジオで聴いてフラメンコに惹かれ、高校を出ると働いてお金を貯めて24才でスペインに渡ったという。


2本目のインタビュー動画は、フラメンコの源流の地で知り得たことについて。

鈴木はヘレスでフラメンコについて学んだことや、エンリケはモロン時代の事など興味深いリアルな話を聞かせてくれた。


それぞれのソロ演奏では異なる味わいが楽しめ、鈴木は深みのある音色とキレや勢いがある演奏を披露し、エンリケもまたいぶし銀のような熟練の技が光る演奏を聴かせてくれた。


デュオでは、ファンダンゴ・デ・ウェルバとブレリアを披露。フレーズが巧みに絡み合う演奏は息が合っていて、互いが深い部分で楽しんで弾いているのが伝わってくる。この瞬間でしか味わえないハーモニーが奏でられ、実に贅沢なデュオ演奏だ。ギター同士で伝え合えるって素晴らしいな、と自然と感動が湧き上がった。


最後はYŪNAも一緒に、トリオでタンゴを演奏。これもまたなかなかお耳にかかれない、レアな共演が楽しめた。


フラメンコギターの楽しさや深い魅力を、2時間以上たっぷりと堪能できた今回のコンサート。次なる第4弾が、実に楽しみだ。


[出演者&プログラム]

【第1部】   

●愛好家・セミプロによるプレコンサート

大澤貴文 アレグリアス

川島浩之 ファルーカ(曲 鈴木英夫)

槙村洋志 グラナイーナ(曲 カルロス・パルド)

猪俣忠雄・小松晶子 Inspiration ルンバ


●若きギタリストの演奏

YŪNA グラナイーナ(曲 サビーカス Granada Arabe)

ロンデーニャ(曲 ラファエル・コルテス Parando el Tiempo)


【第2部】パイオニアたちによる暁コンサート

インタビュー映像①

鈴木尚 藤野(rondeña)

エンリケ坂井 ティエントス

エンリケ坂井・鈴木尚 ファンダンゴ・デ・ウェルバ


インタビュー映像②

鈴木尚 ラ・マリネラ(alegrías)

エンリケ坂井 シギリージャ

エンリケ坂井・鈴木尚 ブレリアス


エンリケ坂井・鈴木尚・YŪNA タンゴ


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