(lunes, 25 de noviembre 2024)
2024年5月26日(日)
東京文化会館 小ホール(東京・上野)
写真提供/㈱ジンズアクション
文/金子功子
Texto por Noriko Kaneko
沖のコンサートではクラシックギタリストやバイオリニストなど様々な音楽家と共演が多いが、今回はちょっと特別な内容となった。フラメンコギターデュオの徳永兄弟をゲストに迎え、フラメンコギターのみでのコンサートとなったからだ。2015年以来、実に9年ぶりの共演だという。
600席以上を有する東京文化会館小ホールは満員。沖のファンはもちろん徳永兄弟のファンや、フラメンコギターやクラシックギターの愛好家など、幅広く大勢の観客が集まった。
舞台に沖が登場すると、大きな拍手で迎えられた。初めは沖のソロを2曲。哀愁漂うファルーカは、2010年のスペイン・ムルシアでの国際コンクール優勝を経て、フラメンコへの敬意と畏れを表現して作った曲だという。そして「さくらさくら」は日本古来の曲にフラメンコのエッセンスを取り入れ、ポル・ブレリアのグルーヴ感溢れるアレンジで披露された。
続いて徳永兄弟が登場し、それぞれソロ曲を演奏。まずは兄の健太郎による粒ぞろいの音色が美しいタランタ、そして弟の康次郎はゆったりと繊細なメロディーからブレリアへと展開するオリジナル曲を披露した。
一部の最後は再び沖のソロで、やさしい穏やかなフレーズを立ち姿勢で演奏。そしてマイクから離れると、舞台をゆっくりと歩きながら生音で温かみのあるメロディーを奏でた。
休憩をはさんでの第2部は、徳永兄弟の代名詞的なオリジナル曲「Buleria de padre」からスタート。超絶技巧のような鮮やかな指さばきと息の合ったデュオ演奏で2曲を披露。
その後は、沖を交えての三重奏を3曲。まずは徳永兄弟の代表的な作品のひとつ「魂の旅人」、次は沖のオリジナル曲「ONCE」、そして最後は「アランフェス協奏曲」よりアダージョという名曲。それぞれの素晴らしい楽曲をこの日限りのトリオアレンジで楽しめるという贅沢な時間だった。
アンコールは、パコ・デ・ルシアの名曲「二筋の川」。ソロパートではそれぞれの個性溢れるフレーズを次々に繰り出し、超レアな三重奏を心ゆくまで堪能できた。
三者三様の持ち味と魅力が十二分に楽しめた今回の公演。この組み合わせでの全国ツアーを期待する声も、さっそく上がっている。それがもし実現してくれたら、フラメンコギターのファンがさらに増えることは間違いないだろう。
【プログラム】
レスペート・イ・オルグージョ(沖仁 作曲)
さくらさくら (沖仁 編曲)
タランタ Cuando Sueno ~夢見る時~(徳永健太郎 作曲)
Recuerdos ~思い出~(徳永康次郎 作曲)
エスペランド~Tremolo お別れの歌~(沖仁 作曲)
Buleria de padre (徳永兄弟 作曲)
アレグリアス (徳永兄弟 作曲)
魂の旅人 (徳永兄弟 作曲)
ONCE (沖仁 作曲)
「アランフェス協奏曲」よりアダージョ
(ホアキン・ロドリーゴ 作曲/沖仁 編曲)
【沖仁公式サイト】
【徳永兄弟公式サイト】
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