アーティスト名鑑vol.21
- norique
- 3月22日
- 読了時間: 5分
更新日:3月30日
(viernes, 21 de marzo 2025)
スペイン在住30年以上、多数の一流フラメンコ・アーティストらとも親交のあるフラメンコ・ジャーナリスト志風恭子が、歌・踊り・ギターそれぞれの代表的アーティストらのプロフィールをピックアップ。過去の取材で撮影した写真や、チェックしておきたい動画などもご紹介します。
文/志風恭子
Texto por Kyoko Shikaze
*名鑑登場アーティスト一覧はこちらから
Antonio Nuñez Montoya
“El Chocolate”
Jerez de la Frontera (Cádiz) 4-5-1930 – Sevilla 20-7-2005
エル・チョコラーテ
本名アントニオ・ヌニェス
1931年5月18日カディス県ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ生まれ、2005年7月20日セビージャ没
5歳からセビージャに住み、アラメーダ街でニーニャ・デ・ロス・ペイネスら、20世紀前半を代表する歌い手たちの薫陶を受け、プライベートのフィエスタなどでプロとして歌い始め、60年代にはタブラオや映画『バルセロナ物語』出演、コルドバのコンクール優勝、ニーニョ・リカルド伴奏で録音と活躍し、69年にはヘレスのフラメンコ学会の賞を受賞。以後、各地のフェスティバルなどで活躍。86年ビエナルのヒラルディージョのコンクールでも優勝。1996年には佐藤佑子、エンリケ坂井の招きで来日も果たした。

1992年セビージャ ©︎ Kyoko Shikaze

1992年ビエナル、闘牛場での『Y Sevilla』公演、フィン・デ・フィエスタで踊る。©︎ Kyoko Shikaze

1995年マドリード、映画『フラメンコ』プレミアで。©︎ Kyoko Shikaze

2004 年セビージャ フエベス・フラメンコス公演の記者会見で ©︎ Kyoko Shikaze
【動画】
国営放送の伝説的フラメンコ番組から。登録することで日本からでも視聴可能。最初に歌うファンダンゴからすごい。エドゥアルド・デ・ラ・マレーナの伴奏。ソレアでは奥さんロサや、その兄ファルーコ、息子、ファルキートらがパルマを打っている。
カナルスール局の映像から。
1990年マノロ・フランコの伴奏でシギリージャ。
1995年のフラメンコ番組でのシギリージャ。伴奏はフアン・アビチュエラ。
1997年のソレア。伴奏はマヌエル・デ・パルマ。
Ángela Vargas Vega
“Angelita Vargas”
Sevilla 19-3-1949 – Bormujos (Sevilla) 11-11-2023
アンヘリータ・バルガス
本名アンヘラ・バルガス・ベガ
1949年3月19日セビージャ生まれ、2023年11月11日セビージャ県ボルムホス没
深みと説得力のある存在感がヒターナらしいフラメンコで、日本にも、生徒もファンも多いアンヘリータはトリアーナ生まれ。兄イシドロ、夫ビエンカサオ、息子ホセも踊り手だった。今もイシドロの娘マヌエラが踊り手としてタブラオなどで活躍中。13歳から地元セビージャのタブラオに出演。最初は歌って踊るルンベーラ格で“ラ・ヒタニージャ”という芸名だった。後、舞踊に専念。80年にはコルドバのコンクールで優勝、86年にはヘレスのフラメンコ学会の賞を受賞。その後もフェスティバルなどを主な舞台に活躍。2011年脳梗塞で倒れたが、リハビリを重ね、座ってクラスを行うまでになっていたが23年再び倒れ、亡くなった。

1992年セビージャ万博アンダルシア館タブラオ ©︎ Kyoko Shikaze

1992年セビージャ万博アンダルシア館タブラオ ©︎ Kyoko Shikaze
【動画】
1998年のソレア。夫ビエンカサオ、息子がパルマで。歌はボケロン、ギターはエウヘニオ・イグレシアス。
2008年のティエント/タンゴ。歌はフアン・ホセ・アマドールとルイス・アマドール、ギターはラモン・アマドールとエウヘニオ・イグレシアス。パルマにボボーテ。
Manuel Fernández Molina
“Parrilla de Jerez”
Jerez de la Frontera(Cádiz) 21-9-1945 – 7-6-2009
パリージャ・デ・ヘレス
本名マヌエル・フェルナンデス・モリーナ
1945年9月21日ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ生まれ、2009年6月7日没
大地に根付いた独特の味わい、風格があり、歌心のあるリズミカルかつメロディアスなトーケで知られる。父はギタリストのティオ・パリージャ、姉アナは踊り手、兄フアンもギタリストでフアンの息子マヌエルもギタリスト、その弟フアンはフルート、ベルナルドはバイオリン奏者、歌い手ボリーコやマヌエル・モラオも従兄弟になるというフラメンコ一家。13歳の時セビージャのフェリアで初仕事、後、ベンタとよばれる街道沿いの居酒屋やプライベートの宴などでも仕事をし、60年代にはマドリードのタブラオで活躍。歌伴奏で頭角を表し、エンリケ・モレンテ、ホセ・メネセ、アグヘータ、マカニータなどの伴奏で知られるが、特にパケーラとは切っても切れない相棒で長年共演し、共に来日も果たした。フィン・デ・フィエスタで見せる愛嬌たっぷりな一振りも魅力的で忘れられない。

1992年セビージャ万博アンダルシア館タブラオ ©︎ Kyoko Shikaze

1992年セビージャ万博アンダルシア館タブラオ ©︎ Kyoko Shikaze
【動画】
国営放送の伝説的フラメンコ番組から。パケーラの伴奏。声の力が強すぎて聞こえにくいがさすがすでに名手。
テレビでのパケーラのブレリア伴奏。
ヘレスのローカル局が没後に制作したドキュメンタリー。兄や娘たち、ペーニャ会長だった従兄弟、研究家らのコメントと地元ならではの、ヘレスでの舞台映像を中心に構成。演奏動画もソロも伴奏もブレリアの一振りも収録と、それだけでも見応えがある。15分の動画3本で構成されています。
【筆者プロフィール】
志風恭子(Kyoko Shikaze)/1987年よりスペイン在住。セビージャ大学フラメンコ学博士課程前期修了。パセオ通信員、通訳コーディネーターとして活躍。パコ・デ・ルシアをはじめ、多くのフラメンコ公演に携わる。
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