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アーティスト名鑑 vol.24

  • norique
  • 6月22日
  • 読了時間: 4分

(sábado, 21 de junio 2025)

 

スペイン在住30年以上、多数の一流フラメンコ・アーティストらとも親交のあるフラメンコ・ジャーナリスト志風恭子が、歌・踊り・ギターそれぞれの代表的アーティストらのプロフィールをピックアップ。過去の取材で撮影した写真や、チェックしておきたい動画などもご紹介します。

 

文/志風恭子

Texto por Kyoko Shikaze

 

*名鑑登場アーティスト一覧はこちらから

 

Tomasa Guerrero Carrasco

"La Macanita"

Jerez de la Frontera, 6-1968

 

ラ・マカニータ

本名トマサ・ゲレーロ・カラスコ

1968年6月 ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ生まれ


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 ©︎ Kyoko Shikaze 1992年セビージャ万博アンダルシア館にて

ヘレスのカンタオーラといえばこの人。誰よりもフラメンコな響きを持つ声でヘレスらしいフラメンコを堪能させてくれるマカニータ。サンティアゴ街出身で、4歳で歌い踊る姿がスペイン国営放送の伝説的フラメンコ番組『リト・イ・へオグラフィア・デル・カンテ』に収録されている。自然にプロの歌い手としての道を歩み、マヌエル・モラオ主宰の子供たちのグループでスペイン中を周る。ヘレスのビジャンシーコ(クリスマスソング)集『アシ・カンタ・ヌエストラ・ティエラ・エン・ナビダ』シリーズに数多く参加するなどして頭角をあらわし、1989年に初のソロアルバムをリリースしたのを皮切りにこれまで7枚のソロアルバムを発表。カルロス・サウラ監督の映画『フラメンコ』にも出演。2009年にはフアナ・ラ・デル・ピパ、ドローレス・アグヘータとの『ムヘレス』にも参加。

 

【ビデオ】

『リト・イ・へオグラフィア・デル・カンテ』の少年少女特集。

26分30秒あたりから登場しブレリアを歌い踊る。このほかにもモライートやレメディオス・アマジャら多くのアーティストの子供時代の姿を見ることができる。

 

アンダルシアの放送局、カナルスールのフラメンコ番組でブレリアを歌う。伴奏はニーニョ・ヘロ。1991年。

 

2002年のソレア。伴奏はディエゴ・デ・モラオ。

 

2004年のタンゴ。伴奏はビジャンシーコのシリーズで長らく共演したパリージャ・デ・ヘレス。

 

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©︎ Kyoko Shikaze 1992年セビージャ万博アンダルシア館にて

 

Juana García Gómez

“Juana Amaya”

Moron de la Frontera(Sevilla) 7-11-1968

 

フアナ・アマジャ

本名 フアナ・ガルシア・ゴメス

1968年11月7日セビージャ県モロン・デ・ラ・フロンテーラ生まれ

 

子供の時から踊り始め、9歳、13歳の時にはコンクール優勝し、ビエナルにも出演。14歳でマリオ・マジャに見出され、相手役として初来日。後、クンブレ・フラメンカ舞踊団でクリストバル・レジェスやアントニオ・カナーレスと共演したりと舞台経験を積む。96年の劇団クアドラの『カルメン』に主演するなど活躍。現在もセビージャで教授活動の傍ら、各地の舞台で活躍。娘ナサレ・レジェス(父はクリストバル・レジェス)も踊り手。なお、アマジャは母方の苗字で、ディエゴ・デル・ガストールやカルメン・アマジャにも繋がる血筋なのだとか。

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©︎ Kyoko Shikaze 1997年 Los Gallos Sevilla

【ビデオ】

1989年のロマンセ。歌はクーロ・フェルナンデス、フアン・レリダ、ルイス・フェルナンデス、ギターはカルロス・エレディア。

 

1999年のシギリージャとタンゴ。シギリージャの後にタンゴっていうのはカナーレスがよくやっていた。一緒に踊っていたこともあったから、その影響かも。

 

2008年のソレア。


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©︎ Kyoko Shikaze Japón 1991

 Juan Gómez Gorjón

"Chicuelo"

Barcelona, 16-8-1968 

 

チクエロ

本名 フアン・イグナシオ・ゴメス・ゴルホン

1968年8月16日 バルセロナ生まれ

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©︎ Kyoko Shikaze 2018 Jerez

ソロ、歌伴奏、舞踊伴奏。作曲もフラメンコ作品だけでなくミュージカルや映画音楽も手掛け、ジャズミュージシャンやワールドミュージックとも共演を重ねるマルチな才能で活躍する得難い存在。12歳でギターを習い、19歳でバルセロナのタブラオ“カルメン”のレギュラー、アンヘリータ・バルガスやベレン・マジャ、ジェルバブエナなど数多くのアーティストを伴奏。また、同郷のドゥケンデやミゲドゥケンデの歌伴奏も長らく務めたほか、エンリケ・モレンテやカルメン・リナーレス、マイテ・マルティンらの歌伴奏、チャノ・ドミンゲスらジャズミュージシャン、ヨーヨーマとも共演。ソロアルバム3枚の他、ジャズピアニスト、マルコ・メスキダとの共演でも3枚、また歌伴奏でも多数の録音がある。長年、小島章司作品の音楽監督を務め、数えきれないほど来日している。

 

【ビデオ】

2003年アンダルシアの放送局フラメンコ番組『ジャマ・ビバ』でブレリアを演奏。

 

2010年ミゲル・ポベーダを伴奏

 

2016年マドリードのサラ・ガルシア・ロルカでドゥケンデのタンゴを伴奏。

 

2024年国営放送の音楽番組より。ソロでアレグリアス。


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©︎ Kyoko Shikaze 2010 La Unión con Miguel Poveda, Juan Ramón Caro

【筆者プロフィール】

志風恭子(Kyoko Shikaze)/1987年よりスペイン在住。セビージャ大学フラメンコ学博士課程前期修了。パセオ通信員、通訳コーディネーターとして活躍。パコ・デ・ルシアをはじめ、多くのフラメンコ公演に携わる。

 

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