top of page

クラス訪問:第1回 スタジオ・カスコーロ/カンテ・クラス

(martes, 21 de marzo 2023)


文・写真/金子功子

Texto y fotos por Noriko Kaneko


 世界第2位のフラメンコ人口を誇るといわれる日本には、実にたくさんのフラメンコ教室があります。でも、教室で習ったことがない人や、また習っていても自分が通う教室以外では、クラスの雰囲気やどんなレッスンが行われているとか、未知の部分も多いのではないでしょうか。

 そこで、ちょっと気になるアノ教室におじゃまして、実際にクラスの見学取材をさせていただこう!とこの企画を立ち上げました。

 記念すべき第1回目は、東京は池袋の1駅先、要町にあるスタジオ・カスコーロ。カンタオール(歌い手)でギタリストのエンリケ坂井さんと、奥様のバイラオーラ(踊り手)佐藤佑子さんが指導する老舗のフラメンコ教室です。

 今回取材させていただいたのは、月曜の夜に行われているカンテ(歌)のクラス。レッスンは月2回で、生徒さんたちはクラス歴20年以上というベテラン揃い。本当にカンテが好きな人たちが、ずっと続けて習っているといいます。


 クラスが始まると、自然にみんなでパルマを叩き始めます。曲はタンゴからスタート。パルマの輪の中で、まず一人目の生徒さんが1曲歌います。何を歌うかはお任せ、でも次の生徒さんは同じ曲がかぶらないように違う歌を選んでいきます。もちろん、エンリケさんも歌います。ひとり歌い終わる毎にパルマもきちんと締め、でもコンパスはずっと回り続けパルマも続いていきます。コントラやレマーテも、ここぞというポイントでしっかり入ってくるので、そこはさすが専科のカンテ・クラス。授業なのになんだかフィエスタみたいで、楽しい。

 タンゴで全員が一巡すると、次はブレリアでのカンテ・リレー。同じ順番でまた一人ずつ歌っていきます。でも、だいたいの曲が皆さんご存じで一緒に歌っているので、ずっとほぼ合唱のよう。そして歌いながら足も打ち、パルマも低音(ソルド)から高音(セコ)へと自在に打ち分け、そして歌が抜けたらまた低音に戻って、とずっと曲が続いていきます。

 カンテ・リレーはその後セビジャーナス、ファンダンゴ・デ・ウエルバと続き、さらにカンティーニャ系、ソレア系のカンテも同じように歌い繋いでいきます。ここまでで40分くらい。カンテ入門者にとってはなかなか濃密な時間ですが、生徒さんたちにとっては喉慣らしのウオームアップといった感じでしょうか。にしても、皆さん本当にレパートリーが豊富です。


 ウオームアップが終わると、レッスンの時間となります。前回のクラスでもらった楽譜を元に、全員で斉唱します。この日の最初の曲はロマンセ。クラスで配られる楽譜は、エンリケさんが耳コピして五線譜に自ら書き起こしたものです。エンリケさんは伴奏しつつ、歌い方を説明したり改善点を指摘してくれたりします。この日は他にも、セビジャーナスやカンパニジェロの歌をレッスンしました。


 クラスが1時間くらい過ぎたあたりで、休憩タイムに。取材に伺ったのがちょうどバレンタインデーの前日だったので、プレゼントやお土産を配り合ったりおしゃべりしたりと和やかに過ぎていきます。


 クラス後半が始まると、昔の音源のルンバを聴かせてくれるということで、約半世紀前の1970年代、その頃からルンバ専門のグループが出てきたという時代の音源を聴き、それを録音させてくれました。エンリケさんは、カンテを学ぶには「当時の質の良い音源を聴かないといけない」と強調します。

 そして、その日の「当番」として選ばれていた生徒さんが前に出て、エンリケさんの伴奏でカンテ・ソロを歌います。曲は、古くから歌われる有名なブレリア『Camino de Jerez』。ソロの歌唱にも、エンリケさんの細やかな指導が入ります。


 クラスは引き続きレッスンへ。歌い方が難しい箇所を指導してもらいながら、ギター伴奏に合わせて全員で歌います。ルンバ、ブレリア、ソレア、タンゴ・デ・ハエンと、様々な曲が続きます。また、最近始めた曲だというカナレーハのファンダンゴは、歌詞の訳や意味を解説したり、メロディーを1音ずつギターで弾きながらレッスンしていきます。フラメンコのカンテは音の動きが細かいし、音程も全音や半音で割り切れない難しさがあるけれど、大切なのは「メロディーを覚えること」だと教えていただきました。


 たくさんの曲種を聴いて歌ってパルマも叩いて、本当にたっぷりカンテを浴びた2時間のクラスでした。入門者レベルの私では、クラスに参加する前に「予備校とかないのかな…」とひるんでしまいますが、すでにカンテを楽しんでいたりもっと深めたい!という方にはぜひオススメのクラスです。

 満足度はきっと100%超えでしょう。


【教室データ】

スタジオ・カスコーロ


[フラメンコ舞踊] 佐藤佑子

[ギター・カンテ・カンテ伴奏] エンリケ坂井

東京都豊島区要町2-1-19

Tel.03-3959-4471


>>>>>




閲覧数:107回

Comments


Commenting has been turned off.
bottom of page