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- 内田好美フラメンコソロ公演『孤独生 vol.3/10』
《蒼叫 Gritar》 (jueves, 19 de junio 2025) [日時]2024年9月22日(日) [会場]中電ホール(愛知/名古屋) 写真/大森有起 Fotos por Yuki Omori 文/金子功子 Texto por Noriko Kaneko 孤を知り、独となり、生かされているこの命を生きる--、そうした自身の想いとあらゆるものへの感謝を込めて舞台作品として表現することに挑み続ける、フラメンコダンサー内田好美の年一回のシリーズ公演『孤独生』。 第3弾となる今回は龍と鬼をモチーフに、破壊と誕生の環をテーマとして創作。踊り・音楽・舞台演出とすべての要素で微に入り細にわたり、そのこだわりを貫いている。 緑が生い茂る舞台セット。まるで森の中にいるかのよう。そしてそこには龍のものと思われる大きな肋骨。 ピアノのメロディーが流れ、物語が始まる。 今作で内田は、天界から下界へ生命を吹き込む龍を演じ、その生涯を回想しながらたどっていく。 若い時代は希望と生命力に満ち溢れ、空から光が降り注ぐ森の中で、ローズ色のバタ・デ・コーラで野生的に力強くアレグリアスを踊る。 下界で次々と生命が誕生していくとその繁栄を喜び、青いヴェールが付いたアバニコを操り優雅に舞う。 足は鳴らさずモダンダンスのような滑らかな動きは、森の妖精が踊っているようで美しいシーンだ。 母性の象徴として赤子を抱くようにくるんだマントンを抱きながら子守唄を歌う川島との二重唱の場面では、龍が人間との違いを思い知る切なさが滲み出る。 やがて下界の人間たちが互いに争いを始めたり罪を犯すようになり、天界から見守ってきた龍に恐れと敵意を向けるようになる。理想として思い描いた世界との乖離や龍の孤独を、オーソドックスなタラントやソレア・ポル・ブレリアでドラマティックに表現。 それでも下界の生命を見守り、希望を抱き続ける龍の想いを表現するため、内田は音楽や詩の朗読の録音、舞台装置や照明、そして客席通路も演出に使うなど様々な要素を駆使してその世界観を表現した。 緑のライトを浴びて、きれいな澄んだ声で想いを込めて日本語の歌を熱唱する姿は、まさに蒼い叫びだ。 そして龍は自らを含め破壊を選び、再生へと希望を託す。覚悟を決めたような表情でもがきもだえ、うごめくように踊る姿に龍の生き様と強い想いが表れていた。 このソロ公演を支えるミュージシャン勢は、第1作目から同じメンバーで実に贅沢な布陣だ。作品の輪郭を鮮やかに際立たせる徳永のギター、多彩な音色と安定のリズムで音楽を支える容昌のパーカッション、物語を豊かに彩る森川のバイオリン。そして、慈愛に満ちたやさしく頼もしい川島のカンテ。 休憩無しの70分間。極上の音楽とともに、内田が描く独創的な世界を目と耳と心で堪能した。 この先日、次回作となる第4弾の開催が発表された。そちらもユニークな設定を打ち出している。 試行錯誤を重ね、自身の持つイメージを着実に舞踊作品として形にしてきた内田の『孤独生』。 彼女の創作意欲は、泉のごとく今なお湧き続けているようだ。 【プログラム】 1. 郷 [プロローグ] 2. Alegrías [豊潤] 3. Minué y Preludió [戯れ] 4. Tarara [誕生] 5. Taranto a Soleá por Bulería [望郷と乖離] 6. Poema [強き者へ] 7. 蒼叫 [祈り] 8. Rondeña [破壊と…] 【出演】 内田好美(バイレ) 川島桂子(カンテ) 徳永健太郎(ギター) 森川拓哉(バイオリン、ピアノ) 容昌(パーカッション) ======
- ArtistaЯ ~表現者☆~ ep.18
ep.18 小島慶子 Keiko Kojima (lunes, 16 de junio 2025) 写真家・大森有起が、今を輝くフラメンコ・アーティストたちの真の姿を写す パロマさんとはパセオ取材で知り合いました。 弾丸の如く跳ね、音厚パルマを叩き、ときに唄う。 全身全霊で踊る姿が大好きで、もう20年余になります。 お付き合いは撮影依頼から始まることが殆どです。 たくさんの機会とチャンスをいただき、 真剣勝負で撮影、現場叩き上げで現在があります。 パロマさんもその御一人。 撮る機会は減りましたが脳裏にしっかり記憶があります。 踊る人・撮る人。 終えない限り、この関係性は未来永劫続きます。 ©Yuki Omori 「見つけた自分」 踊りはもちろんのこと、 でも今はそれだけに限らず興味もったものを 間接的な方法で表現することに喜びを見い出しています。 自分の身体で表現する偽りのない自分と、 踊り以外の写真は違うことのように見えて、 全て自分自身を表現することだと今更ながら気づいたのです。 自然と触れ合い身を置くことで、 気持ちがリセットされより前向きになります。 踊りも写真もいろんな表現を身につけながら、 自分のできることを見つけていきたいと思います。 =====
- 12 DOCE del FLAMENCO
【ショップ訪問】 ドセデルフラメンコ(福岡) (viernes, 13 de junio 2025) 文・写真/金子功子 Texto y fotos por Noriko Kaneko 可愛くてリーズナブルな衣装にワクワク フラメンコ衣装をインターネットで探したことがある人なら、おそらく一度はその名前を見た事があるのでは、という12 DOCE del FLAMENCO(ドセデルフラメンコ)。 九州・福岡の博多駅から地下鉄で10分くらいというアクセスの良い立地で、オリジナルデザインの可愛くてリーズナブルなフラメンコ衣装を提供する衣装専門店です。 2010年に創業し、今年が15周年目。マンションの一室からはじめ、福岡空港の近くに倉庫兼店舗という形での営業を経て、現在の店舗に移りました。 明るくオシャレな店内にテンションもUP お店を始めたきっかけは、店長を務める𠮷原由里さんが当時通っていたスペイン語教室で、自営業を営む現会社の社長と知り合ったことから。共通の友人たちと一緒にベトナムへ旅行した時に、現地でオーダーメイドで衣装を作っている所がたくさんある事を知り、そこでフラメンコ衣装を作っている人がいると教えてもらったそうです。そして帰国後、友人でもあるその社長が衣装づくりを仕事にしたいと言い、そこにたくさんの人との出会いが重なって、ドセデルフラメンコが誕生しました。 衣装づくりについては、デザインは日本で行い、サンプルをベトナムに持っていって現地で製作。生地はスペイン製のものを使うこともあれば、現地で調達したり福岡から近い韓国で探したりもするそうです。HPの充実ぶりからネット販売の印象が強いけれど、発表会シーズンなどは実際に来店するお客様も結構多いとか。 HPでも紹介されているこちらのバタデコーラは、スペイン在住の堀江啓子さんが製作するブランドLuna Luneraのもの フラメンコ衣装をデザインする上で大切にしているのは、現場ならではの声や「今」の空気感だと𠮷原さんは言います。スタッフは全員フラメンコを踊るので、自身や仲間が必要としているものが商品ラインナップに反映されているそうです。また、ライブや発表会にも積極的に足を運び、舞台を客席から見ることも衣装製作のヒントになっているとのこと。 そして年に一度程度は本場スペインへ、「今」のフラメンコと衣装のモードを仕入れに行くことも欠かせません。現地でタブラオやペーニャ、舞台を見たり、街を歩いていろいろな話を聞いたり。そこで感じる香り、光、乾いた音と声、ウキウキ感、そして仕入れた情報を少しでもドセから届けられたら――、そういう思いが込められています。ちなみに、ドセの店内にはセビージャのオレンジの花AZAHARの香りが漂っているそうです。 アンダルシアの街角のようなディスプレイ 「HPで紹介している衣装も、実際にお店で見てもらえたらその可愛さが絶対によく分かってもらえると思います。店頭ではおしゃべり好きなスタッフが待っていますので、もしお近くに来る機会がありましたらどうぞ気軽にお越しください!そしてネットを通じてご利用いただくお客様も、疑問に思うことや心配なことはお気軽にお問い合わせください」と𠮷原さん。 プロのこだわりが詰まったたくさんのアイテムと、フラメンコ愛溢れるスタッフたちのサポートが頼もしいドセデルフラメンコ。来店でもネット注文でも、フラメンコの「今」のモードにぜひ触れてみてください。 限定デザインのチロルチョコも発見! 【ショップDATA】 12 DOCE del FLAMENCO (ドセ デル フラメンコ) [住所]〒810-0022 福岡県福岡市中央区薬院3丁目13-22 新宝ビル2F [電話番号]092-525-1212 [アクセス]福岡市営地下鉄七隈線「薬院大通」駅徒歩2分 [営業時間]*毎月のカレンダーをHPでご確認ください。 [公式HP] https://12-del-flamenco.com/ [Email] 12doce.del.flamenco@gmail.com お店が入ったビルの1階にあるこの看板が目印 =====
- リレー連載:私とフラメンコ -新人公演を通して- 5
第5回 岡田麻里 【バイレ・ソロ部門 準奨励賞】 (sábado, 14 de junio 2025) あなたにとってフラメンコとは何ですか――。 仕事として関わっている人、趣味として楽しんでいる人、自身の生きがいとして無くてはならない人など、その向き合い方は人それぞれ。 そうしたフラメンコへの思いを、昨年の日本フラメンコ協会主催「第33回フラメンコ・ルネサンス21『新人公演』」の入賞者の方々にエッセイとして綴っていただき、リレー連載という形式でご紹介します。 フラメンコとの出会い、新人公演を通して得たものや感じたこと、自身にとってのフラメンコへの思いなどを語っていただきました。 第5回目は、バイレ・ソロ部門で準奨励賞を受賞した岡田麻里さんです。 編集/金子功子 Edición por Noriko Kaneko [撮影]川島浩之 [写真提供]一般社団法人日本フラメンコ協会 フラメンコに、出会ってしまった。 もともと踊りが好きだった。高校生の頃にヒップホップを始めて、ダンスにのめり込んでいく。もっと踊りたい。そんな時に。 最初は、根拠のない自信があった。すぐに踊れそう! でも、音楽も、リズムも、動きも、まったく知らない世界。 あまりにできなさすぎて、逆にどんどんハマっていった。 舞台で輝く先生や先輩たちへの憧れが、やがて「新人公演」での受賞という目標に変わっていった。日本フラメンコ界屈指の舞台。その舞台に立つには、フラメンコの奥深さと正面から向き合わなければならなかった。 結婚、ベトナム駐在、出産育児。ライフステージの変化で思うように踊れない時期もあった。それでも、何度も新人公演へ挑戦した。 できなくて、悔しくて泣いて、それでもやり続けた。 新人公演に挑戦し続けた理由。 何より、フラメンコを学び続けたかったから。 ひとりで続けるのは難しい。だからこそ、先生やギタリスト、歌い手から学び、経験を積みたかった。目標がある方が、途中で諦めずに踏ん張れる。 そしてもうひとつは、誰かに認めてもらいたかった。 正解のない世界で、このやり方でいいのか。私はちゃんとフラメンコになっていっているのか…それを、何かの形で確かめたかった。 今回は1年かけて、SIROCOさんにソレアを学んだ。 マルカールの基礎から、ソレア、フラメンコ、人生についてまで…迷って立ち止まる私を、熱く真っ直ぐに導いてくれた。 ギターの徳永健太郎くんは、力強い絶対的なフラメンコで、表現しきれない私の踊りも、繊細に拾い、加速させてくれた。 カンテの川島桂子さん。深いフラメンコ愛で、コンプレックスだらけの私を優しく包んでくれた。 京都へのレッスン通い、新人公演応援ライブの企画、もちろん毎日の子育てと仕事との両立。無我夢中で駆け抜けた。今思えば大人の青春だった。 新人公演当日。 緊張で全く眠れないまま楽屋へ。 ご飯も喉を通らない。 それでも踊り切るためにと無理やり食べたおにぎりは砂の味がした。 ゲネプロ。 全く踊れなかった。 床を踏ん張れない。 足と床の間に薄い膜があるようで、 何をしてもふらふらしている。 心が、浮いていた。 SIROCOさんから最後の喝が入る。 最後の場当たりで、床の感覚・目の前に広がる景色を何度も焼き付けた。 本番直前。 やっと気づいた。 これは私の舞台なんだ。 今更ながら覚悟を決めた。 今までSIROCOさん・健太郎くん・桂子さんにずっとひっぱってもらっていた。 それじゃダメなんだ。実力とかキャリアとかじゃない。 私の意志で踊るんだ。 伝えなきゃ。 舞台に上がる直前、一緒にステージに上がるSIROCOさん・健太郎くん・桂子さん一人ひとりに『やるから!』と声をかけた。 板付き。 暗い舞台のセンターに立つ。 ギターの音がなるのを待つ間、怖さなのか、怒りなのか。 『もう二度と出ない!』 心の中で強く叫んだ。 本番中、覚えているようで覚えていない。 確実に覚えているのはみんなのハレオ。 終わった後、みんな笑顔で迎えてくれた。 みんなと一緒にひとつのソレアをつくれた気がした。 今の自分を出し切った。後悔はない。これまでも手を抜いていたわけじゃない。それでも、今回ほど全部を出し切ったことはない。 「新人公演」という舞台で自分の全てを燃やし尽くせた。 これは私の財産となりました。 そして今回、やっと準奨励賞をいただきました。 正直、嬉しいというより、ようやく次のステージのスタートラインにたてた…そんな気持ち。 賞をいただいても、なお遠くに感じる。 フラメンコは、まだ、ずっと先にいる。 少しでも、近づきたい。 賞は一瞬。 でも、積み上げてきた時間は、これからの財産。 私がここまで来られたのは、 いつも誰かがチャンスをくれ、支えてくれたから。 今まで習った先生方はもちろん、一緒にいろんな舞台で共に戦ってきた仲間たち、家族、応援してくれた人たちのおかげ。 あらためて、胸の奥に刻まれた。 フラメンコは、ひとりでは踊れない。 ギターがいて、カンテがいて、仲間がいて、見てくれる人がいて。 そうやって舞台は生まれる。 今度は、私がそのバトンを渡したい。 恩返しがしたい。 私が、今までいろんな人からもらったように情熱のバトンを、繋げていきたい。 賞をいただいても、まだまだ追いかけている。 私のフラメンコは、きっと一生、完成しない。 でも、私はその不完全が好きなんだと思う。 不器用で、迷って、揺れながら、 それでも向き合う—— そんな自分を、ようやく少しずつ、愛せるようになってきたから。 これからも、今の私が持っている全部を込めて踊ります。 【プロフィール】 岡田麻里(Mari Okada)/ 福岡県福岡市出身。2003年フラメンコを習い始める。2006年よりアルマデフラメンコ福岡校に講師として所属。短期スペイン留学を繰り返し、多数のアーティストに師事する。結婚を機に富山へ。2013年から約4年ベトナム駐在。帰国後、2019年4月に南富山駅前に自身のフラメンコスタジオを開設。積極的に教授活動・ライブ活動・地域のイベント企画を行なっている。 【新人公演とは】 一般社団法人日本フラメンコ協会(ANIF)が主催する、日本フラメンコ界の発展向上のため、次代を担うフラメンコ・アーティストの発掘および育成の場として、1991年から毎年夏に開催されている舞台公演。 プロフェッショナルへの登龍門として社会的に認知される一方、「新人公演は優劣順位をつけるためのものではなく、新人へのエールを送るために存在する」という当初からの理念に基づき、すべての出演者が主役であるとの考えから順位付けは行われません。 バイレソロ、群舞、ギター、カンテの各部門に分かれ、若干名の出場者に奨励賞、またはその他の賞が与えられます。 (*一部、ANIF公式サイトより引用) 〈参照URL〉 https://www.anif.jp/ctt_anif_event_shinjin.htm =====
- リレー連載:私とフラメンコ -新人公演を通して- 4
第4回 脇川 愛 【バイレ・ソロ部門 奨励賞】 (sábado, 7 de junio 2025) あなたにとってフラメンコとは何ですか――。 仕事として関わっている人、趣味として楽しんでいる人、自身の生きがいとして無くてはならない人など、その向き合い方は人それぞれ。 そうしたフラメンコへの思いを、昨年の日本フラメンコ協会主催「第33回フラメンコ・ルネサンス21『新人公演』」の入賞者の方々にエッセイとして綴っていただき、リレー連載という形式でご紹介します。 フラメンコとの出会い、新人公演を通して得たものや感じたこと、自身にとってのフラメンコへの思いなどを語っていただきました。 第4回目は、バイレ・ソロ部門で奨励賞を受賞した脇川愛さんです。 編集/金子功子 Edición por Noriko Kaneko [撮影]川島浩之 [写真提供]一般社団法人日本フラメンコ協会 私がフラメンコを始めたのは、5歳の時でした。きっかけは、ディズニーキャラクターのミニーマウスが履いている「赤いヒールの靴」と「水玉のドレス」に憧れたからという子供らしい理由でした。 カルチャースクールのキッズクラスに通い始めた頃は、フラメンコよりも、そこで出会う同年代の友達と遊ぶことの方が楽しみでしたが、幼い頃から打楽器が好きだった私にとって、足で床を踏み鳴らしてリズムを刻むフラメンコは、すぐに夢中になれる魅力的なものでもありました。 ただただ楽しくて続けていましたが、気がつけば20年という月日が流れ、初めてコンクールに挑戦しました。コンクールではなかなか良い結果が残せず、ここ数年間は自分の踊りに迷いを感じ、「このままフラメンコを続けていいのだろうか」「人に感動を与える踊りとは何だろうか」「フラメンコとは...」と自問自答を繰り返す毎日でした。 そんな中、周りの多くの方からの温かい励ましや、的確なアドバイスが私の心の支えとなりました。スペインに短期留学に行った時には、唄い手と踊り手の家にホームステイをして踊り以外の事も学ぶことができました。 自分の踊りと真剣に向き合い、過去の映像を見返したり、尊敬するスペイン人の踊りを見て研究したりと、試行錯誤を重ねました。 そして、私のフラメンコ人生で大きな節目となった3度目の新人公演への挑戦を決めました。長年大切に磨いてきたパリージョ(カスタネット)を使ったシギリージャを多くの人に観ていただき、その表現を評価していただきたいという強い思いがあったからです。 本番までのリハーサルでは苦戦しましたが、「必ず受賞する」という強い覚悟を胸に、毎日自分の踊りと向き合う中で、ただ振りをなぞるだけでは、本当に伝えたい感情は観客には届かないということに気づきました。そこで、シギリージャという曲に、私自身の解釈による独自のストーリーを考え、一つ一つの表現に意味を持たせ丁寧に踊ることで、より自然で感情豊かな表現を目指しました。 本番前のリハーサルでは、ようやく自分の理想とする踊りに近づけたという手応えを感じることができ、自信を持って本番に臨むことができました。 ゲネプロでは、想定外のハプニングもあり動揺してしまいましたが、本番の舞台では、程よい緊張感の中で集中力を高め、その時感じたままを表現し最後まで踊りきった時は、言葉では言い表せないほどの喜びと、自分の中にある全部を出し切り、やり遂げたという大きな達成感でいっぱいでした。 審査基準が変わった初年度の受賞は、私にとって特別な意味を持つものでした。様々な覚悟を持ってこの舞台に挑んだこと、そして最後まで諦めずに積み重ねてきた努力は、決して裏切らないのだと、改めて強く実感しました。 この舞台や私を支えてくださいました全ての皆様に心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。また、この経験を通して、私はパリージョという楽器の持つ魅力をより感じ、さらに極めて磨いていこうと思いました。 将来的には、踊り手としてだけでなく、パリージョ奏者としても活動していきたいと考えています。そして、多くの方々にパリージョの魅力を知っていただくために、パリージョクラスの開講も視野に入れています。私にとってフラメンコは、単なる踊りではありません。それは、言葉や文化を超えて、人と人とが心を通わせることのできる、大切なコミュニケーションの手段であり、私の日常生活に欠かせない、かけがえのない存在です。 これからも、フラメンコの伝統文化を大切にしながら、新しいことにも積極的に挑戦し、自身の表現の幅を広げ、フラメンコの魅力を少しでも多くの人に伝えていきたいと思っています。 赤い靴への憧れから始まった私のフラメンコの道は、これからも続いていきます。 【プロフィール】 脇川 愛(Ai Wakikawa) /5歳からフラメンコを始める。2018年日本フラメンコ協会 第27回新人公演バイレ・ソロ部門準奨励賞受賞、2024年第33回新人公演バイレ・ソロ部門奨励賞受賞。2025年現代舞踊協会 河上鈴子スペイン舞踊新人群舞賞とオーディエンス賞受賞。映像作品、劇場、タブラオ等で活動。近年はパリージョでの音楽活動も行っている。 【新人公演とは】 一般社団法人日本フラメンコ協会(ANIF)が主催する、日本フラメンコ界の発展向上のため、次代を担うフラメンコ・アーティストの発掘および育成の場として、1991年から毎年夏に開催されている舞台公演。 プロフェッショナルへの登龍門として社会的に認知される一方、「新人公演は優劣順位をつけるためのものではなく、新人へのエールを送るために存在する」という当初からの理念に基づき、すべての出演者が主役であるとの考えから順位付けは行われません。 バイレソロ、バイレ群舞、ギター、カンテの各部門に分かれ、若干名の出場者に奨励賞、またはその他の賞が与えられます。 (*一部、ANIF公式サイトより引用) 〈参照URL〉 https://www.anif.jp/ctt_anif_event_shinjin.htm =====
- カンテフラメンコ奥の細道 on WEB no.49
(miércoles, 11 de junio 2025) 文/エンリケ坂井 Texto por Enrique Sakai Malagueña de La Trini ② 前回にトゥリニは不幸な出来事によって片目の視力を失った、と書きました。 それは偶然の出来事で、ある時彼女の恋人がオリーブの実をナイフで刺して彼女に差し出したのですが、ふざけていたのか、何かのはずみでそのナイフでトゥリニは目を突かれてしまったのです。 この事故によるのでしょうか、その後に受けた麻酔を使った当時としては大変危険な手術をトゥリニは受けたのですが視力は戻らなかったようで、トゥリニは次のような歌詞を残しています。 No se borra de mi mente el día catorce de abril; y siempre tendré presente que en ese día me vi a las puertas de la muerte 消す事はできないわ 4月14日のあの日の事、 いつまでも忘れる事はない あの日私は見た、死の扉の 瀬戸際に立つ自分の姿を。 ※a las puertas de ⇒~の瀬戸際に ※verse ⇒自分の姿を見る この続きは次回に。前回のトゥリニ①を歌ったフアン・デ・ラ・ロマという人はマラガのミハス出身(1912~’83)。初期のウニオンのコンクールで優勝した名の通った歌い手でマラゲーニャのスペシャリストです。 さて今回はトゥリニのスタイル②を取り上げます。最もよく知られているのはベルナルドが録音したこの歌。 【Letra】 (ay, alguna vez...) Siquiera por compasión, escríbeme alguna vez, que yo tengo el corazón marchito de padecer, (que) ya no siente ni el dolor. 【訳】 (いつかは…) 例え同情でもいいから いつかは手紙を書いておくれ 私は悩む事に疲れ 心も虚ろになってしまった もはや痛みすら感じない。 歌は名人ベルナルド・エル・デ・ロビートスの'69年の録音。出典はイスパボックスのマエストロス・デル・カンテのシリーズ「ベルナルド・エル・デ・ロス・ロビートス」より。 この歌詞はトゥリニの定番となっていて今でも多くの歌い手が録音していますが、別のレトラでもパカ・アギレーラ、ニーニャ・デ・ロス・ペイネスといった名カンタオーラ達が古い録音を残しました。 【筆者プロフィール】 エンリケ坂井(ギタリスト/カンタオール) 1948年生まれ。1972年スペインに渡り多くの著名カンタオールと共演。帰国後カンテとパルマの会を主宰。チョコラーテらを招聘。著書『フラメンコを歌おう!』、CD『フラメンコの深い炎』、『グラン・クロニカ・デル・カンテ』vol.1~35(以下続刊)。2025年1月Círculo Flamenco de Madridから招かれ、ヘスス・メンデスと共演。 ※CD『グラン・クロニカ・デル・カンテ』シリーズを購入ご希望の場合は、 アクースティカ(https://acustica-shop.jp/) へお問い合わせください。(編集部) ======
- スペインNews 6月号・2025
(viernes, 6 de junio 2025) 文/志風恭子 Texto por Kyoko Shikaze 《INDEX》 ・ アンダルシア舞踊団新作『オリヘン』 ・ ドキュメンタリー映画『アントニオ エル・バイラリン・デ・エスパーニャ』 ・ ロルカとグラナダ 【アンダルシア舞踊団新作『オリヘン』】 5月18日、セビージャのマエストランサ劇場でアンダルシア舞踊団が新作『オリヘン。ラ・セミージャ・デ・ロス・ティエンポス。ラプソディア・エン・7・アクトス』を初演しました。これは舞踊団監督を務めるパトリシア・ゲレーロが就任前からコラボレーションしていたヴィオラ・ダ・ガンバ奏者でファミ・アルカイ率いるアカデミア・デル・ピアチェレとの共同作品で、古楽の楽団が演奏するフラメンコの起源、オリヘンの一つである、いにしえのスペイン、黄金世紀の音楽、ハカラス、パサカジェス(パッサカリア)、サラバンダなどが、ダニ・デ・モロンの演奏するフラメンコギターと溶けあい、フラメンコがフラメンコとして成立する前という過去と未来が交差していくような作品でした。 パトリシアらしい振り付けや細部が至る所に見られ、また古典舞踊、宮廷舞踊のイメージからきたのであろう、お辞儀など儀式的繰り返しとフラメンコ的自由さが、そこにジェンダーレスな振り付けも加わって、そうして作られていくフラメンコやスペイン音楽の未来を感じさせてくれるような作品でした。この夏は、6月25日にグラナダの音楽祭、7月8日はコルドバのギター祭、7月10日にはカタルーニャはペララダ音楽祭、18日にはアルマグロの古典演劇祭でも上演予定とか。 なお、現在、日本からでも arte.tv で無料で鑑賞することが可能です。ぜひ。 https://www.arte.tv/es/videos/125660-000-A/origen-la-semilla-de-los-tiempos/ 【ドキュメンタリー映画『アントニオ エル・バイラリン・デ・エスパーニャ』】 セビージャの映画制作会社で、これまでにもミゲル・ポベーダやマティルデ・コラル、バンビーノなど、フラメンコ関係のドキュメンタリー映画を制作しているサラオ・フィルムスの最新作『アントニオ』。グラン・アントニオという名で1971年、1979年の2回、日本公演も行っている、スペイン舞踊の大巨匠。彼の存在なしに現在のスペイン舞踊はあり得ません。 子供の時からプロとして活躍し、中南米を経てハリウッドでも活躍、スペインに帰国後もパリやロンドンなど欧州はもちろん世界中で公演。スペイン国立バレエ団の監督も務めた不世出の天才舞踊家の生涯を、インタビューなどでの彼自身の言葉をベースに、カルメン・ロハスやホセ・アントニオなどの共演者やマルタ・カラスコやクリスティーナ・クルス、エミリオ・マルティなど研究家らの証言やハリウッド時代も含め数多くの映像とともに綴っていきます。踊ることだけでなく、音楽を聴き本を読み作品制作、振り付けに当たった彼のスタジオは舞踊家カルメン・ロチェの手を経て、現在、スペインのコンテンポラリーを代表するナチョ・ドゥアトがスタジオとして運営し、そこで国立バレエ団時代に教えを受けたアイーダ・ゴメスがクラスを行っているとか。アイーダと同時代に国立バレエに在籍したアントニオ・カナーレスが語るエピソードなど見どころがいっぱい。 丹念に制作されたドキュメンタリーはスペイン舞踊、フラメンコに携わる者必見の作品ですが、現在は上映予定、テレビやプラットフォームなどでの放映予定はないというのは残念な限り。一人でも多くの人に見てもらい、その功績が再評価されることを願ってやみません。 《トレイラー動画》 https://youtu.be/fvISQYirEHI?si=OA3OCVj4DyIy2TAX なお、タイトルのエル・バイラリン・デ・エスパーニャはスペインのダンサーという意味ですが、スペインを代表する舞踊家というニュアンスがあると思います。 【ロルカとグラナダ】 グラナダといえば世界遺産アルハンブラ。その中に野外劇場があるのをご存知ですか? アラブ時代の宮殿を抜けた夏の別荘、ヘネラリフェの庭園の一角にあり、毎年6月に行われる国際音楽舞踊祭のために作られたもので、同フェスティバルにおける舞踊団、バレエ公演はここで行われるのが恒例ですが、フェスティバルの期間以外でも単発でコンサートなどが行われることもあります。また、2002年から始まった、アンダルシア州主催の『ロルカとグラナダ』公演では、毎夏、グラナダが産んだ世界的詩人、フェデリコ・ガルシア・ロルカにちなんだ作品が上演されています。 2009年まではアンダルシア舞踊団による公演だけでしたが、その後門戸が開かれ、これまでにクリスティーナ・オヨス舞踊団『イエルマ』やエバ・ジェルバブエナ舞踊団『フェデリコ・セグン・ロルカ』などが上演されています。昨年はアンダルシア舞踊団による『ピネーダ』が初演。今年はこれまでのように、全期間一つのカンパニーによる公演という形ではなく、前半がマヌエル・リニャンのカンパニーによる公演、後半は人気カンタオールたちを中心としたフラメンコの公演となっています。 今年の記者会見 ©︎ Junta de Andalucía 数年前のアンダルシア舞踊団公演開演前 ©︎ Junta de Andalucía 近くにはスキー場もあり、冬は雪が降ることもあるグラナダですが、夏はやっぱり暑い。日暮れどきにアルハンブラへ向かい、極上のフラメンコを味わうのがいちばんの過ごし方かもしれません。 ◇ロルカとグラナダ 8/1(金)〜16(土)22時(初日のみ22時30分) ※日月休演『ジャマメ・ロルカ』 [出]〈b〉マヌエル・リニャン、ゲスト〈b〉ホセ・マルドナード、ラケル・エレディア“レポンパ”、特別協力 〈c〉クーロ・アルバイシン、ファレーテ(1,7, 14, 15)、イレネ・モラーレス、イレネ・ルエダ、スサナ・サンチェス、ロシオ・モントジャ、クリスティナ・ソレル、クリスティナ、ノエリア・カルボ、アナベル・モレノ、〈g〉ホセ・フェルミン、〈c〉アントニオ・カンポス、マリアン・フェルナンデス、フィタ・エレディア、〈perc〉チェジェネ 8/21(木)、22(金)、23(土)22時『アビア・ミル・フェデリコス』 [出]〈c〉ミゲル・ポベーダ 8/28(木)22時『カンタオーラス』 [出]〈c〉アウロラ・バルガス、ローレ・モントージャ、レラ・ソト 8/29(金)22時『ロマンセーロ』 [出]〈c〉エル・ペレ、〈b〉ファルキート、〈g〉ディエゴ・デル・モラオ 8/30(土)22時 [出]〈c〉ホセ・メルセ [場]グラナダ アルハンブラ ヘネラリフェ野外劇場 [問]前売り https://lorcaygranada.sacatuentrada.es/es 《動画》 https://www.youtube.com/watch?v=_wiGyk6b5X0 【筆者プロフィール】 志風恭子(Kyoko Shikaze) /1987年よりスペイン在住。セビージャ大学フラメンコ学博士課程前期修了。パセオ通信員、通訳コーディネーターとして活躍。パコ・デ・ルシアをはじめ、多くのフラメンコ公演に携わる。 =====
- 《Anifuturo》人材育成プロジェクト 成果発表公演
(viernes, 6 de junio 2025) 会場 : なかの ZERO 小ホール(東京・中野) 日時:2025年3月19日(水)~21日(金) 撮影/川島浩之 Fotos por Hiroyuki Kawashima [写真提供] 一般社団法人 日本フラメンコ協会 文/金子功子 Texto por Noriko Kaneko 昨年より文化庁から文化芸術振興費補助金の支援を受けて、一般社団法人日本フラメンコ協会が次の世代を担うフラメンコ芸術家の育成を目的としてスタートさせた「新進フラメンコ芸術家等人材育成プロジェクト」。 その中で行われた実演家としての技術や感性を磨く実践的プログラム「作品制作」シリーズの発表の場として、その成果公演が3日間にわたり上演された。 オリジナリティに富んだ自主作品や、指導者による振付・構成・演出の指導を受けて実演した舞台作品、そして招聘講師らによる音楽作品や映像作品も上演されるなど、多様なアプローチから創作された作品の数々に触れることができる有意義な機会となった。 《INDEX》 ・ 新進振付演出家による自主作品 ・ 指導者による振付指導作品 ・ 音楽作品・映像作品 ●新進振付演出家による自主作品 『PARADERO -古びた靴の導き-』 昨年結成された6人の女性ダンサーによるフラメンコユニット「Célula」が、メンバーの川松冬花が描いた漫画を原作として同年12月に名古屋で初演した舞踊作品。 今回の上演では5人編成に再構成され、時間も初演時より短くなり振付や演出も練り直したという。 時間が短縮された分作品自体のストーリー性は薄まった印象を受けたが、その一方ソロも群舞も場面ごとの見応えは濃くなったように感じられた。ストーリー作品のため演技も必要となるが、回を重ねて舞踊と演技がよりなじんできた印象。舞踊作品として、またひとつ成熟した形をみせてくれた。 『La Zona -さもなくば沈黙を-』 東京を拠点に活動するフラメンコダンサー畑中美里が振付・構成・演出を行った舞台作品。 踊り手二人にカンテとギターのみというシンプルな編成で、そこに畑中が思うフラメンコの魅力へのこだわりが感じられる。 始まりは、人間の呼吸音のような音源に合わせて二人で踊るという意表を突いた演出。また、カンテの濱田吾愛が朗読するフェデリコ・ガルシア=ロルカの詩を、その言葉のアクセントが生み出すリズムに合わせて踊るというのも、とてもシンプルで根源的だ。 今作を作るにあたり畑中は、ロルカの詩を使うことが非常に重要だったと語り、彼が生きた時代に思いを馳せ、情報過剰社会である現代へのメッセージを込めたという。 こうした独創的でチャレンジングな作品は、観客に様々な刺激や発想を与えてくれたのではないだろうか。 『Shangri-La』 名古屋を拠点に活動するフラメンコダンサー石川慶子が振付・構成・演出を行った、観客参加型の舞台作品。 上演前にアナウンスが流れ、舞台の上に先着20名着席するよう促される。舞台上のスクリーンにはQRコードが映し出され、それをスマホで読み込むと選択式のストーリーが表示されるなど、ユニークな演出を展開。 作品は「肉体と魂」をテーマに、ナレーションを活用して進行。始まりは5人の群舞によるブレリア。各々色違いのマントンに同色の花畑のようなカツラと、ビジュアルのインパクトが強い。ソロでは屋良有子、石川、松田知也がそれぞれの役どころに合わせて赤、白、黒をテーマカラーとし、見応えのある踊りを披露。最後はまた舞台のスクリーンに映し出されたQRコードを読み込み、三択からの選択を促される。舞台上の参加者は実際に動いて赤、白、黒のいずれかを選んで集まるといった具合。 舞台を鑑賞するだけでなく観客も自ら作品に参加するという柔軟な発想は、劇場公演としての一つの可能性を示した。 QRコードを読み取るために人々が客席から舞台にスマホを向ける様子は、まさにイマドキな光景だった。 『Mi Luz -私のひかり-』 平富恵スペイン舞踊団に所属する宮北華子が振付・構成・演出を手掛けた作品。 純粋に曲種と向き合ったシンプルな構成。最初の曲はソレアポルブレリア。白のシャツにベージュのパンツスタイル。手足や身体のラインがはっきり表れるから、その踊る姿の美しさが際立つ。グアヒーラは、共演の同舞踊団員でもある白井紗帆・村田愛とともに落ち着いた美しさを披露。ソレアからシギリージャへと展開する構成には、宮北の個性と高い舞踊技術が光る。 最後のアレグリアスは白のバタとオレンジのマントンによる色彩の眩しさとともに、これからの彼女の舞踊家としての明るい未来を感じた。 自身が愛し大切にしている舞踊の魅力を凝縮して魅せてくれた30分だった。 ●指導者による振付指導作品 『星の王子さま』 石井智子スペイン舞踊団が2023年に初演した劇場作品を1時間ほどの作品に再構成して、石井の指導の下で主要な役をダブルキャストにして2公演にわたり上演。 配役もそれぞれの登場人物のキャラクターと合っていて、踊り手ひとりひとりの個性や魅力が生きていた。 群舞の表現力も高く、フォーメーションのまとまりもよく整っている。今回の育成出演者は主に個人で活動している踊り手が大半だったが、限られた練習期間の中で両日とも完成度の高い仕上がりをみせた。特にバオバブの木の群舞は迫力があり、砂漠の群舞は表現力が高く、バラの群舞は鮮やかで豪華だった。 ソロとしても群舞としても、育成出演者らにとっては踊りの表現力を高める良い機会だったと思う。 1日目の作品より 2日目の作品より 『フラメンコのちから』 2年前の日本フラメンコ協会主催『Aniferia』で初演された劇場作品を佐藤浩希による演出の下、昨年実施された学校巡回公演の中で視覚支援学校で上演したスタイルで披露された。 普段の公演では行わない解説などを取り入れ、フラメンコの形式や演出の内容についても説明を加えるなど、観る側としても分かりやすく鑑賞できた。 初演時とは出演者の数が異なるためフォーメーションや群舞の編成には様々な変更が加えられたが、重鎮・中堅・若手の三世代ごとの演目や、フラメンコの"ちから"を信じすべての人にエネルギーを伝えたいという当初からの作品のコンセプトは変わらず受け継がれる。 育成出演者とベテランの舞踊家との一体感も感じられ、回数を重ねていっそう熟成された作品となった。 ●音楽作品・映像作品 公演3日目となる最終日には、音楽・芸能業界の第一線でオリジナリティが注目され活躍するアーティストらを講師や制作者として迎え、育成出演者らとともに作り上げた作品や舞台を披露した。 [フラメンコ×映像]のテーマでは、ダンサーで振付師としても活躍するダーリンsaekoによる、フラメンコユニット「Célula」の5人を主役とした映像作品が上演された。フラメンコ舞踊の魅力を映像でどのように表現するか、制作者の個性やアイデア、思いが画面を通して伝わってくる。 この作品の制作・ディレクションを担当したsaeko自身、ダンサーとしてキューバに留学して現地のアフリカ系譜やキューバ発祥の多様なダンスを学び、その経験から異国の文化を学ぶ人の気持ちに深い理解を示す。 フラメンコは歴史ある伝統文化であるがゆえに、その技術を磨いた者は一途でともすれば内向的になりやすいと言い、今作にはその内向きの殻を割って自身のエネルギーと可能性を外へと解き放ち、自由に羽ばたかせてほしいというエールが込められていた。 [フラメンコ×クラシック]のテーマでは、クラシックギター奏者として数々の作品を生み出しその活躍が注目される鈴木大介を講師に招き、スペイン各地の民謡や舞曲をまとめたファリャの作品「7つのスペイン民謡」を演奏。歌唱は、昨年にこの曲も収録した自身のアルバムをリリースした石塚隆充が務めた。 フラメンコギターでは凜 -Rin-と大山勇実が参加。鈴木が8弦ギターで奏でる表現豊かな演奏に、二人も丁寧に音を重ねていく。 また宮北、中里眞央、白井、脇川愛の4人がパリージョで参加。軽やかな音色で曲の味わいを深めた。 [フラメンコ×ロック・ラテン音楽]では、サルサバンドなどで活躍するパーカッショニスト大儀見元が「フラメンコの柔軟性を探る」をテーマにセッションを披露。 1曲目はザ・ビートルズの名曲「A hard day's night」をブレリアの12拍子のリズムで。育成出演者としてフラメンコギターの大山とパーカッションの小山大凱が参加。大儀見が歌いパルマを叩き、凜がベースを担当、さらにはダンサーのsaekoがキレの良い踊りを披露するなど自由なセッションを繰り広げる。 2曲目はラテンジャズのスタンダードナンバー「Obsesión」。ゲストとしてサックス奏者としても活躍する菊池成孔が演奏に加わり、ムーディーな音色を響かせる。凜と大山がフラメンコギターでそれぞれの持ち味をみせ、フラメンコの懐の深さを感じさせる演奏を聴かせた。 [フラメンコ×AI]のテーマでは、菊地を担当講師に迎え、昨今話題の生成AI(Artificial Intelligence=人工知能)でフラメンコを作るという内容で講義を展開。「Udio」というアプリを使用し、キーワードを入れると曲が生成される過程をスクリーンに映して実演するなど、興味深い話に唸らせられた。 アプリで生成された音楽に客席からも驚きのざわめきが 締めくくりは全体セッションとして、マイルス・デイビス&ジル・エヴァンスの「ソレア」、そしてパコ・デ・ルシアの「二筋の川」と「Zyryab」というフラメンコギターの名曲2曲のメドレーを披露。プロのミュージシャンと育成出演者ら、そしてサポート出演者として参加した佐藤、三枝雄輔、石塚らがパルマやステップ、歌などで加わり、ワンステージ限りの貴重な競演の舞台を楽しませてもらった。 =====
- プリメラ フラメンコフェスティバル 2025
(lunes, 14 de abril 2025) 毎年さまざまな趣向やテーマで開催される、プリメラギター社主催によるフラメンコの祭典『プリメラフラメンコフェスティバル2025』が、6月に東京・新宿スペースゼロで開催されます。 今年は第1夜が『バイレの一曲入魂』。若手からベテランまで8名の魅力あふれる舞踊家やダンサーが集結。それぞれ異なるギタリストとの組み合わせで、一夜限りの渾身の舞台を繰り広げます。 第2夜は日本各地で活躍する27名の実力派フラメンコギタリストが一堂に会し、それぞれの腕前を披露する『ギターの一曲入魂』。ひとりひとりの個性や味わいが楽しめるフラメンコギターの演奏に酔いしれる一夜を堪能できます。 チケットはそれぞれの出演者、またはプリメラギター社にお問合せを。 プリメラ フラメンコフェスティバル 2025 【第1夜:フラメンコ魂 バイレの一曲入魂】 日時:2025年6月19日(木) 17:30 ロビー解放 18:00 開場 19:00 開演 会場:こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京・新宿) チケット:(全席指定) 前売り:7,000円 当日:8,000円 出演: ●バイレ:有田ゆうき 飯塚真紀 北原志穂 篠崎麻由美 鈴木敬子 タマラ 森山みえ 脇川愛 ●ギター:北岸麻生 徳永康次郎 長谷川暖 尾藤大介 ペペ・マジャ 逸見豪 山内裕之 山﨑まさし ●カンテ:有田圭輔 三枝雄輔 永潟三貴生 LA MOECO ●パルマ:伊集院史郎 三枝雄輔 【第2夜:フラメンコ魂 ギターの一曲入魂】 日時:2025年6月20日(金) 16:30 ロビー解放 17:30 開場 18:00 開演 会場:こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京・新宿) チケット:(全席指定) 前売り:7,000円 当日:8,000円 出演:(全27名) 稲津清一 飯野志葉子 上遠野忍 宇田川卓俊 江戸裕 小倉誠司 岸元輝哉 北岸麻生 木南利夫 後藤晃 犀川大輔 斉藤元紀 坂本啓 島田武 菅沼聖隆 Quinta(鈴木一義) 田中敏郎 田中竜太 徳永健太郎 徳永康次郎 福島知子 前田雅俊 盛植俊介 山田陽一郎 山本智英 凜-Rin- 若林雅人 チケット販売/問合せ: プリメラギター社 Tel.090-8948-3449 Email primera-chico@navy.plala.or.jp =====
- 新・フラメンコのあした vol.28
(domingo, 1 de junio 2025) 20年以上にわたりスペインで活動するジャーナリスト東敬子が、今気になるスペインフラメンコのあれこれを毎月お届けします。 今月は、この4月にマドリード・カナル劇場で開催された「第二回フェスティバル・デ・ラ・ギターラ」についてのリポートです。 『第二回フェスティバル・デ・ラ・ギターラ』 カナル劇場・黒の間、緑の間 マドリード 2025年4月22日〜27日 II Festival de la Guitarra Teatros del Canal, Sala Negra, Sala Verde, Madrid 22-27 de abril 2025 文:東 敬子 画像:宣伝素材 Texto: Keiko Higashi Fotos: Por promoción 2024年よりマドリードでスタートしたフラメンコギターの祭典、その名も「フェスティバル・デ・ラ・ギターラ」。2回目となる本年度は、1936年にアメリカに渡り、フラメンコにおけるソロギターを確立したサビーカスへのオマージュとして、4月22日から27日までの6日間にわたりカナル劇場にて開催されました。 まずは同劇場の黒の間で、22日から24日まで、フラメンコ識者による講演とコンサートが行われました。 初日はジャーナリストのペドロ・カルボ、ホセ・マヌエル・ガンボア、マリオ・マヌエル・エスクデーロ、ギタリストのセラニート、アレハンドロ・ウエルタドが参加し『サビーカス、フラメンコギターの新しい音』と題したディスカッションが行われました。終了後はカセレス出身のギタリスト、ハビエル・コンデのコンサートを楽しみました。 二日目はホセ・マヌエル・ガンボアによる『マドリードとニューヨークにおけるサビーカスの軌跡』と題した講演が行われました。講演後は、1989年にニューヨークのカーネギーホールで行われたサビーカスへのオマージュ公演に出演した際はわずか13歳だったヘロニモ・マジャが、今やベテランとなってその燻銀のトーケを披露してくれました。 三日目はかつて名ギタリストとして活躍したエル・ナニをゲストに迎え、パブロ・サン・ニコラスが『カニョロトのギタースタイル』と題し、ギタリストを多く輩出したことで知られるマドリードのカニョロト地区のギタースタイルを語りました。コンサートにはカニョロト出身のヘスス・デ・ロサリオ、エル・ナニの息子でギタリストのダビ・セレドゥエラと孫のイスラエル・セレドゥエラらが、その音を奏でました。 そしてその同日24日から27日までの4日間は、緑の間で本フェスティバルのメインアクトであるガラ公演が行われました。 「ガラ1」の主役はセビージャ出身のパコ・ハラーナ。各ガラでは、それぞれカンテとバイレのゲストが招かれましたが、彼の場合は当然、妻である踊り手エバ・ジェルバブエナ、そして長年彼女の舞踊団を支える歌い手セグンド・ファルコンが駆けつけました。いつもは縁の下の力持ちとして尽力するハラーナを今度は彼らが盛り立てました。 Paco Jarana ©Pablo Lorente 二日目は同じくセビージャ出身のダニ・デ・モロンによる「ガラ2」が行われ、ラ・トレメンディータのカンテ、パトリシア・ゲレーロのバイレが華を添えました。 DANI DE MORÓN ©Jose Ángel Vidal 三日目はヘレス出身のマヌエル・バレンシアが登場。ベテランカンタオーラ、エスペランサ・フェルナンデスとバイレの鬼才マヌエル・リニャンという豪華ゲストと共に会場を沸かせました。 MANUEL VALENCIA ©Santi Ledo そして筆者が期待を胸に足を運んだ27日、セビージャ出身の若手ダビ・デ・アラアルが、歌い手サンドラ・カラスコ、そして今やマドリードを代表する踊り手のひとりとなったホセ・マジャと共に、フェスティバルのトリを務めました。 ギターのフェスティバルは存続がなかなか難しいものですが、来年もまた期待して。欲を言えば、今回のガラではセビージャ出身のギタリストが4人中3人だったので、次回はもっと全国に目を向けたプログラムであって欲しいと思います。 ダビ・デ・アラアル公演 2025年4月27日、カナル劇場・緑の間 DAVID DE ARAHAL CIENXCIENFLAMENCO 2000年セビージャ生まれ、今年25歳のダビ・デ・アラアルは、そのメロディアスな端正なトーケで現在ソリストとしても頭角を現しつつあります。当夜は、彼がアルバム『レコルダンド・ア・マルチェーナ』(2024)で共演した歌い手サンドラ・カラスコと、彼女が普段、伴唱する踊り手ホセ・マジャが踊りでゲスト出演しました。 ということはつまり、ダビとホセは「友達の友達」的なつながりになる訳で、普段は接点がないんですね。だからこの全く違った二つの個性が、サンドラを介してどんな化学反応を見せてくれるのか、私は興味津々でした。セビージャの粋を纏うダビのギターに、慟哭と清涼感を併せ持つサンドラの歌声。そしてアルテに彩られたホセのヒターノのバイレ。この個性の数珠つなぎが吉と出るか凶と出るか。 違和感がなかったかと言われれば否定はできませんが、若いダビは、柔軟な好奇心と共に、ホセの強烈なソレアを、サンドラの情感溢れるファンダンゴをサポートしながら切磋琢磨していました。見ていてとても好感が持てました。 ダビは当夜グラナイーナのソロに始まり、ハレオ、タンギージョ、ロンデーニャ、アレグリアスなど、尻上がりに調子を上げて、その才能を余すことなく観客に披露しました。そして、終盤のコプラやセビジャーナスでは弦楽器も加わり、非常に心地よいサウンドを繰り広げました。 メロディアスなギターと言っても、一世代前のビセンテ・アミーゴなどは、やっぱり怒りのような強さが見え隠れしていました。でもダビの場合は心地よさに終始する。まあそれは時代もあるだろうし、聴く方もこんなギターが好きという人が増えているのかもしれませんね。ともあれ、大いに会場を沸かせて彼らはステージを後にしたのでした。 【筆者プロフィール】 東 敬子 (ひがし けいこ) /フラメンコ及びスペインカルチャーのジャーナリストとして、1999年よりマドリード(スペイン)に在住し執筆活動を続ける。スペインに特化したサイト thespanishwhiskers.com を主宰。 =====
- リレー連載:私とフラメンコ -新人公演を通して- 3
第3回 Hermanas del Arbol (新田晶野・新田恵野) 【バイレ群舞部門 準奨励賞】 (sábado, 31 de mayo 2025) あなたにとってフラメンコとは何ですか――。 仕事として関わっている人、趣味として楽しんでいる人、自身の生きがいとして無くてはならない人など、その向き合い方は人それぞれ。 そうしたフラメンコへの思いを、昨年の日本フラメンコ協会主催「第33回フラメンコ・ルネサンス21『新人公演』」の入賞者の方々にエッセイとして綴っていただき、リレー連載という形式でご紹介します。 フラメンコとの出会い、新人公演を通して得たものや感じたこと、自身にとってのフラメンコへの思いなどを語っていただきました。 第3回目は、バイレ群舞部門で準奨励賞を受賞したHermanas del Arbol(エルマナス デル アルボル)の新田晶野さん・恵野さん姉妹です。 編集/金子功子 Edición por Noriko Kaneko 2024年 新人公演 バイレ群舞部門にて(写真左から恵野さん、晶野さん) [撮影]川島浩之/[写真提供]一般社団法人日本フラメンコ協会 私たちがフラメンコと出会ったのはまだ幼少の頃、父の仕事の関係で名古屋に滞在していたときのことでした。その際、母が通っていたフラメンコ教室へ、私たち姉妹も一緒について行くようになったのがきっかけです。 その後、2010年に父の地元である山梨にて母がフラメンコ教室(Arbol de Flamenco/新田道代フラメンコ教室)を開設したことで、本格的にフラメンコと向き合う日々が始まりました。 2023年、母の教室の公演でHermanas del Arbolとして私たち姉妹が初めて演目を披露する機会がありました。この経験を経て、「2人だからこそ生まれる表現」がある、もっと追求したい!という気持ちが膨らんでいきました。 その後、家族や師匠である伊集院史朗先生のサポートのもと、新人公演 群舞部門への出場が実現しました。 以前は予想していなかった姉妹で踊るフラメンコ。新人公演を通して新しい道が開けたと思っています。 2023年 母の教室の公演でHermanas del Arbolとして初めて演目を披露(撮影:北澤壯太) 新人公演当日はとにかく悔いなく、楽しんで踊り切るという気持ちで本番に挑みました。舞台の上ではただひたすらに自分達自身に向き合う意識を持ちました。 私たちのフラメンコへの想いと、ここまで支えてきてくださった方々への感謝を届けたいと挑んだこの大舞台。本番を迎えるまでには少なからずやはり葛藤がありました。デュオとして最大限魅せるにはどうするべきか。私たちらしさとは何なのか。 作品を作り上げる過程ではお互いの意見が異なる場面もありましたが、心を1つに練習に励みました。姉妹だからこその「呼吸感」を大切にし、この7分間を全力で踊り切ることができたと思います。 受賞を知った瞬間は、これまで2人で練習に励んできた日々、舞台での7分間の光景、やりきった感覚など色々なことがフラッシュバックするように体が熱くなりました。素直な嬉しさと同時に、準奨励賞に込められた期待に応えていけるように頑張ろうという決意が芽生えました。 支えてくださる方々への感謝を忘れずに、ここからが始まりという気持ちのもと日々精進していきます。 私たちにとってのフラメンコの好きなところは、自分の経験や想いを踊りにのせて個性を表現できるところ、音楽やリズム、舞台芸術としての美しさなどあげ出したらきりがないくらいです。学生時代にそれぞれ他ジャンルの踊りにも触れてきたことで、改めて現在フラメンコ特有の魅力を実感しています。 私たちと同世代のフラメンコ人口は特に少ないと言われています。大好きなフラメンコを少しずつでも広めていける立場になれるよう、これからも一生懸命頑張っていきたいです。 昨年10月、私たち姉妹は初めてスペイン-セビージャへフラメンコを学びに行きました。 まだ自分の「色」を確立する前段階にいる私たちにとって、スペインでの経験はかけがいのないものとなりました。フラメンコ漬けの毎日を過ごす中で感じたこと、それはどんなスタイルのフラメンコにもそれぞれの「色」があり、純粋にかっこいいということです。 目指す方向性はまだまだ模索中のため、視野を広く持って他ジャンルの音楽や踊りなどにも触れ、積極的にインプットする機会を増やしています。表現の引き出しを増やし、ダンサーとして自分たちらしい「色」を出していけるようになりたいです。 学生時代まで、フラメンコがごく自然と身近にある環境で育ちました。その間の様々な出会いやフラメンコでの貴重な経験を通して、さらに自らの意志を持ってフラメンコを探求していきたいと思うようになりました。現在もなお、限りない魅力を感じながらフラメンコと向き合っています。 ここからは姉妹それぞれ個人としても実力をつけていけるよう、幅広く挑戦していきたいと思っています。「継続」を大切に、どんな時も互いを支え合い、高め合える存在でいたいです。 2009年 志摩スペイン村パルケエスパーニャ「第10回セビジャーナスコンテスト」に三姉妹で出場し、審査員特別賞を受賞した時の写真(志摩スペイン村写真館にて) 【プロフィール】 新田晶野(Akino Nitta)・新田恵野(Yoshino Nitta) /幼少より母-新田道代のもとでフラメンコを積み重ねる。現在は東京にて伊集院史朗氏・井上圭子氏に師事。大学時代には清泉女子大学「Las majas」・明治大学として全国学生フラメンコ連盟FLESPONへ加盟し活動。2024年9月 日本フラメンコ協会第33回「新人公演」バイレ・群舞部門にて準奨励賞を受賞。 【新人公演とは】 一般社団法人日本フラメンコ協会(ANIF)が主催する、日本フラメンコ界の発展向上のため、次代を担うフラメンコ・アーティストの発掘および育成の場として、1991年から毎年夏に開催されている舞台公演。 プロフェッショナルへの登龍門として社会的に認知される一方、「新人公演は優劣順位をつけるためのものではなく、新人へのエールを送るために存在する」という当初からの理念に基づき、すべての出演者が主役であるとの考えから順位付けは行われません。 バイレソロ、ギター、カンテ、群舞の各部門に分かれ、若干名の出場者に奨励賞、またはその他の賞が与えられます。 (*一部、ANIF公式サイトより引用) 〈参照URL〉 https://www.anif.jp/ctt_anif_event_shinjin.htm =====
- Punto84『道程 そして、ここから。』
(sábado, 31 de mayo 2025) 優れた舞踊技術と美しい姿勢、フラメンコでもスペイン舞踊でも様々な舞台で活躍する二人のフラメンコダンサー、ヴォダルツ・クララさんと松田知也さんによるユニット【Punto84】の初の主催公演が8月に東京で上演されます。 それぞれに舞踊団の活動や数々の舞台で経験を重ね、40代を迎え踊り手として成熟した二人の相乗効果が創り出す舞台に期待が高まります。 [ヴォダルツ・クララさんコメント] ヴォダルツ・クララと松田知也、ともに1984年生まれのフラメンコダンサー2人で【Punto84】というユニットを結成しました。 40歳という節目の年を迎え、それぞれのフラメンコ人生を振り返り、またこれから切り拓く「道」を探りながら、初めての主催公演を開催いたします。 豪華ミュージシャンとの競演も見どころとなっているので、ぜひ多くの方にお越しいただけたらと思います。 「道程 そして、ここから。」 *令和7年度スペイン舞踊振興MARUWA財団助成事業 【日時】2025年8月7日(木) 開場18:30/開演19:00 【会場】セシオン杉並 (東京都杉並区梅里1-22-32) 【出演】 バイレ:ヴォダルツ・クララ バイレ:松田知也(小島章司フラメンコ舞踊団) ミュージシャン ギター:徳永健太郎 ギター:徳永康次郎 カンテ:有田圭輔 カンテ:中里眞央(アルテ イ ソレラ) バイオリン:森川拓哉 津軽三味線:浅野祥 【チケット料金】(全席指定) S席:8,000円/A席:6,000円/U-25席:4,000円/親子席:8,000円/車いす席:8,000円 ※[親子席] 大人1名8,000円につき、未就学児の子ども2名まで入場料無料。(未就学児のお子様に関しても、ご入場用のチケットが必要です。) ※親子席・車椅子席の販売は、メールでのみ承っております。 【チケット購入】 https://t.livepocket.jp/e/doutei 【問合せ】 punto84.20250807@gmail.com =====











