Retama -帰ってきたタマビーズ!
- norique
- 2 日前
- 読了時間: 3分
(miércoles, 14 de mayo 2025)
2024年7月6日(土)・7日(日)
ShowレストランGARLOCHÍ(東京・新宿)
写真/大森有起
Fotos por Yuki Omori
文/金子功子
Texto por Noriko Kaneko

5年ぶりに開催されたタマビーズ公演、『Retama』。
タマビーズとは、東京西部にある多摩美術大学出身の4人で結成されたフラメンコグループ。
公演を待ち望んでいたファンも多く、今回予定されていた2日間3公演が発売数日で完売となった。
気心の知れた4人によるステージということで、やはり群舞がどれも見応えがあって楽しい。
オープニングはメンバーがそれぞれ歌ったり踊ったりとフィエスタのようなブレリア。普段は踊り手として活動しているメンバーもなかなか歌が上手く、みんな芸達者だ。ピンクと黒でコーディネートした衣装も可愛く、統一感があってビジュアルもいい。
休憩を挟んで後半の第2部冒頭では、4人がサイケな衣装で登場。5人のミュージシャンらとのやりとりに客席も大盛り上がり。ルンバからブレリアへ、カンテの石塚もアフロヘアで登場するなどの楽しい演出で、奇想天外(いや期待通り?)のショータイムとなった。

最後のシギリージャでは椅子を使っての演出が秀逸。始まりは4人で向かい合わせに座ってパルマを叩き合い、着座のままでサパテアードを打ち、そして椅子を胸の高さで抱えたり上まで持ち上げたりと舞踊の小道具として扱いながら踊り、フォーメーションを展開していく。かなり難易度の高い振付だったのではないかと思うがそんな大変さを全く感じさせることなく、群舞作品として素晴らしい完成度の高さで魅せてくれた。

ソロの場面では、ひとりひとりの濃厚な個性がたっぷり溢れていた。
赤と黒のコントラストが映える衣装で、力強さと踊りの充実ぶりをみせた島崎のソレア。

町娘のようなスタイルで登場した井上は、芝居の場面で見事なコメディエンヌぶりを披露。もちろんカンテでも本領を発揮し、切ないメロディーのギターに乗せて味わい深いファンダンゴを歌い上げた。

ピンクの衣装にターバン姿が愛らしい今枝のグアヒーラは、丁寧で完成度の高い踊り。テクニカルな高速の足技もさすがの一言。

燃えるような赤の衣装が印象的な吉田のソロンゴは、手首や指先の美しさと堂々とした踊りに気高さが表れていた。

フィナーレのルンバはスペイン語と石塚が作詞した日本語で歌い、その4人の姿を観ていて「仲間」とか「絆」といった言葉が自然と浮かび、温かい心持ちになった。そして最後までとことん観客を楽しませてくれた演出に、タマビーズがみんなから愛される理由もよく分かった。
踊って良し、歌って良し、コント(?)も良し、の芸達者4人によるフラメンコステージ。長年の付き合いの賜物か、とにかくチームワークの良さがピカイチだった。
次回作を望む声も早々に上がったそうだが、その日までは今作の名場面の数々を思い返しながら味わうことにしよう。
【プログラム】
PRIMERA PARTE
1. Reencuentro
〜過去から未来へ〜
2. En la distancia
〜dos gardenias〜
3. Nostalgia
〜un viaje por Huelva〜
SEGUNDA PARTE
1. En la Calle Larga
〜ヘレスの街角〜
2. Desde Cuba te cuento
〜風が運んだ物語〜
3. Luz de Luna
〜mi escondite〜
4. Garrotín Garrotán
〜a la verita tuya〜
5. Renacer
〜la fragua〜
6. Amor de San Juan
〜4つの灯火〜
【出演】
歌&踊り タマビーズ(井上泉 今枝友加 島崎リノ 吉田久美子)
歌 石塚隆充
パルマ 中原潤
ギター 徳永健太郎 徳永康次郎
パーカッション ラファエル・エレディア
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