Dr.ファロのフラメンコ・クリニック vol.6(最終回)
- norique
- 10月21日
- 読了時間: 4分
(martes, 21 de octubre 2025)
大阪を拠点に活動し、劇場公演からタブラオライブまで日本各地で大活躍中の若手フラメンコダンサー、ファロリート(Farolito)こと出水宏輝さんが、フラメンコを愛する皆様の様々なお悩みに、親切&丁寧にアドバイス。
その処方箋は、もしかしたらあなたの役にも立つかもしれません。
尚こちらのクリニック、今回が最後の診察となります。
文/出水宏輝
Texto por Kouki Demizu

Q1.
こんにちは。
いつも迫力のある踊りを素敵だなぁ…と思いながらライブ等々拝見しております。
フラメンコを練習しているうえで、気になることなどあり過ぎて泣きそうですが…
始めた頃から常に言われるのが姿勢です。
かなりの巻き肩のため、自分では姿勢良くしているつもりでも他の人や鏡で見ると猫背に見えてしまいます。
踊っていると、顔も前に出てる感じに見えます。
できるだけ胸を張るように心がけてますが、ずっとその姿勢だと今度は腰が痛くなってきてしまいます。
巻き肩はすぐには治らないので、そんな状態でもそこそこ美しく見栄えする姿勢を保つ方法があれば教えていただきたいです!
(ペンネーム:さなぴーさん)
▶︎ 姿勢ですよね…わかります!!!僕も姿勢は本当に気をつけていますが、本当にこれでいいのかどうかもわかっていません…僕も巻き肩気味で顔が前に出ているように思える瞬間が何度かあります。
そのときにやっているのが、両手の親指と小指の腹部分をくっつけて、子供が年齢を答える時によくやる「3つ」をつくります。
手のひら側を後ろに向けて少し肩をあげて、わざと巻き肩をつくります。そこからラジオ体操の最後のシーンでよくする「両手をあげて横から下ろす」ときに、手のひら部分を上に向けて下ろしていくと、胸を張って鎖骨が広がる感覚になると思います。その状態で両手腰にしてみると、いつもより胸が張れる状態になると思いますのでその姿勢で練習してみてください!
踊る姿勢はそのように矯正していく必要がありますが、フラメンコに対する姿勢は大変素晴らしいと思います!姿勢だけに!!!(笑)
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Q.2
技術的表現や自己表現を踊りで伝える事に難しさを感じています。
自信がない、迷っているとか自分の事情は今後の課題なのですが、経験や勉強を積んでいけば身につくものですか?
ファロさんの表現、とっても素敵です。
こんな事に気をつけたらいい、とかあればご指導下さい!
(ペンネーム: ルイワンさん)
▶︎ 伝える難しさ…、わかります。言葉で話していても伝わっているようで伝わっていないことがあるのに、それが踊りになるわけですもんね。
もちろん経験や勉強しないといけないことは当然のことで、どんなかたちでもいいからフラメンコのリズムや音楽に触れておく必要があると思います。
同じAlegríasやSoleáを踊っても人が違えば表現も人それぞれ違うくて、それがフラメンコの良さだと思います。「自分にとってAlegríasとは?」「そのヌメロの味って何?」いろいろ自答自問していくことが、必要不可欠だと思います。
インプットしたものをどのようにアウトプットしていけば良いのか、それは何度も何度も最初から通していく練習が必要です。
前向きに捉えて一つひとつ取り組んでいけるよう頑張りましょう!
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さて、私の連載もこれで最後となりました。
約2年間読んでいただきまして、誠にありがとうございました。

【プロフィール】
出水宏輝(Kouki Demizu)/10歳の時に石川敬子フラメンコ教室にてフラメンコを始め、田中光夫氏にギター・カンテを、舞踊・パルマを棚原美和氏に師事。14歳のときにタブラオ ロス・ヒターノスで男性舞踊手としてプロデビュー。2014年、官民協働海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」の1期生として1年間スペイン留学。2018年第1回全日本フラメンココンクールで努力賞、2019年日本フラメンコ協会第28回フラメンコ・ルネサンス21「新人公演」で奨励賞、2021年第10回エルスール財団新人賞(フラメンコ部門)を受賞。
また、2018年摂南大学入学宣誓式にて、在学生300名以上とフラメンコのフラッシュモブを大阪城ホールにて実施。
現在、大阪を拠点としながら全国各地で精力的に活動している。
☆活動情報はこちらから。
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