(miércoles, 16 de octubre 2024)
スペイン在住30年以上、多数の一流フラメンコ・アーティストらとも親交のあるフラメンコ・ジャーナリスト志風恭子が、歌・踊り・ギターそれぞれの代表的アーティストらのプロフィールをピックアップ。過去の取材で撮影した写真や、チェックしておきたい動画などもご紹介します。
文/志風恭子
Texto por Kyoko Shikaze
*名鑑登場アーティスト一覧はこちらから
Fernanda Jiménez Peña
“Fernanda de Utrera”
Utrera, Sevilla 9-2-1923 - 24-8-2006
フェルナンダ・デ・ウトレーラ
本名フェルナンダ・ヒメネス・ペーニャ
1923年2月9日セビージャ県ウトレーラ生まれ、2006年8月24日没
1989 Calacolá de Lebrija con su hermana Barnarda y Manuel de Palma ©︎ Kyoko Shikaze
唯一無比のソレア歌い、フェルナンダは、カンティーニャにその名を残すピニーニの孫。妹ベルナルダと、日本ではウトレーラ姉妹の名でも親しまれた。子供の頃から身内の宴などでうたい、それを聴くために高名なフラメンコたちがこぞってやってきたという。1950年代後半よりプロとしてマドリードのタブラオ、“サンブラ”や“コラル・デ・ラ・モレリア”などで歌い、1964年のニューヨーク万博スペイン館出演。マヌエラ・バルガス舞踊団での伴唱は2枚のレコードに残されているが、妹とのソロアルバムの発表は1970年。ソレアの他はファンダンゴ、ブレリア、タンゴ、カンティーニャと広くはないが、そのソレアの深みはをソレを補ってあまりある。たとえ言葉が分からなくともまっすぐ飛び込んできて心震える彼女の歌はフラメンコファン必聴。
Casta con María Soleá y María La Burra1988 ©︎ Kyoko Shikaze
Casta con María Soleá, La Negra, La Tolea ©︎Kyoko Shikaze
【ビデオ】
スペイン国営放送カンテの祭儀と地理でのフェルナンダの回。ディエゴ・デル・ガストールの伴奏でブレリア。
リカルド・パチョン制作のビデオシリーズ『エル・アンヘル』、エル・テリトリオ・フラメンコの回ではペドロ・バカン伴奏でのフェルナンダのソレア`(9 分ごろから)の他、パコ・バルデペーニャやラ・ネグラ、カマロンらが歌うフィエスタ風景も収録されている。カマロンの歌で踊り始めるマヌエラ・バルガスの姿も。
1989年、カナルスールの番組でのフェルナンダのソレア。その後にインタビューも収録。ニューヨーク万博の思い出などを話しています。
映画『フラメンコ』撮影現場で ©︎ Kyoko Shikaze
映画『フラメンコ』プレミア後のパーティで。カルメン・リナーレス、ぺぺ・デ・ルシアと ©︎ Kyoko Shikaze
1988 Alcalá de Guadaira con Paco del Gastor ©︎ Kyoko Shikaze
Manuela Hermoso Vargas
“Manuela Vargas”
Sevilla1941- Madrid 12-10-2007
マヌエラ・バルガス
本名マヌエラ・エルモソ・バルガス
1941年セビージャ生まれ、2007年10月12日マドリード没
1963年1月5日付け日刊紙ABC の日曜版表紙
セビージャの舞踊教授エンリケ・エル・コホ門下。12歳でセビージャのタブラオで踊り始め、後、マドリードに移る。60年代中頃から自らの舞踊団で、65年のニューヨーク万博、66年ロンドンの劇場で4週間公演するなど世界各地で公演。その舞踊団には師エンリケをはじめ、グイトやフェルナンダ、レブリハーノら歴史に残るアーティストたちが在籍、代表作にはスペイン国立バレエ団での『メデア』がある。1995年にはペドロ・アルモドバル監督の映画『私の秘密の花』で共演したホアキン・コルテスの舞台にゲスト出演している。2006年芸術功労金章受章。
フェルナンダ(とベルナルダら)が歌、フアン・アビチュエラ( とフアン・マジャ“マローテ”)がギターで参加しているアルバム。1967年。
【ビデオ】
カナルスールの番組の中で、エンリケ・モレンテの歌、ぺぺ・アビチュエラのギターでペテネラを踊る。
1982年スペイン国立バレエ団バジャドリード公演でカーニャを踊る。
スペイン国立バレエ団『メデア』初演時の映像。画質は悪いのですが、相手役を務めたアントニオ・アロンソさんのチャンネルから。初演でこれだけ完成されていたのですね。
JuanCarmona Carmona
"Juan Habichuela"
Granada, 12-8-1933 – Madrid, 30-6-2016
フアン・アビチュエラ
本名フアン・カルモナ・カルモナ
1933年8月12日グラナダ生まれ、2016年6月30日マドリード没
CDプロモーション写真
祖父、父、弟ペペ、ルイス、カルロス、長男フアン、甥ホセ・ミゲルなどがギタリストの他、次男アントニオは歌手、そのほかにも甥や孫など歌い手や踊り手、パーカッション奏者などもいるアルティスタ一家。子供の頃はマリオ・マジャとともにグラナダ、サクロモンテの洞窟で踊り手としてスタート。後、ギタリストに転向。地元グラナダの経験を経て50年代半ばにマドリードへ。タブラオ“エル・ドゥエンデ”“トーレス・ベルメハス”などで活躍。歌伴奏に定評があり、マノロ・カラコールやエンリケ・モレンテ、フォスフォリート、カルメン・リナーレスなど数多くの録音がある。1999年に息子のプロデュースによるオマージュアルバムが発表された。
1999年発表のアルバム。スペインきっての人気歌手アレハンドロ・サンスやパコ・デ・ルシアも参加している。
【ビデオ】
カナルスールのフラメンコ番組『カビラシオネス』(1995年)でチョコラーテへの伴奏。
カナルスールでのフアン・アビチュエラ引退に際してのインタビュー。1996年。
ホセ・メルセへのファンダンゴ伴奏
ホセ・メルセへのシギリージャ伴奏
【筆者プロフィール】
志風恭子(Kyoko Shikaze)/1987年よりスペイン在住。セビージャ大学フラメンコ学博士課程前期修了。パセオ通信員、通訳コーディネーターとして活躍。パコ・デ・ルシアをはじめ、多くのフラメンコ公演に携わる。
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