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  • 【大阪・関西万博】スペイン館にディエゴ・ゲレーロ&徳永康次郎が出演!

    (jueves, 31 de julio 2025)   大阪・夢洲で開催されている「2025年日本国際博覧会(通称:大阪・関西万博)」で、8月12日(火)~17日(日)までの期間にスペインからディエゴ・ゲレーロのバンドが来日、スペインパビリオンのステージに登場します。 さらにはこのバンドに日本からも、フラメンコギターデュオ「徳永兄弟」としても活躍するギタリストの徳永康次郎さん(写真)が参加するとのうれしいニュースが。 ステージは1日30分くらい行われる予定とのことですが、その他の詳しい内容については、引き続きSNSなどの情報を待ちたいところです。 ラテングラミーにもノミネートされる実力派フラメンコ・アーティストのステージを、ぜひ大阪・関西万博で楽しんでください! (追記:8/12)ステージは8月13〜17日の毎日、12時〜と13:30〜の1日2回、スペインパビリオン内の室内ライブスペースで行われます。 【出演/FICHA ARTISTICA】 Diego Guerrero: voz y guitarra Kojiro Tokunaga: guitarra Flamenca Nasrine Rahmani: percusión José María Pedraza "Petaca": piano Rainer Pérez: bajo   ●ディエゴ・ゲレーロ公式サイト: https://diegoguerrero.es/ ●徳永兄弟 公式サイト: https://www.tokunagaduo.com/   *万博の入場チケットを購入し、万博入場日時の予約は必要です。 *公演時間や予約の要・不要について、変更となる場合もありますので、事前にご確認ください。 【万博チケット購入サイト】 https://ticket.expo2025.or.jp/ 【万博イベントカレンダー:一覧】 https://www.expo2025.or.jp/wp/wp-content/uploads/250428_eventcalendar_JPN.pdf 【万博イベントカレンダー:日付選択型】 https://www.expovisitors.expo2025.or.jp/events/schedule 【万博イベントカレンダー:補足資料】 https://www.expo2025.or.jp/wp/wp-content/uploads/250418_eventcalendarhosokuJPN.pdf *スペイン館では、月曜以外の夕方に3回ほどフラメンコショーが開催されます。 予約不要で、スペイン館に入場しなくても見ることができるとのことなので、こちらも要チェック! ※混雑状況により開始時間は前後します。 *スペイン館では、スペインのいろいろな自治州のイベントを定期的に開催しています。期間中は、知事の来館やアーティストによるアート企画などを通して、それぞれの州の魅力が楽しめるとのこと。もう開催してしまった州もありますが、これからもまだまだ魅力的な州の企画が続きますので、ぜひ今後の予定をチェックしてください。 [今後のスケジュール] ・7月29日〜8月3日 アンダルシア州 ・9月16日〜9月21日 ガリシア州 ・9月25日〜9月28日 ラ・リオハ州 ・9月30日〜10月4日 アラゴン州 ・10月7日〜10月12日 アストゥリアス州 ※日程は変更になる場合があります 【「スペイン館」Instagram アカウント】 https://www.instagram.com/expospain2025/ 【「スペイン館」X アカウント】 https://x.com/expospainosaka 【「スペイン館」公式サイト】 https://www.expo2025.or.jp/official-participant/spain/ =====

  • TRANSFORMACIÓN 東京公演

    (domingo, 10 de agosto 2025)   2024年11月26日(火) 六本木バードランド(東京) 写真/川尻敏晴 Fotos por Toshiharu Kawajiri 文/金子功子 Texto por Noriko Kaneko 杏梨(ピアノ)   2020年10月から活動する革新的ピアノフラメンコユニット「TRANSFORMACIÓN」。これまでライブ内容によってメンバー構成を変えながら、新しいフラメンコの魅力を発信し続けている。 今回のライブは六本木にある老舗のレストランライブハウス、六本木バードランドの開店50周年を祝うアニバーサリーライブとして開催。メンバー構成は、その1か月前に行われた中国ライブツアーと同じ顔ぶれで迎えた。 1曲目は代表曲の「TRANSFORMACIÓN」。深みのあるピアノの重低音から始まり、チェロ、ギター、パーカッションと音色を重ねていく。その重層的な空気を、伊藤の足音が鋭く切り裂く。そしてそれぞれの音が絡み合い、ブレリアのリズムとともにステージを盛り上げていく。新生トランスフォルマシオン誕生の瞬間だ。 次の曲タンギージョは一転、明るく穏やかな曲調。ギターとピアノが紡ぐハーモニーやベースのピチカートプレイ、KANはカホンやシンバルで多彩な音色を響かせ、伊藤のパリージョも軽やかで美しい。 德永がスペイン留学時代に作曲したというグアヒーラ。少し速めの弾むようなテンポの曲をKANが安定のコンパスで支え、グルーヴ感に満ちた息の合った演奏に本人たちも楽しそう。 (写真左から)KAN、徳永康次郎 ティエントはスローで渋いメロディーの、重低音の魅力にフォーカスしたような曲。ピアノの叙情的なフレーズが心に染みてくる。 前半ステージの締めは、フラメンコピアニストとして有名なドランテスのブレリア。ドラマティックなピアノ演奏に合わせて伊藤が白のマントンを軽やかに翻し、全身で伸びやかに舞う姿が印象的だ。 伊藤笑苗(バイレ) 後半はピアノをメインとしたアレグリアスからスタート。伊藤は真っ赤なバタ・デ・コーラを巧みにさばき、華やかでダイナミックな踊りを魅せる。ピアノが奏でる音楽の波を自在に泳ぐかのよう。 ピアノとギターのデュオアレンジによるルンバは、スローなバラード調のメロディーから始まり、そこにベースやパーカッションが加わりグルーヴ感が高まっていく。すると途中から杏梨も鍵盤ハーモニカにスイッチし、ジャズテイストのプレイで演奏を盛り上げた。 フラメンコの定番曲であるシギリージャでは、確かなコンパスの中で変幻自在なリズムを展開。パーカッションとベースの斬新なリズムフレーズはうれしい驚きを与えてくれた。伊藤はキレのある身のこなしと鮮やかなステップで、曲のリズムに応えていく。 ラストの曲は、杏梨が発表したアルバムに収録されているタンゴ。オレンジのライトの中、ミディアムテンポの心地良い曲に伊藤がアバニコを効かせた踊りで花を添えた。 アンコールでは、1曲目に演奏した「TRANSFORMACIÓN」の一部を披露。 5人の個性がモザイクアートを織りなすような、素晴らしいステージを堪能した。 公演を重ねていくごとに変化して新しい世界を見せていくトランスフォルマシオン。2024年は海外での公演が続き、東京での公演はこの1回のみだった。これからも日本で海外で、その唯一無二のフラメンコを楽しませてほしいと期待が高まる。 遠藤定(ベース) 【出演】 TRANSFORMACIÓN ピアノ 杏梨 ギター 徳永康次郎 バイレ(踊り) 伊藤笑苗 ベース 遠藤定 パーカッション KAN ◎『TRANSFORMACIÓN』情報 https://lit.link/transformacion =====

  • 【news】《Anifuturo 2025》テアトロ研修成果発表公演

    (domingo, 10 de agosto 2025)   次代を担い世界に通用するフラメンコ芸術家の育成を目的として、一般社団法人日本フラメンコ協会が文化庁 による文化芸術振興費補助金の支援を活用して、昨年より取り組んでいる「新進フラメンコ芸術家等育成プロジェクト」。 2年目となる今年度に行われる3つの企画から第1弾として、テアトロ作品の研修についての成果発表公演が8月に東京・大田区民プラザ大ホールで開催されます。 現在も継続的に新作の劇場公演を行っている舞踊家のもとで、作品制作や舞台上演の基本的な流れを実践的に学んだ次代を担うアーティスト達の研修の成果が、大きな劇場の舞台で披露されます。 新進フラメンコ芸術家等育成プロジェクト 《Anifuturo academia de flamenco 2025》 テアトロ研修成果発表公演 [日時]2025年8月27日(水) 17:30開場 第一部:18:00〜「星の王子さま」 (振付・構成・演出・指導:石井智子) 第二部:19:30〜「フラメンコのちから」 (振付・構成・演出・指導:佐藤浩希) [会場]大田区民プラザ 大ホール (〒146-0092 東京都大田区下丸子3-1-3) *東急多摩川線「下丸子駅」徒歩1分/東急池上線「千鳥町駅」徒歩9分 [チケット](※購入手数料含む) <自由席> 一般:5,250円|会員:4,200円 学生:2,625円|学生連盟:2,100円 <指定席> 一般:7,350円|会員:6,300円 学生:4,725円|学生連盟:4,200円 [先行発売]出演者(育成対象者)よりお求めください [一般発売]購入はこちら▶︎ https://t.livepocket.jp/e/xn_fi [出演](育成対象者50音順) ◆「星の王子さま」(石井智子 振付・構成・演出 指導) 荒濱 早絵 小木曽 衣里子 木村 莉子 佐藤 陽美 清水 真由美 角谷 のどか 中里 眞央 新田 晶野 藤岡 里織 藤丸 莉沙 KANA MENDOZA 栁沼 芽以  山下 美希 山本 秀子 吉田 芽生 伴奏: ギター 鈴木淳弘  カンテ 川島桂子・井上泉 パーカッション 朱雀はるな バイオリン 依田彩 アコーディオン MIYACK   ◆「フラメンコのちから」(佐藤浩希 振付・構成・演出 指導) 荒濱 早絵 大野 環 川松 冬花 小山 大凱 権 弓美 佐藤 陽美 瀬﨑 慶太 中里 眞央 山本 秀子 吉田 芽生 脇川 愛 渡辺 なおみ 工藤朋子 三四郎 伴奏: ギター 齋藤 誠 カンテ 石塚隆充・中里眞央 パルマ 佐藤浩希 [助成]文化庁 舞台芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(芸術家等人材育成))|独立行政法人日本芸術文化振興会 [主催・問]日本フラメンコ協会 Anifuturo公演事務局 [出典] https://www.anif.jp/information/announce/anifuturo2025_teatro08.html =====

  • スペインNews 8月号・2025

    (miércoles, 6 de agosto 2025)   文・写真/志風恭子 Texto y fotos por Kyoko Shikaze フラメンコの夏は、スペイン、特にアンダルシア各地で開催されるフェスティバル。その多くは野外で、その街の公園や広場、学校の校庭、グラウンド、闘牛場などで行われます。仮設舞台ですが、照明、音響、大きなフェスティバルだとスクリーンまで設置され、椅子が並べられます。会場の一角にはバルも設けられ、飲み物や軽食も販売。観客はもちろん開催地、地元の人たち中心ですが、有名なフェスティバルや人気アーティストが出演するものには他の地方から泊まりがけで見にくるアフィシオナードたちもいたりします。アーティストの中にはいくつかのフェスティバルに車を飛ばしてはしごで出演する人もあったり。人気アーティストのオンシーズン、稼ぎどきなのですね。 《INDEX》 ・ ラス・カベサスのラ・ジェルバブエナ祭 ・ ベラニージョ・デル・アラミージョ ・ スペイン国立バレエ『アファナドール』マドリード公演 ・ フラメンコ才能コンクール ・ 訃報/アリシア・アクーニャ    【ラス・カベサスのラ・ジェルバブエナ祭】 ©︎ Kyoko Shikaze この協会の裏手にある広場が会場でした。ちなみにこの写真には写っていませんが、この広場の右手の家がペパ・モンテスの生家だそう。   7月4日には初めてラス・カベサス・デ・サン・フアンのフラメンコ祭、ジェルバブエナ祭に行ってきました。ラス・カベサスはセビージャ県、カディス県との県境に近いレブリーハの隣町、人口1万6千人という小さな町です。踊り手ぺパ・モンテスの出身地ですが、フラメンコファンにとってもあまり馴染みのある土地ではないかも知れません。今年で第34回と言いますから、数あるフェスティバルの中では中堅どころになるのでしょうか。会場は村の一番高いところにある教会横の広場。定員600人くらいということでしたが超満員。満員札止めは久しぶりのことだそうです。 今年の出演者は、地元のギタリスト、フアン・デ・クレメンテのグループ、ランカピーノ・チーコ、アウロラ・バルガス、そして踊りのコンチャ・バルガスと通好み。フアンのグループでは歌謡曲のようなブレリアを歌う若い女性たちからじいさまばあさままでが次々にちょっと歌って踊ったのですが、プロとは違う、生活の中で日々楽しむフラメンコという感じで良かったです。 ©︎ Kyoko Shikaze 父ランカピーノと同じようにマイクを手に立って歌ったりもするランカピーノ・チーコや ©︎ Kyoko Shikaze   アウロラの1ミリの嘘もない、熱血フラメンコも ©︎ Kyoko Shikaze 極上のフラメンコが身体に染みわたる感じ。フラメンコは心の栄養。生きるエネルギーがチャージされていきます。 最後に舞台に上がったコンチャも、フアネロ、モイ・デ・モロン、ペチュギータという3人の歌い手、息子クーロのギターをバックに気迫のソレア。そして歌のソロを挟んでのブレリアと堪能させてくれました。 ©︎ Kyoko Shikaze 夏のフラメンコ・フェスティバル、車がないと行きにくのも確かですが、地元の小さな宿に泊まることも可能ですので、一度はぜひ訪れて欲しいものです。   【ベラニージョ・デル・アラミージョ】   夏のフェスティバル、できれば各県の県庁所在地以外の町をぜひ訪れて欲しいところですが、セビージャ市内でも野外公演があちこちで行われます。 毎年恒例、"アルカサル庭園の夜"( https://www.actidea.es/nochesalcazar2025/ )ではクラシック、ジャズ、フラメンコ、ワールドミュージックと多彩な公演が安価に楽しめますし、市の北西にあるアラミージョ公園でも毎週木曜日22時から、無料のフラメンコ公演が行われています。毎回、フラメンコ関係の功労者にオメナヘ、オマージュし、昨年はスイス在住のバイラオーラ、林結花さんへのオマージュもあったそうです。町外れでもあり、帰りのことを考えると車がないと行きにくいことには変わりがないですが、タクシーを使えば行けるのではないでしょうか。出演者は若手が主ですが、だからこそ、まだ知らなかったアーティストとの出会いも期待できそうです。 フラメンコ以外にも子供向けのイベントがあったり、マジックショーがあったり。 今年のプログラムはこちらのリンクで。 https://www.juntadeandalucia.es/avra/opencms/parque-alamillo/contenido/noticias/2025/20250707_ALAMILLO_PROGRAMACION_VERANILLOS_ALAMILLO.html ©︎ Kyoko Shikaze 【スペイン国立バレエ『アファナドール』マドリード公演】 7月9日から20日まで、マドリードのサルスエラ劇場でスペイン国立バレエ団公演が行われました。演目は『アファナドール』。一昨年12月にセビージャのマエストランサ劇場で初演されたこの作品は、コロンビア出身ニューヨーク在住の写真家、ルヴェン・アファナドールの写真集に想を得た作品で、 コンテンポラリーダンスのマルコス・モラウ(パリ、オペラ座でも新作上演予定)による、現代舞踊の要素を巧みに使った革新的なスペイン舞踊作品。6月に行われたスペインの舞台作品のアカデミー賞、マックス賞でも8部門にノミネートされ、最優秀舞踊作品、演出、作曲、衣装、照明と5部門で受賞した作品。 マックス賞授賞式。中央に緑色のシャツのアシスタントディレクターのミゲル・アンヘル・コルバチョを挟んで左にマルコス、右にルベン・オルモ監督とスタッフ ©︎ Cristina Núñez Fundación SGAE   黒い衣装の半裸の男女によるマスゲームのような群舞や、 ©︎ Merche Burgos Ballet Nacional de España 写真家ということからであろう、フラッシュを効果的に使ったり、写真スタジオを連想させる照明をダンサーが移動させたり。知らない国の宗教音楽のようにも聞こえる音楽とそこに違和感なく挟み込まれるフラメンコの生演奏。群舞が見せる集団(で同じことをするということだけで見えてくる)的暴力性、得体の知れない恐ろしさなど、観る人誰にも、強いインパクトを残すであろう、すごい作品だと思います。伝統的なスペイン舞踊とは一線を画す、非常に個性的な作品だけに、個人個人の好き嫌いはあるとは思いますが、クラシックバレエのスペイン舞踊も現代を生きる舞踊なのだと再確認させてくれました。そしてこのすごい作品を支えているのは規律正しく訓練された素晴らしいダンサーたち。整った美しさをあえて壊すことで見えてくる本質なのかも。 ©︎ Merche Burgos Ballet Nacional de España なお、9日の公演の収益はUNRWA(国連パレスチナ難民級財事業機関)に寄付されたということです。 https://youtu.be/Vp34HBNq4eo?si=UVBR6wRRRopJy_kP   【フラメンコ才能コンクール】 ギターの徳永兄弟が学んだことでも有名なクリスティーナ・ヘーレン財団のフラメンコ芸術学校。この財団が新人の発掘のために行なっているのがコンクルソス・タレント・フラメンコ、フラメンコ才能コンクール。 7月8日にはカンテ決勝がウエルバで、9日はギター決勝がトリアーナで行われ、カンテは1位ベレン・デ・ロス・レジェス、2位アルバロ・ビジャラン、3位アントニオ・ロペスで1、2位は財団の学校で学ぶ奨学金も獲得。9日にはギター伴奏部門で1位パブロ・エレディア、2位カルロス・グランデ、3位フアン・バリノテ、奨学金サルバドル・リンコン、ソロ部門奨学金カロリネ・エスピノサが受賞。 そして14日にはギターと同じく、財団本拠地のトリアーナで、舞踊部門の決勝が行われました。本来、決勝に進むのは5人の予定だったそうですが、去年は6人、今年はなんと7人が進出。それぞれが準決勝とは違う2曲を踊るということで4時間の長丁場に。それだけレベルの高い争いだったと言えるでしょう。   優勝はセビージャ出身の17歳、今年の参加者の中で最年少のハイロ・ベガ、 シギリージャ ©︎ Kyoko Shikaze 2位にはグラナダのマリア・マシアス、 タラント ©︎ Kyoko Shikaze   3位に6月コルドバ県のコンクールで優勝したラウル・アルバ。 アレグリアス ©︎ Kyoko Shikaze   奨学金はハイロとマリア、そしてカディス県バルバーテ出身のルス・マリア・ガラン ファルーカ ©︎ Kyoko Shikaze の3人にプラスして、特別にクリスティーナ・ヘーレンからラウル・アルバにも贈られました。3位までには入らなかったルス・マリアですが、アンダルシア舞踊団で2週間の研修という特別賞も、舞踊団監督のパトリシア・ゲレーロから贈られました。   なお、決勝の模様は財団のYouTubeチャンネルにアップされています。 https://www.youtube.com/live/vSZtpKVguIA?si=uNgndl2HIQR2fTYu   【訃報/アリシア・アクーニャ】 7月24日、歌い手アリシア・アクーニャが亡くなりました。14日に47歳の誕生日を迎えたばかりの若さでした。1978年セビージャ生まれ。セビージャのペーニャ、ピエ・デ・プロモで研鑽を積み、98年ビエナルのペーニャ公演でプロデビュー。ヘーレン財団で学び、ソロに、舞踊伴唱にと活躍。ここ数年は赤い髪がトレードマーク。ラウル・カンティサノとの共演で踊り手ラ・チョニやアンヘレス・ガバルドンらの作品を支えていたことも印象的。エレクトリックミュージックなどとも共演するエキセントリックなイメージもあるかと思いますが、フラメンコの古典をしっかり学んだ上でさまざまなことに挑戦していたユニークなアーティストの一人だったと思います。心からご冥福をお祈りします。 2009年アンヘレス・ガバルドンの稽古場で ©︎ Kyoko Shikaze 2019年マラガ県アルチドーナ 中央はラ・チョニ、ギターはラウル・カンティサノ 2019年アルチドーナのフェスティバルで ©︎ Kyoko Shikaze 【筆者プロフィール】 志風恭子(Kyoko Shikaze) /1987年よりスペイン在住。セビージャ大学フラメンコ学博士課程前期修了。パセオ通信員、通訳コーディネーターとして活躍。パコ・デ・ルシアをはじめ、多くのフラメンコ公演に携わる。   =====

  • 新・フラメンコのあした vol.30

    (viernes, 1 de agosto 2025)   20年以上にわたりスペインで活動するジャーナリスト東敬子が、今気になるスペインフラメンコのあれこれを毎月お届けします。 今回と次回の2回にわたり、筆者が読者の皆さんにぜひ知ってもらいたいという、今最も注目している二人のギタリストを紹介します。   あしたのギタリストは〜(1) 「アントニオ・エル・レロヘロ」   Los guitarristas para mañana (1) Antonio el Relojero   文: 東 敬子 画像:東 敬子/ 宣伝素材   Texto por Keiko Higashi Fotos: Keiko Higashi, por promoción   イスラエル・フェルナンデス(左)の伴奏を務めた コロナ禍を機にユーチューブやインスタグラムが躍進したのは周知の通りですが、これはフラメンコ業界にとって本当にありがたい出来事だったと思います。   業界大手が売り出すアーティストしか知り様がなかった以前は、ただ彼らを受け入れるだけでした。そしてそれが今ひとつだったり、似たり寄ったりだったりしようものなら、「現代のアーティストはつまらなくなった」と時代のせいにして、挙句、「昔は良かった」なんてお決まりのセリフを吐いたりしていた訳ですよね。   ところが今は、大手に「認めて」もらわなくても、動画プラットフォームを通じて誰もが自由に自己プロモーションが出来るようになり、とても風通しが良くなりました。様々なフラメンコたちが表に出ることで「現代フラメンコ」のダイバーシティは確実に広がり、結果、業界にも変化が訪れているように感じます。   そこで今回・次回の2回に渡り、皆さんにぜひ知ってもらいたい、私が今最も注目している二人のギタリストをご紹介したいと思います。一人は20歳、もう一人は70歳という、50年の隔たりを持つ二人で、二人とも知名度も華やかな芸歴もありませんが、その演奏を聴くと「なんでこんな所にこんな人が居るの?!」と、その「場違い」な音に驚きと喜びを感じること間違いなしです。   アントニオ・エル・レロヘロ (Antonio el Relojero)   El Relojero  (c) Keiko Higashi 皆さん、トレド出身・36歳のカンタオール、イスラエル・フェルナンデスをご存知でしょうか。現在、物凄い勢いでスターダムを駆け上がっている彼が2024年に発表したアルバム『ポル・アモール・アル・カンテ(Por Amor al Cante 〜カンテに捧げる愛)』では、ちょっとしたサプライズがありました。彼の伴奏には普段はディエゴ・デル・モラオなど一流どころを目にしますが、今回このアルバムで彼が伴奏に抜擢したのが、なんと69歳でプロになったギタリスト、アントニオ・エル・レロヘロでした。   マドリード郊外の村コルメナール・デ・オレーハに生まれ、子供の頃からフラメンコ好きの祖父や父の影響を受け、ペーニャやフィエスタなどでマエストロたちを直に聴いて育ったという彼ですが、ギターは独学であり、彼が情熱を注ぐ唯一の趣味。職業はその芸名の由来でもある時計の修理技師でした。   レロヘロは言います「僕は敬虔なクリスチャンだけど、これは神の思し召しなのかもしれない」。それがイスラエル・フェルナンデスとの出会いでした。イスラエルは、あるコンクールでレロヘロのギターを耳にし、ぜひ自分の伴奏をしてほしいと頼みます。しかしレロヘロは時計修理の仕事、そして当時は母の介護もあり、引き受けることはできないと断りました。それから12年後、イスラエルは再びレロヘロの元を訪れ、同じお願いをします。母は亡くなり、仕事もひと段落ついた彼は、ついにその申し出を受け入れたのです。   「自分の人生は仕事、そして好きなフラメンコだけだった」   イスラエルがなぜレロヘロを選んだのか。先日私は、その疑問への答えを体験することができました。   7月12日、マドリード郊外の村チンチョンで行われた野外コンサート「ノーチェス・デ・ベラーノ」で、若手カンタオール、アントニオ・エル・カンパーナの伴奏をするエル・レロヘロを観て、私の結論は、何かを好きであること、努力すること、やり続けること、そうすれば幾つになっても人生の再スタートは出来る、それに尽きました。   El Campana & El Relojero (c) Keiko Higashi 70歳とは思えない指の冴えから繰り出される技術。持って生まれた優れたリズム感とカンテを熟知した感性。生涯ずっとステージに立っていたかのような佇まい。もう、アマチュアだったとは到底信じられない。そして何より、その古いスタイルに忠実なトーケが、全く古く聞こえないことに驚かされました。   自分がその時代にワープして実体験しているような新鮮さがそこにはありました。彼のギターを聴いていると、古いスタイルを「古い」と言って時代に置き去りにする必要はもうない。これは一つのジャンルであり、「新しいスタイル」を追求することだけが発展への選択肢ではないことを強く感じました。だって、彼のギターは生き生きと今の空気を吸っているのだから。   ちなみに、彼のあのシャープな音は、時計技師と言う職業も手伝ったのではと言う識者もいます。確かに、あの細かい作業をするには指先の繊細な感覚や細かい音を聞き取る聴覚が必要ですよね。私は「なるほど〜」と納得してしまいました。   【筆者プロフィール】 東 敬子 (ひがし けいこ) /フラメンコ及びスペインカルチャーのジャーナリストとして、1999年よりマドリード(スペイン)に在住し執筆活動を続ける。スペインに特化したサイト thespanishwhiskers.com を主宰。   =====

  • 【news】第34回フラメンコ・ルネサンス21「新人公演」開催

    (miércoles, 30 de julio 2025) フラメンコのプロ・アーティストへの登竜門として注目される、一般社団法人日本フラメンコ協会が主催する第34回/2025年度 フラメンコ・ルネサンス21「新人公演」が、9月下旬より3日間にわたり開催されます。 昨年まで会場となっていた東京・なかのZEROホールが改修工事に入ったことにより、今回は神奈川県の横浜・桜木町にある神奈川県立青少年センター紅葉坂ホールで行われます。 カンテ部門10名、ギター部門2名、バイレ・群舞部門4組、バイレ・ソロ部門54名が集い、ひとりひとりの努力の結晶となる舞台を披露します。 現地観覧が難しい方には、公演開催後に収録映像を視聴できる配信視聴チケットも用意されます。 真っ直ぐな想いを込めてフラメンコと向き合う出演者たちに、ぜひ会場で、配信で、熱いエールを送ってください! 【日時】 1日目:9月24日(水) 開場17:30/開演18:00 カンテ/ギター/バイレ・群舞/バイレ・ソロ① 2日目:9月25日(木) 開場17:30/開演18:00 バイレ・ソロ部門② 3日目:9月26日(金) 開場17:00/顕彰式典17:30/開演18:00 バイレ・ソロ部門③ 【会場】 神奈川県立青少年センター 紅葉坂ホール 〒220-0044 神奈川県横浜市西区紅葉ケ丘9-1 (JR「桜木町駅」徒歩8分) 【観覧チケット】 日本フラメンコ協会会員 4,000円/一般5,000円(全席自由、税込) ※別途、座席予約指定券(2,000円、税込)も購入可能です。 ●購入方法: 先行発売… チラシ画像裏面 に掲載の出演者よりお求めください。 一般発売…先行発売後、日本フラメンコ協会より販売いたしますので公演事務局までお問い合わせ下さい。 【配信視聴チケット】 日本フラメンコ協会会員 2,000円/一般2,500円(税込) ●予約方法: 先行発売… チラシ画像裏面 に掲載の出演者よりお求めください(*現在は予約受付中/詳しい案内や電子チケットの発券は9月の会場公演終了後となります)。 一般発売…9月の会場公演終了後、日本フラメンコ協会より販売いたしますので公演事務局までお問い合わせ下さい。 *公演情報はANIFホームページでも公開しています。 https://www.anif.jp/event/shinjin/new_shinjin/34ticket.html 【問】 (一社)日本フラメンコ協会 新人公演事務局 〒164-0001 東京都中野区中野3-3-6 セルバビル2階 [平日]13時-17時 [休日]土日祝祭日 メール  flamenco@anif.jp 公式LINE @flamenco_anif FAX 03-3384-5711 (いずれも24H受付/3営業日以内に返信) TEL 03-3383-0413 (月水金 13時-17時受付) =====

  • 小松原庸子スペイン舞踊団《2024真夏の夜のフラメンコ》

    第53回野外フェスティバル (martes, 29 de julio 2025)   2024年7月27日(土) 日比谷野外大音楽堂(東京) 文・写真/金子功子 Texto y fotos por Noriko Kaneko ひとつの公演企画が50年以上続くとは、まさに偉業と言えるだろう。 日本でのフラメンコの夏の風物詩として親しまれる野外フェスティバル「真夏の夜のフラメンコ」が、昨年7月に日比谷野音で開催された。 雨天決行のため悪天候でも毎年公演を重ね、今回で53回目。この2025年秋から予定している会場の建替工事を受けて、野音での「最後の真夏」となった。 オープニングは、『どよめき』という若者らのグループによる、太鼓やミニシンバルなどの打楽器や笛を使った若々しく活気ある演奏からスタート。 続いて闘牛士姿の男性舞踊手らと美しい女性舞踊手らによる迫力ある群舞エスパーニャ・カニーをはじめとするスペイン舞踊や、子供たちや女性群舞による華やかなフラメンコ舞踊と、個性が光る魅力的な舞曲が次々に繰り広げられる。 ソロやパレハ(ペア)による7曲の舞踊によるクアドロ・ステージでは、それぞれが気迫に満ちた渾身の一曲を披露。そして、ムーディーな演出のリベルタンゴ、全日本フラメンココンクールの入賞者やファイナリストらによるタンゴ・イ・ティエント、ベテランと若手の男性舞踊手らによるマルティネーテ、小松原舞踊団員らによるラ・ビダ・ブレベやアレグリアスなど、見応えのある群舞が続いた。 フィナーレは全員参加のセビジャーナス。ステージを埋め尽くした出演者たちや、舞踊団員や研究生らは客席通路に出て踊れる観客を交えて踊ったり、最後には主催の小松原も舞台で一振り踊って会場を沸かせた。 観客も出演者も和やかな空気に包まれながら、半世紀以上の歴史を刻んだ真夏のフェスティバルは幕を閉じた。 挨拶で小松原は「またどこかでお目にかかれたら」と語った。野音の再開は数年後だが、ひとりひとりのフラメンコを愛し大切にしたいという思いがあるなら、場所を変え形を変えてでも、次の世代へと受け継がれていくことだろう。 そして今年は、舞踊団のお膝元である東京・高円寺氷川神社の境内で「2025真夏の夜のフラメンコ」が8月9日に開催されることが決まった。公演規模はもちろんこれまでとは違うが、これから新たな夏の風物詩として、再び多くの人達に楽しんでもらえることを期待したい。 【プログラム】 イントロダクション:打響伝(どよめき) 1.  エスパーニャ・カニー 2.  トレロ(奥濱春彦 クリスチャン・デ・ラ・フエンテ ボルハ・レブロン) 3.  アラゴネサ 4.  ソレア・ポル・ブレリア(カンデーラ発ともだち列車たからもの号) 5.  ブレリア(Las 4 petirrojas/篠田三枝 島崎リノ 福山奈穂美 松島かすみ) 6.  ソロンゴ(鈴木敬子 クリスチャン・デ・ラ・フエンテ) 7.  カラコレス 8.  カーニャ(入交恒子フラメンコ教室アカデミアマルガリータ) 9.  ガロティン 10.  セビジャーナス 11.  クアドロ: ・バンベーラ(田村陽子) ・ソレア・ポル・ブレリア(幸田愛子) ・カンティーニャ(松 彩果) ・タラント(鍜地陽子) ・カーニャ(二村広美) ・グァヒーラ(大槻敏己 津幡友紀) ・シギリージャ(中田佳代子) 12.  リベルタンゴ 13.  タンゴ・イ・ティエント 14.  ラ・ビダ・ブレベ 15.  マルティネーテ 16.  アレグリアス 17.  フィナーレ:みんなで踊ろうセビジャーナス 【出演】 小松原庸子スペイン舞踊団 中島朋子 松尾美香 北山由佳 藤川淳美 関 真知子 横山さやか 伊集院久美子 髙橋麻木 林 美奈子 鈴木小登子 阿部智恵 平田小織 久保智恵 柴垣由紀 金光三枝子 高橋ひとみ 勝呂公美子 福田 薫 黒澤真弓 北詰桂子 宮下香鈴 鬼頭篤子 クリスチャン・デ・ラ・フエンテ ボルハ・レブロン 奥濵春彦 鈴木敬子 入交恒子 田村陽子 松 彩果 Las 4 petirrojas(篠田三枝 島崎リノ 福山奈穂美 松島かすみ) 大槻敏己 津幡友紀 鍜地陽子 中田佳代子 二村広美 幸田愛子 山本 涼 入交恒子フラメンコ教室 アカデミアマルガリータ カンデーラ発ともだち列車たからもの号 第5回全日本フラメンココンクール入賞者&ファイナリスト 伊藤笑苗(バイレ部門優勝) 齋藤克己(カンテ部門優勝) 熊谷善博(カンテ部門準優勝) 南 豪(小松原庸子特別賞) 松下ひろみ 福岡由理 千葉真優美 大里尚子 佐藤陽美 中村太香子 平田かつら(第4回小松原庸子特別賞) ヴァイオリン:寺島貴恵 カンテ:チェマ 井上 泉 ギタリスト:髙橋紀博 長谷川 暖 カホン:山本将光 パーカッション:橋本容昌 ======

  • 【news】Yuka×El Perla -Guitar & Cante Special Live-

    (lunes, 28 de julio 2025)   今秋ガルロチのスペイン人グループ公演で来日予定の、卓越したテクニックと鮮やかな音色で聴く者を魅了するギタリスト“エル・ペルラ”と、日本のフラメンコ界を牽引する一人として踊り手として歌い手として活躍中の今枝友加さんによる共演ライブが、11月にガルロチで開催されます。 二人のステージをパルマ(手拍子)で支えるのは、自身も踊りやパルマで日本各地で活躍する三枝雄輔さん。 素晴らしい3名のアーティストによる一回限りの夢の競演を、ぜひお見逃しなく! 日時:2025年11月7日(金) 12:00開場13:00開演 場所:Show レストラン「ガルロチ」 (東京・新宿伊勢丹会館6F) 出演: ギター "エル・ペルラ" カンテ 今枝友加  パルマ 三枝雄輔 料金:(全席指定・1 drink付き) S席 7,500円 A席6,000円 学生・子供 4,000円 障がい者割引 3,000円 *未就学児のお客様につきましては、膝上やベビーカーの場合は無料にて、お席をご使用の場合は子供料金となります。 ◆予約開始:8月2日(土)AM9:00~ Web: https://t.livepocket.jp/e/perla-yuka-1107 Email: garlochilive@gmail.com 主催/株式会社バモス 後援/スペイン大使館・インスティトゥト・セルバンテス東京・一般社団法人日本フラメンコ協会・公益財団法人スペイン舞踊振興MARUWA財団 協力/Showレストラン「ガルロチ」・「ソニアジョーンズ 」Sonia Johnes [問] Email: garlochilive@gmail.com =====

  • 工藤朋子フラメンコリサイタルVol.4

    『Diamante negro ~黒いダイヤ~』 *スペイン舞踊振興MARUWA財団 令和7年度 助成事業 (domingo, 27 de julio 2025) 2025年5月8日 (木) ・5月9日 (金) MUSICASA (ムジカーザ、東京・代々木) 写真/川島浩之 Foto por Hiroyuki Kawashima 文/金子功子 Texto por Noriko Kaneko   自身のルーツを掘り下げた前作『時と血と地と』で文化庁芸術祭新人賞を受賞したフラメンコ舞踊家、工藤朋子が今回はフラメンコのルーツや真髄に向き合った作品を上演した。 人間の魂の叫びが昇華して生命の音となり、フラメンコ独特の音世界を成すと言われる「黒い音」。そして、自身が母親から贈られたダイヤにインスピレーションを受け、フラメンコが育まれた土地ヘレスへと赴き、今回共演するミュージシャンらと共にダイヤのような永遠の輝きを放つフラメンコの古謡を丁寧に選びながら、今回の作品を作り上げたという。 真っ暗な舞台から、密やかにリズムを刻む音だけが聴こえる。佐藤のパルマだ。 暗闇の中をゆっくりと歩いて、舞台に立つ工藤。その姿は少しずつ薄明りに照らされ、ほのかな月光を浴びているようにも見える。 ミゲルが歌う古謡に、研ぎ澄まされた感性で向かい合う。全体に染み渡るブレリアのコンパスを感じて、流れるように澱みなく踊る。 音楽は続いてソレア・ポル・ブレリアへ。演者全員のエネルギーを一身に集めて爆発させるような渾身の舞い。彼女の踊りを支える佐藤、矢野、三四郎の3人のパルマからは、仲間を支える頼もしさが感じられた。 ロンデーニャは、スペインの山岳地帯にある町ロンダで生まれた民謡を起源とした曲。工藤は黒いコルドベス帽を被り、赤のジャケットに黒の上下のパンツスタイルと凛々しい出で立ち。姿勢も良く、その踊りには一瞬の隙も無い完成された美しさに満ちていた。 舞台の真ん中に置かれた一輪の赤い花。 それを拾い上げ胸元に納め、アイスブルーのノースリーブのドレスでタンゴを踊る工藤は、水を得た魚のように生き生きと自由だ。どこかオリエンタル舞踊のような振りも織り交ぜ、音楽を感じながら楽しそうに踊る彼女はいい表情をしていた。 最後の曲はカーニャ。深緑のベロアのノースリーブドレスに、黒地に白のコントラストが美しい大柄の刺繍のマントン。 オーソドックスなスタイルの流麗な踊り。そして高い集中力。ミゲルの歌に応えるように踊るシーンは、全身全霊を込めて祈りを捧げているかのよう。終盤にマントンを大切そうに胸に抱く場面では、それがまるで輝く宝石のような神々しさを放つかに見えた。 休憩無しの60分という凝縮した時間の中で流れを切ることなく繰り広げられた今回の舞踊作品。フィナーレは観客の大きな拍手で包まれた。 真摯にフラメンコと向き合い歩み続ける彼女の舞踊家人生に、永遠の輝きを放つような1ページが刻まれた瞬間だった。 【プログラム】 1.コリード(古謡) 2.ソレア・ポル・ブレリア 3.ロンデーニャ 4.タンゴス 5.カーニャ 【出演】 踊り 工藤朋子 歌(カンテ) マヌエル・デ・ラ・マレーナ ミゲル・デ・バダホス ギター マレーナ・イーホ 斎藤 誠 パルマ 佐藤浩希 矢野吉峰 三四郎 =====

  • わが心のスペイン vol.20

    (sábado, 26 de julio 2025)   南房総と南スペインで田舎暮らしを楽しむ、石井崇が描くスペインの情景。 『生ハムの産地トレベレス』 ハモンセラーノといえば、私の住んでいるアルプハーラ地方が有名で、 特に知られているのが、 標高1,500メートルを超える高地にある トレベレス村 です。 村の大半が熟成庫になっています。 そんななかでも一番高いところにある友人の家を描きました。 ( 写真はフェレイローラ村 ) 【プロフィール】 石井崇(Takashi Ishii) /画家。1942年東京・京橋生まれ。東京芸術大学卒業後、1975年単身スペインに渡り、村祭りを回るテキヤ業などでしのぐ。セビリア郊外アルカラ・デ・グアダイラに居住。1989年よりグラナダ・アルプハーラ(Alpujarra)地方にあるフェレイローラ村(Ferreirola)にアトリエを構え、今はフェレイローラ村と南房総館山をふたつの故郷とし、田舎暮らしを楽しんでいる。著作は「おれたちがジプシーだったとき」、「詩画集プラテーロとわたし」、「スペイン四季暦」、「南スペイン、白い村の陽だまりから」、画集「イシイタカシの世界」など。2004年「館山親善ふるさと大使」に任命、全国大学フラメンコ大会を企画。 ホームページ「イシイタカシの世界」 http://www.oliva2004.net/index.html =====

  • ガルロチ公演 "Juana Amaya & Pepe Torres group"

    フアナ・アマジャ&ぺぺ・トーレス グループ公演 (viernes, 25 de julio 2025) 東京・新宿のShowレストランGarlochíでこの秋に行われるスペイン人グループ公演は、日本のフラメンコファンからも根強い人気を集めるフアナ・アマジャとペペ・トーレスが登場。 共演には、カンテに昨年のカンテ・デ・ラス・ミナスのコンクールで入賞を収めたイバン・カルピオとレジェス・マルティン、ギターには鮮やかな超絶テクニックで観客を魅了するエル・ペルラが出演します。 今年4月のガルロチ公演の際に会場限定で先行予約が行われましたが、いよいよ今週末の7/26(土)午前9時から一般予約が開始されます。良い席をご希望の方は、早めの予約を! ◆出演期間 2025年10月23日(木)〜11月9日(日) ◆会場 ShowレストランGarlochí (東京都新宿区新宿3-15-17 伊勢丹会館6F) ◆出演 B. Juana Amaya(踊り:フアナ・アマジャ) B. Pepe Torres(踊り:ぺぺ・トーレス) C. Reyes Martín(唄:レジェス・マルティン) C. Iván Carpio(唄:イバン・カルピオ) G. El Perla(ギター:エル・ペルラ) ◆料金 [夜公演] *1プレート&1ドリンク付き プレミアムシート 19,800円 S席 16,500円 A席 14,300円 子供・学生 9,900円 障がい者割引 6,600円 [昼公演] *1ドリンク付き プレミアムシート 16,500円 S席 13,200円 A席 11,000円 子供・学生 6,600円 障がい者割引 3,300円 ◆チケット予約 予約開始:7/26(土)AM9:00〜 ●WEB: http://t.livepocket.jp/p/garlochisonia (支払方法: クレジットカード) ●Email: garlochilive@gmail.com (支払方法: 銀行振込)   主催/株式会社バモス 後援/スペイン大使館・インスティトゥト・セルバンテス東京・一般社団法人日本フラメンコ協会・公益財団法人スペイン舞踊振興MARUWA財団 協力/Showレストラン「ガルロチ」・「ソニアジョーンズ 」Sonia Johnes [問] Email: garlochilive@gmail.com   =====

  • アーティスト名鑑 vol.25

    (lunes, 21 de julio 2025)   スペイン在住30年以上、多数の一流フラメンコ・アーティストらとも親交のあるフラメンコ・ジャーナリスト志風恭子が、歌・踊り・ギターそれぞれの代表的アーティストらのプロフィールをピックアップ。過去の取材で撮影した写真や、チェックしておきたい動画などもご紹介します。   文/志風恭子 Texto por Kyoko Shikaze   *名鑑登場アーティスト一覧は こちらから フアン・ビジャール(カンテ) マノレーテ(バイレ) ディエゴ・デ・モロン(ギター)   Juan José Villar Jiménez “Juan Villar” Cádiz 9-12-1947   フアン・ビジャール 本名 フアン・ホセ・ビジャール・ヒメネス 1947年12月9日 カディス生まれ Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León 2024 カディスの旧市街ビーニャのフラメンコファミリーに生まれ育ち、子供の頃から舞台に立つ。若くしてマドリードに出て、ファルーコやエル・グイトらへの舞踊伴唱でタブラオや劇場の舞台で活躍。1973年には日本で非常に人気があった踊り手ホセ・ミゲル(荻野リサさんのお父様)とセラニートのグループでの公演で初来日。その後70年代後半から80年代前半にかけては、チケテテやパンセキートらとともに、パコ・セペーロらの伴奏でコアなフラメンコファン以外にも親しみやすいアルバムを多くリリースしたが、81年にはカディスに帰り、カディスの伝統の歌を中心にフェスティバルなどで活躍、そのフラメンコな響きは健在である。息子は歌い手、孫は踊り手とその血筋も未来へと続いている。 ©︎ Kyoko Shikaze 2009年10月カディスの彼のペーニャで平野さん公演後に平野さん、エンリケ坂井さんらと   【動画】 1992年のブレリア。伴奏はモライート・チーコというのも珍しい。 https://youtu.be/OVQs-Yra5iY?si=Sh_zWpLFetyKbl4a 1996年のアレグリアス。伴奏はニーニョ・ヘロ。このコンビは長らく続いた。 https://youtu.be/hSJN7Tojpu4?si=jJ0aWo_upHvmdmo-   2024年のビエナルでのタンゴ https://youtu.be/QgsSkuubo00?si=ESYZq25AB9Vm8wOr Manuel Santiago Maya “Manolete” Granada 15-10-1945 12-9-2022   マノレーテ 本名 マヌエル・サンティアゴ・マヤ 1945年10月15日グラナダ生まれ、2022年9月12日同地で没 正統派男性舞踊の巨匠。日本との縁も深いマノレーテ。兄はギタリストのフアン・マジャ“マローテ”、ぺぺ・マジャというグラナダのフラメンコの名門マヤ家の出身。7歳で洞窟の舞台に立ち、15歳でマドリードへ。タブラオやマヌエラ・バルガスらの舞踊団で活躍。またスペイン国立バレエ創立時にエル・グイトとともにソリストとして参加した。新宿『エル・フラメンコ』には1972年、78年、80年、89年と出演、また碇山奈々と共演を重ねるなどたびたび来日。マドリードのスタジオ、アモール・デ・ディオスでクラスも持ち、男性舞踊の規範そのもののような存在だった。晩年はグラナダに戻り、マノレーテ国際フラメンコ舞踊学校を開校。現在は娘フデアが受け継いでいる。 2007年ロンダ闘牛場で ©︎ Kyoko Shikaze 【動画】 1991年のアレグリアス。歌はカンカニージャとトニ・マジャ。ギターはホセ・マジャとアントニオ・サフラ https://youtu.be/Z3hWQraKLBc?si=QkLSUPggLK23nRg_   1998年のファルーカ。ギターはホセ・マジャとフェリペ・マジャ。 https://youtu.be/hAWz5H6E5x8?si=rGi21eh8ir3TkKVu 2007年ヘレスのフェスティバル出演のルポ https://youtu.be/O31O3rWs69E?si=FA5aVL14Xy2rC7TT 1997年へレスにて、ソルデーラと ©︎ Kyoko Shikaze Diego Torres Amaya “Diego de Morón” 18-4-1947   ディエゴ・デ・モロン 本名 ディエゴ・トーレス・アマジャ 1947年4月18日 セビージャ県モロン・デ・ラ・フロンテーラ生まれ ©︎Javier Fergo Festival de Jerez 伯父である伝説的ギタリスト、ディエゴ・デル・ガストールの流派を受け継ぐ唯一無比、孤高のギタリスト。父は歌い手ホセレーロ。デビュー間も無くはディエギート・デル・ガストールという名でも知られた。父の伴奏で75年2枚のアルバムを録音。同じ頃ソロアルバムもリリース。94年に日本フラメンコ協会の招きで来日。その様子がライブCDとして98年に発売された。現代的な超絶技術とは一線を画す、心の奥底に届く、ある意味プリミティブなフラメンコの魅力に溢れている、一種神がかった演奏が特徴的。 1977年発表のソロアルバム 【動画】 ギター弦のノブロック社による短いドキュメンタリー。2020年公開。「アートの中の感情は非常に強いから、人も強くなくちゃならない、そうじゃないと感情に殺されかねない」などと語っている。 https://youtu.be/K6qjXsNQWJQ?si=_DIObAixvjvO3_lM   1990年のブレリア。叔父ディエゴ・デル・ガストールの有名なファルセータやラテンのスタンダード「ソラメンテ・ウナ・ベス」などを挟みつつギターの中に入り込んだように演奏する。 https://youtu.be/IBYiumqOpjM?si=xCtZlZI9R0VCgU1s   2017年3月のブレリア。マドリード、シルクロ・フラメンコでの演奏。パルマを叩くのは甥の踊り手、ぺぺ・トーレス。 https://youtu.be/zkDSTuog4Qk?si=7U7CF52mqyR17Ty3 日本でのライブ盤 【筆者プロフィール】 志風恭子(Kyoko Shikaze) /1987年よりスペイン在住。セビージャ大学フラメンコ学博士課程前期修了。パセオ通信員、通訳コーディネーターとして活躍。パコ・デ・ルシアをはじめ、多くのフラメンコ公演に携わる。   =====

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