アントニオ・ナハーロ《世界初演『ボレロ』に挑む》
- 1 日前
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(jueves, 30 de julio 2026)
いよいよこの8月に開幕が迫るアントニオ・ナハーロ舞踊団公演。
今回の注目は何と言っても、世界初演となる新作『ボレロ』。
開幕に先立ち、舞踊団を主宰する舞踊家・振付家のアントニオ・ナハーロ氏に、当サイトのWEBマガジンの連載でもお馴染みのフラメンコ研究家、志風恭子さんがインタビューを行いました。
*2026年アントニオ・ナハーロ舞踊団『ボレロ』の公演情報はこちらから

Q. なぜ、今、『ボレロ』を振り付けたのでしょうか。
A. 私の舞踊団に、私のスタイルを熟知したダンサーたちがいるからです。
前回、2024年の日本公演にも参加していたダンサーが半分以上だと思います。
スペイン国立バレエ団で上演したホセ・グラネーロ振付の『ボレロ』や、ベジャール版を含め、これまでに観てきたものすべてから何らかの影響を受けていると思います。そこから他とは違う『ボレロ』を、異なることを語る、私のスタイルでの『ボレロ』を全力で作っています。
Q. あなたのスタイルの特徴は?
A. カスタネットを使うこと、その演奏方法、マントの使い方などに特徴があると思います。
Q.今回の『ボレロ』の特徴を教えてください。
A. 『ボレロ』はスペイン舞踊を語るものであると同時に、非常に視覚的であるべきだと思うのです。この振付は、最もビジュアルを意識したものではないかと思います。
奇抜なことではなく、正確でクオリティの高い効果を狙っています。例えばマントの無秩序な動きには催眠効果があると思うのですが、それは『ボレロ』という曲の特徴でもあると思うのです。何度も繰り返すマントラのように。音楽を聴いて思い浮かぶイメージを観客の皆様に観てもらいたいのです。
Q. 制作過程を教えてください。
A. 最初に音楽を聴きます。16分ある曲をセクションに分けて、何を感じるか、どういうイメージかを見ていきます。天界的、飛翔、女性らしさ、力、根を張る……といったように。それらを衣裳や小道具で形にしていきます。
例えば、最初の部分は優しくて繊細。なので、たおやかな女性らしさを表現していて、衣裳はシンプルなボディに華やかなバタ・デ・コーラ(後ろの裾を長く引いたフラメンコ衣裳)。フラメンコの時よりも、より洗練されたスタイルです。
また、オーボエは少し低い音なのでスペイン風のマントをイメージしました。最も激しくなる場面では、リズムを強調するカナリア諸島で使われるカスタネットのような楽器「チャカラ」を使っています。
Q.イメージ→振付→衣裳、の順番でしょうか?
A. いえ、イメージ→衣裳→振付、の順番です。衣裳は私にとって重要で、衣裳から振付のヒントを得ることも多いです。また、この『ボレロ』にはスペイン舞踊の典型的な動きだけでなく、そうではない動きもたくさん登場します。姿勢を崩したり、腕や肩、腰の動きにもスペイン舞踊とは違う動きがあります。バタ・デ・コーラでアラベスクをしたり。そういう融合が私は大好きなのです。

Q. スペイン舞踊の「今」を、どうご覧になりますか?
A. とてもいいダンサーたち、クリエイターたちがいます。クオリティの高いスペイン舞踊公演を続けていくのは大変です。私の舞踊団でも毎日バレエのクラスがありますし、カスタネットやテクニックなどを学ぶには長い時間がかかります。
ただ、それを観るチャンスが少ないのです。メディアへの登場も少なく、国立の舞踊専門劇場もありません。
スペイン舞踊は、もっとみんなが手軽に観ることができるようにあるべきです。観ることができれば皆が好きになる、それがスペイン舞踊なのです。
(取材・文 志風恭子)
*2026年アントニオ・ナハーロ舞踊団『ボレロ』の公演情報はこちらから
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