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- 【news】Yuka×El Perla -Guitar & Cante Special Live-
(lunes, 28 de julio 2025) 今秋ガルロチのスペイン人グループ公演で来日予定の、卓越したテクニックと鮮やかな音色で聴く者を魅了するギタリスト“エル・ペルラ”と、日本のフラメンコ界を牽引する一人として踊り手として歌い手として活躍中の今枝友加さんによる共演ライブが、11月にガルロチで開催されます。 二人のステージをパルマ(手拍子)で支えるのは、自身も踊りやパルマで日本各地で活躍する三枝雄輔さん。 素晴らしい3名のアーティストによる一回限りの夢の競演を、ぜひお見逃しなく! 日時:2025年11月7日(金) 12:00開場13:00開演 場所:Show レストラン「ガルロチ」 (東京・新宿伊勢丹会館6F) 出演: ギター "エル・ペルラ" カンテ 今枝友加 パルマ 三枝雄輔 料金:(全席指定・1 drink付き) S席 7,500円 A席6,000円 学生・子供 4,000円 障がい者割引 3,000円 *未就学児のお客様につきましては、膝上やベビーカーの場合は無料にて、お席をご使用の場合は子供料金となります。 ◆予約開始:8月2日(土)AM9:00~ Web: https://t.livepocket.jp/e/perla-yuka-1107 Email: garlochilive@gmail.com 主催/株式会社バモス 後援/スペイン大使館・インスティトゥト・セルバンテス東京・一般社団法人日本フラメンコ協会・公益財団法人スペイン舞踊振興MARUWA財団 協力/Showレストラン「ガルロチ」・「ソニアジョーンズ 」Sonia Johnes [問] Email: garlochilive@gmail.com =====
- 工藤朋子フラメンコリサイタルVol.4
『Diamante negro ~黒いダイヤ~』 *スペイン舞踊振興MARUWA財団 令和7年度 助成事業 (domingo, 27 de julio 2025) 2025年5月8日 (木) ・5月9日 (金) MUSICASA (ムジカーザ、東京・代々木) 写真/川島浩之 Foto por Hiroyuki Kawashima 文/金子功子 Texto por Noriko Kaneko 自身のルーツを掘り下げた前作『時と血と地と』で文化庁芸術祭新人賞を受賞したフラメンコ舞踊家、工藤朋子が今回はフラメンコのルーツや真髄に向き合った作品を上演した。 人間の魂の叫びが昇華して生命の音となり、フラメンコ独特の音世界を成すと言われる「黒い音」。そして、自身が母親から贈られたダイヤにインスピレーションを受け、フラメンコが育まれた土地ヘレスへと赴き、今回共演するミュージシャンらと共にダイヤのような永遠の輝きを放つフラメンコの古謡を丁寧に選びながら、今回の作品を作り上げたという。 真っ暗な舞台から、密やかにリズムを刻む音だけが聴こえる。佐藤のパルマだ。 暗闇の中をゆっくりと歩いて、舞台に立つ工藤。その姿は少しずつ薄明りに照らされ、ほのかな月光を浴びているようにも見える。 ミゲルが歌う古謡に、研ぎ澄まされた感性で向かい合う。全体に染み渡るブレリアのコンパスを感じて、流れるように澱みなく踊る。 音楽は続いてソレア・ポル・ブレリアへ。演者全員のエネルギーを一身に集めて爆発させるような渾身の舞い。彼女の踊りを支える佐藤、矢野、三四郎の3人のパルマからは、仲間を支える頼もしさが感じられた。 ロンデーニャは、スペインの山岳地帯にある町ロンダで生まれた民謡を起源とした曲。工藤は黒いコルドベス帽を被り、赤のジャケットに黒の上下のパンツスタイルと凛々しい出で立ち。姿勢も良く、その踊りには一瞬の隙も無い完成された美しさに満ちていた。 舞台の真ん中に置かれた一輪の赤い花。 それを拾い上げ胸元に納め、アイスブルーのノースリーブのドレスでタンゴを踊る工藤は、水を得た魚のように生き生きと自由だ。どこかオリエンタル舞踊のような振りも織り交ぜ、音楽を感じながら楽しそうに踊る彼女はいい表情をしていた。 最後の曲はカーニャ。深緑のベロアのノースリーブドレスに、黒地に白のコントラストが美しい大柄の刺繍のマントン。 オーソドックスなスタイルの流麗な踊り。そして高い集中力。ミゲルの歌に応えるように踊るシーンは、全身全霊を込めて祈りを捧げているかのよう。終盤にマントンを大切そうに胸に抱く場面では、それがまるで輝く宝石のような神々しさを放つかに見えた。 休憩無しの60分という凝縮した時間の中で流れを切ることなく繰り広げられた今回の舞踊作品。フィナーレは観客の大きな拍手で包まれた。 真摯にフラメンコと向き合い歩み続ける彼女の舞踊家人生に、永遠の輝きを放つような1ページが刻まれた瞬間だった。 【プログラム】 1.コリード(古謡) 2.ソレア・ポル・ブレリア 3.ロンデーニャ 4.タンゴス 5.カーニャ 【出演】 踊り 工藤朋子 歌(カンテ) マヌエル・デ・ラ・マレーナ ミゲル・デ・バダホス ギター マレーナ・イーホ 斎藤 誠 パルマ 佐藤浩希 矢野吉峰 三四郎 =====
- わが心のスペイン vol.20
(sábado, 26 de julio 2025) 南房総と南スペインで田舎暮らしを楽しむ、石井崇が描くスペインの情景。 『生ハムの産地トレベレス』 ハモンセラーノといえば、私の住んでいるアルプハーラ地方が有名で、 特に知られているのが、 標高1,500メートルを超える高地にある トレベレス村 です。 村の大半が熟成庫になっています。 そんななかでも一番高いところにある友人の家を描きました。 ( 写真はフェレイローラ村 ) 【プロフィール】 石井崇(Takashi Ishii) /画家。1942年東京・京橋生まれ。東京芸術大学卒業後、1975年単身スペインに渡り、村祭りを回るテキヤ業などでしのぐ。セビリア郊外アルカラ・デ・グアダイラに居住。1989年よりグラナダ・アルプハーラ(Alpujarra)地方にあるフェレイローラ村(Ferreirola)にアトリエを構え、今はフェレイローラ村と南房総館山をふたつの故郷とし、田舎暮らしを楽しんでいる。著作は「おれたちがジプシーだったとき」、「詩画集プラテーロとわたし」、「スペイン四季暦」、「南スペイン、白い村の陽だまりから」、画集「イシイタカシの世界」など。2004年「館山親善ふるさと大使」に任命、全国大学フラメンコ大会を企画。 ホームページ「イシイタカシの世界」 http://www.oliva2004.net/index.html =====
- ガルロチ公演 "Juana Amaya & Pepe Torres group"
フアナ・アマジャ&ぺぺ・トーレス グループ公演 (viernes, 25 de julio 2025) 東京・新宿のShowレストランGarlochíでこの秋に行われるスペイン人グループ公演は、日本のフラメンコファンからも根強い人気を集めるフアナ・アマジャとペペ・トーレスが登場。 共演には、カンテに昨年のカンテ・デ・ラス・ミナスのコンクールで入賞を収めたイバン・カルピオとレジェス・マルティン、ギターには鮮やかな超絶テクニックで観客を魅了するエル・ペルラが出演します。 今年4月のガルロチ公演の際に会場限定で先行予約が行われましたが、いよいよ今週末の7/26(土)午前9時から一般予約が開始されます。良い席をご希望の方は、早めの予約を! ◆出演期間 2025年10月23日(木)〜11月9日(日) ◆会場 ShowレストランGarlochí (東京都新宿区新宿3-15-17 伊勢丹会館6F) ◆出演 B. Juana Amaya(踊り:フアナ・アマジャ) B. Pepe Torres(踊り:ぺぺ・トーレス) C. Reyes Martín(唄:レジェス・マルティン) C. Iván Carpio(唄:イバン・カルピオ) G. El Perla(ギター:エル・ペルラ) ◆料金 [夜公演] *1プレート&1ドリンク付き プレミアムシート 19,800円 S席 16,500円 A席 14,300円 子供・学生 9,900円 障がい者割引 6,600円 [昼公演] *1ドリンク付き プレミアムシート 16,500円 S席 13,200円 A席 11,000円 子供・学生 6,600円 障がい者割引 3,300円 ◆チケット予約 予約開始:7/26(土)AM9:00〜 ●WEB: http://t.livepocket.jp/p/garlochisonia (支払方法: クレジットカード) ●Email: garlochilive@gmail.com (支払方法: 銀行振込) 主催/株式会社バモス 後援/スペイン大使館・インスティトゥト・セルバンテス東京・一般社団法人日本フラメンコ協会・公益財団法人スペイン舞踊振興MARUWA財団 協力/Showレストラン「ガルロチ」・「ソニアジョーンズ 」Sonia Johnes [問] Email: garlochilive@gmail.com =====
- アーティスト名鑑 vol.25
(lunes, 21 de julio 2025) スペイン在住30年以上、多数の一流フラメンコ・アーティストらとも親交のあるフラメンコ・ジャーナリスト志風恭子が、歌・踊り・ギターそれぞれの代表的アーティストらのプロフィールをピックアップ。過去の取材で撮影した写真や、チェックしておきたい動画などもご紹介します。 文/志風恭子 Texto por Kyoko Shikaze *名鑑登場アーティスト一覧は こちらから フアン・ビジャール(カンテ) マノレーテ(バイレ) ディエゴ・デ・モロン(ギター) Juan José Villar Jiménez “Juan Villar” Cádiz 9-12-1947 フアン・ビジャール 本名 フアン・ホセ・ビジャール・ヒメネス 1947年12月9日 カディス生まれ Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León 2024 カディスの旧市街ビーニャのフラメンコファミリーに生まれ育ち、子供の頃から舞台に立つ。若くしてマドリードに出て、ファルーコやエル・グイトらへの舞踊伴唱でタブラオや劇場の舞台で活躍。1973年には日本で非常に人気があった踊り手ホセ・ミゲル(荻野リサさんのお父様)とセラニートのグループでの公演で初来日。その後70年代後半から80年代前半にかけては、チケテテやパンセキートらとともに、パコ・セペーロらの伴奏でコアなフラメンコファン以外にも親しみやすいアルバムを多くリリースしたが、81年にはカディスに帰り、カディスの伝統の歌を中心にフェスティバルなどで活躍、そのフラメンコな響きは健在である。息子は歌い手、孫は踊り手とその血筋も未来へと続いている。 ©︎ Kyoko Shikaze 2009年10月カディスの彼のペーニャで平野さん公演後に平野さん、エンリケ坂井さんらと 【動画】 1992年のブレリア。伴奏はモライート・チーコというのも珍しい。 https://youtu.be/OVQs-Yra5iY?si=Sh_zWpLFetyKbl4a 1996年のアレグリアス。伴奏はニーニョ・ヘロ。このコンビは長らく続いた。 https://youtu.be/hSJN7Tojpu4?si=jJ0aWo_upHvmdmo- 2024年のビエナルでのタンゴ https://youtu.be/QgsSkuubo00?si=ESYZq25AB9Vm8wOr Manuel Santiago Maya “Manolete” Granada 15-10-1945 12-9-2022 マノレーテ 本名 マヌエル・サンティアゴ・マヤ 1945年10月15日グラナダ生まれ、2022年9月12日同地で没 正統派男性舞踊の巨匠。日本との縁も深いマノレーテ。兄はギタリストのフアン・マジャ“マローテ”、ぺぺ・マジャというグラナダのフラメンコの名門マヤ家の出身。7歳で洞窟の舞台に立ち、15歳でマドリードへ。タブラオやマヌエラ・バルガスらの舞踊団で活躍。またスペイン国立バレエ創立時にエル・グイトとともにソリストとして参加した。新宿『エル・フラメンコ』には1972年、78年、80年、89年と出演、また碇山奈々と共演を重ねるなどたびたび来日。マドリードのスタジオ、アモール・デ・ディオスでクラスも持ち、男性舞踊の規範そのもののような存在だった。晩年はグラナダに戻り、マノレーテ国際フラメンコ舞踊学校を開校。現在は娘フデアが受け継いでいる。 2007年ロンダ闘牛場で ©︎ Kyoko Shikaze 【動画】 1991年のアレグリアス。歌はカンカニージャとトニ・マジャ。ギターはホセ・マジャとアントニオ・サフラ https://youtu.be/Z3hWQraKLBc?si=QkLSUPggLK23nRg_ 1998年のファルーカ。ギターはホセ・マジャとフェリペ・マジャ。 https://youtu.be/hAWz5H6E5x8?si=rGi21eh8ir3TkKVu 2007年ヘレスのフェスティバル出演のルポ https://youtu.be/O31O3rWs69E?si=FA5aVL14Xy2rC7TT 1997年へレスにて、ソルデーラと ©︎ Kyoko Shikaze Diego Torres Amaya “Diego de Morón” 18-4-1947 ディエゴ・デ・モロン 本名 ディエゴ・トーレス・アマジャ 1947年4月18日 セビージャ県モロン・デ・ラ・フロンテーラ生まれ ©︎Javier Fergo Festival de Jerez 伯父である伝説的ギタリスト、ディエゴ・デル・ガストールの流派を受け継ぐ唯一無比、孤高のギタリスト。父は歌い手ホセレーロ。デビュー間も無くはディエギート・デル・ガストールという名でも知られた。父の伴奏で75年2枚のアルバムを録音。同じ頃ソロアルバムもリリース。94年に日本フラメンコ協会の招きで来日。その様子がライブCDとして98年に発売された。現代的な超絶技術とは一線を画す、心の奥底に届く、ある意味プリミティブなフラメンコの魅力に溢れている、一種神がかった演奏が特徴的。 1977年発表のソロアルバム 【動画】 ギター弦のノブロック社による短いドキュメンタリー。2020年公開。「アートの中の感情は非常に強いから、人も強くなくちゃならない、そうじゃないと感情に殺されかねない」などと語っている。 https://youtu.be/K6qjXsNQWJQ?si=_DIObAixvjvO3_lM 1990年のブレリア。叔父ディエゴ・デル・ガストールの有名なファルセータやラテンのスタンダード「ソラメンテ・ウナ・ベス」などを挟みつつギターの中に入り込んだように演奏する。 https://youtu.be/IBYiumqOpjM?si=xCtZlZI9R0VCgU1s 2017年3月のブレリア。マドリード、シルクロ・フラメンコでの演奏。パルマを叩くのは甥の踊り手、ぺぺ・トーレス。 https://youtu.be/zkDSTuog4Qk?si=7U7CF52mqyR17Ty3 日本でのライブ盤 【筆者プロフィール】 志風恭子(Kyoko Shikaze) /1987年よりスペイン在住。セビージャ大学フラメンコ学博士課程前期修了。パセオ通信員、通訳コーディネーターとして活躍。パコ・デ・ルシアをはじめ、多くのフラメンコ公演に携わる。 =====
- エンリケ坂井 TOQUE, CANTE 77.7
(domingo, 20 de julio 2025) 当サイトのWEBマガジンで「カンテフラメンコ奥の細道 on WEB」が好評連載中の、フラメンコギタリストで歌い手のエンリケ坂井さんの喜寿をお祝いする記念公演が開催されます。 特別ゲストには同じ時代に共に活躍した盟友、三澤勝弘さんと踊り手である奥様の佐藤佑子さんが出演。 フラメンコギターを学び始めて60年以上にわたり、純粋なフラメンコを愛し追求してきたエンリケさんの熟練のギターとカンテを、ベテランの共演者らの演奏と共に楽しめる公演です。 【 エンリケ坂井 TOQUE, CANTE 77.7 】 [日時]2025年10月10日(金) 開場18:30 開演19:00 [会場] GARLOCHÍ ガルロチ 東京都新宿区新宿3-15-17 (新宿伊勢丹会館6F) TEL: 03-6274-8750 [出演] エンリケ坂井 (特別ゲスト) バイレ 佐藤佑子 ギター 三澤勝弘 ギター 江戸裕 久保守 西井つよし カンテ 有田圭輔 パルマ 三枝雄輔 [チケット料金] *全席指定、1ドリンク付 S席 8,000円 A席 7,000円 B席 6,000円(上記以外) [チケット申込/問] Email: toquecante77.7@gmail.com Tel: 03-3959-4471 =====
- BIZNAGA -ビスナガ-
(sábado, 7 de diciembre 2024) 香港で「エセンシア・フラメンカ」を運営し、舞踊・教授活動を行っているマリコ・ドレイトンさんがスペイン人アーティストを迎えて2日間のフラメンコ公演を行います。 マラガ出身の舞踊手アドリアン・サンタナと、現在新宿ガルロチで上演中のマヌエル・リニャンの公演に出演しているギタリストのフランシスコ・ビヌエサ、カンタオールのホセ・マヌエル・フェルナンデスに加えて、もう一人エル・フラメンコ時代に来日したことのあるカンタオールのアントニオ・エル・カニートを招聘。 題名のビスナガは、マラガ独特のジャスミンの生花で作られた造花のこと。 マラガ出身のアーティスト4人とともに、マラガの風が感じられるステージを2日間違う内容で上演されます。 [日時] 2024年12月13日(金) 18:30開場 19:15開演 2024年12月15日(日) 12時開場 12:30開演 [会場] Show レストラン GARLOCHI (東京・新宿、伊勢丹会館6F) [チケット料金] S席13,000円 A席 10,000円 (全席指定、1ドリンク付き) [チケット申込み] https://t.livepocket.jp/t/biznaga [問] adriansantanaflamencojp@gmail.com ======
- BIZNAGA ビスナガ
(sábado, 19 de julio 2025) 2024年12月13日(金) ・15日(日) Show レストラン GARLOCHÍ (東京・新宿) 写真/川島浩之 Fotos por Hiroyuki Kawashima 文/金子功子 Texto por Noriko Kaneko 香港で「エセンシア・フラメンカ」を運営し、舞踊・教授活動を行っているマリコ・ドレイトンと、現在マドリードを拠点に活躍するアドリアン・サンタナはじめマラガ出身のアーティストらによる公演が2日間にわたり開催された。 公演名の「ビスナガ」とは、マラガで見られるジャスミンの生花で作られた造花のこと。今回の公演でも各テーブルにビスナガのミニブーケが飾られ、ほのかな香りを放っていた。 開演前、舞台の中央には大きめのタンバリンがシンボルのように置かれている。 アーティストらが舞台に上がり、アドリアンがそのタンバリンを手に取ると、共演のマリコと向き合い最初のポーズ。 曲はヴェルディアレス。互いに引力で引かれ合うかのようにクルクルと回り立ち位置を変えながらのパレハ。 タンバリンの音やリズムも踊りに生かしながら、息の合った一体感のある踊りを繰り広げる。 マリコのジャケットはカラフルな花々で飾られ、これもマラガ地方の民族衣装の装飾にならったアレンジだという。 ゆったりした音楽は雄大な風景をイメージさせ、ホセ・マヌエルの野生味あふれる歌声からは大地が、カニートの伸びやかなカンテからは青く広がる空が感じられた。 アドリアンのブエルタは切れ味鋭く、抜群のコンパス感で細やかな足音のリズムを聴かせる。 マリコも可愛らしい雰囲気の中にも凛とした強さがあり、生き生きとした表情が印象的だった。 ギターソロはしっとりとしたリブレのメロディーから始まり、後半はソレア・ポル・ブレリアへ。 豊かな響きを奏でながら情感たっぷりに演奏する。 安定したリズムとコンパス感で支えられる速弾きは、単調になることなく多様なフレーズを繰り出し、抑揚の表現にも個性が表れていた。 マリコのソロは、バタ・マントンでのカラコレス。 雰囲気の良いギターのメロディーから始まり、柔らかい上体を生かした優雅な踊り。 朱色のマントンを鮮やかに翻し、黒の縁取りをアクセントにした白のバタ・デ・コーラはまさにビスナガの花のよう。マルカールの味わいにも思わず見惚れてしまう。 カンテソロはファンダンゴ。 カニートの伸びやかな声とクリアな発音は聞き取りやすく、ホセ・マヌエルは腹の底から溢れてくる魂の叫びのような力強い歌声。 歌を引き出していく絶妙なギターの美しい音色と共に、濃密なカンテを存分に堪能した。 二人のカンテが退場し、ビヌエサだけが舞台に残りギターを奏ではじめる。 またギターソロかな、と思うも束の間、客席のフロアから鋭いパリージョの音色が聴こえてくる。 斜め後方を振り返ると、すぐそこに椅子に座りパリージョを奏でるアドリアンの姿が。 立ち上がり、ゆっくりと舞台に上がり、ギターのメロディーに切れ味の良いパリージョの音で応えていく。その姿には崇高さと威厳が感じられる。 そして客席からカニートが、ついでホセ・マヌエルもアドリアンにそれぞれ歌いかけ、舞台に上がり対峙していく。 多彩なパリージョのバリエーションと、足音はとても繊細なのに鋭い切れ味がある。 踊りのペソや溜めに深い味わいがあり、パワーだけで押し切らない懐の深さが感じられる。 醸し出す空気感も唯一無二の魅力だ。 最後はパリージョと足技の音をギターに重ね、その奏でる二重奏は見事の一言。 2024年の年の瀬に、最高の踊りを魅せてもらった。 【出演】 アドリアン・サンタナ(踊り) マリコ・ドレイトン(踊り) フランシスコ・ビヌエサ(ギター) アントニオ・エル・カニート(歌) ホセ・マヌエル・フェルナンデス(歌) =====
- 新・フラメンコのあした vol.29
(martes, 1 de julio 2025) 20年以上にわたりスペインで活動するジャーナリスト東敬子が、今気になるスペインフラメンコのあれこれを毎月お届けします。 今月は、この6月に開催された「第1回ビエナル・フラメンコ・マドリード」フェスティバルで上演された、フリオ・ルイスの舞台作品についてのリポートです。 フリオ・ルイス『ラ・ファミリア』 「第1回ビエナル・フラメンコ・マドリード」フェスティバル コンデドゥケ現代文化センター 2025年6月3日 Julio Ruiz “La Familia” Festival Bienal Flamenco Madrid Centro de Cultura Contemporánea Condeduque, 3 junio 2025, Madrid 文:東 敬子 画像:宣伝素材 Texto: Keiko Higashi Fotos: Por promoción フラメンコのアーティストにはふた通りあると思います。フラメンコという得体の知れない何かを、一生を通して追求する人。または、自分の人生の何たるかを、フラメンコを通して表現する人。 例えばファルキートは前者、ロシオ・モリーナは後者と言えば、分かりやすいでしょうか。でもエバ・ジェルバブエナやイスラエル・ガルバンは微妙ですよね。私は、あんなにアバンギャルドでも、ガルバンは前者、フラメンコを追求している人だと思います。そしてジェルバブエナは両方を調和した人。自身の人生を、フラメンコの普遍的な感情に昇華出来る、唯一無二の人です。 では踊り手フリオ・ルイスはどうでしょう。非常に力強い、情熱がほとばしるサパテアードが魅力の彼ですが、彼は明らかに後者にあたると言えるでしょう。 1993年アルメリア生まれの32歳。フラメンコ、スペイン舞踊、コンテンポラリーといった舞踊全般に加え、執筆、映像デザイン・創作なども学んだマルチな才能を全て注ぎ込んだ彼の作品は、自分自身の生き様をどのように表現するかが核となっていて、決してフラメンコが主役ではない。新作『ラ・ファミリア 〜家族〜(La Familia)』も、まさにそんな作品でした。 それはゴキブリと、白鳥と、キツネの物語。「この家族が集まるといつも血を見る」という見出しがついた、フリオのお母さんと、叔母さんと、おばあさん、家族を動かす3人の女たちの物語でした。 ディズニーっぽい、まるで“これから白雪姫の物語が始まりますよ”というような音楽が流れ、ステージの上部に映し出された一幕目の物語を観客がひとしきり読んでから、やっと主役がステージに登場します。 まずは黒いドレスに身を包んだ「ゴキブリ」です。無音の中、フリオは10本の指でサワサワ動く足を表現したり、いきなり素早く動いたり、床に転がって苦しんだり…、ダンスというよりゴキブリの形態模写。コミカルでちょっとかわいいのは彼の持ち味でしょうね。 次は「白鳥」です。また映し出された第二チャプターを観客がひとしきり読んだ後、 まだ20歳の若手 ダビス・デ・アナがギターを手に、羽がついたピンクのスーツといういで立ちで登場。フラメンコにアレンジされた白鳥の湖のメロディに乗って、純白のドレスに身を包んだフリオは可憐に舞い踊ります。 そして「キツネ」では、ぺぺ・デ・プーラのカンテと共に、フェイクファーのロングコートを羽織ったフリオが、やっと力強く床を打ち鳴らします。 「この家族が集まるといつも血を見る」という言葉で物語を締め括ったフリオは、最後に緑のシャツとズボンで登場します。顔とシャツには血しぶきが飛んでいます。血祭りとなった家族の宴の渦中でフリオ少年は思います。この血は僕にも流れているのだと。 家族関係というものは、その中に居なければ分からない。 3幕を通して辛辣に家族を表現したフリオでしたが、根底に愛があるのは、誰もが感じ、共感したことと思います。“実家を出て違う土地で暮らした方がせいせいする。でも涙ぐみたくなるほど恋しくなる時がある。それが家族だ”と言うように。 私はこの作品を見て、映画なら非常に興味深い作品に仕上がっただろうし、彼が表現したい事を全てなしえる事が出来ただろうと思いました。しかしステージでは多少無理があったと言わざるを得ません。 まずは物語をいちいち字幕で読むのが辛い。文章が長いんですよ。私なんかはテンポが追いつかなくて、毎回、全部は読めませんでした。 そしてドレスが3着ありましたが、どれも長すぎると感じました。シューズまで隠れて裾を踏みそうでしたからね。ボリュームもあったし、すごく重く感じたし動きも見づらかった。衣装はぜひ再検討してもらいたいです。 そして最後は、やはりもっと彼のフラメンコが見たかったというのが、私の本音です。その音、リズム、瞬発力。彼のフラメンコには人を惹きつける力、唯一無二の個性があります。ずっと見ていたいのに…。前回見た『トカール・ア・ウン・オンブレ(Tocar a un hombre)』は、彼自身を表現していましたが、今回はファンタジー性が強かったので、リアリティが薄れたのも残念でした。 ともあれ、才能あふれるこのアーティストに、これからも自分の道を邁進していってもらいたいと思います。 (写真左から)Pepe de Pura - Julio Ruiz - David de Ana /(c) Keiko Higashi 【筆者プロフィール】 東 敬子 (ひがし けいこ) /フラメンコ及びスペインカルチャーのジャーナリストとして、1999年よりマドリード(スペイン)に在住し執筆活動を続ける。スペインに特化したサイト thespanishwhiskers.com を主宰。 =====
- ArtistaЯ ~表現者☆~ ep.19
ep.19 三木重人 Shigueto Miki (miércoles, 16 de julio 2025) 写真家・大森有起が、今を輝くフラメンコ・アーティストたちの真の姿を写す ある唄い手は単車でソロキャンに行っていた。 山間でテントを張り、薪を焚き、酒を飲む。 恐らく夜空を眺めながら時を過ごすのだろう。 男の美学、なんともロマンティストだ。 シゲちゃんはどうだろう。 楽器一つで全国を飛び回りながら、 時間を見つけ食や文化、歴史などに触れ、 訪れた地で英気を養い刻を過ごしている。 この行動力と感度こそ彼の真骨頂だと思う。 どこにいても同じ日は二度とない。 あと何回、あと何日、あと何時間... その時々どう過ごし楽しむか、とても大事だ。 ©Yuki Omori 「温故知新」 自分の過去の経験って普段は忘れていて、 大切なのは今の感覚かなと思います。 今この瞬間に誰と共演していて、今どんな空気感で、 今どんな舞台の環境で、今自分の調子はどうで... そんな一瞬を感じる自分のアンテナを磨きつづけたいと思ってます。 目と指、耳と指が直に繋がっているのが理想で、アナログな感覚で直感を信じて良いのかなとも思っています。 =====
- イベントリポート: 飯能フェリア2025
(martes, 15 de julio 2025) 2025年5月5日(月祝) 飯能河原ウッドデッキ(埼玉・飯能) 文・写真/金子功子 Texto y fotos por Noriko Kaneko (写真)広々と開放的なウッドデッキ 新緑が眩しい5月のGW後半、埼玉県の飯能河原ウッドデッキで飯能フェリア2025が開催されました。 主催のフラメンコパフォーマー大野環さんの乾杯の挨拶からイベントがスタート。参加者の皆さんはギターと歌の生演奏に合わせてセビジャーナスを楽しみます。 (写真)主催の大野環さん 持ってきた自前の衣装に着替えて参加する人や、中には普段着のカジュアルな服のままで踊る人も。私は今回、レンタル衣装サービスを提供してくれた estudio micc (エステューディオみつ)さんの衣装をお借りして、途中からセビジャーナスに参加させていただきました。 衣装を着ると、やはり気分もウキウキするものです。 地元の飲食店の出店もあって、踊りの休憩時間には香ばしい豚串や和菓子を食べながら水分補給(ビールも?!)してひと休み。 河原沿いに広がるウッドデッキは広々として開放感があって、こんな気持ちのよい環境で踊るのはとても爽快な気分でした。 ウッドデッキ沿いにはベンチやテーブルのある木陰もあって、レジャーシートを広げてピクニック気分でフェリアを楽しむのも良い感じ。 当日は時折強い風が吹いたりしましたが、程よい陽射しで絶好のフェリア日和となりました。 (写真)地元の飲食店の出店もうれしい 参加者はそれぞれにセビジャーナスを楽しんでいましたが、立ち寄った人たちの中からは「セビジャーナス以外の曲はやらないんですか?」とか、昨年に続いて観に来た方からは「今年はライブステージは無いんですか?」といった声もありました。 イベントを開催して、さらにそれを続けていくというのはとても大変なこと。それでも楽しみにしている参加者の方々が喜んでくれるような、次回はまた今回以上により多くの方が楽しめるような、そんなより良い形で続けられていったらいいなと思いました。 =====
- FLAMENCO DE LA RAÍZ -フラメンコの根源-
(lunes, 14 de julio 2025) 昨年の来日公演で日本のフラメンコ・ファンたちを熱狂させた「バイレ・フラメンコの女王」マヌエラ・カラスコが、今年はカンテの巨匠フアン・ビジャールのファミリーとともに来日。フラメンコの伝統を共に守る名門、ビジャール家とカラスコ家の夢の共演が実現します。 今回の公演では、「この公演が子供たちの心と記憶に残る事を願って…」との主催者の想いから、子供たちや20歳以下の方に向けて一部の座席を無料開放。 さらに最前列や中央の客席で鑑賞できるプレミアムチケットや、割引価格で観られるお得なセットチケットもラインアップされます。 スペインでもなかなか実現しない豪華メンバーによる夢の舞台を、この夏の思い出にぜひお見逃しなく! 《FLAMENCO DE LA RAÍZ -フラメンコの根源-》 〜フラメンコの伝統を守る名門ビジャール家とカラスコ家の共演〜 ■ 公演情報 【日時】 2025年8月20日(水)・8月21日(木) ・8/20(水) 初日公演 開場 18:30 / 開演 19:30 ・8/21(木) 昼の公演 開場 13:00 / 開演 14:00 ・8/21(木) 夜の公演 開場 17:00 / 開演 18:00 ※ 各公演のプログラム演目が若干違う予定です。 【会場】 杉並公会堂 大ホール 〒167-0043 東京都杉並区上荻1-23-15 荻窪駅北口 (JR中央線・総武線・東京メトロ丸ノ内線) より徒歩7分 【出演】 唄:Juan Villar / フアン・ビジャール 踊り:Manuela Carrasco / マヌエラ・カラスコ 唄:Enrique “El Extremeño” / エンリケ “エル・エストレメーニョ” ギター:Pedro Sierra / ペドロ・シエラ パーカッション:José Carrasco / ホセ・カラスコ 唄:Juan Villar Hijo / フアン・ビジャール・イホ フェステーラ:Zamara Carrasco / サマラ・カラスコ 踊り:Juan José Villar / フアン・ホセ・ビジャール バイオリン:森川拓哉 ■ チケットの種類と料金 【プレミアムシート】 30,000円 ※ 席数に限りがあります ・最前列または中央の特別席でお好きな場所を選択していただけます。 ・マヌエラ・カラスコとの握手&写真撮影会にご参加。 ・豪華プレゼント付き (出演者のサイン入りポスター、オリジナルTシャツ、公演パンフレット) 【一般指定席】 先着順にお席をご用意いたします。 ・A席(1階前方やや傾斜あり段差なし)13,000円 ・B席(1階後方各列に段差あり)13,000円 ・C席(2階指定エリア) 8,000円 【セットチケット】 一般指定A席またはB席にて複数回ご覧の方は初回購入にて割引価格となります。 ・3公演チケット 39,000円 → 37,000円 ・2公演チケット 26,000円 → 25,000円 ① 20日(水) 初日公演 & 21日(木) 昼の公演 ② 20日(水) 初日公演 & 21日(木) 夜の公演 ③ 21日(木) 昼の公演 & 21日(木) 夜の公演 ※ 同一の方が対象となり、他の方との併用は出来ません。 ※ セットチケット以外での追加購入は割引対象外となります。 【アンダー20 無料席】 この公演が子供たちの心と記憶に残る事を願って… ・2階の自由席エリアを、 20歳以下の方に向けて無料で開放 いたします。 ・中学生以下1〜3名に付き1人、大人の同伴をお願いいたします。 ・未就学児の同伴者の方は、親子室をご利用ください。 ・同伴者の方には、チケット料金 (8,000円) のご購入をお願いいたします。 ・高校生以上に付きましては、当日 年齢確認のできるもの をお持ちください。 ■ 問合わせ: flamencodelaraiz@gmail.com ■ 申し込みフォーム: https://laraiz.jp/flamencodelaraiz2025/ =====











