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- スペインNews 3月号・2026
(viernes, 6 de marzro 2026) 文・写真/志風恭子 Texto y fotos por Kyoko Shikaze 南スペインでは1月から毎日雨が続き、2月初めにはカディス県の山間の町グラサレマやヘレス郊外などで家々が浸水し、避難指示が出るなど被害が出ました。また被害が大きかったカディス県山間部からマラガ県ロンダに至るあたりでは小さな地震も続くなどもしています。セビージャでも長雨の影響と強風で大木が倒れるなどの被害が。2月も中ごろとなってようやく太陽が顔を出し、人々がイメージするようなアンダルシアがかえってきたという感じです。北ヨーロッパからとおぼしき観光客の中には半袖で歩いている人も。2月でも最高気温が20度に達する日も少なくなく、日本の寒さからすると嘘のように暖かいです。テラス席でのビールも美味しい! 《INDEX》 ・ ビエナルのプログラム発表 ・ ラ・ウニオンのプログラム発表 ・ フアン・デ・フアン en トーレス・マカレーナ ・ ビセンテ・アミーゴ ・ ヒターノへのオマージュ ・ 追悼 マリア・マグダレーナ 【ビエナルのプログラム発表】 真ん中辺に市長や監督、ポスターのモデルとなったアウロラ・バルガスらの顔が見える。右端はセビジャーナス公演に出演するマノロ・マリン、その横は新しいジングルの作曲者ニーニョ・デ・プーラ 2月10日、セビージャのスペイン広場のそば、カシノ・デ・ラ・エクスポシシオンで、ビエナルのプログラム発表がありました。ルイス・イバラ監督がプログラム詳細を発表した後、セビージャ市長のコメントも。また、エル・ペレーテのカンテでアンドレス・マリンが踊り、アナ・マリア・ブエノがカスタネットで加わるというサプライズも。会場には出演予定のアーティストたちのおよそ8割がたいたんじゃないかというくらい、セビージャ在住の人だけでなくカディスやヘレス、マドリードなどからもやってきていて華やかな雰囲気でした。普段は中々顔を合わせることもない人も多いのでしょう、あちこちで話が弾んでいました。 プログラムは以下の通り。恒例のマエストランサ劇場やセントラル劇場、アラメーダ劇場、アルカサル、ギター公演のエスパシオ・トゥリーナのほか、前回2024年はなかったオテル・トリアーナや、改装工事中のロペ・デ・ベガ劇場での公演が復活。またビエナルのトークイベントが行われていたアルティジェリアでの公演も予定されています。2月11日から前売りも始まっており、すでに売り切れの公演もあるようです。前回同様、公演時間が重なっていることも多く、全公演を見ることは不可能かと思いますが、十数年ぶりの出演だというサラ・バラス、ホセ・メルセ、カニサレスなども含め、舞踊、歌、ギター、90代のベテラン、ロメリートから、マヌエル・デ・ラ・トマサら若手まで、バランスが取れたプログラムのように思います。 なお、ビエナルのプログラムには入っていませんが、最終日の翌日にはレアル・ファブリカ・デ・アルティジェリアで、クリスティーナ・ヘーレン財団創立30周年ガラ公演が開催されるとのことです。錚々たる卒業者たちが出演すると思われますのでこちらも注目。 ◇第24回ビエナル・デ・フラメンコ セビージャ 9/9(水)20時30分『プレゴン』 9/10(木)21時30分『エル・ムンド・ポル・モンテーラ』 [出]〈c〉ホセ・メルセ、ホセ・デ・ラ・トマサ、マルティリオ、アルカンヘル、ラ・トレメンディータ、〈b〉アンダルシア舞踊団、パトリシア・ゲレーロ、〈c〉アンヘレス・トレダーノ、エル・ペレーテ、マヌエル・デ・ラ・トマサ [場]セビージャ マエストランサ闘牛場 9/11(金)17時30分、12(土)11時30分、16時、13(日)11時30分、16時 子供向け「ベン・ア・ビビール・エル・リトモ・フラメンコ、エン・ファミリア』 [出] [場]セビージャ カイシャ・フォーラム 9/11(金)19時『イストリアス・デ・ウン・フラメンコ』 [出]〈g〉アントニオ・レイ [場]セビージャ エスパシオ・トゥリーナ 9/11(金)20時、12(土)20時、13(日)20時『インフィニータ』 [出]〈b〉サラ・バラス [場]セビージャ マエストランサ劇場 9/11(金)22時30分 [出]〈c〉トレメンディータ [場]セビージャ セントラル劇場 9/12(土)12時, 13(日)12時 [出]〈c〉ペドロ・エル・グラナイーノ [場]セビージャ サン・ルイス・デ・ロス・フランセス教会 9/12(土)19時『ラ・クエルダ・アル・アイレ』 [出]〈g〉カニート、ラウル・ロドリゲス [場]セビージャ エスパシオ・トゥリーナ 9/12(土)20時『ファクタル・アルカノ』 [出]〈piano〉ドランテス [場]セビージャ ロペ・デ・ベガ劇場 9/12(土)22時30分 [出]アンヘレス・トレダーノ [場]セビージャ アラメーダ劇場 9/13(日)19時『ギターラ・デスヌーダ』 [出]〈g〉ホセ・フェルミン・フェルナンデス [場]セビージャ エスパシオ・トゥリーナ 9/13(日)21時、14(月)21時『ラプソディア。ファンタシア・スブテラネア』 [出]〈b〉アナ・モラーレス [場]セビージャ レアル・ファブリカ・デ・アルティジェリア 9/13(日)22時30分『レハーノ』 [出]〈b〉ホセ・マジャ [場]セビージャ セントラル劇場 9/14(月)21時30分『デ・オロ・イ・マルフィル』 [出]〈c〉イスラエル・フェルナンデス [場]セビージャ レアル・アルカサル 9/14(月)22時30分『ソブレ・トダス・ラス・コサス』 [出]〈b〉マカレーナ・ロペス [場]セビージャ アラメーダ劇場 9/15(火)21時30分『ピサッラ』 [出]〈c〉ランカピーノ・チーコ [場]セビージャ レアル・アルカサル 9/15(火)22時30分『ア、イサベル・バジョン/エピロゴ・デ・ウン・カンテ・ケ・セ・イソ・バイレ。スイテ・デ・カンテ』 [出]〈c〉ダビ・ラゴス、ミゲル・オルテガ、アントニオ・カンポス、インマ・リベロ [場]セビージャ セントラル劇場 9/16(水)21時30分『ヘレサニア』 [出]〈c〉ルイス・エル・サンボ、ドローレス・アグヘータ、アントニオ・デ・ラ・マレーナ、〈g〉マヌエル・バレンシア、〈b〉ラス・タタス [場]セビージャ レアル・アルカサル 9/16(水)22時30分『ソナンタ3.0』 [出]〈g〉ホセ・デル・トマテ [場]セビージャ アラメーダ劇場 9/17(木)20時『ラ・コプラ・デル・カンテ』 [出]〈c〉アルカンヘル [場]セビージャ ロペ・デ・ベガ劇場 9/17(木)23時『ムヘーレス・ヒターナス』 [出]〈c〉レメディオス・アマジャ、モンセ・コルテス、ラ・ファビ、〈g〉 ホセミ・カルモナ [場]セビージャ オテル・トリアーナ 9/18(金)19時『レケネアンド』 [出]〈g〉フアン・レケーナ [場]セビージャ エスパシオ・トゥリーナ 9/18(金)20時『セイス・クエルダス』 [出]〈c〉アントニオ・レジェス [場]セビージャ ロペ・デ・ベガ劇場 9/18(金)23時『ペーニャ エル・ポソ・デ・ラス・ペーナス75周年』 [出]〈c〉エル・ディスティンギード、イトリ・デ・ロス・パラシオス、ネネ・エスカレラ、マヌエル・オルタ、ホセ・アンヘル・カルモナ、アナベル・デ・ビコ、ミゲル・オルテガ [場]セビージャ オテル・トリアーナ 9/19(土)12時、20(日)12時 [出]〈g〉アレハンドロ・ウルタード [場]セビージャ サン・ルイス・デ・ロス・フランセセス教会 9/19(土)19時『ラス・トレス・マリアス』 [出]〈c、g〉マリア・マリン [場]セビージャ エスパシオ・トゥリーナ 9/19(土)20時『カニサーレス・シンフォニコ』 [出]〈g〉カニサーレス、セビージャ交響楽団 [場]セビージャ マエストランサ劇場 9/19(土)23時『アンダルシア・エン・エル・ティエンポ』 [出]〈c〉エル・ボケロン、カルメン・デ・ラ・ハラ、クーロ・ルセーナ、ハイメ・エル・パロン、ホセレーテ・デ・リナーレス、ホセ・ソローチェ、パキ・コルパス、エル・ペカス、ロメリート・デ・ヘレス、〈g〉エドゥアルド・レボジャル、アントニオ・カリオン [場]セビージャ オテル・トリアーナ 9/20(日)19時『マノス・ケ・アブラン』 [出]〈g〉マヌエル・デ・ラ・ルス、マヌエル・イマン [場]セビージャ エスパシオ・トゥリーナ 9/20(日)20時『トケン・ア・レバト』 [出]〈c〉ホセ・メルセ 9/20(日)22時30分『ガラ・フィナル・シルクイト・アンダルス・デ・ホベネス・フラメンコス』 [出] [場]セビージャ アラメーダ劇場 9/21(月)20時 [出]〈g〉ラファエル・リケーニ、〈sax〉ティム・ライズ [場]セビージャ ロペ・デ・ベガ劇場 9/21(月)22時30分 [出]〈b〉オルガ・ペリセ [場]セビージャ セントラル劇場 9/22(火)20時『バイラオル』 [出]〈b〉マヌエル・リニャン [場]セビージャ マエストランサ劇場 9/22(火)21時、23(水)21時、24(木)21時『トリロヒア。アル・トケ』 [出]〈ウッドベース〉パブロ・マルティン・カミネロ、23〈b〉マリア・モレーノ、24〈c〉ダビ・カルピオ [場]セビージャ レアル・ファブリカ・デ・アルティジェリア 9/22(火)22時30分『パティオ』 [出]〈g〉ホセ・アセド [場]セビージャ アラメーダ劇場 9/23(水)22時30分『テ・アトレボ』 [出]〈b〉フアン・トマス・デ・ラ・モリア、アゲダ・サアベドラ [場]セビージャ セントラル劇場 9/24(木)20時『ア・カネラ・イ・クラボ』 [出]〈c〉エスペランサ・フェルナンデス、ドゥケンデ、ホセ・バレンシア、〈b〉ぺぺ・トーレス、。ナサレ・レジェス 9/24(木)22時30分『ロ・ケ・ナディエ・ベ』 [出]〈c〉エセキエル・ベニテス [場]セビージャ アラメーダ劇場 9/25(金)19時『マス・モラオ』 [出]〈g〉ディエゴ・デル・モラオ [場]セビージャ エスパシオ・トゥリーナ 9/25(金)20時『アスメ・コン・ロス・オホス・セニャス』 [出]〈c〉アウロラ・バルガス。〈b〉フアナ・アマジャ [場]セビージャ ロペ・デ・ベガ劇場 9/25(金)22時30分『デシエルト』 [出]〈b〉アンドレス・マリン [場]セビージャ セントラル劇場 9/26(土)12時、27(日)12時『カミノ・デ・フロレス』 [出]〈c〉エンカルナ・アニージョ [場]セビージャ サン・ルイス・デ・ロス・フランセセス教会 9/26(土)19時 [出] フアン・メディナ [場]セビージャ エスパシオ・トゥリナ 9/26(土)20時『ボレロ・デ・ブランコ・イ・ネグロ』 [出]〈b〉イスラエル・ガルバン [場]セビージャ マエストランサ劇場 9/26(土)22時30分『トリブsssh』 [出]〈b〉パストーラ・ガルバン [場]セビージャ アラメーダ劇場 9/27(日)19時『クアドロ』 [出]〈g〉ダニ・デ・モロン [場]セビージャ エスパシオ・トゥリーナ 9/27(日)20時『フエ・トゥ・ケレル』 [出]〈c〉ラファエル・デ・ウトレラ、〈b〉カルメン・ロサノ、マノロ・マリン、アナ・マリア・ブエノ [場]セビージャ ロペ・デ・ベガ劇場 9/27(日)22時30分『ドンセジャ』 [出]〈b〉エステベス、パーニョス・イ・コンパニア [場]セビージャ セントラル劇場 9/28(月)20時『セラス・ファルキート』 [出]〈b〉ファルキート [場]セビージャ マエストランサ劇場 9/28(月)22時30分『ポル・バジェホ』 [出]〈c〉マヌエル・クエバス、ミゲル・デ・テナ [場]セビージャ アラメーダ劇場 9/29(火)20時『バベル、トーレ・ビバ』 [出]〈b〉ダビ・コリア [場]セビージャ ロペ・デ・ベガ劇場 9/29(火)22時30分『ラ・コンパニア』 [出]〈b〉サラ・ヒメネス [場]セビージャ セントラル劇場 9/30(水)20時『アルケオロヒア・デ・ロ・プーロ』 [出]〈c〉マイテ・マルティン [場]セビージャ ロペ・デ・ベガ劇場 9/30(水)22時30分 [出]〈c〉カプージョ・デ・ヘレス、ホセ・デ・ロス・カマロネス [場]セビージャ アラメーダ劇場 10/1(木)20時『エン・リベルタ!エル・カミノ・デ・ロス・ヒターノス』 [出]〈c〉マリナ・エレディア、セビージャ交響楽団 [場]セビージャ マエストランサ劇場 10/1(木)22時30分『エレンシア』 [出]〈violin〉ベルナルド・パリージャ。〈fl〉フアン・パリージャ、〈c〉ディエゴ・カラスコ、〈b〉カレーテ・デ・マラガ [場]セビージャ アラメーダ劇場 10/2(金)20時 [出]〈b〉アルフォンソ・ロサ [場]セビージャ ロペ・デ・ベガ劇場 10/2(金)22時30分『ポエマ・デ・リベルタ』 [出]〈c〉サンドラ・カラスコ、〈g〉ダビ・デ・アラアル [場]セビージャ セントラル劇場 10/3(土)20時『ペルラス・ア・ミジャレス』 [出]〈c〉カルメン・リナーレス、マリナ・エレディア、マリア・テレモート、〈b〉ラファエラ・カラスコ [場]セビージャ マエストランサ劇場 [問] https://www.labienal.com/programacion 【ラ・ウニオンのプログラム発表】 2月19日には今年のラ・ウニオンのカンテ・デ・ラス・ミーナス国際フェスティバルのプログラムも発表されました。コンクール決勝は8月8日、準決勝は8月5日からですが、その前に、人気アーティストたちによる公演が行われます。ビエナルやヘレスのように長くはないけれど、毎年、一流アーティストが出演します。今年はアルカンヘルに始まり、モネータ、ピニョーナというかつての舞踊部門優勝者二人による公演、マドリード舞踊団、今ものすごい人気のジェライ・コルテス、そしてイスラエル・フェルナンデスという布陣。楽しみです。 ◇カンテ・デ・ラス・ミーナス国際フェスティバル 7/29(水)〜8/8(土) 7/31(金) [出]〈c〉アルカンヘル、〈b〉パウラ・コミトレ『アベセダリオ・フラメンコ』 8/1(土)『クエルポ・ミネラレス』 [出]〈b〉ラ・モネータ、ラ・ピニョーナ 8/2(日)『恋は魔術師への旅』 [出]〈b〉マドリード共同体スペイン舞踊団 8/3(月)『ギターラ・コラル』 [出]〈g〉ジェライ・コルテス 8/4(火)『レシタル・イ・カンテ』 [出]〈c〉イスラエル・フェルナンデス 8/5(水)、6(木)、7(金) コンクール準決勝 8/8(土) コンクール決勝 [場]ムルシア州ラ・ウニオン [問] https://festivalcantedelasminas.org/ 【フアン・デ・フアン en トーレス・マカレーナ】 スペインの地元のフラメンコ・ファンたちにとって冬はペーニャの季節(ちなみに夏はフェスティバルの季節)。2月11日には、おそらく、今、スペインで最も充実したプログラムを見せてくれるペーニャ、トーレス・マカレーナで、フアン・デ・フアンの公演を。ベテラン、フアン・ホセ・アマドールとエル・ガジの歌、日本でもおなじみのパコ・イグレシアスのギターに導かれ登場したフアンの踊りはシンプル。第一部ではアレグリアスからシギリージャ、第二部ではソレアを、歌を聴いて、それに応えるようにマルカールしていくだけのように踊る。歌に誘われて舞台に上がり、歌ひとつまるまる、腕を天に伸ばし指だけでリズムを刻む、と言った具合に、歌を待って待って、トドメを刺すように足を入れ、また歌をふちどっていく。おそらく全てインプロ。事前に練習もしてないだろうし、構成なども考えていない、と言った感じで、とにかくいい歌を味わって、いつくしむように踊ります。ああ、この人は心の底からフラメンコが好きなんだなあ、と感じさせる踊りなのであります。ある意味すごくプリミティブで、本質的なのかも。 【ビセンテ・アミーゴ】 2月13日はマエストランサ劇場でビセンテ・アミーゴのリサイタル。セビージャで聴くのはすごく久しぶりのような。最初のソロでのタランタからのソレアに始まり、アンコールの『レクイエム』まで休憩なしで1時間半。第二ギター、パーカッション、エレキベース、バイオリン、チェロとフルート類、コーラスとパルマというグループでたっぷり聴かせてくれました。 ©︎ Teatro de la Maestranza Guillermo Mendo 涼しい顔で、超絶、見事な演奏を展開していくのであります。全てのギタリストが持っているわけではない、作曲家としての才能もすごくて、メロディの美しさも天下一品。いつもながら、彼がパコ・デ・ルシアを思って作曲した『レクイエム』には泣かされました。で、華もあるし、言うことない、と言いたいところですが、タンゴ系の曲とブレリアや三拍子系の純フラメンコではない曲が多く、もう少し、他のフラメンコ曲も聴きたいなあ、とかも思ったことでありました。 【ヒターノへのオマージュ】 2月21日、首相官邸のあるモンクロアで『ジェレン、ジェレン、オメナヘ・ア・プエブロ・ヒターノ』、ヒターノ民族へのオマージュが行われました。昨年がヒターノたちがスペインにやってきて600年ということからのイベントで、国際的なヒターノたちの民族歌ジェレン、ジェレンをレラ・ソトがディエゴ・デル・モラオ伴奏で歌って始まり、カマロンへのオマージュでイスラエル・フェルナンデスが『レジェンダ・デ・ティエンポ』を歌い、レブリハーノのマリア・テレモートとアナベル・バレンシアが『ミ・コンデナ』を歌うなどフラメンコも大きな役割を果たし、また、ぺぺ・アビチュエラへアルフォンソ10世賢王十字勲章がおくられたほか、アララ財団で子供達への指導も行なっているエミリオ・カラカフェや長年ラジオでフラメンコ番組をやっていたレブリハーノの妹テレ・ペーニャにも民間功労章が送られました。 式典の様子は官邸YouTubeで見ることができます。 https://www.youtube.com/live/0nds_Div1nA 【追悼 マリア・マグダレーナ】 マドリードのスタジオ、アモール・デ・ディオスで長らく教鞭をとってきたマリア・マグダレーナが2月15日亡くなりました。1934年バジャドリード県リオセコ生まれ。セビージャ生まれでマドリードで教室を開いたラ・キカやルイサ・ペリセに学んだそうです。1954年にはマドリードの劇場でスペイン舞踊公演を行うほどでした。 1978年、アントニオ・ガデス監督の元、スペイン国立バレエ団創立された時のスペイン舞踊教授。そのガデスが主演したカルロス・サウラ監督の映画『カルメン』では、カルメン役の候補を探すため、ガデスがパコ・デ・ルシアと一緒にアモール・デ・ディオスのスタジオを訪れるというシーンでカスタネットのクラス風景と、姿勢を説明する様子が撮影されています。 カルロス・サウラ監督映画『カルメン』より もう随分前に、教授活動から引退しましたが、現在プロで活躍しているスペイン人、日本人問わず、ある時期にマドリードで学んだ人は皆彼女に多くを教わってきました。振り付けではなく、姿勢など基本のきをみっちり教えてくれる彼女のような存在が、フラメンコを支えているのだと思います。 安らかに。 【筆者プロフィール】 志風恭子(Kyoko Shikaze) /1987年よりスペイン在住。セビージャ大学フラメンコ学博士課程前期修了。パセオ通信員、通訳コーディネーターとして活躍。パコ・デ・ルシアをはじめ、多くのフラメンコ公演に携わる。 =====
- NEO FLAMENCO PROJECT "180"
(miércoles, 4 de marzo 2026) 日本のフラメンコ界の「第2世代」と呼ばれる若手アーティストらが中心となり新しいフラメンコの魅力を追求するパフォーミングアーツ集団、NEO FLAMENCO PROJECTによるライブが東京・歌舞伎町にある新宿FACEで開催されます。 舞台正面からサイドエリアまで視界を180度客席に囲まれた特別ステージから、音楽監督を務めるパーカッショニストのラファエル・モイセ・エレディアさんをはじめ人気の若手アーティストの徳永兄弟や鈴木時丹さん、幅広い音楽ジャンルで活躍するベーシストの森田悠介さんとパーカッショニストのKANさん、そして熟練の歌声でフラメンコの味わいを伝えるカンタオールの阿部真さんが加わり、これまでのフラメンコの概念を塗り替えるような新しい可能性に満ちたライブ・パフォーマンスを繰り広げます。 臨場感あふれるステージで繰り広げられるフラメンコの伝統と革新的な挑戦が生み出すエンターテインメントを、ぜひあなたも体感してみてください。 【 NEO FLAMENCO PROJECT "180" 】 [日時]2026年3月15日(日) 16:30 START (開場時間16:00、終演時間18:00) [会場]東京・新宿FACE (東京都新宿区歌舞伎町1-20-1 ヒューマックスパビリオン新宿歌舞伎町7階) [出演] ラファエル・モイセ・エレディア 徳永健太郎 徳永康次郎 森田悠介 KAN 鈴木時丹 阿部真 【公演WEBサイト】 https://livepocket.jp/e/20260315 =====
- 新・フラメンコのあした vol.37
(domingo, 1 de marzo 2026) 20年以上にわたりスペインで活動するジャーナリスト東敬子が、今気になるスペインフラメンコのあれこれを毎月お届けします。 今月は、昨年10月にマドリードで開催された 第20回「スマ・フラメンカ」フェスティバル でマドリード初演として上演された、ダビス・パロマールの公演についてのリポートです。 ダビス・パロマール 『シエン・べセス・ペルラ』 マドリード初演 第20回「スマ・フラメンカ」フェスティバル アバディア劇場、マドリード、スペイン 2025年10月22日 David Palomar "Cien veces Perla" XX Festival Suma Flamenca Teatro de la Abadía, Madrid. 22 octubre 2025 文/東 敬子 画像/宣伝素材 Texto por Keiko Higashi Fotos por promoción, Keiko Higashi David Palomar ©Edu Toledano カディス出身のダビス・パロマール(David Palomar, 1977-) は、現在49歳の中堅カンタオール。そんな彼のソロリサイタルを初めて観て、まるで四半世紀前にタイムスリップしたかのような、「久しぶり」という感覚が体内を巡りました。別に歌い方が似ている訳じゃないんですが、このコンサートを観ていて彼と同郷のチャノ・ロバート(Chano Lobato, 1927-2009)を思い出したんです。 私がこの仕事を始めたばかりのあの頃は、20世紀を代表する巨匠と言われる人たちがまだまだ活躍されていて、彼らのアルテをリアルタイムで体験できたことは、何物にも変え難い私の財産となりました。その中の一人がカンタオール、チャノ・ロバートでした。 カディス者らしい、カラッとした、軽みのある歌い口。じっと聴き入ると言うよりも、その独特のリズムに導かれて一緒に乗ってしまうような、そんなチャノのカンテは聴いていて本当に楽しかった。そして真骨頂は、あの長〜い長〜いMC。日本に行った時の小話は鉄板で、ノリノリの様子は、歌いに来たというより話をしに来たという感じ。 そう、ダビスのコンサートは、歌って踊って、大いに喋って、大いに笑ってという、チャノに代表されるコミュ能力が半端なかった歌い手さん達の、あの頃のあの空気が、そのまま真空パックされたような感じで、私は「あれを今の時代まで受け継いだ人がいたんだ」という衝撃で胸が躍りました。 最近では、こんな風に「MCがメインか!」と思えるような、観客を笑わしてナンボみたいなコンサートはめっきり減って、「こんばんは」もそこそこに、暗い照明の中シリアスに歌うだけの人がほとんどですからね。唯一この界隈で生存しているのはマイテ・マルティンぐらいでしたが(彼女、実は話がすごく面白いんですよ)、そこにダビス・パロマールが加わってくれたのは嬉しい限り。その明るい性格も手伝って、彼はまさしく、観客を楽しませることに全力を尽くすカンタオールだったのでした。 David Palomar ©Keiko Higashi 「第20回スマ・フラメンカ」フェスティバル でマドリード初演された「シエン・べセス・ペルラ(Cien veces Perla)」は、カディスを代表する偉大なカンタオーラ、ペルラ・デ・カディス(Perla de Cádiz, 1925-1975)の生誕100周年を記念し、彼のペルラ愛を余すところなくつぎ込んだ作品でした。 当夜は、最初は若干の硬さを感じたものの、徐々に調子を上げ、ギターのルベン・ララ (Rubén Lara)、コーラスとパルマのアナベル・リベラ(Anabel Rivera)、ホルへ・バウティスタ(Jorge Bautista)、ロベルト・ハエン(Roberto Jaén)と共に、アレグリアス、セギリージャ、タラント、ソレアなど、王道のカンテを力強く歌い上げ、カディス者には絶対外せない小気味良いタンギージョ・デ・カディス、そしてブレリアと、最後は観客のハートを鷲掴みにして幕を閉じました。 私が感じる彼のカンテの魅力は、その真っ直ぐさに尽きるでしょう。どの曲種もど直球。小細工なく、真正面から迫ってくるその潔さ。そしてフラメンコ度の高さ、フラメンコへの愛の強さは言わずもがな。かといって、しつこくもなく、押し付けずカラッとしている。その辺はやはりカディスのカンテの味わいと言えるでしょう。 コルドバのコンクールで「マノロ・カラコール」賞と「カマロン」賞を受賞した実力派。バイレ伴唱ではクリスティーナ・オヨスに始まりアントニオ・カナーレス、ハビエル・ラトーレ、ファルキート、メルセデス・ルイスなどと共演。ソリストとしては5枚のアルバムを発表しています。カディスのカンテ、そして会場が明るく盛り上がるコンサートがもっと増えるように、これからも活躍を続けて行っていただきたいと願っています。 David Palomar Discography: * Levantino (1998) * Trimilenaria (2007) * La Viña cantón independiente (2010) * Denominación de origen (2015) * 8 Miradas (2022) 【筆者プロフィール】 東 敬子 (Keiko Higashi) /フラメンコ及びスペインカルチャーのジャーナリストとして、1999年よりマドリード(スペイン)に在住し執筆活動を続ける。スペインに特化したサイト thespanishwhiskers.com を主宰。 =====
- 【news】『フラメンコ年鑑2025』本日発売!!
(martes, 24 de febrero 2026) 昨年一年間の日本のフラメンコに関する情報を集約した、当サイトFlamenco fan特別編集による単行本『フラメンコ年鑑2025』が、本日2月24日発売となりました。 2025年のフラメンコの名場面の数々を、たくさんの写真と記事でご紹介。 万博やガルロチ、プリメラフェスティバルの特集記事をはじめ、ヘスス・カルモナ、徳永兄弟、市川惠子さんの特別インタビュー、公演リポート10選やアーティストらのエッセイなど、日本での様々なフラメンコシーンを満載した一年間の集大成となる1冊です。 表紙は、昨年末に多くの人に惜しまれながら閉店したガルロチ最後のスペイン人グループ公演の主演を務めたマヌエル・リニャンです(撮影:近藤佳奈)。 『フラメンコ年鑑2025』 Flamenco fan特別編集 2026年2月24日発売 A4判フルカラー、120頁 1,980円(税込) 【内容】 ・2025年撮影グラビア《DIVAs》(カメラマン:大森有起、川島浩之、近藤佳奈、川尻敏晴、佐藤尚久) ・特集(大阪・関西万博/ありがとうGARLOCHÍ/プリメラ「フラメンコ魂」バイレ・ギターの一曲入魂) ・特別インタビュー(ヘスス・カルモナ/徳永兄弟/市川惠子) ・公演リポート10選(石井智子スペイン舞踊団《アシタワタシの細雪》/工藤朋子《黒いダイヤ》/ANTÍPODAS/伊藤笑苗《VIDA -賛美-》/ヴォダルツ・クララ&松田知也/ビジャール&カラスコ/《エンリケ坂井 TOQUE, CANTE 77.7》/小島章司《フラメンコナウタ》/アルテイソレラ舞踊団《イン・ヒューマン》/田村陽子30周年記念《Ilusión》) ・フラメンコアーティスト・関係者のエッセイ(志風恭子、東敬子、石井智子、SIROCO、中里眞央、藤井かおる、佐渡靖子、佐藤浩希、今枝友加、伊藤笑苗、瀬戸雅美、入交恒子、蒲谷照雄) ・国内フラメンコアーティスト名鑑(全39名) ・大森有起が撮る12人の「ArtistaЯ」(内田好美、蜂須夕子、松田知也、土方憲人、加藤美香、小島慶子、三木重人、土合幸江、山﨑嬉星、野村眞里子、北島歩、屋良有子) ・ライターが選ぶ三大ニュース(石井拓人、白石和己、凌木智里、堀慎二郎、萩森琴美) ・追悼(林順子/小森晧平) ・マンガで振り返る2025年(永野暢子) ・フラメンコTOPICS 2025(新人公演/立川フラメンコ/第5回WEBフェス/鍵田真由美、舞踊芸術賞/河上鈴子スペイン舞踊各賞/第2回エルスール財団特別賞) 日本でフラメンコとともに生きる、たくさんの人たちの思いに触れられる一冊になっています。 その思いや言葉は数々の写真とともに、きっと読者の皆様をわくわくさせたり、元気や勇気を与えてくれるのではないかと思っています。 2025年の記録として、ぜひお手元に置いていただけたらうれしいです。 どうぞよろしくお願い致します。 2026年2月吉日 フラメンコファン編集部 株式会社カミーノ 金子功子 *ご注文は、 HPのお問合せフォーム 、またはEメール( flamencofan2023@gmail.com )からお願い致します。 *送付先の ご住所・お名前・電話番号・冊数 をご記入の上、ご注文下さい。 *発売日より随時発送させていただきます。その際にお振込先をお知らせしますので、商品到着後10日以内にお振込みをお願い致します。(※別途、送料300円お願いします) *より多くの方に見ていただけるように、クラウド・ファンディングも現在挑戦中です(ご支援の締切:2月28日)。本誌はもちろん限定リターンも用意していますので、ぜひこちらもチェックしていただけるとうれしいです。 https://camp-fire.jp/projects/834626/view ご支援のリターンをなるべく早くお届けしたくて、公開期間が短くて申し訳ありません。 もしお願いできましたらSNSや口コミでのシェアや拡散、知人・友人へのお知らせなども、ご協力いただけましたらありがたいです。 =====
- 【告知】「フラメンコ年鑑2025」刊行のお知らせ
(domingo, 8 de febrero 2026) フラメンコ・ファンの皆様 私どもがお届けしているフラメンコ総合情報サイト「フラメンコファン」をいつもご利用およびご愛読いただき、誠にありがとうございます。 2023年4月よりサイトの運営を開始し、これまで数多くのフラメンコ業界の皆様の活動に接し、それらの情報を発信したり、現場に足を運んで取材させていただいたりしてきました。 それらの情報は当サイトやSNSを通してインターネット上で発信し、昨年は1か月あたりのサイトアクセス数も10,000件を超える月も出る程になりました。とは言っても、そうした情報は日々のタイムライン上を流されていってしまい、見てもらいたい時になかなか見てもらえないという歯痒さも感じたりします。 誰もが見たい情報をいつでも見たい時に見れるように、ネットの世界にあまり馴染みの無い人にも届くように、ネット上で流れていってしまう情報を「単行本」という形で残しておけるように、と昨年初めて「フラメンコ年鑑2024」を刊行しました。ありがたいことにこの本は多くの方のお手に取っていただくことができ、2024年の日本のフラメンコに関する様々な出来事を、記録として残す事ができました。 そして2025年。昨年一年間もまた、日本のフラメンコ界ではたくさんの出来事がありました。 そこで、それらの情報を集約した単行本「フラメンコ年鑑2025」を今年も刊行する事に致しました。 仕様は次の通りになります。 『フラメンコ年鑑2025』 Flamenco fan特別編集 2026年2月24日発売 A4判フルカラー、120頁 1,980円(税込) 【内容】 ・2025年撮影グラビア《DIVAs》(カメラマン:大森有起、川島浩之、近藤佳奈、川尻敏晴、佐藤尚久) ・特集(大阪・関西万博/ありがとうGARLOCHÍ/プリメラ「フラメンコ魂」バイレ・ギターの一曲入魂) ・特別インタビュー(ヘスス・カルモナ/徳永兄弟/市川惠子) ・公演リポート10選(石井智子スペイン舞踊団《アシタワタシの細雪》/工藤朋子《黒いダイヤ》/ANTÍPODAS/伊藤笑苗《VIDA -賛美-》/ヴォダルツ・クララ&松田知也/ビジャール&カラスコ/《エンリケ坂井 TOQUE, CANTE 77.7》/小島章司《フラメンコナウタ》/アルテイソレラ舞踊団《イン・ヒューマン》/田村陽子30周年記念《Ilusión》) ・フラメンコアーティスト・関係者のエッセイ(志風恭子、東敬子、石井智子、SIROCO、中里眞央、藤井かおる、佐渡靖子、佐藤浩希、今枝友加、伊藤笑苗、瀬戸雅美、入交恒子、蒲谷照雄) ・国内フラメンコアーティスト名鑑 ・大森有起が撮る12人の「ArtistaЯ」(内田好美、蜂須夕子、松田知也、土方憲人、加藤美香、小島慶子、三木重人、土合幸江、山﨑嬉星、野村眞里子、北島歩、屋良有子) ・ライターが選ぶ三大ニュース(石井拓人、白石和己、凌木智里、堀慎二郎、萩森琴美) ・追悼(林順子/小森晧平) ・マンガで振り返る2025年(永野暢子) ・フラメンコTOPICS 2025(新人公演/立川フラメンコ/第5回WEBフェス/鍵田真由美、舞踊芸術賞/河上鈴子スペイン舞踊各賞/第2回エルスール財団特別賞) 日本でフラメンコとともに生きる、たくさんの人たちの思いに触れられる一冊になっています。 その思いや言葉は数々の写真とともに、きっと読者の皆様をわくわくさせたり、元気や勇気を与えてくれるのではないかと思っています。 2025年の記録として、ぜひお手元に置いていただけたらうれしいです。 どうぞよろしくお願い致します。 2026年2月吉日 フラメンコファン編集部 株式会社カミーノ 金子功子 *ご注文は、HPのお問合せフォーム、またはEメール( flamencofan2023@gmail.com )からお願い致します。 *送付先の ご住所・お名前・電話番号・冊数 をご記入の上、ご注文下さい。 *発売日より随時発送させていただきます。その際にお振込先をお知らせしますので、商品到着後10日以内にお振込みをお願い致します。(※別途、送料300円お願いします) *より多くの方に見ていただけるように、クラウド・ファンディングも現在挑戦中です(ご支援の締切:2月28日)。本誌はもちろん限定リターンも用意していますので、ぜひこちらもチェックしていただけるとうれしいです。 https://camp-fire.jp/projects/834626/view?utm_campaign=cp_po_share_c_msg_projects_show ご支援のリターンをなるべく早くお届けしたくて、公開期間が短くて申し訳ありません。 もしお願いできましたらSNSや口コミでのシェアや拡散、知人・友人へのお知らせなども、ご協力いただけましたらありがたいです。 =====
- アーティスト名鑑 vol.32
(sábado, 21 de febrero 2026) スペイン在住30年以上、多数の一流フラメンコ・アーティストらとも親交のあるフラメンコ・ジャーナリスト志風恭子が、歌・踊り・ギターそれぞれの代表的アーティストらのプロフィールをピックアップ。過去の取材で撮影した写真や、チェックしておきたい動画などもご紹介します。 文・写真/志風恭子 Texto y fotos por Kyoko Shikaze *名鑑登場アーティスト一覧は こちらから エル・カプージョ・デ・ヘレス(カンテ) ペパ・モンテス(バイレ) ニーニョ・ヘロ(ギター) Miguel Flores Quiros “El Capullo de Jerez” Jerez de la Frontera 1954 エル・カプージョ・デ・ヘレス 本名ミゲル・フローレス・キロス 1954年ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ ノリノリのタンゴやブレリアでコアなフラメンコファン以外にも人気の高いカプージョはヘレスのフラメンコのメッカ、サンティアゴ街生まれのアスンシオン地区育ち。幼い時からテレモート・デ・ヘレスら、地元のフラメンコたちを身近に聴いて育ち、ギタリスト、マヌエル・モラオのフエベス・フラメンコスを機にプロに。1989年ぺぺ・デ・ルシアのプロデュースで初のソロアルバムをリリース。以後4枚のアルバムを発表。フェステーロのイメージが強いがシギリージャやソレアなども歌うカンタオール。 2015 La Unión 2007 La Unión 【動画】 1989年、カナルスールのフラメンコ番組で歌うブレリア。 https://youtu.be/nT5AkTRbjYI?si=qE5KhH5TR5cTMeEe 2013年、マドリードのクラモーレスというライブハウス制作のドキュメンタリー。 https://youtu.be/E173ya3SNLw?si=QdkL2KPIUuhgJGp5 2013年ヘレスのペーニャでのシギリージャ。伴奏はドミンゴ・ルビチ。 https://youtu.be/YKO_RVLYBDA?si=owPzkok4MH5tydSJ 2003 Jerez de la Frontera ディエゴ・カラスコ、モライートらと Josefa Bastos Otero “Pepa Montes” Las Cabezas de San Juan (Sevilla) 1954 ペパ・モンテス 本名 ホセファ・バストス・オテロ 1954年セビージャ県ラス・カベサス・デ・サン・フアン 女性らしい、そしてセビージャらしいフラメンコ舞踊、エスクエラ・セビジャーナ、セビージャ派の舞踊家。7歳でセビージャ県ロス・パラシオスの劇場で初舞台。後、ドス・エルマナスに移り住み、技術を磨き、マティルデ・コラルのもとで研鑽を積む。セビージャの“ロス・ガジョス”、マドリードの“カナステーロス”などのタブラオやフェスティバル、歌手の一座で活躍。1975年にはコルドバのコンクールでフアナ・ラ・マカローナ賞受賞。のちの夫となるギタリスト、リカルド・ミーニョとのグループで活躍し、1979年には新宿『エル・フラメンコ』にも出演している。1985年位はコルドバのコンクールでラ・マレーナ賞受賞。セビージャのビエナルに夫、また息子でピアニストのペドロ・リカルド・ミーニョと数多く出演している。 2011 Arahal(Sevilla) 2007 Jerez 伝記本についての記者会見 【動画】 1995年カナルスールで、バタ・デ・コーラのソレアを。歌はエンリケ・ソト、ギターはリカルド・ミーニョ、ピアノは息子ペドロ・リカルド。 https://youtu.be/8PtqLKn7Zt0?si=wvD7jAVy2OiT7gLc 1999年、同じくカナルスールのフラメンコ番組でアレグリアス。 https://youtu.be/4kjjAlkqqVE?si=IdCtVpmiRyaNEDPI 2008 Jerez フラメンコ学会授賞式にて、カルメン・コルテス、ホセ・ガルバン、マティルデ・コラル、夫リカルド(下)と Pedro Carrasco Romero “Niño Jero” Jerez de la Frontera(Cádiz) 1954 -10-3- 2023 ニーニョ・ヘロ 本名 ペドロ・カラスコ・ロメロ 1954年ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ生まれ、2023年3月10日没 鬼がついたかのような魔的な演奏を聴かせるかと思うと、抜群の間合いの歌伴奏、従兄弟のディエゴ・カラスコのように歌も聞かせる。フェステーロだった父ヘロの息子だからニーニョ(子供)・ヘロという芸名で知られたが、本名のペドロからペリキンとも呼ばれた。母の兄弟もロメリートやグアポなど歌い手がいて、若くしてギターの道に。地元での歌伴奏を経て、セビージャのローレ・イ・マヌエルやファミリア・モントージャの伴奏でライブや録音で活躍。また、カディスのフアニート・ビジャールとも長年共演。録音もある。また、息子たち、ギタリストの長男マヌエル、歌う次男アントニオ、歌って踊る長女マヌエラ、パーカッション奏者で今はクリスマスソングのグループを率いて活躍の三男ルイスらと、バンダ・デ・ニーニョ・ヘロの名前でビエナルにも出演、レコードも録音した。他の誰にも真似できない個性的な物凄い演奏を聞かせることもあった天才肌。 2007 Jerez 【動画】 1990年、カナルスールにファミリーと出演。彼の隣にいる小さい子がルイスとマヌエラ。 https://youtu.be/g59usdD1JBg?si=4zfftkt2xq4-YmAI 2016年、フアン・ビジャール伴奏で。マドリードの劇場でのライブ。 https://youtu.be/FIBod8s-nJ4?si=Nv1DLsaYjWRzkEun 2018年ヘレスのペーニャでの、フアン・ビジャールとのライブ時のソロ演奏 https://youtu.be/8OZICIz15bc?si=-o-F8a1Rs08BP5eC 2022 La Reja Jerez de la Frontera ドミンゴ・ルビチと現れ、ひとしきり歌って弾いて踊って行った夜 【筆者プロフィール】 志風恭子(Kyoko Shikaze) /1987年よりスペイン在住。セビージャ大学フラメンコ学博士課程前期修了。パセオ通信員、通訳コーディネーターとして活躍。パコ・デ・ルシアをはじめ、多くのフラメンコ公演に携わる。 =====
- ArtistaЯ ~表現者☆~ ep.26
ep.26 チャチャ手塚 ChaCha Tezuka (lunes, 16 de febrero 2026) 写真家・大森有起が、今を輝くフラメンコ・アーティストたちの真の姿を写す ルンベーラが好きです。 華やかに舞台に立つチャチャ手塚さんも好きです。 全身から放たれる気熱、情感込めた歌声、ダイナミックな躍動、その全てを制覇する圧倒的な世界。 一挙一動が人間味に溢れ、グイグイ惹き込まれる高揚感に陶酔し溺れます。 如何なる時も一点突破していく、思いを込めた佇まいが一も二もなくとにかくカッコいい。 でも、普段の手塚さんはもっと好きです。 表裏なく気飾らず、正面から話せる数少ない先輩。 時に酒を酌み交わす姉さんとして欠かせない存在です。 (人には色んな側面がありますが)豪傑豪快に見えて、実はとても控えめなところがまた魅力的です。 ©Yuki Omori 「大事にしていること」 私が一番大事にしていること、それは叱られた事かな? 両親、先生、先輩に友達、知らない人にも叱られ事もありました。 そのときはムッとしたり、逆に怒ったり。 何年も経ってから叱られた本当の意味が分かり、事あるごとに思い出しては心の軸になっています。 幼い頃、母に叱られた私は「お母さん!怒ると叱るは違う!」と生意気を言ってしまった事があります。 母は更に怒りを募らせ、私は冷ややかな目で対峙した事を悔いていますが。 自分を顧みず、嫌な自分の部分を忘れないでいられるようになってるかな?と、懐かしい思い出です。 又あるときは、ルンベーラのアンヘラ・ドラード先生のレッスン中「出来ない!」と何度も言う私。 普段穏やかな先生が「二度と出来ないと言うな!!」と、本気で怒って叱ってくれた言葉です。 そして、河上鈴子先生のお教室では「手塚っー!!」と怒鳴られない日は無いほどでした。 もう自分がほとほとイヤになり「先生は私が嫌いなんだ」と思い始めたりしてました。 そんなとき先生は「あんたはやれば出来ると思っているからなんだよ」と言われ、思わず「先生ー!」と涙を堪えて言った事もありました。 河上先生の教室を卒業するとき「手塚、自分を大事にしてね」とおっしゃって頂いた言葉には、沢山の意味が込められていると人生の節目で心に思い浮かべています。 73歳になった今はなかなか叱ってもらえず...と思ったら大間違いで、言い方は変わっても誰かが言ってくれる声を聞ける”耳”を持ち続けてます。 フラメンコ界はもとより、生きている限り叱られる人で・叱ることが出来る人になりたい、と。 =====
- 『Anifuturo 2025 Ⅲ』短編12作品を上演
新進フラメンコ芸術家育成プロジェクト成果発表公演 (jueves, 12 de febrero 2026) 一般社団法人日本フラメンコ協会が、文化庁による補助金を活用して2025年度より取り組んでいる「新進フラメンコ芸術家等人材育成プロジェクト」。 昨年8月の「劇場(テアトロ)作品研修と成果発表」、同9月の「タブラオ(ライブレストラン)研修と成果発表」と2つのシリーズを行い、今回第3シリーズとして「新進による作品制作と劇場(テアトロ)での成果発表」公演が、2月24日・25日の2日間にわたり行われます。 「作品は、育つ。」という公演コンセプトのもと、完成された作品を提示することだけを目的とはせず、伝統の上にいまを重ねて作品が育つ「過程」を重視し、12組の育成対象者らによる各々20分から5分までの多様な「育ちつづけるフラメンコ」の作品が2日間にわたり上演されます。 また、来場者が見ることも作品が育つ過程の一部という考えから、来場者投票による「オーディエンス賞」も予定されています。 実際の舞台で表現されることで育まれるフラメンコ作品の数々を、ぜひ劇場で応援してみてはいかがでしょうか。 【Anifuturo – academia de flamenco 2025 Ⅲ】 「短編作品の創作」成果発表公演 日時 :2026年2月24日(火)・25日(水) 各日19:00開演 ※日程により上演内容が異なります(日替わりプログラム) 会場: 大田区民プラザ 大ホール (東京都大田区下丸子3-1-3 / 東急多摩川線「下丸子」駅 徒歩1分) ◎上演作品 2月24日(火):石川慶子、三枝雄輔、畑中美里、内田好美、大山勇実、上遠野忍、凜-Rin- 2月25日(水):大野環/稲津清一、Célula、瀬﨑慶太、近藤朔、佐渡靖子 ◎チケット料金 [指定席] 一般 6,000円 / 日本フラメンコ協会会員 5,000円 学生 4,000円 / 全国学生フラメンコ連盟 3,500円 [自由席] 一般 4,000円 / 日本フラメンコ協会会員 3,000円 学生 2,000円 / 全国学生フラメンコ連盟 1,500円 ※購入時には別途、購入手数料およびシステム利用料が発生します。 ◎チケット購入方法 LivePocket(ライヴポケット)にて販売中 https://livepocket.jp/p/anif_flamenco 主催 :一般社団法人日本フラメンコ協会 助成 : 文化庁 文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(芸術家等人材育成)) 独立行政法人日本芸術文化振興会 【問い合わせ先】 一般社団法人 日本フラメンコ協会 公式WEB https://anif.jp 公式LINE @flamenco_anif TEL 03-3383-0413 =====
- カンテフラメンコ奥の細道 on WEB no.57
(miércoles, 11 de febrero 2026) 文/エンリケ坂井 Texto por Enrique Sakai Malagueña de Chacón ⑤ 続、チャコンの生い立ち アンダルシアのカフェ・カンタンテで売れっ子になったチャコンは行く先々でカンテ研究を続け学ぶと共に自身の個性をより生かせる分野で多くの創作をしました。 具体的にはマラゲーニャ、グラナイーナ、タランタ、カルタヘネーラ、そしてカンティーニャ類のカラコレス、ミラブラーなどです。 特にマラゲーニャは当時ファン・ブレバなどの名手達がいましたが、彼らの多くがリズムを伴う民謡調だったのとは全く異なる、内なるリズムによる自由で叙情性に富んだものを次々と創りあげたのです。これにはメジーソの影響があった事が容易に想像できますが、それにしてもこれだけ多くのスタイルを、それも100年以上経っても色褪せない完成度の高いものを創り上げたのは偉大な才能だと言えるでしょう。これ程多くのマラゲーニャを作ったのは歴史上チャコンだけで、人々が彼の名前にドンの敬称をつけたのも自然な事だと頷けるのです。 さあそれではチャコンのマラゲーニャその⑤です。これも良く歌われ有名な歌詞を取り上げます。音源は1928年にラモン・モントジャの伴奏でグラモフォンに録音されたSPレコードです。 【Letra】 Corte…, ¡Viva Madrid que es la Corte! ¡viva Málaga la bella! y para puerto bonito Barcelona y Cartagena, ¡viva Madrid que es la Corte! 【訳】 王宮の… 王宮のマドリード万歳、 麗しのマラガ万歳、 そして美しい港町の バルセロナとカルタヘーナも、 王宮のマドリード万歳! 首都のあるマドリード、その中でも王宮の佇まいにチャコンは威厳を感じ、マラゲーニャの地のマラガ、「鉱山の歌」の本場であるカルタヘネーラといった、かつて訪れ創作活動を行った土地への愛着を歌ったのでしょう。マドリードはチャコンが長年活動し、晩年を過ごし亡くなった所で愛着もひとしおですから、歌詞の最初と最後に歌って強調されています。 ラモンの伴奏の間(ま)が素晴らしくて思わずギターのメロディーも書いてしまいました。この歌も細かくデリケートな節回しが多く複雑なので多少は解りやすく直しております。 ※の部分は本来ソの音で止まる所をチャコンはわざとラ音まで行っていますが、和音はちゃんとG7を弾いて進行をはっきり示すのが伴奏ギターの役目なのです。 【筆者プロフィール】 エンリケ坂井(ギタリスト/カンタオール) 1948年生まれ。1972年スペインに渡り多くの著名カンタオールと共演。帰国後カンテとパルマの会を主宰。チョコラーテらを招聘。著書『フラメンコを歌おう!』、CD『フラメンコの深い炎』、『グラン・クロニカ・デル・カンテ』vol.1~37(以下続刊)。2025年1月Círculo Flamenco de Madridから招かれ、ヘスス・メンデスと共演。 ※CD『グラン・クロニカ・デル・カンテ』シリーズを購入ご希望の場合は、 アクースティカ(https://acustica-shop.jp/) へお問い合わせください。(編集部) ======
- スペインNews 2月号・2026
(viernes, 6 de febrero 2026) 文・写真/志風恭子 Texto y fotos por Kyoko Shikaze 1月18日、コルドバ県アダムスで起こったスペイン高速鉄道の大事故は日本でも報道されていたのでご存知かと思います。1992年のセビージャ万博を前に首都マドリードとセビージャを結んだ高速鉄道AVEですが、現在では、コルドバからアンテケーラを経てマラガやグラナダへ向かう路線もあり、またセビージャからカディスやウエルバに乗り換えなしで行く便があったりで、多くの人が利用しています。スペイン旅行でこの路線を利用したという人も多いことでしょう。 フラメンコ・アーティストたちもよく利用しており、この事故でも、2017年、クリスティーナ・ヘーレン財団のコンクールのファンダンゴ・デ・ウエルバ部門で優勝したクリスティーナ・アルバレスが、ウエルバ行きの列車に乗っていて亡くなりました。39歳だったそうです。家族で、マドリードにミュージカルを見に行った帰りの事故で、夫君と息子さんも亡くなり、6歳の娘さんだけが奇跡的にほぼ無傷で助かったそうです。 衝突された、最初に脱線した、マラガからマドリードへ向かう列車にもマラガ出身の踊り手が乗っていて負傷されました。無事に回復され、近いうちに舞台へ復帰できますように、と願ってやみません。 なお、この事故の影響で列車が運休になったことで、マドリード在住のアーティストたちのセビージャでのフラメンコ公演が延期や中止にもなったようです。 《INDEX》 ・ ビエナル ポスター発表 ・ フアン・ラミレス逝く 【ビエナル ポスター発表】 1月14日、セビージャの街を見下ろす高層ビル、トーレ・セビージャのロフト・ガーデンにおいて、この秋、セビージャで開催される第24回ビエナル・デ・フラメンコ、セビージャのビエナルのポスターの記者発表が行われました。今年のポスターは、ピューリッツァー賞二度受賞のフォトジャーナリストである、エミリオ・モルナッティによるもの。歌い手アウロラ・バルガスの表情が私には、カンテの、フラメンコの至福の瞬間を表しているように見えますが、いかがでしょう。ルイス・イバラ監督はもちろん、ホセ・ルイス・サンス市長も列席したこのイベントでアウロラも、エル・ペルラのギターでブレリアを聴かせました。 なお今年のビエナルは9月9日から10月3日までの開催。プログラムは発表され次第、お知らせします。 https://www.youtube.com/watch?v=A6mMRtj_oJY 【フアン・ラミレス逝く】 1月5日、踊り手フアン・ラミレスが亡くなりました。1959年メリダ生まれというからまだ65歳。早すぎる死に言葉もありません。 1994年 マドリードレボルベールで。©︎ Kyoko Shikaze 本名フアン・ナバス・サルゲロ。幼い頃からセビージャに住み、1971年にはヒタニージョ・デ・オロという芸名で歌ってレコードデビュー。 その後、セビージャを離れアリカンテに住んでいましたが、声変わりもあって歌からギターに転向しようとしたと言います。が、ギターを教えてくれている人が彼がちょっと踊ったところを見て、僕ならギターはやめて踊りをやる、と言われたので舞踊の道に進んだそうです。独学で大理石の床でひたすら練習しました。 1982年、第2回のビエナル、ヒラルディージョのコンクールに参加。優勝はマリオ・マジャでした。 また86年にはコルドバのコンクールでパストーラ・パボン賞を受賞しています。同じ頃、パコ・デ・ルシアとの共演がはじまり、パコの代表作でもあるアルバム『熱風(シロコ)』では、アレグリアス『ラ・バローサ』でするどいサパテアードを聴かせてくれます。 https://www.youtube.com/watch?v=kBKJHCHIyD8 パコとの共演は、飛行機嫌いゆえ、セクステット初のダンサーの座は、セビージャ出身のベテラン、マノロ・ソレールにバトンタッチとなりましたが、90年代初め、何度かマドリードまで出掛けて見た彼のバイレは、唯一無比のものでした。細かい音の刻み方、リズムの取り方、アクセントの付け方など、彼のサパテアードは、アントニオ・カナーレス以降の世代に大きな影響を与えていると思います。 https://www.youtube.com/watch?v=6bI3habsubI 1994年、マドリードのライブハウス、レボルベールでのフアンのアレグリアス。上の写真を撮った同じ日のライブがYoutubeにありました。歌はグアディアナとトニ・マジャ、ギターはビエヒンとラモン・ヒメネス。緑のシャツでのは同じ日のソレア。映像が残っていることに感謝です。 https://www.youtube.com/watch?v=fTxOOsLZRxw 「踊り手というよりパーカッション奏者」などと評されることも多かった彼ですが、複雑なリズムもクリアに聞かせる彼のサパテアードはパーカッション奏者顔負けです。歌も歌った彼だからこそ、音楽的なサパテアードで時代の先駆けとなったのでありましょう。 2004年には『マス・フラメンコ・ケ・エル・タコン』というアルバムを発表。CDとDVDで超絶サパテアードを聴かせ、魅せます。 最近も、各地のタブラオなどに出演したりしていたようですし、最近もスペインの靴メーカー、カンペルのフラメンコをイメージした靴のプロモーションに参加していたりしたのでお元気だとばかり思っていたのですが、病が急激に進んでのことだったようです。安らかに。 画像はカンペールのホームページより。右下がフアン。 https://www.camper-japan.jp/item/women/post-27.html 最後にバルセロナのタブラオ、カルメンが去年アップしたインタビューとライブの様子を。技術が大切と語り、超絶サパテアードも健在で、まだまだ見たかったと改めて思わされます。 https://www.youtube.com/watch?v=yj1-CeMp16c 【筆者プロフィール】 志風恭子(Kyoko Shikaze) /1987年よりスペイン在住。セビージャ大学フラメンコ学博士課程前期修了。パセオ通信員、通訳コーディネーターとして活躍。パコ・デ・ルシアをはじめ、多くのフラメンコ公演に携わる。 =====
- アルテイソレラ舞踊団《イン・ヒューマン(in human)》
原作 江戸川乱歩「ひとでなしの恋」より (lunes, 2 de febrero 2026) 2025年11月12日(水)・13日(木) せたがやイーグレットホール(世田谷区民会館) 写真/川島浩之 Fotos por Hiroyuki Kawashima 文/金子功子 Texto por Noriko Kaneko これまで数々の芸術分野とコラボレーションした創作舞台を上演してきたアルテイソレラ(ARTE Y SOLERA)舞踊団が、今回は「フラメンコ×歌舞伎」によるストーリー性の強い作品を上演した。 原作となったのは、推理作家として有名な江戸川乱歩による短編小説『人でなしの恋』。人形を愛する男とその人形への嫉妬に苦しむ女の狂気と悲劇を描いた話に、歌舞伎俳優で日本舞踊家の中村壱太郎が舞台化への興味と可能性を抱き脚本を手掛け、2013年の新作歌舞伎『GOEMON』から共演を重ねてきたアルテイソレラの佐藤浩希が演出・振付を担当。音楽監督を務める中島千絵とともに、フラメンコと歌舞伎による舞踊と音楽を融合させ、独創的な世界観を表現した作品を作り上げた。 舞台の冒頭から登場し不気味で強烈な印象を放つのが、中村演じる日本人形だ。赤い着物を着て舞台中央に置かれた台の上に立ち、群舞で表現する暴行や盗みが横行するすさんだ世の中を無言で見下ろすかのよう。 そんな人形に愛情を注ぐ男を演じる佐藤は、うきうきした様子で足を打ち鳴らすなど恋に浮かれるさまを生き生きと表現。そんな男の本性を知らずに嫁ぐ女の役を鍵田が演じ、婚礼の場面では大勢の人々に祝福され幸せな様子に満たされていたのに、それが次第に不穏な空気へと移り変わっていく。 演目が展開する合間には、特別出演の今井の語りがストーリーの進行を演出する。原作の文章なのか、人形の本質を語ったり登場人物の心情を暗示させる。 引き返せない恋の道――、待ちわびる女の苦しみを表現する中島の歌を踊る鍵田は黒のマントンを振り乱し、舞台を端から端へとさまよう姿が悲しみを誘う。 男は夜な夜な人形との逢瀬を重ね、人形もまた男に応えるようにいつしか命を持ち始める。その二人の舞いを見てしまった女は嫉妬を抑えきれず、夫に気付かれないように人形に会いに行く。そんな女の黒い狂気を女性群舞が物語るように演じる。 三味線の演奏で不穏な空気が増幅されるような鍵田のソロ。女は憎い人形をかついで外へと運び去ろうとするが、重さゆえか倒れてしまう。すると次は髪飾りを一つずつ奪い去り、また鍵田の足音と附け打ちの音で人形を痛めつけている様子がリアルに伝わってくる。 帯も髪飾りも盗人に持っていかれ、屍のように打ち捨てられた人形。それを見つけた男は茫然自失となり、魂の抜け殻となって運ばれていった――。 そして最後の場面は、白や紫を基調とした群舞と鍵田と中村がともに舞い、浄化された世界が広がる。そこに今作の創作に携わった者たちが作品に込めた思いが感じられた。 日本の文学作品を題材に、フラメンコと歌舞伎という伝統芸能の踊りと音楽で新たな劇場作品を創り上げた今回の公演。国や文化を越えて優れた芸術が持つそれぞれの魅力や強みを生かし合う事が出来れば、舞台表現の可能性は無限に広がっていくことだろう。 【プログラム】 1. 渦巻く念・破壊と祈り 2. 婚礼の祭り 3. 結ばれる二人 ~信じあい求めあい~ 4. すれ違う男と女 5. 念の群舞 ~女の嫉妬~ 6. 人形を愛でる男 7. 思い悩む女の葛藤 8. 男と人形の狂気の戯れ 9. 女の狂気 10. 人形と念の化身 ~死と魂~ 11. うつし世に浮かぶ花 ~昇華~ 12. むすひ 【キャスト】 【主演】鍵田真由美 【演出・振付・構成・主演】佐藤浩希 【脚本・振付・特別出演】中村壱太郎 【特別出演】今井翼 【作曲・音楽監督】中島千絵 【出演】 中島千絵(ピアノ・ヴォーカル) 大儀見元(パーカッション) 浅野祥(津軽三味線) 阿部好江(鼓童/ヴォーカル) 武田朋子(篠笛) 山野安珠美(箏) 白澤美佳(ヴァイオリン) 角谷奈緒子(ヴィオラ) 渡邉雅弦(チェロ) マレーナ・イーホ(ギター) 斎藤誠(ギター) 山崎徹(附け打ち) 【客演】 矢野吉峰 権弓美 松田知也(小島章司舞踊団) 【鍵田真由美・佐藤浩希フラメンコ舞踊団】 柏麻美子 東陽子 工藤朋子 柴崎沙里 小西みと 中里眞央 小野寺麻佑 辻めぐみ 山本由紀 溝口千恵 三四郎 中根信由 瀬﨑慶太 関祐三子 ※「イン・ヒューマン」公演の配信視聴が2月28日(土)まで受付中です。 カンフェティストリーミングシアターにて情報公開しています。 公演情報ページ: https://confetti-web.com/@/in-human_streaming 配信チケット価格 ¥4,000(税込) 配信チケット購入期間 1月16日(金)19:00~2月28日(土)23:59 ※ 購入後の初回ログインから30日間視聴が可能です =====
- 新・フラメンコのあした vol.35
(jueves, 1 de enero 2026) 20年以上にわたりスペインで活動するジャーナリスト東敬子が、今気になるスペインフラメンコのあれこれを毎月お届けします。 今月は、昨年10月にマドリードで開催された 第20回「スマ・フラメンカ」フェスティバル でマドリード初演として上演された、エストレマドゥーラ出身のアーティストらによる公演についてのリポートです。 ラ・カイータ、ミゲル&フアン・バルガス、アレハンドロ・べガ、ホスエ・ポリーナ 『ベンゴ・デ・ミ・エストレマドゥーラ』 マドリード初演 第20回「スマ・フラメンカ」フェスティバル パコ・ラバル文化センター、マドリード、スペイン 2025年10月25日 La Kaita, Miguel y Juan Vargas, Alejandro Vega, Josué Porrina “Vengo de mi Extremadura” XX Festival Suma Flamenca Centro Cultural Paco Rabal, Madrid. 25 octubre 2025 文/東 敬子 画像/宣伝素材 Texto por Keiko Higashi Fotos por promoción スペインの西部に位置し、ポルトガルに隣接したエストレマドゥーラ州は、バダホスとカセレスの2県からなります。この土地のフラメンコと聞いてもあまりピンとこない方が多いでしょうが、ヒターノのコミュニティもあり、独特の味で多くのファンに愛されています。ここで生まれた曲種、ハレオやタンゴ・エストレメーニョは、皆さんもきっと聞き覚えがあるのではないでしょうか。 私は、この土地のフラメンコと言えば、知る人ぞ知る的な人気を誇ったカンタオール、インディオ・ヒターノや、ポリーナ・デ・バダホスの息子でマドリードを中心に活躍したラモン・エル・ポルトゲスらをまず思い出します。エル・ポルトゲスの息子たちはカホン奏者になりましたね。パコ・デ・ルシアのグループなどで活躍したピラーニャや、色々なアーティストを支えたサブーもそうです。ギターでも最近は若手ハビエル・コンデが活躍しています。 そしてやはり、エストレマドゥーラのスターと言えば、ポリーナ一族の出身、ラ・カイータ(1960、バダホス)を忘れてはならないでしょう。一度聞いたら耳から離れないその野生的な声。浅黒い肌に化粧っけは一切無く、いつもパンツスーツにザンバラの髪という独特の風貌。現代においてはもはや希少になりつつある「ピュアな」フラメンコの味を、彼女は届けてくれるのです。フランスの映画監督トニー・ガトリフの映画で、ロマ文化を追った『ラッチョ・ドローム』(Latcho Drom 1993)や、バイラオールのアントニオ・カナーレスが主演した『ベンゴ』(Vengo, 2000)にも出演しているので、機会があればぜひご覧ください。 さて、そのカイータを観るべく足を運んだ今回の『ベンゴ・デ・ミ・エストレマドゥーラ』公演は、 第20回目となる「スマ・フラメンカ」フェスティバル にて、マドリード初演されました。 カイータはいつ観ても期待を裏切らない。今回も圧巻のパフォーマンスで満足度大でした。同じくポリーナ一族出身のベテランカンタオール、アレハンドロ・ベガ(1960、バダホス)も聞き応えがありました。カイータの喉から血を滴らせるような絶叫と、アレハンドロの太く落ち着いた声は、絶妙に絡み合い、観客をその渦に巻き込みました。 しかしこの公演で私を一番驚かせてくれたのは、ミゲル・バルガス(1952、ベージャ・ポルトガル)のギターでした。エストレマドゥーラのギターのレジェンドと言われる彼ですが、私にとってはこれが初めてで、なんとも言えないそのまろやかな音色に聴き入りました。気負いもなく、穏やかで、しかしフラメンコの痛みやつねりは忘れない。スターというより匠といった感じ。ソロはもちろんですが、カンテ伴奏はもう抜群でしたね。カンテを包み、やさしくリードしてくれる様は、唯一無二の技がありました。 そこに彼の息子フアン・バルガス(1978、マドリード)の現代っ子らしい、シャキシャキした音が競演するのも面白かったです。雰囲気は違っても、同じルーツを感じる二人のパフォーマンスは、この公演に一体感を与えてくれました。そしてパーカッションを担当したホスエ・ポリーナもその抜群のリズム感でグループを支えました。 「私はここから来たんだ」という誇りを持って、ストレートにフラメンコを表現してくれたこのステージは、彼らの人間を、その生き様を感じさせてくれる偉大な空間でした。実はこの夜、友人知人合わせて8人で観に行ったんですが、みんな大満足で、お勧めした私もなんか誇らしかったです。皆さんもぜひ、ネットなどでそれぞれのアーティストをチェックしてみてくださいね。 【筆者プロフィール】 東 敬子 (Keiko Higashi) /フラメンコ及びスペインカルチャーのジャーナリストとして、1999年よりマドリード(スペイン)に在住し執筆活動を続ける。スペインに特化したサイト thespanishwhiskers.com を主宰。 =====











