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  • わが心のスペイン vol.14

    (domingo, 26 de enero 2025)   南房総と南スペインで田舎暮らしを楽しむ、石井崇が描くスペインの情景。 『アラゴン地方の街、アルバラシン』 レコンキスタを経てもキリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒が長らく一緒に 暮らしていたアルバラシンの街、ピンクの外壁が特徴的でとても綺麗。 ここで初めて牛肉の大きな生ハムを食べました。 ( 写真はフェレイローラ村 ) 【プロフィール】 石井崇(Takashi Ishii) /画家。1942年東京・京橋生まれ。東京芸術大学卒業後、1975年単身スペインに渡り、村祭りを回るテキヤ業などでしのぐ。セビリア郊外アルカラ・デ・グアダイラに居住。1989年よりグラナダ・アルプハーラ(Alpujarra)地方にあるフェレイローラ村(Ferreirola)にアトリエを構え、今はフェレイローラ村と南房総館山をふたつの故郷とし、田舎暮らしを楽しんでいる。著作は「おれたちがジプシーだったとき」、「詩画集プラテーロとわたし」、「スペイン四季暦」、「南スペイン、白い村の陽だまりから」、画集「イシイタカシの世界」など。2004年「館山親善ふるさと大使」に任命、全国大学フラメンコ大会を企画。 ホームページ「イシイタカシの世界」 http://www.oliva2004.net/index.html ======

  • Río Eterno 新春ライブ

    《Flamenco fan LIVE》   (sábado, 25 de enero 2025)   2025年1月11日(土) 高円寺タブラオ・エスペランサ(東京)   写真/田島聖一 Fotos por Holyone Tajima 文/金子功子 Texto por Noriko Kaneko    年も新たに迎えた1月の土曜、2025年第1弾となるフラメンコファン・ライブは、バイオリニスト森川拓哉さんをリーダーとするフラメンコユニット、リオ・エテルノが登場しました。このユニットはフラメンコ音楽のルーツとなる楽曲やオリジナル曲をレパートリーとしてライブ活動を行い、今回は中世時代のイベリア半島で広まっていたキリスト教やイスラム教、ユダヤ教文化の影響が色濃く残る音楽や、メンバーによる新作などが披露されました。    始まりは、ユニットのレパートリー曲の中から古典作品を2曲。1曲目はガスパール・サンス作曲の「カナリオス」、ギターソロや舞曲としても親しまれる曲です。メンバー全員白系の衣装で揃え、クラシカルなギターメロディーの中、踊り手の本間さんが花かごを抱えて登場、メンバーの一人一人に花を配ります。中世の香り溢れる軽やかなバイオリンが奏でられ、曲の中盤には容昌さんが踊りに加わるなど楽し気な場面もあり、のどかなフラメンコの風景が味わえました。    井上さんが歌うトリージャは、ストレートで素朴な歌声が魅力的。メンバーが鳴らす鈴や鐘が優しくリズムを刻み、あたたかい気持ちにさせてくれる一曲。 井上泉さん  3曲目は容昌さんの新曲。家族と海に行ったときに波の音を聴きながらメロディーが浮かんできて、それを森川さんが解読して菅沼さんが曲として仕上げたという、3人の共同作業で完成した曲だといいます。ゆったりとたゆたうメロディーに波の音のように聴こえるオーシャンドラムを加え、きらめく水面や波が静かに打ち寄せる穏やかな海のイメージが広がるような豊かな音楽に包まれました。 容昌さん  サビーカス作曲のアラビアンダンスでは、妖しげなギターの演奏が奏でられる中、アラブの舞姫となった本間さんが登場。しなやかな身体使いに回転のキレも良く、妖艶な舞いを魅せてくれました。 本間静香さん  ラ・ビダ・ブレベでは今回のスペシャルゲストとして出演された本間牧子さんが、きれいな粒の立ったパリージョの音色を披露。歯切れの良いギターと流れるようなバイオリンとともに叙情的なメロディーを奏で、贅沢なトリオの共演を楽しませてくれました。 本間牧子さん  休憩をはさんでの後半は、菅沼さんが作詞をしたというセビジャーナスを自身の弾き語りで演奏。人前でこの曲を歌うのは今回が初めてだと言います。スローな哀愁漂うメロディーに本間牧子さんと静香さんがしっとりとした踊りを合わせ、セビージャ留学時代の切ない想いが溢れるような歌を聴かせてくれました。  続いても菅沼さんが作曲したファルーカ。セビージャ留学中に作った曲で、胸の内の深い想いが表れるようなギターとバイオリンのメロディー、終盤はカホンの力強いリズムと共に底力を感じるようなグルーヴに強い想いが感じられました。 菅沼聖隆さん  「Yerba」は菅沼さんが日本に帰国した時に大きな杉の木を見て、その存在の大きさに感動して作った曲。演奏を始める前に、曲の途中で観客の皆さんにもコーラスで参加してほしいということで、そのパートのメロディーをレクチャーしてくれました。演奏ではモダンさも合わせ持つメロディアスなブレリアのリズムの曲に、森川さんが壮大な広がりをイメージさせるモチーフのフレーズを奏でます。曲の後半からはお客様も一緒に合唱で加わり、会場全体があたたかい一体感に包まれました。 森川拓哉さん  ライブ最後の2曲は、フラメンコのルーツ音楽として知られるセファルディ(*中世スペインに住んでいたユダヤ人)民謡から披露。まずは「プンチャプンチャ」というセファルディ民謡の中でも有名な曲で、その民謡の持つ音楽的な味わいを井上さんがたっぷり聴かせてくれます。  そして2曲目はメロディーがとてもアレグリアスに似ている明るい曲で、本間さんが白のマントンシージョとドレス姿で、可愛らしさの中にペジスコの効いた魅力的な踊りを披露。華やかな盛り上がりの中でライブを締めくくりました。  アンコールの曲はファンダンゴ・デ・アルバイシン。その曲が育まれた土地の香りがする、フラメンコ好きにはたまらないアンコールとなりました。    即興性を楽しむ通常のタブラオ・ライブとは一味も二味も違う、十分に準備を重ねてそれぞれの楽曲の魅力を観客に届けてくれたリオ・エテルノのライブ。悠久の川を遡るようにフラメンコのルーツ音楽を辿って、集めてきた魅力がぐっと詰まったライブを堪能させてくれました。その音楽文化の豊かさに触れ、ますますフラメンコが大好きになった一夜となりました。   [プログラム] 1.   Canarios /G. Sanz作曲 2.   Trilla(アロスノ村の麦こき歌) 3.   La Llave(鍵) 4.   Noches de Arabia /Sabicas作曲 5.   La vida breve(はかなき人生)~スペイン舞曲第一番より/M. De Falla作曲 6.   Sevillanas ~Me pega la lluvia 7.   絵画のためのファルーカ 8.   Yerba ~ジェルバ 9.   Puncha Puncha(セファルディ民謡) 10. Tres hermanicas eran(セファルディ民謡)   [出演] バイオリン:森川 拓哉 ギター:菅沼 聖隆 カンテ:井上 泉 パーカッション:容昌 バイレ:本間 静香 スペシャルゲスト:本間 牧子 =====

  • アーティスト名鑑vol.19

    (martes, 21 de enero 2025)   スペイン在住30年以上、多数の一流フラメンコ・アーティストらとも親交のあるフラメンコ・ジャーナリスト志風恭子が、歌・踊り・ギターそれぞれの代表的アーティストらのプロフィールをピックアップ。過去の取材で撮影した写真や、チェックしておきたい動画などもご紹介します。   文/志風恭子 Texto por Kyoko Shikaze   *名鑑登場アーティスト一覧は こちらから   ホセ・メルセ(カンテ) クリスティーナ・オヨス(バイレ) エンリケ・デ・メルチョール(ギター)   José Soto Soto  “José Mercé” Jerez de la Frontera 19-4-1955   ホセ・メルセ 本名 ホセ・ソト・ソト 1955年4月19日ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ生まれ 2007年 La Unión マヌエル・ソト・ソルデーラの甥。子供の頃から歌い始め、13歳でマドリードへ。タブラオなどで活躍。1977年初のソロアルバム『バンデーラ・デ・アンダルシア』を録音。ガデス舞踊団でも歌い、1981年の映画『血の婚礼』にも出演している。1986年コルドバのコンクールで優勝。マドリードのタブラオにスター格で、また各地のフェスティバルなどに出演。声、音程や感覚の良さを買われてか、マノロ・サンルーカルのアルバムや公演にも出演。1998年にビセンテ・アミーゴのプロデュースでリリースしたアルバム『デル・アマネセル』が大ヒット。ヒットチャートに名を連ねるような人気歌手となり、皇太子(現国王)の結婚式にも招待されるような有名人に。幅広いレパートリーを持つ巧い歌い手で、モライートの伴奏で彼を聴くのが好きだった。今はアントニオ・イゲーロが主に伴奏している。 2007年 La Uniónでモライートの最高の伴奏で歌う。 2010年 Ronda 2016年 La Unión   【動画】 モライートの伴奏でシギリージャを歌う1996年.カナルスールのフラメンコ番組にて。 https://youtu.be/WL6OG6GNfm4?si=8zHgJ1IVOwqEFwJq 大ヒットした『アイレ』のビデオクリップ https://youtu.be/xC9vDCMW6Rs?si=Hp-9cNinI95pAlcx フラメンコ曲以外のカバーも多く、ここではマミーブルーをフラメンコ風に歌ってます。 https://youtu.be/dU-EvD5v9wI?si=lIONeIVmNo4eNBfL Cristina Hoyos Panadero Sevilla 13-6-1946   クリスティーナ・オヨス 1946年6月13日セビージャ生まれ   1992年バルセロナ五輪開会式で真紅の衣装で登場したクリスティーナ・オヨスはスペインを代表する舞踊家の一人。類まれな表現力、柔らかで自在なブラソで世界を魅了してきた。アデリータ・ドミンゴやエンリケ・エル・コホに学び、15歳からタブラオで踊るようになる。1965年にはニューヨーク万博スペイン館で半年間踊り、帰国後はマドリードへ。1969年からアントニオ・ガデスの相手役を長年務め、78年にはスペイン国立バレエ団創設時のプリンシパルとなる。ガデスとともにカルロス・サウラ監督映画『血の婚礼』『カルメン』『恋は魔術師』、ガデス舞踊団退団後、1989年自らの舞踊団を旗揚げ、パリで初演。また映画『アンダルシアの恋物語』などにも出演。2003年、アンダルシア舞踊団監督に就任。2006年にセビージャに舞踊博物館をオープン。1975、76年には新宿『エル・フラメンコ』出演のため来日したのを始め、ガデス舞踊団で3回、自分の舞踊団でも7度来日している。個人的には昔、ヘレスのフェリアで明け方、フィエスタも終わりかけという時に踊ってみせたブレリアが忘れられない。アウエーでも周りを圧倒してしまうものすごい存在感、フラメンコ性。あれこそ名人技。 左から夫フアン・アントニオ・ヒメネス、クリスティーナ、マティルデ・コラル、マイテ・プルポン。2003年セビージャにて ©︎ Kyoko Shikaze 2011年東京 真夏の夜のフラメンコのリハーサルの合間に ©︎ Kyoko Shikaze 2016年、マティルデの映画の ©︎ Kyoko Shikaze   【動画】 カナルスールの彼女についてのドキュメンタリー。 https://youtu.be/7Isc9ESxkl4?si=OBiOHIPMXmKOwMIS 2003年アンダルシアの日のガラ番組、作品『ティエラ・アデントロ』のブレリア。 https://youtu.be/C90-rKfmAQg?si=eUS4PT2KQ7Z_G0vv 五輪開会式での様子 https://youtu.be/FJ2A592V8uc?si=j00Xz-I-VLrP0UCH Enrique Jiménez Ramírez “ Enrique de Melchor” Marchena(Sevilla)15-7-1951  Madrid 2-1-2012   エンリケ・デ・メルチョール 本名エンリケ・ヒメネス・ラミレス 1951年7月15日マルチェーナ(セビージャ)生まれ、2012年1月2日マドリード没   父は伴奏の名手として知られたメルチョール・デ・マルチェーナ。12歳でマドリードに移り住み、15歳でタブラオ『ロス・カナステーロス』でデビュー。1971年にはパコ・デ・ルシアのアルバム『霊感』に参加、翌年の日本公演にもパコの兄ラモンとともに来日。1979年にはヘレスのフラメンコ学会のプレミオ・ナショナル受賞、また新宿『エル・フラメンコ』に妻で踊り手のホセーラの伴奏で出演。安定感のある伴奏には定評があり、エル・レブリハーノやホセ・メネセ、ホセ・メルセなどの歌い手たちとの共演でフェスティバル、録音で活躍。ソロも1977年からトータル8枚をリリースしている。伝統に現代的感覚を加え、心地よい、耳に残るメロディをも作り上げることのできる得難い才能の持ち主だった。早逝が惜しまれる。 2007年  ©︎ Kyoko Shikaze   【動画】 1991年 カナルスールのフラメンコ番組でのタンゴ。フルートでフアン・パリージャ、パーカッションにラモン・ポリーナ。親しみやすいメロディが聞かれる。 1999年のタンゴ https://youtu.be/rMFc6oS4DQI?si=fqNDKiGBJlOweEhd 2008年カナルスールの番組でのシギリージャのソロ https://youtu.be/sVxzMQuZlss?si=TFBukypjzApNvdnk   【筆者プロフィール】 志風恭子(Kyoko Shikaze) /1987年よりスペイン在住。セビージャ大学フラメンコ学博士課程前期修了。パセオ通信員、通訳コーディネーターとして活躍。パコ・デ・ルシアをはじめ、多くのフラメンコ公演に携わる。   =====

  • アシタ ワタシの『細雪』

    石井智子スペイン舞踊団公演 (domingo, 27 de octubre 2024)   石井智子スペイン舞踊団公演「アシタ ワタシの『細雪』」が、来年2月に東京・草月ホールで2日間にわたり上演されます。 作家、谷崎潤一郎さんの代表作でもある名作を、主演の石井智子さんをはじめゲストの南風野香さん、井上圭子さん、中島朋子さんが、昭和初期の時代の変化に翻弄されながらも力強く生き抜く四姉妹を演じ踊ります。 演出・台本は、オペラや演劇など幅広いジャンルで活躍する演出家の加藤直さんが手がけ、踊りはもちろん演劇的な要素も楽しめる舞台作品が期待されます。 上流階級の華やかさと儚い美しさが感じられる「細雪」の世界を、ぜひ劇場でお楽しみください。 *主演の石井智子さんの インタビューはこちらから。 石井智子スペイン舞踊団公演 「アシタ ワタシの『細雪』」 演出・台本:加藤 直  振付・構成・演出補:石井智子 [日時] 2025年2月7日(金)19時 2025年2月8日(土)12時、16時   (全3回公演) [会場]草月ホール  (東京都港区赤坂7-2-21 草月会館B1F) [出演] 主演 石井智子(長女 鶴子) ゲスト 南風野香(次女 幸子)    井上圭子(三女 雪子)    中島朋子(四女 妙子)   石井智子スペイン舞踊団 松本美緒 小木曽衣里子 清水真由美 福田慶子 杉浦桃子 樋口万希子 角谷のどか 梅澤美緒子 藤丸莉沙 藤浪典子 内海ゆかり 鏑木優子 ギター:鈴木淳弘 菅沼聖隆 カンテ:川島桂子 井上泉 遠藤郷子 バイオリン:三木重人 パーカッション:朱雀はるな [チケット料金] S席 10,000円 A席 8,000円 B席 6,000円 学生席(22才以下の方)3,000円  (※入場時に年齢確認できる証明書をご提示ください) [チケット申込] HP、公式LINE、各種SNS DMにて [問]石井智子フラメンコスタジオ事務局 ・電話 03-6280-3147   月-木 12:00-21:30   土  10:30-15:30   金日祝 休み ・メール  info@tomokoishii.com ・URL: http://tomokoishii.com ======

  • 石井智子「夢や希望が感じられる舞台に」

    Flamenco fan インタビュー (viernes, 17 de enero 2025)   日本を代表する文豪の一人、谷崎潤一郎の長編小説『細雪』を原案とした 舞台公演「アシタ ワタシの『細雪』」 を2月に上演するスペイン舞踊家、石井智子さん。本番に向けてリハーサルを重ねる合間に、今作の内容や舞踊の魅力、舞台の見どころなどを語っていただきました。 聞き手・写真/金子功子 Entrevista y fotos por Noriko Kaneko 石井智子さんのソロパートのリハ ――今回の舞台は作家、谷崎潤一郎の『細雪』という有名な長編小説を原案としています。この作品を題材として選んだ理由は何でしょうか。 「2019年に明治座で、『細雪』のお芝居を拝見しました。その舞台で繰り広げられる絢爛豪華な世界を、当時はひとりの観客として素敵だなと思って観ていました。でもそのあと、コロナになってスペイン人を呼べなくなり、2021年の『みだれ髪』初演から小松原庸子先生の時の仲間でもある南風野香さん、井上圭子さん、中島朋子さんと共演するようになって、一昨年のアートキャラバンでも一緒に全国各地を回ったり『みだれ髪』の再演も果たして、また4人で何かやりたいな、と思っていました。私たちが小松原先生の下で10代から培ってきたスペイン舞踊やフラメンコの技術、スペインの一流アーティスト達から学んだことを何かの形にして、発表できる機会があればと考えていたところ、細雪の4姉妹の姿とつながったんです。原作は大阪の船場が舞台で、戦前の優雅な上流階級の4人姉妹を描いていて、でも戦争が始まり家が凋落していく中で、4人姉妹が大切にしてきたものを必死に守りながら生きているそれぞれの姿に共感を覚えました。私たちも小松原先生の下で培ってきた大切にしてきたものを、次の世代に伝えていかなければいけない年代になりましたので、そうした思いが細雪をやる大きなきっかけになりました」 ――4姉妹役という設定ですが、それぞれの役柄やソロのみなさんの魅力を教えていただけますか。 「長女の鶴子は本家で東京に行ってしまうんですが、私としては鶴子が大阪を離れた後も常に妹たちの事を心配していて、早くに亡くなった両親から家や家族を守るよう使命を託されて生きているところが、自分の生き方ともリンクして感じられています。二女は南風野さんが二人の妹を静かに優しく見守り、三女は一番日本的な女性像で、キャラクター的にも実は井上さんに合っているように思います。四女は中島さんが、現代的な性格で自由な発想を持っていて…と、特に決めたわけではないんですが、自然に4姉妹と設定が合っていて、実は年齢の順番も4姉妹と同じなんです(笑)。全員お芝居や演劇的なことも小松原舞踊団時代に経験しているので、それぞれの役に入っていく表現方法もみなさん上手だなと思って見ています。ソロの踊りも、私は2曲踊りますが、南風野さんはグアヒーラ、三女の井上さんはペテネーラをバタとマントンで、四女の中島さんはガロティンと、役柄に合った選曲です。衣装も素晴らしくて、自前のバタ・デ・コーラの上に、実際のお着物をほどいて仕立て直したりカットしたりして重ねて、本物の帯を締める、といった具合です。私は今回全部バタ・デ・コーラで、3着すべて違うデザインなのでフラメンコ衣装と和装との組み合わせも楽しめると思います。上流階級の役なので気品ある衣装で、バタ・デ・コーラの踊りでも威厳や気品の中にパッションや力強さも感じられるような、そういう踊りをお見せしたいです。今回の見どころとして、バタの名手として有名なミラグロス・メンヒバル先生に習ったアレグリアスをバタで4人で踊ります。他にも、私がミラグロス先生に習ったシギリージャやマラゲーニャ・ロンデーニャと、それらを一挙に全部、伝統的なフラメンコをお見せしたいと思っています。最後は4人のアレグリアスで、豪華に華やかに見せたいと思います」 群舞のリハ。左から井上圭子さん、南風野香さん、石井智子さん ――素敵な舞台は、お客様も観ていて幸せな気持ちになりますよね。 「ここ何年か助成金をいただいて活動をしていますが、時間とお金をかけて観に来てくださったお客様に何かを返さないといけない、夢とか希望とか、生きる活力とか、何かを持って帰っていただきたいという使命をもって、作品を作っていかなければなりません。それは舞踊団のみんなも理解しています。皆様の税金を使わせていただいて舞踊団活動をやっていますので、観に来てくださったお客様に幸せな気持ちになっていただいて、今はいろいろある世の中ですが、この2時間だけは夢の世界にいてほしいと思います」 華やかな舞台衣装 ――今回の作品作りにあたって、演出家の加藤直さんが加わった事で、何か変化した点はありますか。 「もし私が一人で作ったら、ありきたりというか…華やかな舞台にはなるけどこれまでと同じような作品になるかもしれません。今回の谷崎の作品は私も自分なりに構成を組んでみましたが、やはり何か新しい冒険をしてみたかったし、この4月に加藤先生の演出した舞台に出演して、先生のテイストを横で勉強したいなと思いました。今回は先生が書いた台本に私たちが伝えたいことを取り入れてもらったりして、一緒に作り上げています。作品の中では、舞踊団の3人が女中さんの役で話を引っ張っていって、それ以外にも舞踊団員がそれぞれ台詞を言ったり踊ったり、黒衣の女たちとして語りでそれぞれの姉妹の役を表現したりしています。みんななかなか上手で、先生も芸達者な人より自然にやってもらう方がお好みなようです。また女性の声だけでなく、男性の声も入れたりして対比を見せたいようですね」 ――音楽づくりはどのような感じで進めていますか。 「ミュージシャンのみなさんは、私がそれぞれの場面のイメージを伝えると、いろいろなアイデアを出してくださるんですね。私もそうした新しい提案は大歓迎なので、とてもありがたいです。お互いに意見を重ねて、みんなで話し合いながら作っている感じです」 ミュージシャンと一緒に作品創りを進めます ――今回の作品を通して、お客様に伝えたいことを教えてください。 「夢のような華やかな世界で、懸命に生きる4姉妹の姿に私たち4人の熱い想いが重なって、舞台を観たお客様が明日も頑張ろうと思ってもらえるような、そういう作品にしたいです。バタ・デ・コーラの踊りの美しさなども見どころですので、ぜひ多くのお客様に楽しんでいただきたいと思います」 *石井智子スペイン舞踊団公演「アシタ ワタシの『細雪』」の公演情報は、 こちらをチェック! 【プロフィール】 石井智子(Tomoko Ishii) /スペイン舞踊家。文化庁芸術祭大賞、舞踊批評家協会賞、河上鈴子スペイン舞踊賞など受賞歴多数。主宰する石井智子スペイン舞踊団は、『スペイン舞踊を通して感性豊かな人間力・想像力を高め、豊かな人生を送れるよう、夢・幸せ・生きる活力を社会に与えること』をミッションとして活動している。後進の指導にも力を入れ、教室では生徒さんがフラメンコに親しみ、輝けることをモットーに指導している。 [公式サイト] http://tomokoishii.com/ =====

  • ArtistaЯ ~表現者☆~ ep.11

    ep.11 藤井かおる  Kaoru Fujii (lunes, 18 de noviembre 2024) 写真家・大森有起が、今を輝くフラメンコ・アーティストたちの真の姿を写す かおるちゃんとは30代で知り合いました。 主催者として奔走していたあの頃、 若くして大所帯のクラスを率いる彼女が頼もしく、 どんな時でも賛助してくれました。 気付けば長いお付き合い。 昔も今も頼りになる友人です。 ©Yuki Omori 「一番好きな曲」 私が一番最初に好きになったヌメロは "アレグリアス"です。 フラメンコのために上京した1995年、バイトとフラメンコに明け暮れる毎日。 セビジャーナスやファンダンゴのあと最初に習ったのがアレグリアスでした。 とてもワクワクしました! 少しでもフラメンコの勉強をしたかったので色々なCDを買って聞きました。 その時に衝撃を受けたのがチャノ・ロバートのアレグリアスです。 心が掴まれ、揺さぶられた感じ。 その後、師匠 小島章司先生の公演で 1999年にチャノ・ロバートと同じ舞台に立つことができました。 大好きなアレグリアスを生で聞けたこと、そしてその歌で踊れたことは私の宝物です。 ======

  • ArtistaЯ ~表現者☆~ ep.12

    ep.12 脇川 愛  Ai Wakikawa (lunes, 16 de diciembre 2024) 写真家・大森有起が、今を輝くフラメンコ・アーティストたちの真の姿を写す エルフラメンコで踊る子供がいた。 清浄な笑顔、刻みよいコンパス、伸びやかにしなる腕。 大人顔負けの"いとけない女の子" それが18年前の愛ちゃんだった。 その後、コンクールや劇場公演等で彼女と再会した。 昔の面影を残しつつ、見るたび成長著しい姿が嬉しかった。 先日1年半ぶりのロケ撮影を行い、正直驚いた(写真) 近年多くの現場経験を積み上げてきた成果なのか、 対応力を身につけ、縦横自在な表現者になっていた。 来年も楽しみな愛ちゃん。 きっと躍進し続けるだろう。 ©Yuki Omori 「パリージョと私」 「奏でてる音が綺麗だね」 という一言がきっかけで、パリージョと向き合うことになった。 自分では気が付かなかったことを人に言ってもらったことで、 パリージョを手にすることが多くなり、次第に苦手意識もなくなった。 あの舞台で感じたミュージシャンとの一体感は、 踊りと共にパリージョを奏でることでより強くなった! その喜びは忘れることはないと思う。 これからは、パリージョで踊ることはもちろんのこと、 音楽活動を通してパリージョの楽しさを知ってもらい、 フラメンコの魅力が伝わったら嬉しいです。 ======

  • ArtistaЯ ~表現者☆~ ep.13

    ep.13 内田好美  Yoshimi Uchida (jueves, 16 de enero 2025) 写真家・大森有起が、今を輝くフラメンコ・アーティストたちの真の姿を写す 6年前に撮影した一枚の写真。 修正合成は施していない。 多くの要素が写っている姿に当時感じたのは...期待だった。 東京・大阪と勢力的に活動している最中、 地元名古屋を拠点に10年計画で始めたソロ公演『孤独生』 これまで「覚醒」「対価」「蒼叫」と毎年作品を発表してきた。 当初より撮影を通じて関わっているが、 内容は勿論、想像を超えてくる舞台演出や効果も密癖になる。 "無いモノは写らない"のが写真。 互いに活動を続ける限り、先の期待はこれからも続く。 ©Yuki Omori 「作品を創ること」 『孤独生』という言葉を自分が生み出さなければ 10年10作品をやろうとは思わなかったかもしれません。 孤を知り  独となりて  生きる 死ぬまで生きる 自分がフラメンコダンサーと言える域に至るまでに ずいぶんと時間がかかってしまったので いま早送りくらいの速さで自分を動かしてると思います。 ソレアもアレグリアスも10年経った時にどう変わっているのか、 変わっていないものは何かを自分が知りたくて… 年を重ねるということ(肉体の衰退・精神の成熟) その時代に生きる様(抗いと受容) 美しいものだけを残さない(表裏一体) 一人では生きることはできない(感謝) 上のようなことをいつも考えながら Sentir 感じて Crear  創って Romper 壊して またそれを繰り返し繰り返しして作品を創っています。 =====

  • En silencio -静寂なる祈り-

    中田佳代子フラメンコ舞踊公演 *公益財団法人スペイン舞踊振興MARUWA財団 令和6年度助成事業 (miércoles, 15 de enero 2025)   2024年12月19日(木) 東京公演:なかのZERO小ホール 写真/川尻敏晴 Fotos por Toshiharu Kawajiri 文/金子功子 Texto por Noriko Kaneko    静寂の中で一心に踊る姿は、平和を願い捧げられた祈りそのものだった――。  現在スペイン・バルセロナを拠点とし、日本でも精力的に舞踊・教授活動を続ける中田佳代子が、自身4回目となる日本でのツアー公演を岩手・大阪・東京の3都市で開催した。  今回の作品は、スペイン・マドリードにある「Centro Coreográfico María Pagés」マリア・パヘス財団のアーティスト・レジデンスに選出されたことを受け、制作が始まったという。そして作品を作るきっかけとなったのが、ジャーナリストである彼女の夫の仕事に同行して被爆体験者のインタビューを聞いたことであった。数々の過酷な体験談に強い衝撃を受け、今の平和がそうした先人たちの犠牲の上に築かれ、そしてそれは当たり前のものではなく、努力して守り続けなればならないものなのだと気づかされたと語る。  平和への願い、今も世界各地で起きている暴力や紛争への怒り、そうした自身の思いを表現するために、すでに自らの作品でスペイン内戦についての曲を発表しているヘレス出身のダビ・ラゴスとアルフレッド・ラゴス兄弟に、彼らの歌と音楽で踊らせてもらえないかと頼んだのだという。  舞台は、日本先住民族であるアイヌ民族の神への儀式歌から幕を開けた。髪をおろし、シンプルな白の衣装に身を包んだ中田が、アイヌの伝統芸能を今に受け継ぐ床絵美が弾く弦楽器の音楽に合わせ、ゆったりと身体を動かしていく。2拍子の民謡に答えるように足音を奏で踊り、神への敬意を表す。  何気ない日常の大切さを描いた場面。ダビの歌を聴き、三枝がパルマから自然とブレリアを踊り始める。二人が生み出す打ち解けた空気の中へ、床が独特な音色の笛を吹き民謡を歌い出す。そこに中田も加わり、三枝とともに生き生きと楽しそうに踊り続ける。アイヌ民謡とフラメンコのカンテが調和し、歌って踊って、そんな何気ない平凡な日常こそが最大の幸福なのだという思いが溢れる。  アルフレッドの繊細で力強い指先が奏でるギターにダビが歌うのは、「マラゲーニャ・デ・チャコン」という鐘をテーマにしたフラメンコ曲。平和を祈る想いを乗せた豊かな歌声が、会場いっぱいに響き渡る。  原爆が投下されたときの被爆体験者の経験談をもとに表現された「静寂と混沌」。舞台の上で身体を横たえた中田が、苦しみに悶えるように身をよじる。シギリージャの音楽が混沌とした世界を表現する中、パリージョを響かせ渾身の舞いを見せる。  そして本條が演奏する胡弓の不協和音が描く「暗闇」。不穏な音色に包まれベールの中で光を求めてもがく姿に、人間としての底力が垣間見えた。  子を思う母の深い愛情を表現した「ある、ひとりの母」。ひとりの戦争体験者の母親のエピソードが深く胸に刻まれ、踊りへと昇華された曲だ。失われた我が子への鎮魂歌となるタラント。あまりにも重すぎるテーマを、己の体一つで背負って表現する姿に胸を締め付けられる。  ダビと床が背中合わせに立ち、スペイン語の歌詞と日本語の歌詞を交互に歌い合う「静寂なる叫び」。沈黙してはいけない、声を上げなければいけないと訴え、言語や民族の違いを超え、同じ人間として思いは同じなのだと改めて実感する。ダビの歌に床も声を合わせ、歌い上げると場内は大きな拍手に包まれた。  そして希望の光が感じられるようなギターのメロディーから始まる「平和への道」。ダビが白のマントンを手に優しく歌いながら登場し、中田に託すようにマントンをかける。カンティーニャスの曲を多彩なバタマントンの技で踊り、その思い切りの良さや全身で喜びを表現する姿には彼女らしさが表れていた。ラストはスポットライトが月光のように照らす中で、平和を願い祈る姿が印象的だった。  一瞬で全てを奪われた人たちの無念。ささやかな幸せを慈しむ愛情。誰もが与えられる命の尊厳。その静寂の向こうに存在する、ともすれば見過ごされてしまいそうな声無き願いに、丁寧に耳を傾ける中田の優しさが、この作品の隅々に溢れていた。 【プログラム】 Origen  儀式歌 Diario  日常 La campana  鐘 Esperanza  希望 Silencio y Caotico  静寂と混沌 Oscridad  暗闇 Una madre  ある、ひとりの母 Nana  子守唄 Romance del Silencio  静寂なる叫び El camino a la paz  平和への道   【出演】 中田佳代子 (主演・バイレ踊り) ダビ・ラゴス(カンテ) アルフレッド・ラゴス(ギター) 三枝雄輔(パルマ・踊り) 床 絵美(歌) 本條秀慈郎(胡弓・三味線)   ◎中田佳代子公式サイト https://kayokonakata.com/ja/ =====

  • カンテフラメンコ奥の細道 on WEB no.44

    (sábado, 11 de enero 2025) 文/エンリケ坂井 Texto por Enrique Sakai  前回取り上げたアグスティンのスタイルには、La Perla de TrianaのEl árbol que está en el cerro(丘の上にある木)、Curro MairenaのSiéntate y ponte pensar(座ってよく考えるのだ)、Niño de las CabezasのCapilla del Carmen(カルメンの礼拝堂)などの例があります。  トゥリアナの人もアルカラーのスタイルを歌っていますし、アルカラーの人もトゥリアナの歌を歌う、という具合に以前はスタイルに対するこだわりが今程無く、ウトレーラも含めた近い文化圏の人々は割と自由に好きなものを歌っていました。  他にもアルカラーの歌はまだまだありますが一応ここまでとして、今回から「マラゲーニャの王様」メジーソのマラゲーニャを始めます。 Malagueña del Mellizo  メジーソのマラゲーニャとして歌われるものは主として2つのスタイルがありますが、実は1910年にニーニョ・デ・ラ・イスラ(本名ホセ・ロペス・ドミンゲス、1877~1915?)がちゃんとマラゲーニャ・エスティーロ・エンリケ・エル・メジーソと明記して録音した歌が、現在歌われているものとはかなり違うのです。  ニーニョ・デ・ラ・イスラはかなりな歌知りで、カディス(サン・フェルナンド)の人ですし、恐らくメジーソを直接聴いたであろう歌い手ですから信憑性は高いと言えるでしょう。  メジーソも恐らくは現在歌われているスタイルだけでなく、他にもマラゲーニャを歌っていたであろう事は想像がつきますから、これもメジーソのスタイルに加える事にしました。(現在ではほとんど歌われていませんが。)グラン・クロニカのvol.5に収録してあります。   (Letra) Que no quiero, (yo no quiero) gastar bromas con to el mundo, (ay, sabiendo que yo no quiero,) la sangre la tengo 〈poría〉 y el corazón lo tengo negro, vas a acabar con mi 〈vía〉.   (訳) 俺は嫌なんだ (そんな事したくないんだ) 世の中を茶化す事など (したくないのは承知の上)、 俺の血は腐敗して 心も真っ黒、 お前が俺の人生を終わらせるのさ。   ◎〈poría〉⇒ podrida(腐った) ◎vía ⇒ vida(命、人生) ◎gastar broma ⇒冗談を言う  心ならずもすべてを冗談で済ませて世の中を渡って生きてきた男が、ついに行き詰まって破局を迎えている…という風に私には取れましたが、この歌詞の本当の所は歌う人が自分で考えるべきでしょう。  メロディーを辿っていくと、メジーソの特徴が少しだけ現れてきます。   【筆者プロフィール】 エンリケ坂井(ギタリスト/カンタオール) 1948年生まれ。1972年スペインに渡り多くの著名カンタオールと共演。帰国後カンテとパルマの会を主宰。チョコラーテらを招聘。著書『フラメンコを歌おう!』、CD『フラメンコの深い炎』、『グラン・クロニカ・デル・カンテ』vol.1~35(以下続刊)。   ※CD『グラン・クロニカ・デル・カンテ』シリーズを購入ご希望の場合は、アクースティカ( https://acustica-shop.jp/ )へお問い合わせください。(編集部)   ======

  • マルワ財団による助成事業の応募受付はじまる

    (viernes, 10 de enero 2025) 公益財団法人スペイン舞踊振興MARUWA財団による助成事業の応募受付が始まりました。 助成対象となるのは、2025年4月1日から2026年3月31日までの間に行われるフラメンコの普及・向上につながるような公演やイベント企画で、他の団体等からの助成を受けていないものが対象となります。 応募方法は、MARUWA財団ホームページの助成事業( https://www.mwf.or.jp/fomento/ )のお問合せフォームから助成応募用紙を申し込み、必要事項を記入の上、各種資料とともに期限内に郵送してください。 ◆助成金: 〈プロ枠〉総額300万円、〈学生枠〉総額50万円 ◆応募受付期間: 2025年1月10日(金)~2月6日(木)17時【必着】 ◆選考結果: 財団の選考委員による厳正な審査の上、2025年3月31日までに各団体宛てに通知されます。 ◆問合せ先: 公益財団法人スペイン舞踊振興MARUWA財団 Tel.03-5419-6513 Fax.03-5419-6514 Email info@mwf.or.jp URL http://www.mwf.or.jp/ =====

  • スペインNews 1月号・2025

    (lunes, 6 de enero 2025)   文・写真/志風恭子 Texto y fotos por Kyoko Shikaze   よく言われることですが、スペインのクリスマスは1月6日、東方から三人の博士(占星術の学者)が贈り物をたずさえてイエスのご誕生をお祝いに訪れたということにちなんだ、公現の祝日まで続きます。この三人の博士をスペインではレジェス・マゴス、魔法の王様と呼びます。最近ではクリスマスプレゼントのケースもあるようですが、伝統的にはスペインで子供たちがプレゼントをもらうのはこの日で、5日夜には各地で王様とその一行のパレードが行われ、6日朝には新しいおもちゃで遊ぶ子供たちが街角でも見られます。また家族間でもプレゼントを贈り合います。24日、クリスマス・イブと大晦日、そしてこの公現の祝日前夜は家族揃って夕食を食べることが多いようです。が、静かに過ごすことが多いおごそかなクリスマスと違って、大晦日はホテルなどで行われるパーティーや街中で行われるカウントダウンなどで無礼講よろしく大騒ぎする人も多いようです。カウントダウンでは12時の12の鐘の音に合わせて12粒のブドウを食べるのがならわし。この時期、スーパーなどでは12粒ずつパックになった缶詰なども売られます。とにかくご馳走続きのこの季節、体重増加が必至なので、6日が終わるとダイエットを始める人も多いとか。伝統的には7日からバーゲン、レバハも始まります。   《INDEX》 ・クーロ・フェルナンデス生誕の地記念碑 ・アルヘシラスのパコ・デ・ルシア ・小島章司に西日財団賞   【クーロ・フェルナンデス生誕の地記念碑】 12月20日、セビージャはトリアーナ橋からほど近い、ファビエ通り7番に、歌い手、クーロ・フェルナンデス生誕の地であると記した記念碑が設置されました。セビージャ市長も訪れ、その設置を祝いました。 真ん中のスーツ姿のホセ・ルイス・サンス市長を挟んでクーロの子供であるエスペランサ、パコとファミリー、市の関係者たち。一番左はルイス・イバラ、ビエナル監督。©︎ Kyoko Shikaze   2023年6月14日に82歳で亡くなったクーロ・フェルナンデスは、舞踊伴唱を得意とした歌い手。マティルデ・コラル、マヌエラ・バルガス、メルチェ・エスメラルダ、マヌエラ・カラスコら多くの舞踊家たちの伴唱を行ってきたベテランの歌い手。また、妻ペパ、娘で歌い手のエスペランサ、息子でギタリストのパコ、踊り手のホセとファミリア・フェルナンデスとして、各地のフェスティバルなどで活躍し、日本でも1981年小松原庸子スペイン舞踊団『真夏の夜のフラメンコ』をはじめ、1984年には新宿のタブラオ『エル・フラメンコ』(現ガルロチ)にペパの妹で踊り手のコンチャ・バルガスと半年出演したり、など日本ともゆかりの深いアーティストでした。 実は2002年にも一度記念碑が設置されたのですが、雨が続いた時に外壁ごと崩れ落ち、再設置が長年待ち望まれていたのでした。時間はかかったものの、再設置されたことは嬉しい限りです。 ©︎ Kyoko Shikaze   なお、今は複数世帯が居住するアパートとなっていますが、ここはかつてヒターノが多く住むカサ・デ・ベシノ、長屋だったそうです。この通りでは、他にも歌い手ナランヒート・デ・トリアーナ(24番に同じような記念碑が掲げられています)や、ギタリストのラファエル・リケーニも生まれたといい、突き当たりのロドリゴ・デ・トリアーナ通りにはマヌエル・ベタンソスのスタジオ(かつてはマノロ・マリンのものでした)もある、フラメンコな通り。セビージャ市としても、フラメンコの故郷としてのトリアーナをクローズアップすることを後押ししていくとのこと。この日の午後には、サンタ・アナ教会横でペペ・トーレス、マヌエラ・カルピオらの出演でポレア・フラメンカ祭も行われましたが、こういったイベントが増えていくといいですね。   【アルヘシラスのパコ・デ・ルシア】 12月21日はパコ・デ・ルシアの誕生日。1947年生まれだから生きていれば77歳、喜寿だったのですね。10年前、66歳で亡くなってしまったけれど、彼が私たち、フラメンコを愛する者たちに遺したものはとても大きくて、忘れることはできません。 今年は、その誕生日を前にした12月20日、生まれ故郷のカディス県アルヘシラスで、彼の記念館「セントロ・デ・インテルプレタシオン・パコ・デ・ルシア」が開館しました。直訳するとパコ・デ・ルシア説明センター、になるのでしょうか。彼の博物館的なセンターで、私はまだ観に行けてないのですが、遺族から寄贈された写真やポスター、絵画などが展示されているようです。開館式には未亡人や遺児たちも列席したとのことです。 なお、その翌日にはアルヘシラスのフロリダ劇場で、パコを祝うコンサートが開催。セクステットでパコと共演したルベン・ダンタス、ホアキン・グリロ、ドゥケンデ、ニーニョ・ホセーレ、チョンチ・エレディアのほか、ホセーレの息子ホセ・エレディアらが出演しました。 公演の出演者たちも、早速セントロを訪問しました。 チョンチ、ルベン、ホアキン、ニーニョ・ホセーレら©︎ J.L. Lara 左からホアキン・グリロ、ホセ・エレディア(ニーニョ・ホセーレの息子でピアニスト)、ニーニョ・ホセーレ、©︎ J.L. Lara   また、27日には、センター内のホール、ラ・カサ・デ・パコにおいて、パコの甥、ホセ・マリア・バンデーラと歌も歌うフラメンコ・ピアニスト、ディエゴ・アマドールによる『パケアンド』公演も行われました。この二人がパコの曲を演奏するこのコンサート、2021年初演で、現在もスペイン国内だけでなくモロッコなど世界各地で上演され続けています。2021年に観た時、CDなどに録音された曲ではなく、ライブでの演奏をベースにしていることに感動した覚えが。ホセ・マリアはおそらく最もパコに近いギタリスト。最初の音がパコそのものでした。 【小島章司に西日財団賞】 12月16日マドリードのテアトロ・レアル内のサロンで、第11回西日財団賞の授賞式が行われました。スペイン・日本・シンポジウム開催を主な目的として2001年に設立された西日財団は、2011年から様々な分野で日西関係に寄与した個人または団体に賞を授与しており、その今年度の受賞者に日本人フラメンコ舞踊家、小島章司が選ばれたのです。これまでに羽生結弦選手や富士通が受賞してきたこの賞の授賞式のため、マドリードに飛んだ小島は、「グレコやベラスケス、ピカソといったスペインの芸術家から踊りのインスピレーションを得てきました。100回生きたとしても心はいつもスペインにあります」とスピーチ。会場には中前在スペイン日本大使や、小島の旧友であるメルチェ・エスメラルダやラ・ウチらも姿を見せ、受賞を祝いました。 左から小島章司、財団理事長、中前大使。撮影/西塚テレサ 左からメルチェ・エスメラルダ、ラ・ウチ、小島、ホアキン・サン・フアン。撮影/西塚テレサ   【筆者プロフィール】 志風恭子(Kyoko Shikaze) /1987年よりスペイン在住。セビージャ大学フラメンコ学博士課程前期修了。パセオ通信員、通訳コーディネーターとして活躍。パコ・デ・ルシアをはじめ、多くのフラメンコ公演に携わる。   =====

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