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  • ペペ・トーレス&マヌエラ・バルガス グループ

    (sábado, 12 de agosto 2023) 2022年12月2日(金)~18日(日) Showレストラン「ガルロチ」(東京・新宿) 文/金子功子 Texto por Noriko Kaneko 写真/近藤佳奈 Foto por Kana Kondo 2022年5月から再開された、ガルロチでのスペイン人アーティストグループによるフラメンコ公演。その1年の締めくくりとなる舞台を務めたのは、フラメンコの名門家系に生まれ日本でも多くのファンから支持されるペペ・トーレスと、セビージャの名舞踊手イシドロ・バルガスの娘でスペイン国内外の舞台で活躍するマヌエラ・バルガスのグループだ。歌い手には、若手でありながら貫禄の歌声を持つヘレス出身のマヌエル・デ・ラ・ニナが参加し、ギタリストには数々の有名ダンサーとの共演実績があるベテランのエウヘニオ・イグレシアスが加わる。当初の予定ではここに来日経験の豊富なカンタオール、モイ・デ・モロンも加わるはずだったが、直前で体調不良となり残念ながら来日は叶わなかった。 今回取材鑑賞したのはAプログラム。通常より1名少ない編成でのステージとなったが、いざ舞台が始まるとその少なさを全く感じさせない密度の濃いパワフルなパフォーマンスが繰り広げられた。 第1部のオープニングの演目はマルティネーテ。マヌエルが張りのある歌声を会場いっぱいに響かせ、観客の心をつかむ。歌を感じたままに自然体で踊るマヌエラは、その佇まいにフラメンコに対する誠実さが表れる。ペペは持ち前のリズミカルで弾力のあるステップを披露し、ギターとカンテの白熱していく演奏とともにキレのある力強さを印象付けた。 ギターソロでは、エウヘニオが繊細な音色とゆったり情感あふれるメロディーのタランタを奏でる。中盤からテンポを上げると疾走感とともに新鮮な情景を楽しませてくれた。 また、第2部冒頭はカンテソロの予定だったが、4人によるフィエスタのような舞台を展開。踊り手のマヌエラから歌い始め、ステージ中央で意気揚々とブレリアを歌い踊りフェステーラぶりを発揮する。次いでペペもカンテを自在に歌い生き生きと踊り、ステージで際立った存在感を放つ。軽快なギター伴奏とともに、互いに息の合ったパフォーマンスで観客を楽しませた。 踊りのソロは、マヌエラが1部の即興プログラムでソレアを、2部はロマンセを披露。父親から受け継いだ名家のスタイルを大切にするような、歌やギターと調和がとれた踊りで観る者を魅了する。 ペペは1部がアレグリアス。チャコールグレーのスーツに少し緩めたネクタイが、小粋で格好いい。曲の冒頭から軽快なパルマを響かせ、飄々としながらキレの良い踊りと足さばきに観客の目は釘付け。2部のソレアでは抑揚のある踊りと超人的な足技で場内の空気を圧倒した。 対照的な持ち味が魅力の二人の踊り手の舞台を観て、改めてフラメンコの幅広い魅力と奥深さを堪能した。今回はイレギュラーな状況ではあったが、それでも個々のアーティストがその持てるパフォーマンスを最大限に発揮してくれたことで、人数に関係なくこんなにも素晴らしいステージが楽しめるのだということを証明した、心に残る公演だった。 【出演】 [バイレ]ペペ・トーレス(Pepe Torres)/マヌエラ・バルガス(Manuela Vargas) [カンテ]マヌエル・デ・ラ・ニナ(Manuel de la Nina) [ギター]エウヘニオ・イグレシアス(Eugenio Iglesias) 【プログラムA】 [1部] ・プレゼンテーション/マルティネーテ ・ギターソロ(エウヘニオ・イグレシアス) ・即興による演目(マヌエラ・バルガス) ・アレグリアス(ペペ・トーレス) ・フィン・デ・フィエスタ [2部] ・カンテソロ ・ロマンセ(マヌエラ・バルガス) ・ソレア(ペペ・トーレス) ・フィン・デ・フィエスタ 【プログラムB】 [1部] ・プレゼンテーション/タンゴ&ブレリア ・ギターソロ(エウヘニオ・イグレシアス) ・カンティーニャ(マヌエラ・バルガス) ・即興による演目(ペペ・トーレス) ・フィン・デ・フィエスタ [2部] ・カンテソロ ・タラント(マヌエラ・バルガス) ・セギディージャ(ペペ・トーレス) ・フィン・デ・フィエスタ >>>>>

  • 新・フラメンコのあした vol.6

    (lunes, 7 de agosto 2023) 20年以上にわたりスペインで活動するジャーナリスト東敬子が、今気になるスペインフラメンコのあれこれを毎月お届けします。今月もフェスティバル「フラメンコ・マドリード2023」から、若手フラメンコダンサーの舞台作品についてお伝えします。 文/東 敬子 Texto por Keiko Higashi 写真/ 宣材写真、東 敬子 Fotos / material promocional , por Keiko Higashi フリオ・ルイス『トカール・ア・ウン・オンブレ』 フェスティバル「マドリード・フラメンコ 2023」 セントロ・クルトゥラル・デ・ラ・ビジャ、フェルナン・ゴメス劇場、マドリード(スペイン) 2023年5月27日 Julio Ruiz “Tocar a un Hombre” Festival Madrid Flamenco Fernán Gómez. Centro Cultural de la Villa, 27 mayo 2023 Madrid. 『トカール・ア・ウン・オンブレ』というタイトル、グーグル翻訳では「男(オンブレ)に触れる」と、あからさま。けれど私は、「人間(オンブレ)に触れる』と訳したい。もしくは「愛に触れる」と。 30歳となったフリオ・ルイスが、出会いの中で「愛」というものに初めて触れる(気づく)、それによって起こる、心の波動が上下する様を、私たちはこの作品の中で自分のことのように追体験するのです。 ともあれシノプシスには、意味深なタイトルですが非常に分かりやすいビジュアルの画像が付いていて、しかも18歳指定と注意書きもあり、まあこの時点で、私はなんとなく予想がつきました。「ああ、多分、裸が出てくるな」と。 そう、コンテンポラリーダンスよろしく、モダンなフラメンコでは時々、作中で踊り手さんが裸になったりするんですよね(汗)。スペイン国立バレエ団の作品にもあったし、ラファエル・アマルゴ作品や、ロシオ・モリナ作品でもありました。慣れっこになっている私ではありますが、今回は小スペースでステージと客席がすごく近かったことと、私の席は最前列中央だったこともあり、目の前で見る「おしり」には流石に目のやりどころがありませんでした(笑)。 2023年5月マラガのフェスティバルで初演された今回の作品。10分前に会場に入ると、ステージにはすでに主役フリオと、この作品のパートナーを務める、コンテンポラリーダンサーで現在28歳のハビエル・デ・ラ・アスンシオンがいて、スペースの端と端に分かれて、それぞれの想いに耽っていました。 開演時間になると、彼らはおもむろにお互いの存在に気づき、最初は目配せを交わし、少しずつ距離を縮め、握手をし、笑い合い、その瞬間にふと触れた肩にお互いが驚き、戸惑い、やがて挨拶のハグが、気持ちを確かめる抱擁に変わり、そしてハビエルがその衣服を一枚ずつ脱いでいくと、フリオはステージ上に置いてあったフラメンコブーツを履き、ハビエルの裸の背中を、胸を、お腹を叩いてコンパスを取りながら、激しいサパテアードを繰り出すのです。 彼は語り出します。「大体、いつもこんなだよな」。街に出かけ、楽しい時を過ごし、でもその後には何があるだろう。いつも同じことの繰り返し…。そんな想いに囚われた彼は、多分いつもの様に、短かったハビエルとの仲を清算しようとします。でも、ハビエルはめげません。「僕ほど君を愛している者はいないよ」。彼はこの言葉を、これでもか!とフリオに繰り返します。 フリオは葛藤します。彼のサパテアードが再び炸裂します。本気になることへの恐れでしょうか。それとも束縛されることへの? けれどハビエルはめげません。ここは見習いたいところです。楽器を演奏したり、ラブソングを歌ったり。そしてフリオは遂にその熱意にほだされ、連れ戻され、二人のパワーバランスは逆転します。最後は二人で、TikTok動画風のセビジャーナスを踊ったりして、フリオの自由奔放だった独身生活は幕を下ろすのです。 コンテンポラリーダンサーとのコラボに、セリフがあったりと、フラメンコ舞踊作品と言い切るには、もう少しフリオのフラメンコを増やしてほしかったと言うのが、私の率直かつ一番言いたいことですが、フラメンコと言わず、ダンス作品、パフォーマンスとして観た場合は、とても面白かったなと思います。 まずはバイラオールとしてのフリオの才能。それが素晴らしい。上手いし、存在感もある。近年の若手では特出していると思いました。そして作品も、くだくだ回りくどくない。非常にストレートで、言いたいことが踊りの表現からダイレクトに伝わるし、だからこそ見る者が共感できる。 私はダンスをセリフで補うのは基本的に好きじゃないし、観客が会場に入ってくる時にはすでにステージが始まっている演出は、エバ・ジェルバブエナをはじめ色んな人がやったし、恋人の体を叩いてリズムを取ったりするコミカルで冒険的なノリや、「音楽」を最小限にした演出も、やはりロシオ・モリナ風ですよね。 ただ、こういった人達の作品を見て育った世代だから、そこに影響されたり、それを目指したりするのは仕方がないことだと思うし、それにも増して、疑う余地のないその才能に、私は期待して止みません。次の作品ではぜひ、もっと彼のフラメンコを見せてほしいと願うばかりです。 ちなみに、彼らのTikTok風セビジャーナスはこちら。みんなもやってみてね! https://www.instagram.com/reel/CtPfqkeIsXE/?igshid=MTc4MmM1YmI2Ng== 【筆者プロフィール】 東 敬子 (ひがし けいこ) フラメンコ及びスペインカルチャーのジャーナリストとして、1999年よりマドリード(スペイン)に在住し執筆活動を続ける。スペインに特化したサイト thespanishwhiskers.com(https://spanishwhiskers.com/?page_id=326)を主宰。 >>>>>

  • ★フラメンコnews☆

    まもなく開催!フラメンコ・ルネサンス21「新人公演」 (viernes, 4 de agosto 2023) 今年で第32回となる一般社団法人日本フラメンコ協会(ANIF)主催のフラメンコ・ルネサンス21「新人公演」が、まもなく開催されます。 「新人公演」は、ANIF設立当初よりフラメンコの実演者として活動することを目指す人のために、なかなか立つ機会の無い大舞台を経験してもらうことを目的として開催されてきました。すべての出演者を応援したいという主催の意向によりコンクールという形式ではなく、選考委員に選ばれた一定数の出演者に「奨励賞」が授与されます。 今年はギター部門2名、カンテ部門14名、バイレ(踊り)は群舞部門5組、ソロ部門56名の全77組が抽選等を経て出場を決め、各々が磨き抜いた技術と表現によるパフォーマンスを3日間にわたり披露します。 観覧方法は、会場観覧と配信視聴の2種類がありますので、チケットのお求めは各出演者か、または専用URLからインターネットで申込も可能です。 「フラメンコの甲子園」と語り継がれてきた夏の新人公演。この舞台に全身全霊を捧げて挑戦する出演者たちを、みんなで応援しよう! 第32回フラメンコ・ルネサンス21「新人公演」 【日程】2023年 8月11日(金祝)開場17:30/開演18:00ギター部門 カンテ部門 バイレ群舞部門 8月12日(土)開場16:00/開演16:30バイレソロ部門 8月13日(日)開場16:00/開演16:30バイレソロ部門 【会場】 東京・なかのZERO 大ホール(JR中野駅南口徒歩8分) 【チケット】 会場観覧チケット(自由席) ANIF会員4,000円/一般5,000円(各日)、座席予約券 2,000円 配信視聴チケット(収録配信)ANIF会員2,000円/一般2,500円(各日) 専用URL https://forms.gle/Z383VLF2AceMbrA57 【主催/問】一般社団法人 日本フラメンコ協会 公式LINE @flamenco_anif 電話 03-3383-0413 URL https://www.anif.jp ※出演者変更: ①B-54は常盤直生さんに変更となりました。 ②B-45川口真理子さんは欠場となりました。 >>>>>

  • 新連載:恋フラ in アジア 〜第一弾 香港編~

    (sábado, 29 de julio 2023) 国内47都道府県をすべて巡り、各地で着物姿でのセビジャーナスを撮影した動画「日本に恋した、フラメンコ」をYouTube上で2019年に公開したフラメンコダンサー永田健さんが、今度は日本を飛び出しアジアで撮影を展開! その撮影の様子を不定期連載でお届けします。 文/永田健 Texto por Ken Nagata 日本の名所を着物で踊る「日本に恋した、フラメンコ」を制作した永田健です。あれから3年。次はアジア版を撮りたいと思い、新しく「アジアに恋した、フラメンコ」をスタートしました。 その第一弾を、この6月に香港で撮影してきました。コンセプトは「香港の名所で、民族衣装=チャイナドレスでセビジャーナスを踊る」。 まずは街中を走る路面電車、香港トラムを貸し切って撮影。最大の心配ごとは雨でしたが、幸い晴れてくれました。しかし香港は6月ですでに猛暑なみの暑さで、朝9時の撮影開始時点ですでに湿気ムンムンです。 いざ動き出すと微妙に揺れてバランスを崩したりしますが、流れる高層ビル群を背景に撮影開始! 皆も次第に慣れてきて、暑い中何度も踊ってくれました。一回撮影しては休憩を取りながら、途中飲茶タイムも挟んで撮影を進めていきます。 11時にトラムでの撮影が終了。すでに全員汗だくでしたが、ここからフェリーに乗って海を渡り、高層ビル群が見える絶景スポット、尖沙咀(チムサーチョイ)へ。周りではヒップホップやタップダンスを踊っている人たちがいましたが、こちらも負けじと隣で撮影を進めます。 今回の撮影に協力してくれたのは、香港の教室Esencia Flamenca(Mariko Drayton主宰)。この日はクラスがあったので一旦中断して、夕方に再開しました。車で海岸沿いにある天后廟(Tin Hau Temple)へ。海の女神や長寿橋など、カラフルな像や建物が並んでいます。中心地から20分くらいですが、香港人にとって10分以上の移動は大移動のようで、参加者は少なめでしたが、素敵な場所でいろんなアングルで撮影ができました。 夕方でも全然涼しくならず、またもや汗だくに。撮影している僕も汗だくになり、エアコンで風邪を引きそうだったのでシャツを探したのですが、辺りはブランドショップしかない…。本当はなんでもよかったんだけど、5,000円のちょっとしたお買い物になってしまいました。 お金の話でいえば、今回改めて日本の物価安を実感しました。なかでも驚いたのがトラムの貸切料金で、2時間で5000香港ドル(=約9万円)。日本では47都道府県で撮影しましたが、一番高かったのがスカイツリー展望台でこちらも2時間で8万円。東京が安くなったのか、香港が高いのか?? 普通に乗車するとひとり3ドルなんですが…。 ちなみに今回の撮影費はクラウドファンディングで集めましたが、この時はちょうど募集の真っ最中でまだ30万円程度しか集まっておらず(最終的には130万円集まりました。支援してくださった皆様ありがとうございます)、香港だけでほぼ使い果たしてしまいました。とはいえ高いお金を払った甲斐あって、香港ならではのおもしろい映像が撮れました。 セビジャーナスの伴奏も、中国の琵琶(ピパ)で演奏してもらいました。日本の琵琶とは違って軽快な音を奏でます。主に伴奏に使われる日本の琵琶と違って、ピパはメロディーの演奏に多用されていたという背景があるようです。 衣装は伝統衣装=チーパオ(チャイナドレス)で踊ってもらいましたが、香港ではチーパオを着る習慣がないそうで、みんな撮影のために買い揃えてくれました。確かに、香港滞在中に一回もチャイナドレスを見ませんでした。そして撮影中は珍しいせいか、結構いろんな人に写真を撮られました。 初の海外撮影で、恋フラのコンセプトが受け入れられるか心配もありましたが、参加者も「チーパオで踊るなんて思いつきもしなかった。素晴らしいアイデア!」と喜んでくれてホッとしました。スペイン人ではなく、外国人だからこそ提案できることもあるのかもしれません。 この後、台湾、韓国、タイ、シンガポール、フィリピンなどを周り、アジア名所×フラメンコ映像を作りますが、その前に香港版の映像を編集&公開しました。 ぜひご覧ください。 「アジアに恋した、フラメンコ〜香港版」 https://youtu.be/eCQn5VmDybk 今後の活動についてはインスタグラム、永田健のSNSなどでも随時アップデートしていきます。 https://instagram.com/flamencoasia?igshid=OGQ5ZDc2ODk2ZA== 写真:川尻敏晴(今回ボランティアで来て頂きました。ありがとうございます!) 【永田健 SNSアカウント】 YouTube https://www.youtube.com/c/KenNagataFlamenco Facebook https://www.facebook.com/ken.nagata.980 (友達申請される場合はflamenco fanを見たと一言メッセージください) 【プロフィール】 永田 健(Ken Nagata) 証券会社から社費でコーネル大学MBA留学するも中退してスペインに渡る。2013年新人公演にて満票で奨励賞受賞。2019年に日本を一周して撮影した「日本に恋した、フラメンコ」をYouTube公開。マールボロ公式サイト映像出演中。 >>>>>

  • ★フラメンコnews☆

    フラメンコのクラシック傑作映画2作品が渋谷・梅田・神戸の映画館で限定上映! (jueves, 27 de julio 2023) 昨年12月に2⽇間限定で新旧フラメンコ映画の傑作を上映したラテンビート映画祭 presents『フラメンコ!フラメンコ!フラメンコ!』が、この度映画館での再上映を熱望する多くのリクエストを受け、その中でも特に⼈気の⾼かったクラシック映画2作品を、ヒューマントラストシネマ渋⾕、シネ・リーブル梅⽥、シネ・リーブル神⼾の3劇場にてアンコール限定上映することになりました。 今回上映されるのは、1953 年カンヌ国際映画祭に出品されて特別賞・ダンス賞を受賞し"史上最⾼のフラメンコ映画"との世界的評価を集めるドキュメンタリー映画『フラメンコの魔性と神秘』と、2 度のアカデミー賞外国語映画賞ノミネートで知られるフランシスコ・ロヴィラ・ベレタ監督が脚⾊も⼿掛けて描いた悲恋のミュージカル・ラブストーリー『ロス・タラントス 〜バルセロナ物語〜』の 2 作品。 昨年見た方も見逃した方も、今回初めて知った方も、この機会にぜひ映画館でフラメンコ映画の傑作を体感してみてください︕ ラテンビート映画祭 presents 『フラメンコ!フラメンコ!』 <上映スケジュール> ●ヒューマントラストシネマ渋谷:7/28(金)~8月10日(木) (7/28〜8/3『フラメンコの魔性と神秘』、 8/4〜10『ロス・タラントス~バルセロナ物語~』 *各日1回上映) ●シネ・リーブル梅田:7/28(金)~8月10日(木) (7/28〜8/3『フラメンコの魔性と神秘』、 8/4〜10『ロス・タラントス~バルセロナ物語~』 *各日1回上映) ●シネ・リーブル神戸:8/4(金)~8月17日(木) (8/4〜10『フラメンコの魔性と神秘』、 8/11〜17『ロス・タラントス~バルセロナ物語~』 *各日1回上映) ※上映料金は各劇場の通常料金。前売り券の販売はありません。 ※割引情報については、ラテンビート映画祭SNS(Facebook、Twitter)でご確認ください。 ※上映スケジュール・料金などの詳細は、各劇場ホームページにてご確認ください。 ヒューマントラストシネマ渋谷:https://ttcg.jp/human_shibuya/price/ シネ・リーブル梅田:https://ttcg.jp/cinelibre_umeda/price/ シネ・リーブル神戸:https://ttcg.jp/cinelibre_kobe/price/ [公式URL] https://www.lbff.jp/ >>>>>

  • 森山みえフラメンコ舞踊団公演

    ¿Dónde está la princesa? ~王女様はどこに行った?~ (viernes, 21 de julio 2023) 2022年12月3日(土) 小岩アーバンプラザホール(東京) 文/金子功子 Texto por Noriko Kaneko 写真/荻久保次郎 Foto por Jiro Ogikubo 今回で7作目となった舞踊団公演は、昨年10月に上演された前作から約1か月強という実に短い期間で準備が進められた。原作はオードリー・ヘプバーン主演による不朽の名作として知られる映画『ローマの休日』。そこにフラメンコ舞踊作品としてオリジナルのアレンジを加え、原作の設定にとらわれないユニークなストーリーに仕立てた。曲の前後にナレーションを取り入れることで、観客が分かりやすく舞台を楽しめる工夫も施されていた。 物語の舞台となったのは、原作のイタリア・ローマに代わってフラメンコの本場であるスペイン・アンダルシア。王女の行き先は欧州の親善旅行からスペイン留学へと変わり、新たに王女の婚約者という配役も設定した。さらにロマンスのお相手となるアメリカ人新聞記者は、日本人フラメンコダンサーへとキャラクターも変更。また、スペインで現地レポートを行う女子アナ役をキャスティングすることで、芝居の中で首尾よくナレーションとしての役割を担当させた。 作品の内容としては、物語の場面に沿ってソロやパレハ(ペア)、群舞で様々な曲種のフラメンコ舞踊を取り揃えた。主役のアン王女を演じる森山は舞台の1曲目でペテネーラをソロで披露し、赤のバタデコーラと黒のマントン(ショール)で王女の存在感と気高さ、そして国を救うための政略結婚を憂う苦悩を表現。王女の相手役である永田は、配役も地のままフラメンコダンサーというだけあり、バストン(杖)を使ったキレのあるシギリージャを踊り、正確なコンパスと巧みな足技を魅せつけた。二人はセビジャーナスやアレグリアス、ファルーカをパレハで舞い、出逢いから別れまでのロマンス・シーンを好演した。 群舞では、春祭り会場のシーンで女性団員によるセビジャーナスが繰り広げられ、華やかな場面を演出。祭りはそのままカジェ(小道)でのブレリアへと続き、舞台中央へと移動したミュージシャンたちによるギターとカホンの伴奏に合わせて歌う者あり踊る者あり、山本(将)も生き生きとしたパフォーマンスを披露した。また、行方不明になった王女を探すシーンではソレアポルブレリアで騒然とした雰囲気を表現し、効果的な演出を図った。婚約披露パーティーの場面では、ルンバの歌や演奏にハレオ(掛け声)も掛かり楽しそうなセッションが盛り上がり、続くグワヒーラの曲ではパーティーの主役である山本(海)を招き華やかな舞いで婚約を祝福した。 踊りの場面以外にも、随所に音楽を生かした創作的な演出に好感が持てた。舞台セットを切り替える場面ではギターソロのグラナイーナで演奏を楽しませ、王女が行方不明になったシーンではカホンのソロで不安を誘うようなグルーブ感溢れるブレリアを披露。また、森山と永田のパレハによるアレグリアスでは、始まりにダニエルが弾き語りで名曲「テネシー・ワルツ」を歌い、恋する二人のシーンをさらに盛り上げた。 有名な作品をベースとして物語の展開も分かりやすく、ストーリーと合わせてフラメンコ舞踊や音楽も楽しめる作品となった今回の舞台。終演後には、休憩時間をはさんで教室の発表会も予定されていて、そのため発表会を観に来場した人が舞台作品も同時に観ることができる良い機会となった。普段はあまり馴染みのないフラメンコの舞台をより多くの人に観てもらう機会をこのような形で設けることで、新たにフラメンコに興味を持ってくれる人が増えてほしいという、森山の思いがその企画内容に表れている。今作のように親しみやすいテーマでカジュアルに楽しめる作品が少しずつでも増えていったら、フラメンコの認知度も上がっていくのではないかと期待している。 【プログラム】 1. とあるヨーロッパの小国の王女・アン(ペテネーラ) 2. 脱走(グラナイーナ) 3. ケン・ナガタ(シギリージャ) 4. 出逢い(セビジャーナス) 5. 祭りはまだ終わらない(ブレリア) 6. 言葉はいらないアンとケン(アレグリアス) 7. 王女様はどこに行った?(ソレアポルブレリア) 8. 婚約披露パーティー①(ルンバ) 9. 婚約披露パーティー②(グワヒーラ) 10. 王女様はどこに行った?(ファルーカ) 【出演】 主演・脚本・演出:森山みえ ギター:尾藤大介 カンテ:永潟三貴夫、ダニエル・アスカラテ パーカッション:朱雀はるな バイレ:永田健、山本将光、山本海、ドミンゴ、篠崎麻由美、富松真佑子、森山みえフラメンコ舞踊団 >>>>>

  • ★フラメンコnews☆

    影山奈緒子&小林泰子ドブレリサイタル 『Así soy yo』新宿ガルロチで開催! (viernes, 14 de julio 2023) それぞれに個性的な魅力あふれる舞踊スタイルが人気のフラメンコダンサー、影山奈緒子さんと小林泰子さんによるドブレリサイタルが、この秋ガルロチで開催されます。スペシャルゲストダンサーには、京都を拠点に活躍し大勢のファンを集めるSIROCOさんと奥野裕貴子さんも出演。素晴らしいミュージシャンらとともに、東西のフラメンコの熱い共演が繰り広げられます。 予約開始は7月18日(火)午前10時からですので、興味のある方はお早目のご予約を! 影山奈緒子&小林泰子リサイタル 【Así soy yo con SIROCO y YUKI】 [日時] 2023年9月 9日(土)Open 17:30 / Start 18:30 9月10日(日)Open 17:00 / Start 18:00 (※両日で開場、開演時間が変わりますのでご注意下さい。演目も両日で異なります。) [会場] 地中海料理&ワイン ショーレストラン ガルロチ(東京・新宿) [チャージ] (全席指定/お食事&ワンドリンク付) スーパープレミアムシート 10,000円 プレミアムシート 8,500円 一般席 7,500円 ※スーパープレミアム、プレミアムシートには限りがあります。先着順のご予約となります。 ※チャージはご予約後、1週間以内にお振込となります 〈出演〉 (B) 影山奈緒子、小林泰子 (Special Guest) SIROCO、奥野裕貴子 (C) 川島桂子、水落麻理 (G) 徳永健太郎 ※B=踊り、C=歌、G=ギター [予約受付開始] 2023年7月18日(火)10:00AMよりメールにて [予約用メールアドレス] asisoyyo2023special@gmail.com (事務局) ご予約メールには以下の事項をご記入下さい。 ・ご予約者名(複数の場合は代表者名) ・ご予約人数 ・ご希望の日と席種(第一希望、第二希望まで) ・ご連絡先(メールアドレス・携帯番号) ✳︎ご予約メール受付後、事務局よりご予約確認及びチャージ振込先をメールにてご連絡致します(事務局からの確認メールが3日経っても届かない場合はestudiocuna@gmail.com カゲヤマまでメール下さい) ✳︎予約確認メール受信後、1週間以内にチャージのお振込をお願い申し上げます。 〈キャンセルに関して〉 公演2週間前までにキャンセルのご連絡を頂いた場合は全額返金致します。それ以降のご連絡の場合は、チャージの全額分のキャンセル料が発生致しますのでご返金は致しかねます。但し、代わりの方へのご予約の譲渡は可能ですので、ご予約者名が変更となる場合は必ず事務局にご連絡下さい。 >>>>>

  • ★フラメンコnews☆

    間もなく開催!今度のGarlochiフラメンコショーは マリア・モレーノ&フアン・アマジャ“エル・ペロン”グループ! (domingo, 16 de julio 2023) 東京・新宿にある地中海料理とワインが楽しめるショーレストラン、ガルロチ(旧エル・フラメンコ)で今月末からスタートするフラメンコショーに、マリア・モレーノ&フアン・アマジャ“エル・ペロン”グループが出演します。 マリア・モレーノはカディス出身のダンサーで、今年のフェスティバル・デ・ヘレスで自身の舞台作品が大好評を博すなどその活躍が注目され、日本でも人気のバイラオーラ。フアン・アマジャ“エル・ペロン”は、2017年のガルロチ初出演でそのオリジナリティと芸術性あふれる踊りで多くのファンの心をつかみ、その時に共演したマリアと共に今回2度目のガルロチ出演となります。 歌い手には昨年のガルロチ出演で連日観客を沸かせたミゲル・ラビと軽快なグルーヴ感を聴かせるマヌエル・デ・ヒネス、ギターには前回に続いて再共演となる美しい音色が魅力のホセ・ルイス・メディナが出演。プログラムもA・Bと2種類用意され、どちらも見応えのあるステージが楽しめそう。 7月30日までは先行割引の特典があるので、予定されている方はお早めのご予約を! マリア・モレーノ&フアン・アマジャ“エル・ペロン”グループ [期間]2023年7月31日(月)~8月15日(火) [会場] Show レストランGARLOCHÍ (東京都新宿区新宿3-15-17 伊勢丹会館6F) [出演] バイレ(踊り) マリア・モレーノ/フアン・アマジャ“エル・ペロン” カンテ(歌) ミゲル・ラビ/マヌエル・デ・ヒネス ギター ホセ・ルイス・メディナ [予約・問] WEB: https://t.livepocket.jp/t/maria_pelon Email:  garlochilive@gmail.com >>>>>

  • ★フラメンコnews☆

    田村陽子主演フラメンコ公演 『La Serpiente ~蛇になった女~』 (miércoles, 12 de julio 2023) 当サイトのWEBマガジンにて『アルテの泉 ~La Fuente del Arte~』を連載中のフラメンコダンサー、田村陽子さんが主演し構成・演出を手掛ける劇場公演が、11月に東京で上演されます。元々は2020年に「舞踊生活25周年記念公演」として上演予定でしたが、コロナ禍の影響による延期を受け3年越しの実現となりました。 長年在籍していた舞踊団を退団後「いつかは絶対に発表したいとずっと温めてきた」という「安珍と清姫の物語」を原案とするオリジナルストーリーで、女の情念や蛇への化身、炎など、和の題材に洋風アレンジを加えた創作フラメンコ公演となります。振付には田村さんとともに、スペインより招聘する共演のヘスス・オルテガ、クリスティアン・ペレスの両氏も加わり、国内で活躍中のアーティストらによるパフォーマンスにも注目です。 独創的でドラマティックな舞台を、ぜひ劇場でお楽しみください! フラメンコ公演 『La Serpiente ~蛇になった女~』 原案:安珍と清姫 [日時]2023年11月3日(金祝)17:30 開場 18:00 開演 [会場]東京・セシオン杉並ホール (東京メトロ丸ノ内線「東高円寺駅」「新高円寺駅」) [助成]スペイン舞踊振興MARUWA財団 令和2年度 助成事業 [後援]スペイン大使館、一般社団法人 現代舞踊協会 [出演] Baile 踊り 女:田村陽子 男:Jesús Ortega 炎:Cristian Pérez 妻:浅見純子 正木清香 ヴォダルツ・クララ 久保田晴菜 脇川愛 松田知也(小島章司舞踊団所属) 中原潤 Cante 唄 : Rosario Amador/Paco El Plateao Guitarra ギター:Ramón Amador Violín バイオリン:平松加奈 Percusión パーカッション:海沼正利 [料金] S席12,000円 A席11,000円 [予約・問] ・メール:laserpiente1103@gmail.com ・メッセンジャー または各出演者までお願いいたします。 ※名前、席種、枚数、チケット郵送先をご記入の上、お申込みください。 >>>>>

  • カンテフラメンコ 奥の細道 on WEB No.26

    (lunes, 10 de julio 2023) 文/エンリケ坂井 Texto por Enrique Sakai カンティーニャの乗り 前回書いたように、カンティーニャの乗りと言ってもひと通りではない。 アレグリアス・デ・カディスのように、というよりは普通のソレアーのようにと言った方が解りやすいかもしれないが、12拍子の基本的な乗り方、つまり1拍目くらいから始まって10拍目くらいで終わり、2拍休む1コンパスの中に1行の歌詞を歌い込むという乗り方がひとつの方法だ。 これはフラメンコをある程度学んだ人には説明する必要も無いと思うが、もうひとつの方法は果たしてちゃんと書く事ができるのか、またそれを読んで理解してもらえるのかあまり自信は無いが、できるだけ解りやすく書いてみよう。 この乗り方はブレリア・ポル・ソレアー(ソレア・ポル・ブレリアも同じ)のひとつの型のように、まるで6拍子のように歌い進むやり方だ。 但し、ブレリアのように歌う時は完全に6拍子になるのではなく(12拍子で歌う場合もある、念のため)12拍子を不動の土台としながら、その12拍子の6拍目と12拍目を灯台の灯りのようにメロディーの強拍と合わせて歌い進むことになる。 我ながら解りにくい説明だと思うが、文章で書くとこうなってしまうから、実際にどうなるかもう少し詳しく書いてみよう。 12拍子の土台を足と手(パルマ)で刻む方法(マルカールする)は、以下の通り。 (図A) 歌う時(踊りのために歌う時ではなく、歌だけの時)のパルマは複雑なことはしないので、①か②が普通だろう。(♩♩)というカッコの部分は、カンテソロの場合は踊り歌と異なり強く叩く必要はない。昔は揉み手をするがごとくシャワシャワとやったものだ。 さて、以下に書くのはアレグリアスの現代風のサリーダで、カマロンの第1集レコードから採譜した。 (図B) 同様のサリーダの低音型を、ペルラ・デ・カディスはカンティーニャのサリーダで以下のように歌った。 (図C) このサリーダを①のパルマの基本型、または②の変型のパルマと足を刻みながら歌ってみてほしい。最初は戸惑うかもしれないが、結局どちらのサリーダも6拍と12拍の強拍を基点としている事が体感として解ってくると思う。問題は、その乗りの感覚なのだ。 【筆者プロフィール】 エンリケ坂井(ギタリスト/カンタオール) 1948年生まれ。1972年スペインに渡り多くの著名カンタオールと共演。帰国後カンテとパルマの会を主宰。チョコラーテらを招聘。著書『フラメンコを歌おう!』、CD『フラメンコの深い炎』、『グラン・クロニカ・デル・カンテ』vol.1~32(以下続刊)。 ※CD『グラン・クロニカ・デル・カンテ』シリーズを購入ご希望の場合は、アクースティカ(https://acustica-shop.jp/)へお問い合わせください。(編集部) >>>>>

  • ★フラメンコnews☆

    今年は日比谷野音100周年記念! 真夏の夜のフラメンコ (sábado, 8 de julio 2023) 1971年より始まったフラメンコの夏の風物詩、今年で第52回を迎える「真夏の夜のフラメンコ」が東京・日比谷野外大音楽堂で開催されます。 「野音」の愛称で多くの人に親しまれるこの会場も今年創立100周年を迎え、今回は特別企画「日西民族舞踊の祭典」として、和太鼓「英哲風雲の会」と「東京高円寺阿波踊り」との共演や、本場スペインから招聘したダンサーや第4回全日本フラメンココンクールの入賞者・ファイナリストも出演、さらに個性豊かな群舞による舞台もあり、日本とスペインそれぞれが誇る芸術芸能の素晴らしい競演が楽しめます。 なお、野音は来年度から老朽化による建て替え工事が始まってしまうため、もしかしたら現在の建物での開催は今回が最後となってしまうかも…。これまでいくつもの歴史や伝説を重ねてきた野音での真夏のフラメンコを、ぜひ会場でお楽しみください! 小松原庸子スペイン舞踊団 第52回野外フェスティバル 『真夏の夜のフラメンコ』 野音100周年特別企画「日西民族舞踊の祭典」 [日時]2023年7月29日(土) 16:30開場/17時開演 ※雨天決行 [会場]東京・日比谷野外大音楽堂 [出演] クリージョ ディエゴ・オルミエール ルベン・ロホ 鈴木敬子 鈴木眞澄 笹岡洋子 鶴 幸子 森山みえ 松 彩果 大沼由紀 渡部純子 蜂須夕子 堀江朋子 斎藤恵子 田村陽子 ベニート・ガルシア 小谷野宏司 三枝雄輔 第4回全日本フラメンココンクール入賞者&ファイナリスト(50音順) 内田好美(優勝) 平田かつら(小松原庸子特別賞) 青木ルミ子 石黒裕子 大江智子 鎌田奈津 栗原正子 吉海江 陽 石田久乃(第3回全日本フラメンココンクール優勝) 中島朋子 北山由佳 松尾美香 玉沖朋子 藤川淳美 関 真智子 横山さやか 東京シティ・バレエ団 渡部一人 石井智也 カデーナフラメンカ ラティドスフラメンコス ともだち列車たからもの号 森山みえフラメンコ舞踊団 カンテ 有田圭輔/三枝雄輔 ギター 髙橋紀博/宇田川卓俊 [料金]全席指定(税込)S席8,000円、A席7,000円、B席5,000円、ペア席5,000円 [予約]ローソンチケット(Lコード32771)、チケットぴあ(http://pia.jp/)、セブンイレブン店頭販売(Pコード519-476) [主催・問]ソル・デ・エスパーニャ TEL:03-3314-2568 Email:flamenco@komatubara.com URL: http://komatubara.com/ >>>>>

  • Flamencofanインタビュー:カニサレス

    (jueves, 6 de julio 2023) かつてパコ・デ・ルシアのセカンドギタリストを10年間務め、その美しい演奏と超絶テクニックで世界から注目されるギタリスト、カニサレスの来日公演ツアーが間もなく始まります。公演に先立ち、今回のツアー内容や先日発表された新作アルバムについてお話を伺いました。 聞き手/金子功子 Entrevista por Noriko Kaneko 通訳/小倉真理子 Interpretación por Mariko Ogura (写真/© Amancio Guillén)カニサレスとフアン・カルロス・ゴメス(左)の2ショット ――今回は5年振りとなる待望の来日公演です。本公演の聴きどころや、お客様にどういうところを楽しんでほしいかなどをお聞かせいただけますか? カニサレス:これまではカルテットやクインテットでの来日公演が多かったのですが、今回は初めてのギターデュオ公演です。ギター2本だけの編成なので、その分みなさんとの距離も近く、すごくクローズドなところで一緒に音楽を楽しめる形になるかと思います。聴きどころとしては、セカンドギタリストのフアン・カルロス・ゴメスとの演奏の掛け合いや、対話のような部分を楽しんでいただけたら嬉しいです。 ――公演のプログラムついてですが、選曲のポイントや構成について教えていただけますか? カニサレス:今回のプログラムは2部構成としています。第1部では3つの組曲から抜粋した曲を演奏しますが、これらは全て私が作曲したギターとオーケストラのための協奏曲を、ギター2本用に再アレンジしたものです。これらの楽曲は厳密な意味でのフラメンコ曲ではありませんが、それでもフラメンコのエッセンスやリズムが随所に含まれているので、そうしたクラシックとフラメンコの融合を楽しんでいただけると思います。第2部は、ロドリーゴの「アランフェス・マ・パンセ」やファリャの音楽など、スペインのクラシック界の大御所の素晴らしいギター音楽や、ピアノ曲を私がギター用に編曲した作品を演奏します。スペイン・クラシックからスタートして、中盤からは私の作曲したフラメンコ楽曲を中心に演奏してクライマックスへ向かいます。全体を通じて、オーケストラとの協奏曲のギターアレンジ曲や、スペイン・クラシックからフラメンコへと、幅広いレパートリーをお楽しみいただけると思います。 ――今回のツアーの千葉公演では、スペシャルゲストとしてフラメンコ舞踊家の佐藤浩希さんが出演されます。彼との共演に至った経緯や、どのような演出を予定されていますか? カニサレス:浩希さんとは以前から知り合いでしたが、今回が初めての共演となります。彼がフラメンコを踊るところは何度も観ていまして、素晴らしいアーティストだと常々思っていました。今回の日本ツアーで特別ゲストを招待しての公演が決まった時に、初めに思い浮かんだのが彼だったので、この機会に共演したいと強く思いお願いしました。常々思っていることですが、日本とスペインという離れたふたつの国で、お互いが同じ芸術に関わり、ひとつのところを目指しているというのは素晴らしいことだと思います。各々の環境で育まれたものが1つの舞台に集結して何か新しいものを生み出すという過程は、きっと素晴らしいもの違いないと確信しています。そうした「フラメンコ」という音楽を通しての、二人の人間同士の交わり合いのようなものをお楽しみいただければと思っています。 ――日本人ダンサーとの共演は初めてですか? カニサレス:日本人の踊り手や歌い手の方にパルマの演奏をお願いしたことはありますが、踊りとの共演は初めてです。来日の際には、私のグループのダンサーが同行していましたので、これまでそうしたチャンスがありませんでした。今回はギターデュオの編成での来日ツアーですが、思いがけずこのような素晴らしい共演の機会が生まれることになり嬉しく思っております。 ――今回の公演では、新作アルバム『アル・アンダルス協奏曲 ~パコ・デ・ルシアに捧げる』が、8月の日本国内リリースに先立ち会場で先行発売されます。この作品についての思いを、お聞かせいただけますか? カニサレス:このアルバムは、私にとってとても特別な作品です…。この作品を作曲していた時のことですが、ある日の朝5時半頃に電話が鳴りました。それはカニサレスモデルのギターを制作してくれている、ギター職人のビセンテ・カリージョからでした。その早朝の電話で、パコがメキシコで急死したことを知りました。あまりに衝撃的な出来事で、電話を切った後もずっと信じられずにいました…。この作品は、まさにその瞬間に生まれたものだと自分では認識しています。この作品の中で自分が書いたすべての音は、私の目から零れ落ちた涙の雫であり、第2楽章にそれが特に強く表れていると思います。パコの葬儀では、私はその棺を肩に担いで教会まで歩いていきましたが、その時の一歩ずつの歩みを音楽で表した部分が第2楽章の中にあります。そういう背景を知っていただいた上で聴いてもらえると、この作品が大きな哀しみに溢れたものであり、心を揺さぶる音楽だと感じていただけると思います。このように、親友であり師匠であるパコを失った哀しみから生まれた作品ではありますが、作品はただ辛い思い出を語るだけのものではありません。第3楽章の最後の部分のタンギージョ・デ・カディスでは、パコと共に過ごした楽しかった思い出も込められています。彼はジョークが好きで、いつも笑いが絶えませんでした。ですから、哀しみに溢れた作品ではありますが、明るい思い出の中にいる彼の姿も表現したかった。タンギージョ・デ・カディスはパコと一緒に演奏した曲でもあるし、その中で彼の作品の有名なメロディーを少しアレンジしたものを、オマージュとして取り入れています。 ――それでは最後に、日本でフラメンコを楽しんでいるファンの皆様に向けてメッセージをお願いします。 カニサレス:まずはみなさん、健康を大事にしてください。そして音楽を通じて揺り動かされる心の動きを大事にしていただいて、そこから幸せを感じてほしいと思っています。 ――ぜひ多くの皆さんに、会場で演奏を楽しんでいただきたいと思います。 カニサレス:どうもありがとうございます。 【カニサレス来日公演2023総合サイト】 https://www.plankton.co.jp/canizares/index.html 【公演スケジュール】 7/09(日)所沢市民文化センター ミューズ キューブホール[完売] 7/12(水)兵庫県立芸術文化センター 神戸女学院 小ホール [完売] 7/13(木)フェニーチェ堺 小ホール 7/15(土)東海市芸術劇場 多目的ホール 7/16(日)浜離宮朝日ホール [完売] 7/18(火)船橋市民文化ホール ※スペシャルゲスト:佐藤浩希(フラメンコ舞踊) 7/20(木)フィリアホール(横浜市青葉区民文化センター) [総合問合せ] プランクトン 03-6273-9307(平日13~17時) https://plankton.co.jp/canizares/ 【新作アルバム情報】 カニサレス『アル・アンダルス協奏曲〜パコ・デ・ルシアに捧げる』 2023年作品 2023年8月23日発売 VITO-483/¥3,000税抜(¥3,300税込) 解説:鈴木大介 発売:PLANKTON 【プロフィール】 フアン・マヌエル・カニサレス/1966年スペイン東部カタルーニャ生まれ。16歳のとき、権威あるナショナル・ギター・コンクールで優勝。プロの道を歩みはじめる。88年から巨匠パコ・デ・ルシアのバンドに参加し、セカンドギタリストとして10年間活動する。1990年にパコのバンドメンバーとして初来日。1997年に『イマンとルナの夜』でアルバム・デビュー。ジャズ、クラシック、ロックなど、あらゆる要素を吸収した演奏と華やかなアレンジでフラメンコ界に新風を吹き込み、絶賛を浴びた。 ギタリストとしてだけでなく、作曲家としても才能を発揮。スペイン国立バレエの作品や映画音楽の作曲を手掛け、近年はアルベニス、グラナドス、ファリャやスカルラッティの楽曲をギターに編曲したクラシック音楽のソロ・アルバムを立て続けに発表する。 2011年、世界最高峰オーケストラのベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と共演し、クラシック界でも大きな注目を浴びた。 2016年5月にパコ・デ・ルシアに捧げる、ギターとオーケストラのための協奏曲「アル・アンダルス協奏曲」を作曲し、スペイン国立管弦楽団とスペイン国立音楽堂にて世界初演を果たす。 スペインの民俗舞踊「ホタ」を取り上げたカルロス・サウラ監督の映画『J:ビヨンド・フラメンコ』(2017年日本公開)にも出演、その演奏がフィーチャーされた。 2018年2月には8年ぶりの全曲オリジナルによるフラメンコの新作ソロ・アルバム『洞窟の神話』を発表。同年9月にクインテット編成の来日ツアーを成功させた。 2019年発表のアルバム『カニサレスのロドリーゴ』では、アランフェス協奏曲第2楽章のアダージョ「アランフェス・マ・パンセ」や、ロドリーゴ氏の未発表作「夕暮れのプレリュード」が初収録されスペインで大きな話題となる。 2023年5月、自身の作曲によるギターとオーケストラとの協奏曲を収録した新作アルバム『アル・アンダルス協奏曲』をリリースした。(同年8月に日本国内発売予定) >>>>>

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