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- アーティスト名鑑vol.8
(miércoles, 21 de febrero 2024) スペイン在住30年以上、多数の一流フラメンコ・アーティストらとも親交のあるフラメンコ・ジャーナリスト志風恭子が、歌・踊り・ギターそれぞれの代表的アーティストらのプロフィールをピックアップ。過去の取材で撮影した写真や、チェックしておきたい動画などもご紹介します。 文/志風恭子 Texto por Kyoko Shikaze ミゲル・ポベーダ(カンテ) サラ・バラス(バイレ) ビセンテ・アミーゴ(ギター) Miguel Ángel Poveda León “Miguel Poveda” Barcelona, 13-2-1973 ミゲル・ポベーダ 本名ミゲル・アンヘル・ポベーダ・レオン 1973年2月13日バルセロナ生まれ オフィシャルWEB miguelpoveda.com 2009年アラアルのフラメンコ祭で ©︎ Kyoko Shikaze 今、一番スペインで有名なフラメンコ歌手といえば、この人。スペイン中の劇場や音楽フェスティバルで歌い、闘牛場を満員にするフラメンコ界きっての人気を誇る。ペーニャなどで歌い始め、1993年ラ・ウニオンのコンクールで優勝し一躍注目の的となる。後、各地のフェスティバルで活躍。小島章司と共演のため度々来日。またオーケストラとの共演やカタルーニャ語で歌う現代詩やスペイン歌謡、アルゼンチンタンゴを歌い、また他ジャンルの歌手と数多く共演するなど多彩で意欲的な活動で知られる。 2010年カンテ・デ・ラス・ミーナス国際フェスティバル ©︎ Kyoko Shikaze 【ビデオ】 オフィシャルYouTube www.youtube.com/@MiguelPovedaCanalOficial 2011年モライート伴奏でブレリア。 https://youtu.be/bnRGPewZfcQ?si=53AK6WqkXrzeMFOo 2010 Sevilla ©︎ Kyoko Shikaze Sara Pereyra Baras “Sara Baras” San Fernando, Cádiz, 25-7-1971 サラ・バラス 本名サラ・ペレイラ・バラス 1971年7月25日カディス生まれ オフィシャルウェブ https://www.sarabaras.com/ 『ボセス』2015年カンテ・デ・ラス・ミーナス国際フェスティバル、ラ・ウニオン(ムルシア)©︎ Kyoko Shikaze クリアな靴音、観客を虜にする笑顔。いわゆる“華がある”、フラメンコを代表するスター。パリ、ロンドン、ニューヨークと、世界中の大舞台で踊り観客を魅了し続ける、スペインで最も有名なフラメンコ舞踊家。子供の頃からテレビやフェスティバルに出演し、1990年には新宿のタブラオ『エル・フラメンコ』出演のため初来日。帰国後はマヌエル・モラオのカンパニーを経て、アントニオ・カナーレスやエル・グイトの公演にゲスト出演。1998年自身の舞踊団を旗揚げし、これまでに『狂王女フアナ』など自ら振り付けた10以上の作品を発表。 『アルマ』2021年セビージャ、マエストランサ劇場 ©︎ Kyoko Shikaze 2021 ©︎ Kyoko Shikaze 【ビデオ】 アンダルシアの日のガラ番組で https://youtu.be/OytsAXG86N4?si=n2uyUaouRguCagut Vicente Amigo Girol Guadalcanal, Sevilla 25-3-1967 ビセンテ・アミーゴ 本名ビセンテ・アミーゴ・ヒロル 1967年3月25日セビージャ県グアダルカナル生まれ オフィシャルウェブ https://vicenteamigo.com 2009年 カンテ・デ・ラス・ミーナス国際フェスティバル ©︎ Kyoko Shikaze 歌うようなオリジナリティあふれるメロディライン、静寂すらも音楽に変えて語りかけてくるようなフラメンコ・ギターの詩人。セビージャの山間の町生まれのコルドバ育ち。8歳でギターを手にし、地元のギタリストやマノロ・サンルーカルに師事。1988年ラ・ウニオン、翌年コルドバのコンクールで優勝。91年に初のソロ・アルバムを発表。以後、2017年までに8枚のCDをリリース。また作曲家としてもレメディオス・アマジャ、ホセ・メルセらにヒット作を提供しているほか、エンリケ・モレンテら歌い手とのコラボレーション、他ジャンルのアーティストとの共演も多い。 2009年 カンテ・デ・ラス・ミーナス国際フェスティバル ©︎ Kyoko Shikaze 2000年セビージャでの記者会見にて 【ビデオ】 2017年地元コルドバ観光局のプロモーション用に撮影されたビデオ https://youtu.be/xsnpTB740nw?si=yBjnYxq3_rhahIdj 1989年テレビ番組でカマロンの伴奏をする https://youtu.be/xRdPS3OWIi8?si=lzIVK04aqnunJpjC 【筆者プロフィール】 志風恭子(Kyoko Shikaze)/1987年よりスペイン在住。セビージャ大学フラメンコ学博士課程前期修了。パセオ通信員、通訳コーディネーターとして活躍。パコ・デ・ルシアをはじめ、多くのフラメンコ公演に携わる。 >>>>>
- アーティスト名鑑vol.9
(miércoles, 20 de marzo 2024) スペイン在住30年以上、多数の一流フラメンコ・アーティストらとも親交のあるフラメンコ・ジャーナリスト志風恭子が、歌・踊り・ギターそれぞれの代表的アーティストらのプロフィールをピックアップ。過去の取材で撮影した写真や、チェックしておきたい動画などもご紹介します。 文/志風恭子 Texto por Kyoko Shikaze ランカピーノ(カンテ) セラニート(ギター) エル・グイト(バイレ) Alonso Núñez, Núñez “Rancapino” Chiclana de la Frontera, Cádiz, 1945, ランカピーノ 本名アロンソ・ヌニェス・ヌニェス 1945年カディス県チクラナ・デ・ラ・フロンテーラ 祖母は歌い手ラ・オビスパ、兄オリージョ・デル・プエルト、息と歌い手のファミリーに育ち、子供の頃から歌い、アウレリオ・セジェスやマノロ・カラコールの薫陶を受け、マドリードのタブラオなどで活躍。77年コルドバのコンクール、マラゲーニャ部門優勝。81年初来日。古き良きカディスのカンテの味わいを伝える貴重な存在。息子ランカピーノ・チーコも歌い手。 【動画】 カナルスールのフラメンコ番組で歌ったマラゲーニャ・デ・メジーソ。伴奏はモライート。 https://youtu.be/0dXbYveKu1A?si=GUZTbzbikRLXjcB- Victor Monge Fernández “Serranito” Madrid, 16-7-1942 セラニート 本名ビクトル・ルイス・モンヘ・フェルナンデス 1942年7月16日マドリード生まれ http://serranito.com/ ギターは独学。12歳ですでにプロとして活躍。グループ、ロス・セラーノスと演奏し、芸名はここからきている。13歳でタブラオの前身で歌伴奏をし、劇場の専属などを経て、後、タブラオ、コラル・デ・ラ・モレリア等で演奏。1962年歌伴奏で、翌年にはソロでレコード録音。69年以降は超絶技巧のソリストとして世界を舞台に公演。パコ・デ・ルシア、マノロ・サンルーカルと三羽烏とも呼ばれた。1973年初来日、以後計5回来日している。 1989年ロシオ巡礼にてディエゴ・カラスコと ©︎ Kyoko Shikaze 【動画】 カナルスール、アンダルシアの日のガラでのブレリアの演奏。超絶テク健在。踊りはホアキン・ルイス。第2ギターにミゲル・リベラ、ホセ・カルロス・ゴメスらが参加している。 https://youtu.be/NNjAgErMtek?si=jlk5ccx7kM46FJqM Eduardo Serrano Iglesias “El Güito” Madrid, 5-7-1942 エル・グイト 本名エドゥアルド・セラーノ・イグレシアス 1942年7月5日マドリード生まれ Sevilla. 2015 Septiembre es flamenco©︎Antonio Acedo Bienal 芸名は彼が赤ん坊の時、姉がネグリト(色黒の子)と言えずグイトとなまったことから。子供の時から踊り多くの映画に出演。アントニオ・マリンに師事し12歳で代教。15歳頃からピラール・ロペス舞踊団でアントニオ・ガデスやマリオ・マジャらと踊る。退団後は自身のグループや、マリオとその妻カルメン・モーラとのトリオ・マドリードで、タブラオや各地のフェスティバル、劇場公演に出演。またスタジオ、アモール・デ・ディオスで長年後進の指導にもあたった。正確無比で美しい姿勢、特にその頭の位置は今も語り草。1987年小松原庸子の招きで初来日した。その絶品ソレアを見ずしてフラメンコ舞踊は語れない。 【動画】 カナルスールのフラメンコ番組でのファルーカ。 https://youtu.be/YoWzPExcH3A?si=LZ6_JSkCiS7QT19- 極めつきソレア。 https://youtu.be/9xYEcBskqQ4?si=P9WcVebUABOubnLO 【筆者プロフィール】 志風恭子(Kyoko Shikaze)/1987年よりスペイン在住。セビージャ大学フラメンコ学博士課程前期修了。パセオ通信員、通訳コーディネーターとして活躍。パコ・デ・ルシアをはじめ、多くのフラメンコ公演に携わる。 >>>>>
- アーティスト名鑑 vol.10
(miércoles, 17 de abril 2024) スペイン在住30年以上、多数の一流フラメンコ・アーティストらとも親交のあるフラメンコ・ジャーナリスト志風恭子が、歌・踊り・ギターそれぞれの代表的アーティストらのプロフィールをピックアップ。過去の取材で撮影した写真や、チェックしておきたい動画などもご紹介します。 文/志風恭子 Texto por Kyoko Shikaze マイテ・マルティン(カンテ) アントニオ・カナーレス(バイレ) ラファエル・リケーニ(ギター) María Teresa Martín Cadierno “Mayte Martín” Barcelona, 19-4-1965 マイテ・マルティン 本名 マリア・テレサ・マルティン・カディエルノ 1965年4月19日バルセロナ生まれ https://maytemartin.com アンダルシア出身の両親のもとフラメンコのレコードを聴いて育ち、10歳でカンテコンクールに出場。1983年からプロとしてペーニャやタブラオに出演。1987年ラ・ウニオンのコンクール。89年にはコルドバのコンクールのマラゲーニャス部門で優勝。1994年初CD『ムイ・フラヒル』を発表。以後、これまでに9枚のアルバムをリリース。ジャズ・ピアニストとの共演でラテンバラードを歌ったり、やピアノ・デュオと共演したり、マラガの詩人の詩を歌ったり、フラメンコだけに止まらない多彩な活躍で知られる。 【動画】 彼女のヒット曲 S.O.S。1994年のデビューアルバムで唯一フラメンコ曲じゃなかったものだが今に至るまで彼女のリサイタルのアンコール定番。 https://youtu.be/W__AzY3e6JA?si=o8WfIaDGM5AVcuif アレハンドロ・ウルタド伴奏でのグアヒーラ。2020年フランス、ニームのフェスティバルで。中南米起源の曲も得意とするところ。 https://youtu.be/MFu3lbWDmr0?si=ZBO7tYam_2FJxJy9 Antonio Gómez de los Reyes Sevilla 3-12-1961 アントニオ・カナーレス 本名アントニオ・ゴメス・デ・ロス・レジェス 1961年12月3日セビージャ生まれ 82年から85年までスペイン国立バレエ団在籍。退団後はパリの現代舞踊家マギー・マランとの共演を経て、クンブレ・フラメンカ、ラファエル・アギラール、ルイシージョ、マヌエラ・バルガスなどのカンパニーやタブラオで活躍。92年自らの舞踊団を結成。翌年発表した『トレロ』は100回以上公演を重ねるヒット作となった。95年スペイン文化省の舞踊プレミオ・ナショナル受賞。97年の『ベルナルダ』ではアントニオがベルナルダを踊るなど、女性役を男性舞踊手が演じ話題を呼んだ。テレビ出演などで一般にも広く知られる存在。 【動画】 1996年スペインのアカデミー賞であるゴヤ賞授賞式でソレア・ポル・ブレリアを踊る。歌にモンセ・コルテス他。 https://www.youtube.com/watch?v=XhhfYI8Ii9w Rafael Riqueni del Canto Sevilla, 16-8-1962 ラファエル・リケーニ 本名ラファエル・リケーニ・デル・カント 1962年8月16日セビージャ生まれ http://www.rafael-riqueni.com わずか14歳でコルドバのコンクールのギターソロ部門、ヘレスのギターコンクールで優勝。セビージャのタブラオ、ロス・ガジョスや各地のフェスティバルで研鑽を積み、1986年アルバム『フエゴ・デ・ニーニョス』を発表。以後、『ミ・ティエンポ』『セビージャ組曲』などをリリース。その繊細で優しく、美しい曲、そして演奏はスペイン国民楽派にも例えられる。病気のため一時、表舞台から遠ざかっていたこともあったが、2022年にはビエナルでヒラルディージョ賞を受賞するなど活躍、再評価されている。 【動画】 2023年ニューヨーク公演での演奏。曲は『コヒエンド・ロサス(バラを摘んで)』 https://youtu.be/BhghFPgBWD4?si=QBmdGUBAqScf6W-n 【筆者プロフィール】 志風恭子(Kyoko Shikaze)/1987年よりスペイン在住。セビージャ大学フラメンコ学博士課程前期修了。パセオ通信員、通訳コーディネーターとして活躍。パコ・デ・ルシアをはじめ、多くのフラメンコ公演に携わる。 >>>>>
- ArtistaЯ ~表現者☆~ ep.4
ep.4 奥濱春彦 Haruhiko Okuhama (lunes, 15 de abril 2024) 写真家・大森有起が、今を輝くフラメンコ・アーティストたちの真の姿を写す 脳で描くイメージをコントロールする。 ノイズを減らし、全身で深く意を感じながら。 全ての”美”は探究と研鑽の賜物。 目を惹きつけるのは形、ではない。 有言自在な人生を歩み、 一練習生の頃から知り合いのハルちゃんに、 アーティストとしての志向性を聞いてみた。 「美学とは」 客席から見た時の美しさ、 それは自分の身体だけではなく、舞台全体の空間を含めて。 身体が、そして音が自分に素直に心地良くあるように。 光る1つの筋が通り抜けているように、 本人は神聖ではないけど、せめて舞台では神聖でありたい。 形も音も。 全てのアートが好きです。 舞踊・演劇の舞台アートだけではなく、音楽も美術も全て。 心洗われる作品を観たとき、自分が救われた気持ちになるように、 そういう作品としての踊りが踊れるようになることが夢です。 >>>>>
- SHOJI KOJIMA FLAMENCO 2023「美は涙の海から」
(sábado, 13 de abril 2024) 2023年11月2・3日 東京芸術劇場シアターウエスト(東京・池袋) 写真/大森有起 Fotos por Yuki Omori 文/金子功子 Texto por Noriko Kaneko 日本フラメンコ界を代表する舞踊家のひとり、小島章司の劇場公演が2日間にわたり上演された。チケットは早々に完売し両日とも満員。客席にはフラメンコ愛好家の大人たちに混ざって、共演の北原志穂が指導する子供たちのグループも何組か見受けられた 公演名の『美は涙の海から』は、劇作家であり歌人の寺山修司氏の「涙は人間のつくることのできる一番小さな海です」という言葉から着想を得る。プログラムのあいさつ文の中で小島は「私が体験してきたたくさんの出来事や影響を受けた様々な事象を鑑み、それに依って心に深く刻印された心象を舞踊言語に置き換え深めていくという行為を作品に込めたい」と綴っている。 バッハの『無伴奏チェロ組曲 第5番 ハ短調』から舞台は始まる。敬愛する往年の名チェリスト、パウ・カザルスの演奏を通じてバッハの作品に触れてきたという小島の、カザルスへの思いを捧げる一曲。 マルティンの奏でるチェロの音色は海の凪のようでもあり、深海の世界をも想起させる。全てを慈しみ包み込むような重低音の響き。そこにギター、パルマ、カホンが加わり、フラメンコの彩りと音楽の厚みを与える。贅沢な五重奏のプロローグ。 小島と北原のパレハによる『赤い靴の少女の思い出』は、まだ小学生だった頃から小島に師事した彼女の、フラメンコの第一歩を踏み始めたその心象風景を表現する作品。 曲はカーニャ。向かい合う二人。小島がゆったりしたサパテアードを刻むと、北島が同じようにサパテアードで答える。続いて小島が少し複雑な足技を見せると、北島もその足技を繰り返す。そうやって少しずつ足の音数が増えリズムが複雑になっていく。その様子は個人レッスンのようで微笑ましい。 小島の踊りの充実ぶりは健在で、北原も師と同じ呼吸とリズムを感じながら寄り添うように踊る。そのうれしそうに見つめ合う姿から、久しぶりの師弟共演の喜びが伝わる。 そしてガルシア・ロルカの詩の朗唱。作品は『タマリット詩集』より「仄暗い死のガセーラ」。小島は椅子を後ろ向きにして、舞台の中央に置くと、その椅子の背にもたれてまたがるように座る。北原は黒の薄いベールのようなショールをまとって登場。ギター演奏の中、小島が詩を朗読し、北原が舞う。暗くも美しく神秘的で、今は亡きものたちへの小島の思いが舞台に広がる。 ミュージシャンらによる『間奏曲』で、作品の流れが展開する。 ギターが音楽の核となり、二人のカンテやチェロ、パーカッションの素晴らしいパフォーマンスが繰り広げられる。しっとりした曲調から一転アップテンポのルンバへと変化すると、チェロのパーカッシブな指弾きも入り、ギターソロもチェロのソロもノリノリのグルーヴ感溢れるテンション。命の喜びに溢れる一幕だ。 続いて、声楽家の上野富紀翁(ときお)による独唱。曲はスペインを代表する作曲家、マヌエル・デ・ファリャの歌曲『スペインの7つの古謡』から最終曲の「ポロ」。彼はスペイン音楽のコンクール出場にあたりスペイン歌曲などを小島に師事、優勝を果たした。そして今回がデビューの舞台だという。力強く張りのある声で堂々と歌い、才能ある若者の輝かしい未来を期待させる。 そして舞台はそれぞれのバイレソロへ。北原はアレグリアス。青いマントンを翻し、小柄ながらダイナミックに舞う姿は勢いがある。姿勢も美しく、手首の柔らかさがいい。踊り終えると、場内から盛大な拍手が上がった。 小島はシギリージャス・イ・マルティネーテ。漆黒の世界へと観客を誘う。 チクエロのギターサリーダからロンドロの歌。速めのミドルテンポの音楽を、たゆたうようなギターと表現豊かなカホンのリズムが彩る。上手側からダビが登場し、ややダミがかった野性的な歌声を響かせる。 舞台中央に立つ小島は気迫に満ち、力強さと繊細さが共存するサパテアードを打つ。いぶし銀の味わいと、内にみなぎる命のエネルギーに凄みすら感じる。踊り手としての尽きない情熱と並外れた集中力は、まさに生涯現役を貫く小島の強い意志の表れだ。 終演あいさつの後のブレリアでは温かい雰囲気の中、共演者に囲まれ北原と共に踊る姿は心から楽しそうだった。 素晴らしいミュージシャンらに支えられ、一貫して彩り豊かな音楽が流れていた今回の作品。休憩無しの約1時間10分、一つの大きな作品世界に包まれた至福の時間であった。 【出演】 小島章司(踊り/作・構成・演出) 北原志穂(踊り) チクエロ(ギター/音楽監督) エル・ロンドロ(カンテ) ダビ・ラゴス(カンテ) マルティン・メレンデス(チェロ) ペドロ・ナバーロ(パーカッション) 上野富紀翁(声楽) >>>>>
- 日本最大級の「パエリア・タパス祭り」横浜で開催!
(viernes, 12 de abril 2024) 日本最大級のスペイン料理の祭典「パエリア・タパス祭り」が、4月12日(金)~14日(日)の3日間にわたり、横浜赤レンガ倉庫で開催されます。 来場者の投票でパエリアとタパスの日本一が決まる「全国パエリア選手権」と「全国タパス選手権」も開催され、多くのスペイン料理店が参加します。 各店が腕を振るうスペシャルパエリアやタパスに舌鼓を打ちながら、各種用意されたスペインビールやワイン、カヴァも楽しめる、スペインの食文化をたっぷり満喫できる3日間です。 またイベントステージでは、「土屋乃予フラメンコスタジオ」と「松彩果フラメンコ教室Estudio Candela カンデーラ」によるフラメンコショーや、華麗にシェリー酒を注ぐ技術を持った専門家ベネンシアドールのショーなども楽しめます。 ようやく暖かな陽気となった春の週末を、美味しいスペイン料理とフラメンコで楽しんでみてはいかがでしょうか。 『パエリア・タパス祭り2024 in 横浜赤レンガ倉庫』 日時:2024年4月12日(金)・13日(土)・14日(日) 11時~20時(最終日は18時まで) ※雨天決行・荒天中止 会場:横浜赤レンガ倉庫(神奈川県横浜市) 総店舗数:約20店舗 入場料:無料(飲食代は別途) 購入方法:現金/タッチ決済/電子マネー(Suica・iDなど)/QRコード決済(PayPay、楽天Payなど) 公式サイト:https://www.ptfes.info/ 主催:日本パエリア協会/パエリア・タパス祭り実行委員会 >>>>>
- リレー連載:私の新人公演 -2023年の挑戦- 8
第8回 中里眞央 【バイレソロ部門/奨励賞】 (jueves, 4 de abril 2024) フラメンコを志し、さらに高みを目指すために目標として掲げられる大舞台、新人公演。 昨年の入賞者に、挑戦へのきっかけや本番までの道のり、自身の経験や思い、これから挑戦する人に伝えたいことなどを語ってもらいました。 第8回目は、バイレソロ部門で奨励賞を受賞した中里眞央さんです。 舞台写真/一般社団法人日本フラメンコ協会 提供 編集/金子功子 Edición por Noriko Kaneko 2023年8月、私にとって4度目の新人公演。 毎年カンテ部門とバイレ部門で出場していたが、前年に念願のカンテ部門で奨励賞を頂戴し、今回はバイレソロ一本に集中できることになった。 それぞれが置かれている状況によって、新人公演に臨む心は変わってくるだろう。 私は「挑むからにはもちろん獲りたい!」その気持ちがあったことは間違いなく、どうしたらより良い舞台を作り上げられるのか、常に考えながら取り組んでいた。 昨年受賞時のエッセイには、自分が舞台の主体となることの責任感、当事者意識、本番までに過ごし方の重要性について書かせていただいた。そもそも私が新人公演にエントリーした動機は、一人で舞台に立つ責任を負うためといっても過言ではない。私は舞踊団員として活動しており、ソロ活動はしていなかったので、基本的には先生方が責任を持ってくれている。その状態から、自分自身の軸をより育てたいと考えたことが大きかったのだ。 よって、今回書かせていただくこの文章のテーマも前回とほぼ同じではあるのだが、根底にある私のメンタルは去年とやはり違うように思う。私の捉え方、私の味わい方だ。 3月に、私はヘレスに行っていた。常日頃思いを馳せるその地で、前年にも新人公演で歌・踊り共に伴奏していただいたヘレスのギタリスト、マレーナ・イーホと師匠である佐藤浩希との3人でタラントを作った。 振りはあっという間に完成した。1時間のエンサージョ×二日間程度だっただろうか。新人公演で実際に踊ったほぼそのままのベースが、そのたった二日間で完成したのだ。 これまでの私はとにかく賞にこだわり、全員押しのけてでも私が奨励賞を取るんだ!という気持ちでいた。しかしこのタラントが出来上がって、実際に新人公演の直前にミュージシャンの皆さんと集合して練習できるようになってから、焦りや不安が完全に無くなり、ただその音に身を任せることができるようになった。 また、当日に同じスタジオから出る仲間がたくさんいて、その出番が続いていたこともあり、普段のリハーサルどおり皆の出番を袖で応援し、リラックスして本番を迎えることができた。 本番の記憶は、不思議とほとんどない。気付いたら全てが終わっていて、残った感情は「また来年」だった。 しかしいつもと違ったのはお客様の反応として「奨励賞を獲ると思う」と言っていただける数が段違いだったことだろうか。 あまりに皆様に言っていただけたので「もしかしたら奨励賞いただけるのかな」「兎にも角にも、みんなに喜んでいただけたならよかったな」そう思った。 そして受賞を知った時、私は動揺した。そもそもバイレでの受賞は念願すぎて放心状態になり、当たり前に訪れる喜びの感情に混ざって不安と恐れに襲われる、不思議な感情だった。 その後もそんな心のまま続々と現実の出来事が押し寄せてくる。それは周りの方々からのお祝いの言葉であったり、ねぎらいであったり。そしてあっという間の授賞式…には舞台の仕事のため出席することも叶わなかった。そんなこんなで手応えもないまま、正直なところ半年たった今もまだ実感が湧いていない。 これから新人公演に挑戦する人たちへ私の立場から言えることがあるとするなら、「出続けることが重要!」ということだろうか。 諦めなければ夢は叶うとか、努力は必ず報われるとか言いたいわけでは決してない。 私が念願であった奨励賞をいただけたことの理由の大半は運であるし、誰よりも人一番努力したわけでもきっとなく、ただ辞めなかったからこそいただけたことは間違いない。 受賞コメントとして、以下の言葉を日本フラメンコ協会に送らせていただいた。 「いつの間にか夢見るようになっていた新人公演。その受賞が叶った先、私にできる表現とは、フラメンコとはなんだろう。」 賞をいただいたことは幸運であり不運。 新人公演から卒業した今、それは私の背中にずっしりとのしかかっている。 満足せず、立ち止まらず、まずは9月20日のソロリサイタルに向けて、そしてさらにその先に向けて、私は歩みを止めません! 【プロフィール】 中里眞央(Mao Nakazato)/東京都出身。ARTE Y SOLERA所属。 2021年河上鈴子スペイン舞踊新人賞、2022年ANIF新人公演カンテ部門奨励賞、2023年全日本フラメンココンクールカンテ部門優勝。 スペイン3都市を巡る『カスティーリャ・ラ・マンチャツアー』、平成天皇皇后陛下の御臨席を賜った『Ay曽根崎心中(新国立劇場)』、Antonio Malena主催『XIII JEREZ OFF FESTIVAL 2024』などに出演。 そのほか、歌い手、踊り手として歌舞伎やミュージカルまで幅広く活動中。 【新人公演とは】 一般社団法人日本フラメンコ協会(ANIF)が主催する、日本フラメンコ界の発展向上のため、次代を担うフラメンコ・アーティストの発掘および育成の場として、1991年から毎年夏に開催されている舞台公演。 プロフェッショナルへの登龍門として社会的に認知される一方、「新人公演は優劣順位をつけるためのものではなく、新人へのエールを送るために存在する」という当初からの理念に基づき、すべての出演者が主役であるとの考えから順位付けは行われません。 バイレソロ、ギター、カンテ、群舞の各部門に分かれ、若干名の出場者に奨励賞、またはその他の賞が与えられます。 (*一部、ANIF公式サイトより引用) >>>>>
- リレー連載:私の新人公演 -2023年の挑戦- 9
第9回 凜 -Rin- 【ギター部門/奨励賞】 (jueves, 11 de abril 2024) フラメンコを志し、さらに高みを目指すために目標として掲げられる大舞台、新人公演。 昨年の入賞者に、自身の経験や思いを語ってもらいました。 第9回目は、ギター部門で奨励賞を受賞した凜 -Rin-さんです。 舞台写真/一般社団法人日本フラメンコ協会 提供 編集/金子功子 Edición por Noriko Kaneko まず、先の新人公演に際して私の推薦人となることにご快諾いただいた日本フラメンコ協会事務局長 瀬戸雅美さん、 手厚いサポートで本番の舞台へと導いてくださった沖仁さん、 どんなときも厳しく、ギターに向き合う姿勢を自らで以て示し、 遠く離れた今でも多大な影響を与えてくれる恩師アルベルト・ロペス氏に大きな感謝を表したい。 そして、いつも応援してくださる方々に支えられて立つことができた新人公演の舞台であり、 あの温かい拍手と名前を呼ぶ声援をこの先も忘れることはないと言える。 ひとつひとつ、時間をかけて御恩をお返ししていくことを誓うと共に、 これからという今日を生きるための決意を此処に記すことにする。 積雪を踏む。 繕うためのコンバースチャックテイラー70はその冷たさを間近に捉え、種(くさわい)を朧げに認めつつある。 きっと誰かが踏みつけた足跡を辿るだけ。 それがこの靴の傷みを抑える最適解なのは言うまでもなく、 無意識の内にすでにある雷同的思考に身を任せるのみで、 目的地へと続く点と点には心底関心がないのだと気づく。 目の前の偶然を蔑ろにして、積み重ねた末の今日という刹那を必然と呼ぶのなら 悔やんでも晴れることのない空に何を嘆こう。 2023年8月、リバティのシャツに咲く花は戦いでいた。 照りつける夏の太陽にまだ値打ちのない“現在(いま)”を射されて。 ときに“時間”は意味を持ちたがる。 過去と未来にまたがるだけの無関心。 その実、計り知れない緊張がそこにはある。 夢中になってギターを鳴らした17歳の日々に名前をつけてあげたかった。 あるはずもない約束を睨みつけ、現在(いま)に惹かれ囚われ生きていたあの日々に。 流麗を紐解けば孤独だった。 後悔があるとすればなんだろう。 あのときセミウィンザーに不向きなヴィンテージネクタイを選んでしまったことだろうか。 やむなくプレーンノットへ切り替えたが、何事も拵えは重要であることを痛感した。 (HUDDERSFIELELD FINE WORSTEDSの生地で仕立てた3ピースのモッズスーツがどこまでも演奏向きでないことはあえて触れないでおく。洋服の並木さん、いつもありがとうございます。) 斯くの如く人は誰しも後悔のもとに今を生きている。 過去というスペクトラム(連続性)に取り残されたまま、季節を求め彷徨い、償うことで未来を希うのだろう。 何者であるかの証明など必要なければ、誰が為に音を紡ぐこともない。 そこにあるのは「自惚れ」と書いた信念だけで、葬る随に化粧としてわずかに艶めくかぎりだ。 綺麗なままでお気に入りのページに挿んでいる忘れ去られた押し花のように、 頽れそうな瞬きの中でひどく饒舌に海馬を撫でられたなら— 岐路にまどろむ宵の口。覚悟は揺蕩うばかりで綺麗事を欲しがるものだ。 結露した月日は頬を伝い、過去を生きるほど現在(いま)に傷つくのだと知る。 輪郭を持たない今日という胚を満たすだけの藻屑さえあればいい。 継ぎ接ぎの理想を装えば、それはいつしか自己と化す。 物憂げをカラフルに彩るこの"未来"があるから、あの日夢中になれたことがきっとある。 懶に溶かした過去も、空を仰いだあの夜も。 全てを音に込めていく。 すでにそこに足跡があるように、見据えた先に赴いた者が必ずいる。 雪解けを待つか、轍を重ねるか、新たな標となるか。 履いた靴に任せてみればいい。 ありふれた別離に交わす言葉だけが明日を連れてくる。 そこに約束はいらない。 至高のヴィンテージと呼ばれるその日まで。 【プロフィール】 凜 -Rin-/音楽プロデューサー、フラメンコギタリスト、作詞・作編曲家。 日本では沖仁氏、スペインでは主にアルベルト・ロペス氏に師事。 ジャンルにとらわれず様々な音楽との融合を図った1stアルバム『Möbius -メビウス-』が注目を集め、多種多様な音楽性や風貌から「カメレオンギタリスト」と称される。 第32回新人公演ギターソロ部門にて奨励賞を受賞、ANIF会員賞では会場・配信ともに最多得票を獲得。あわせて三冠を達成する。 【新人公演とは】 一般社団法人日本フラメンコ協会(ANIF)が主催する、日本フラメンコ界の発展向上のため、次代を担うフラメンコ・アーティストの発掘および育成の場として、1991年から毎年夏に開催されている舞台公演。 プロフェッショナルへの登龍門として社会的に認知される一方、「新人公演は優劣順位をつけるためのものではなく、新人へのエールを送るために存在する」という当初からの理念に基づき、すべての出演者が主役であるとの考えから順位付けは行われません。 バイレソロ、ギター、カンテ、群舞の各部門に分かれ、若干名の出場者に奨励賞、またはその他の賞が与えられます。 (*一部、ANIF公式サイトより引用) >>>>>
- 恋フラ in アジア 〜番外編@セビージャ~
(miércoles, 10 de abril 2024) 日本国内47都道府県をすべて巡り、各地で着物姿でのセビジャーナスを撮影した動画「日本に恋した、フラメンコ」をYouTube上で2019年に公開したフラメンコダンサー永田健さんが、今度は日本を飛び出しアジアで撮影を展開! 今回は再びアジアから飛び出し、番外編として本場のスペイン・セビージャでの撮影の様子をお届けします。 文・写真/永田健 Texto y foto por Ken Nagata 2023年11月に、スペイン・セビージャで開催されたジャパンウィークに「日本に恋した、フラメンコ」で参加してきました! これは日本文化を紹介するイベントで、和とセビジャーナスならピッタリと思って2020年に参加予定でしたが、コロナの影響で3年延期になってしまいました。 今回は着物セビジャーナスと侍フラメンコ(琵琶×下駄でマルティネーテ)を組み合わせて、セビージャ以外にもヘレスなど計4都市で公演したりテレビに出たりと、大忙しの日々でした。 そしてせっかくの機会なので、公演の合間に着物で踊るセビジャーナス映像も撮影してきました。場所はスペイン広場とグアダルキビール川沿い。 セビージャの街を歩く着物の集団はかなり目を惹くので、まるで有名人かのように通行人の視線を浴びまくりました。 しかし、いきなりトラブルに見舞われます。 最初に向かったのがスペイン広場。映像映えするスポットですが、ものすごい人混みで場所の確保が大変。良い場所は常連のフラメンコグループ(留学生が踊っているようです)やミュージシャンが陣取っています。 それでも通路は広いので、良い場所を見つけて撮影を開始して一息ついた時。 なんと荷物が一つなくなっていました! 出演者の荷物は1箇所にまとめていましたが、大きなケースが一つ少し離れたところに置いてありました。まさか持っていかれないだろうとの油断でした。 やっぱりここはスペイン、ましてや観光地。スリにとっては絶好の場所。 一瞬の油断が命とりです。 パスポートも入っていたため、撮影はいったん中止。 スペイン在住の方が何名かいたのが不幸中の幸いで、速やかに警察や大使館と連絡を取りました。おかげでパスポートも数日後に無事再発行されました。 今まで日本とアジア50ヶ所で撮影してきて、トラブルこそ多々ありましたが、盗難は初めてでした。今後海外で撮影する際にはもっと安全管理に気をつけないといけないな、と猛省です。 時間はまだ少しあったので、気を取り直して外に出て、建物を背景に撮影を再開。 その日は隣のエスパルチーナ市で公演があったので、そのまま移動して終了しました。 そして日を改めて、トリアーナ橋(グアダルキビール川)で撮影。 ジャパンウィークの劇場出演時間が22時と遅かったため、その前の夕方に撮影。 石畳がデコボコしていて踊りづらかったですが、日本語で着物で踊るセビジャーナスに路上の人たちから大きな拍手をいただきました。 今回はしっかり見張りもつけて荷物の安全も確保しました。 滞在中は雲一つない暖かい日々が続き、撮影時間は暑いくらいでした。公演前に着物での撮影と移動。結構なハードスケジュールでしたが、参加者の皆さんのご協力で思い出に残る映像ができあがりました。 またこちらはフラメンコ2030主催のフラメンコWebフェスティバルでも、入賞と裾野拡大賞を頂きました。 『セビージャで着物で踊るセビジャーナス』 https://youtu.be/wqnL01B-EXc 最後に曲中の歌についても少しだけ説明します。 1番 沖縄民謡 てぃんさぐぬ花(編曲/演奏 Soluna) 2番 春の舞(百人一首「天つ風」より 作曲/演奏 須田隆久) 4番 香川民謡 こんぴら船船(編曲/演奏 山内裕之) 字幕(ふりがな付き)も載せましたので、ぜひ字幕オンでご覧ください。 日本語で聞くとセビジャーナスがより身近なものに感じます。 (沖縄の言葉は逆に新鮮で、この曲を通して言葉を覚えました) 今年は東南アジアへ、春以降にバリ、マニラ、シンガポールへ行く予定です。 もし東南アジアでフラメンコ教室・友人などお知り合いがいる方は、ぜひお知らせください。 詳細はインスタグラム・HP、永田健のSNSなどでも随時アップデートしていきます。 [Instagram] https://www.instagram.com/flamencoasia/ [HP] https://asia.hp.peraichi.com 【永田健 SNSアカウント】 [YouTube] https://www.youtube.com/c/KenNagataFlamenco [Facebook] https://www.facebook.com/ken.nagata.980 (*友達申請される場合はflamenco fanを見たと一言メッセージください) 【プロフィール】 永田 健(Ken Nagata) 大手証券、米国MBA留学を辞めてスペインに渡る。2013年新人公演にて満票で奨励賞受賞。2019年に日本を一周して撮影した「日本に恋した、フラメンコ」をYouTube公開。現在は「本能寺の変」など和とコラボした舞台を制作中。 >>>>>
- 安坂幸フラメンコライブ 大阪・東京・名古屋で開催
(martes, 9 de abril 2024) 大阪を拠点として活動を行うフラメンコダンサー、安坂幸さんの企画によるフラメンコライブが大阪・東京・名古屋の3都市で開催されます。 共演には昨年も来日公演で注目を集めた“エル・オルーコ”と、カンテには “エル・ボラ”をスペインから招聘。 日本人アーティストも関東・関西でそれぞれ第一線で活躍する、歌い手の石塚隆充さんとギタリストの長谷川暖さんと宇根理浩さんが出演します。 出演者の熱演が間近に感じられる距離で、白熱のライブを楽しんでみてはいかがでしょうか。 【大阪公演】 会場:アルディエンテ 2024年6月2日(日)《Oruco Bola y Dan》 15時開場/15:30開演 料金:予約席9,000円(1・2・3・6列目)/自由席7,000円 ※当日会場でドリンク代500円別途かかります。 2024年6月16日(日)《OMENAJE》 15時開場/15:30開演 料金:予約席11,000円(1・2・3・6列目)/自由席9,000円 ※当日会場でドリンク代500円別途かかります。 【東京公演】 会場:西日暮里アルハムブラ 2024年6月6日(木)《OMENAJE》 18:30開場(※開演時間の1時間前となります)/19:30開演 料金:予約席11,000円(1・2列目)/他9,000円 ※当日会場でお一人につきワンフード&ワンドリンクのご注文をお願いします。 【名古屋公演】 会場:カサフラメンカ 2024年6月10日(月)《Oruco Bola y Une》 19時開場/19:30開演 料金:予約席9,000円(1・2列目)/自由席7,000円 【出演】 バイレ:ユキ・ヤスサカ、ホセ・マヌエル・ラモス“エル・オルーコ”、栗栖澄江(6/16大阪のみ) カンテ:イスマエル・デ・ラ・ロサ“エル・ボラ”、石塚隆充 ギター:長谷川暖(6/10名古屋は除く)、宇根理浩(6/2大阪は除く) [予約/問] メール:haryuchki-217195@docomo.ne.jp 電話:090-5657-3867(安坂) >>>>>
- カンテフラメンコ奥の細道 on WEB no.35
(lunes, 8 de abril 2024) 文/エンリケ坂井 Texto por Enrique Sakai Jilica de Marchenaのソレアー②の別の例 ヒリーカのソレアーはアルカラーに住む親族のヒターノ達の影響を受けている事と、地理的にも近いのでスタイルの分類としてはアルカラーの中に入れられる事が多い。 私が思うにアルカラーのソレアーは、ソレアーの王様だ。 歴史的にはもっと古いソレアーの方が多いが、創唱者やその名手のほとんどが男であるので、ソレアーは女性名詞だから本来女王と言うべきところ、私のイメージは「男の歌」なので王様なのだ。 その創唱者と言えば誰もが知っているホアキン・エル・デ・ラ・パウラ(1874~1933)やその甥のファン・タレーガ、アグスティン・タレーガ、さらにはアントニオ・マイレーナといった人達だが、それに加えて女性のロエスナやヒリーカが加わった事でより幅が広くなり土地に根差した深い世界が出来上がった。機会があればそうしたスタイルも取り上げてみたい。 さて今回は、ヒリーカのソレアー②の別の例を取り上げよう。例にしたのは前回と同じくアントニオ・マイレーナ。 (Letra) Primita, llévame al huerto *y dame unos paseítos que cayéndome estaba muerto.(=bis) (訳) あの農園に連れてってくれ そして散歩をさせてくれ、 俺は死にかかっているんだ。 歌詞はほぼ前回と同じだが、歌うのが男性なので最初にPrimita(恋人、愛する人を指す)と呼びかけ、3行目の最後は男性形のmuertoになるので、正しく韻を踏むために1行目の終わりもhuertaでなくhuertoになっている。 両方ともほぼ同じ意味だがhuertaは広い果樹園や農園を指し、huertoと男性形になるともう少し規模の小さい畑や菜園を指すようだ。 楽譜を見てほしい。前回のスタイルと同じとは思えないくらい歌い方が異なるが、歌ってみると元は同じという事が少しずつ理解できると思う。 スタイルの聴き分けは今回の例のようになかなか難しいという一例だ。 【筆者プロフィール】 エンリケ坂井(ギタリスト/カンタオール) 1948年生まれ。1972年スペインに渡り多くの著名カンタオールと共演。帰国後カンテとパルマの会を主宰。チョコラーテらを招聘。著書『フラメンコを歌おう!』、CD『フラメンコの深い炎』、『グラン・クロニカ・デル・カンテ』vol.1~34(以下続刊)。 ※CD『グラン・クロニカ・デル・カンテ』シリーズを購入ご希望の場合は、アクースティカ(https://acustica-shop.jp/)へお問い合わせください。(編集部) >>>>>
- アルテ イ ソレラ舞踊団公演『恋の焔炎』
(domingo, 7 de abril 2024) 2023年10月17・18日 日本橋公会堂(東京都) 写真/川島浩之 Fotos por Hiroyuki Kawashima 文/金子功子 Texto por Noriko Kaneko フラメンコ舞踊家、鍵田真由美と佐藤浩希が率いるアルテイソレラ舞踊団の新作公演『恋の焔炎(ほむら)』が2日間にわたり上演された。今回の作品は日本舞踊とのコラボレーションで、特別出演として吾妻流・三世宗家の吾妻徳穂を迎えた。音楽面ではこの舞踊団にはもはや欠かせない存在となった津軽三味線奏者の浅野祥や、女流義太夫や太鼓など和楽器奏者も加わり、スペインと日本の誇るべき伝統芸能の融合により、新しい舞台表現の可能性を追求した意欲作となった。 オープニングを飾った表題曲「恋の焔炎」は、力強い和太鼓の演奏から始まる。赤いドレスの女性団員らが登場し、鮮やかなスペイン舞踊とよく揃ったサパテアードを披露する。中里は日本語で、浅野が作詞・作曲した歌を熱唱。続いて鍵田と男性団員らも登場し、様々なフォーメーションを変化させた群舞を展開していく。舞台の上を赤いドレスで舞う姿は、まるで胸の内で燃え上がる恋の炎だ。リズム隊のキレも良く、会場の空気が熱く湧き上がる。 佐藤のソロは、高村光太郎の詩集『智恵子抄』から、妻の亡き後を詠んだ「梅酒」という詩に、鶴澤三寿々が曲をつけた新作。智恵子が遺した梅酒についての語りに、三味線の音色が心に染みてくる。しんみりと踊る佐藤の姿に、光太郎の悲哀が浮かぶ。静かに始まるサパテアードは、シギリージャからブレリアへとリズムが展開。パルマと三味線が盛り上げる中で義太夫の歌が狂おしいほどの悲しみを歌い上げる。 曲と曲の合間には時折解説が入り、作品の理解を助けてくれる。 「狐火」は、人形浄瑠璃や歌舞伎、日本舞踊の演目として上演される『本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)〜十種香(じゅしゅこう)・奥庭(おくにわ)狐火(きつねび)』から着想を得た作品。戦国時代の名将、武田信玄の息子の勝頼と、信玄のライバル上杉謙信の娘で架空の存在といわれている八重垣姫が許嫁という設定に基づく物語だ。死んだと思っていた恋人が生きていたと知った姫君が、その命を救うために姫を守護する諏訪明神の使いの白狐たちに伴われて、氷が張った湖の上を駆けぬけてゆくという、信濃・諏訪湖の御神渡り(おみわたり)と呼ばれる自然現象を表現。白の衣装に身を包み神の使いの白狐となった女性たちが吾妻演じる姫君を囲んで舞う姿は、寓話の世界のようで幻想的だった。 「玉手」は、日本舞踊家の藤間清継の脚本による『摂州合邦辻』を脚色したオリジナル作品。義理の息子である俊徳丸に継母の身でありながら想いを寄せる、玉手御膳の悲恋の物語だ。義太夫の歌と三味線に合わせて、病で目が見えない俊徳丸を松田が好演。最後は息子を助けるために己の身を切り絶命する玉手御膳を演じた鍵田の踊りは、愛ゆえの狂気が伝わるほどの凄みがあった。 「愛の終焉」は、浅野が三味線を弾きながら歌う自作の日本語曲による工藤のソロ舞踊。ブレリアのリズムに和の雰囲気が香り、確かなリズム感と粒のそろったきれいな足音を響かせる。高い身体能力とともに、しなやかさとスピード感が光った。 「蝶の道行」は、小巻と助国(すけくに)にという若い二人の亡くなった魂が蝶になったという義太夫作品の古典の型そのままにフラメンコのエッセンスを加えて新たな振付を施した。4組のカップルによる群舞は、蝶をイメージさせる腕を生かした舞踊表現が印象的だ。 「秘想」と題したペテネーラは、フラメンコ舞踊の鍵田と日本舞踊の吾妻が互いの強みを生かしつつ、二つの伝統芸術の融合を表現した作品。赤の透き通る羽衣を巧みに生かしながら、まるでひとつの存在であるかのように演じ踊る二人の呼吸が素晴らしい。フラメンコギターのメロディーを踊る吾妻は楚々とした動きの中にも力強さがあり、三味線の演奏を踊る鍵田は美しくキレのある踊りで魅了した。 舞台のフィナーレを飾るのは、浅野の作詞・作曲による「永遠のまにまに」。吾妻と鍵田がそれぞれの魅力あふれるソロを披露しながら、花吹雪の中で全員による群舞で幕を閉じた。 休憩を挟まずに一貫して作品の世界観を表現し、フラメンコの技術と芸術性を日本の文化や伝統芸能に取り入れ和の要素との融合を目指した今回の公演。恋の歓びや輝き、嘆き、苦しみという、いつの時代も変わらない人間の本質を舞踊と音楽で表現するとき、そこに国境はないのである。 【プログラム】 1. 恋の焔炎 2. 梅酒 3. 狐火 4. 玉手 ~摂州合邦辻より~ 5. 愛の終焉 6. 蝶の道行 7. 秘想 ~Petenera~ 8. 永遠のまにまに 【出演】 主演 鍵田真由美 演出・振付・構成・主演 佐藤浩希 特別出演/日本舞踊 吾妻徳穂 義太夫 浄瑠璃 竹本越孝 三味線 鶴澤三寿々 鶴澤賀寿 津軽三味線 浅野祥 フラメンコギター 斎藤誠 和太鼓 坂本雅幸 附け打ち 山﨑徹 パルマ 関祐三子 客演 矢野吉峰 権弓美 松田知也 鍵田真由美・佐藤浩希フラメンコ舞踊団 東陽子 工藤朋子 三四郎 柴崎沙里 中里眞央 小西みと 山﨑嬉星 小野寺麻佑 辻めぐみ *義太夫:義太夫節の略。特に関西で浄瑠璃の異名。 *義太夫節:浄瑠璃の流派の一つ。17世紀終盤、大阪の竹本義太夫が人形浄瑠璃として創始。元禄時代(17世紀末~18世紀頭)に大流行し、各種浄瑠璃の代表的存在となる。 *浄瑠璃:三味線伴奏の語り物音楽の一つ。室町末期に始まり、初めは無伴奏で語られた。江戸時代の直前には三味線が伴奏楽器として定着。江戸初期以降、上方でも江戸でも庶民的娯楽として大いに流行した。 (*出典:岩波書店「広辞苑 第五版」より要約) >>>>>











