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RÍO DE LA FRONTERA 小林亮1stアルバム発売記念ライブ

(martes, 5 de diciembre 2023)


2023年11月4日(土)

ショーレストラン ガルロチ(東京・新宿)


文/若林作絵

Texto por Sakue Wakabayashi

写真/近藤佳奈

Fotos por Kana Kondo

小林亮1stアルバム発売記念ライブ_231104©近藤佳奈

 同名タイトルの小林亮のアルバム発売記念コンサート。福岡、大阪と回って、東京ガルロチでの2日間公演の最終日。会場は満員。コアなアフィシオナードたちがずらり勢揃いで、彼らの期待感が伝わってきます。


 1曲目、アルバムにも収録されている「”LA PRIMAVERA BRILLANTE“ 春ひかる」は陽光のような柔らかいメロディーライン。ふくよかな3拍子は少し不均等で、明確なベース音のおかげでゆったりとした2拍子にも聞こえて、のっけからフラメンコのコンパスの世界にいざないます。


 このアルバムは、ヘスス・メンデスのツアー伴奏をしているときにヘススに勧められて実現したとのこと。「ヘレスの歌い手にツアー伴奏を任される」「CD録音を勧められる」というエピソードは、小林亮というギタリストがいかに歌い手に信頼されているかということの証左でしょう。


 そのヘスス・メンデスの歌は、非常に丁寧で真摯でした。艶のある声質でよく伸び、小節は繊細に回り、清流が大河となって流れてくるようです。

 「"AMANECER” 曙光」は、アンドレス・ペーニャのサパテアードが1曲通して続くアレグリアスで、ギターとサパテアードがリズム遊びしているような曲。アルバム収録曲をそのまま舞台でも再現してくれました。アンドレス・ペーニャがわくわくするサパテアードだけで魅せる。しびれる。

小林亮1stアルバム発売記念ライブ_231104©近藤佳奈

 パーカッションのアネ・カラスコは、リズムの大黒柱。茶目っ気たっぷり、それでいてさりげなく、舞台全体をよく見渡して、いつの間にかたくさん仕掛けています。


 凄腕のスペイン人アルティスタたちは、凄腕ではあるけれど小林亮をサポートするという役に徹していました。そういう心意気、朗らかさというものは伝わるもので、コンサートは終始和やかな雰囲気。小林亮はずっと楽しそうに肩を大きく揺らし、足を前後に動かして演奏していて、こんなに動くギタリストいる?(笑)


 「"PÉRDIDAS” 喪われしものへの弔鐘」は小林のソロ。リブレの曲にもコンパスが内在していて、どこかすっきりとした爽快感があります。和音の展開が美しく、鐘の音のように低音弦が響き渡ります。この曲に限らずですが、低音の響きの強さが印象的で、懐かしいフラメンコを想起させるシーンがたくさんありました。


 普段よく観る踊りメインのライブはやはり踊りを引き立てる演奏になるものですが、演奏者メインだとヌメロの神髄みたいなものがより鮮明に伝わってくるように思います。よく知っている曲でも、あらためて「ああ、この曲ってこういう曲なんだ」という驚きがあり、「ああ、ヘレスのフラメンコはこうだよね」ということに気付かされるコンサートとなりました。フラメンコに王道は幾つかあるかもしれませんが、これは紛れもなくその中の一つの王道で、みんなが待ち望んでいたフラメンコでした。


 アルバムタイトル曲、「RÍO DE LA FRONTERA -Bulería-」が最後の曲。その頃になると会場は大盛り上がりで、レマーテが決まるたびにハレオの大合唱となり、拍手は鳴り止まず、大歓声のなかで終演しました。


【出演】

ギター 小林亮

カンテ ヘスス・メンデス

バイレ アンドレス・ペーニャ

パーカッション アネ・カラスコ


【筆者プロフィール】

若林作絵(Sakue Wakabayashi)/自称「万年バイレ練習生」です。十数年前、mixiでレッスンのあれやこれやを書いていたら、「あんた、パセオで書いてみない?」と当時パセオフラメンコ社長の小山さんに拾われて以来、時々フラメンコライターです。代表作はパセオで連載していた「さくさく堂のフラメンコ絵日記」。


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