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LOS HERMANOS VILLEGAS 日本公演 enガルロチ

  • norique
  • 2月1日
  • 読了時間: 3分

(sábado, 1 de febrero 2025)


写真/渡辺格

Fotos por Itaru Watanave

文/金子功子

Texto por Noriko Kaneko


2501garlochiヴィジェーガス1

 2013年の新宿「エルフラメンコ」出演以来、その美しく情熱的な踊りで根強いファンを持つラケル・ヴィジェーガスが、ミュージシャンとしてスペイン国内外で活躍する弟ディエゴと共に出演するフラメンコ公演が新宿ガルロチで開幕した。

 今回のグループメンバーは全員カディス出身。そして日本が大好きという事で、特にプログラムAは日本への敬意が込められた内容になっているという。


 オープニングは、尺八の音色からインスピレーションを受けて作ったというオリジナルのカーニャ。深く広がるようなフルートの音色はまさに尺八のよう。和の世界を感じさせながらもその奥にはフラメンコのアイレが根付いている。赤いジャケット姿のラケルと黒の衣装のカルロスが絡み合い、赤と黒のコントラストが鮮やかな印象を残す。


 ラケルの魅力は、美しさもさることながら力強さや気風の良さ、明るい人柄が表れる笑顔だろう。小物使いも巧みで、踊り手カルロスとカンテのセバスチャンの間を揺れ動くように踊ったグアヒーラでは、アバニコを操りコケティッシュな魅力を演出。そしてバタ・デ・コーラとマントンで披露したアレグリアスは芸術的な美しさを魅せ、カディスの眩しい海と青空を連想させた。


 もう一人の舞踊手カルロスは、パワフルさとしなやかさを合わせ持つ踊りが持ち味。タラントでは巧みで見事な足技を披露し、緩急のメリハリを効かせた踊りは見惚れるほどだった。


 今回が初来日というディエゴは、2020年にビエナルで名誉ある賞を受賞したり自身のCDも発売するなど、ミュージシャンとして世界的に活躍。優しくも幻想的な音色のフルート、表現豊かなハーモニカ、歌うように奏でられるサックスという三刀流で、それぞれに異なる魅力の音色を聴かせてくれた。フラメンコの舞台ではギターと共にバイオリンやピアノなどの演奏を聴くことは多いが、これらの吹奏楽器との共演は音楽面での新鮮な魅力を楽しませてくれた。


 カンテのセバスチャンは、実は28歳というグループ最年少。どんな歌い手なのかネットで検索したが見つからず、聞いてみたらカディスはもちろん各地の舞台に呼ばれ大忙しなのだとか。伸びやかな歌声はこれから大成しそうな素質を秘め、仲間にハレオを掛け舞台を盛り上げる姿にも頼もしさが感じられる。

 ギターのマヌエルは深みのある渋い音色を奏で、安定感のあるリズムを刻みグループの舞台を支える。


 多彩な音楽と個性豊かな二人の踊り手の魅力が楽しめる今回のグループ公演は、2月12日(水)まで開催される*。プログラムもA・Bの2種類用意されるので、楽しみが2倍なのもうれしい。もし初めて名前を聞くアーティストがいるなら、この機会にぜひ観に行ってほしい。彼らだからこそ魅せてくれる、新しいフラメンコの魅力に出会えること間違いなしだ。


[出演]

ラケル・ヴィジェーガス(踊り)

ディエゴ・ヴィジェーガス(フルート、ハーモニカ、サックス)

カルロス・カルボネル(踊り)

セバスチャン・サンチェス(歌)

ニーニョ・マヌエル(ギター)


*スケジュールなど公演情報はこちらをチェック!


[予約/問]

電話:03-6274-8750

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