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Dr.ファロのフラメンコ・クリニック vol.2

(jueves, 20 de febrero 2025)

 

大阪を拠点に活動し、劇場公演からタブラオライブまで日本各地で大活躍中の若手フラメンコダンサー、ファロリート(Farolito)こと出水宏輝さんが、フラメンコを愛する皆様の様々なお悩みに、親切&丁寧にアドバイス。

その処方箋は、もしかしたらあなたの役にも立つかもしれません。

尚こちらのクリニックは、2か月毎に診察いたします。


文/出水宏輝

Texto por Kouki Demizu

 

2502_Dr.ファロ②_©萩森琴美
(写真)©萩森琴美

Q1. タコンを強化する為の練習方法が知りたいです。

3連、4連のサパティアードでタコンの音を強く、クリアにしたいのですが、流れてしまいます。

サパティアードの練習を繰り返す事で細かく動くようにはなってきましたが、テンポが速くなると比例してタコンが弱くなる感じです。

タコン強化法はありますか?

(P.N. カロリーナさんより)


▶︎タコン(かかと)の音をしっかりと出すためには、膝(ひざ)を足先の方向に引っ張ることが大切です。かかとを上げるときに膝を足先よりも前に引っ張っていることと、プランタの足の指の付け根部分をしっかりと床に吸い付かせることでタコンの音色が鳴るようになります。早くなればなるほど膝を前に引っ張って、かかとをしっかりあげる(=足の指の付け根部分を床に吸い付かせる)ことが大切です。

またタコンを鳴らすときは上半身も引き上げておくことが大切です。骨盤から胴体を引き上げて、尾骶骨を床(地面)の方向に引き下げる=上下の引っ張り合いを胴体の中ですることで、タコンの音色音量が上がるようになるかと思います。


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Q2. 今、レッスンでタラントに取組み中です。

タラントのバイレの構成上よく2唄以降に歌われるような高い音から始まるようなメロディの唄が好きで、自分的には踊りやすい(気持ちが乗りやすい、感情が高まりやすい)のですが、逆に1唄でよく歌われるようなじわじわたんたんとしたメロディの時にはなかなか踊りとしての表現や反応が難しく、マルカールも不自然な感じになったりしてしまいます。

ファロさんは同じパロでもメロディやレトラの雰囲気が違うものに対してどんなことを大切にして踊っていますか?

(P.N. リータス1号さんより)


▶︎この課題は誰しもに訪れる問題ですよね!

そのような境遇(メロディやレトラの雰囲気が想定と違った)が起きたときはすぐさま予定していた振付をやめることにします。

例えばタラント、レトラだとしたらcontestación が2つある その箇所だけを振付通りにして、それ以外の部分は歌を聞いて踊るようにします。

ファルセータだとしたら前半の2〜4コンパスは聞いて少し探ってみる。それ以降はジャマーダ、レトラ、エスコビージャなどに繋がるような振付を準備しておく。

そうするとゴッソリ抜かなくても良くなります。

自分が踊りたい曲の構成をギターリストやカンタオール/ラに伝えると、流れや音楽を考えて伴奏・伴唱してくれます。その素敵な流れをつくって導いてくれたところに乗っかっていき、踊りたい・出したいものを舞踊で感情表現することが大切だと僕は感じます。



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出水宏輝プロフィール写真
©Shigeto Imura

【プロフィール】

出水宏輝(Kouki Demizu)/10歳の時に石川敬子フラメンコ教室にてフラメンコを始め、田中光夫氏にギター・カンテを、舞踊・パルマを棚原美和氏に師事。14歳のときにタブラオ ロス・ヒターノスで男性舞踊手としてプロデビュー。2014年、官民協働海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」の1期生として1年間スペイン留学。2018年第1回全日本フラメンココンクールで努力賞、2019年日本フラメンコ協会第28回フラメンコ・ルネサンス21「新人公演」で奨励賞、2021年第10回エルスール財団新人賞(フラメンコ部門)を受賞。

また、2018年摂南大学入学宣誓式にて、在学生300名以上とフラメンコのフラッシュモブを大阪城ホールにて実施。

現在、大阪を拠点としながら全国各地で精力的に活動している。


☆活動情報はこちらから。


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