"Campallos" con Jesús Corbacho
- norique
- 4月12日
- 読了時間: 3分
更新日:4月15日
(sábado, 12 de abril 2025)
2025年4月11日(金)~21日(月)
Show レストラン GARLOCHÍ(東京・新宿)
写真/渡辺格
Fotos por Itaru Watanave
文/金子功子
Texto por Noriko Kaneko

スペインのフラメンコ界で活躍するカンパージョ3兄弟揃っての出演を、主催の村松氏が長年オファーし続けようやく実現したという今回のガルロチでのグループ公演。そこに昨年の「カンテ・デ・ラス・ミーナス」のコンクールで大賞「ランパラ・ミネーラ」に輝き、カンパージョ兄弟とも縁が深い歌い手ヘスス・コルバチョが特別招聘として加わるという夢の共演だ。取材日は公演初日、プログラムAを鑑賞した。
オープニングは、フアンを中心にして舞台に立つアデラとラファエル。しっとりとしたギターのメロディーから始まり、二人の踊りがシンメトリーな動きやそれぞれのスタイルを魅せながら展開していく。ブレリアのグルーヴが沸々と湧き立ち、3人のボルテージも次第に盛り上がっていく。自然と醸し出される一体感に兄弟の絆が感じら、胸が熱くなる。
ヘススのカンテソロは、プレゴンからのサエタ。艶やかで伸びのある芳醇な歌声。ほぼ毎年来日するほど日本での人気も高く、歌いぶりは歳を重ねるごとに味わいを深め、繊細さに磨きがかかる。その歌声を生で聴ける、贅沢なひとときだ。

そして曲はそのままアデラのソロのシギリージャへ。凛とした佇まいから、秘めた情熱が溢れ出す。黒のドレスの上にヴェールのような上衣を重ね、それをマントンの様に翻したり纏ったり多彩な踊りを魅せる。
白の上下の衣装で登場したラファエルが踊るのはカンティーニャス。爽やかな笑顔で観客の心をつかみながら、余裕の表情で次々と見事な足技を繰り出す。踊りの随所に遊び心が感じられ、彼の個性をたっぷり楽しませてくれた。
後半の第2部はフアンのギターソロから。曲はロンデーニャ。美しく豊かな音色のメロディーが、深く心地よい余韻を残す。
アデラのソロはロマンセ。たっぷりとペソを感じさせつつも、その踊りは時に鋭い切れ味をみせる。エスコビージャではフアンの横に並び、足音とギターの掛け合いを披露。その阿吽の呼吸はまさに姉弟ならではのコンビネーションぶり。二人の楽しそうな空気感が、いい。
力強い足から始まるラファエルのタラント。円熟味を増した貫禄のある踊りには、頼もしさも感じられる。フアンと笑みを交わしながら踊る姿には、心許せる相手とだからこその打ち解けた様子が表れる。音楽に自然に反応して踊るラファの魅力は変わらないままだ。
4人の個性が互いの魅力を引き出し合って極上のフラメンコをみせてくれるその瞬間を、ぜひ同じ空間で体感して共有してほしい。グループ公演は4月21日(月)まで上演する。(*18日は休演)
【出演】
B.Adela Campallo(踊り:アデラ・カンパージョ)
B.Rafael Campallo(踊り:ラファエル・カンパージョ)
G.Juan Campallo (ギター:フアン・カンパージョ)
C.Jesús Corbacho/Artista invitado (唄:ヘスス・コルバチョ/特別招聘)
【プログラム】
A:(1部)
プレゼンテーション(ブレリア)/フアン・アデラ・ラファエル
カンテソロ/ヘスス・コルバチョ
バイレ/アデラ・カンパージョ
バイレ/ラファエル・カンパージョ
(2部)
ギターソロ/フアン・カンパージョ
バイレ/アデラ・カンパージョ
バイレ/ラファエル・カンパージョ
フィン・デ・フィエスタ/全員
B:(1部)
プレゼンテーション”ガレラ”(作品)/全員
ギター&カンテ/フアン・カンパージョ&ヘスス・コルバチョ
バイレ(ソレア)/アデラ・カンパージョ
バイレ(アレグリアス)/ラファエル・カンパージョ
(2部)
カンテの宝箱・伝統のカンテに踊る/全員
フィン・デ・フィエスタ/全員
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