(domingo, 18 de junio 2023)
今年で第4回目となる全日本フラメンココンクールの本選が、去る4月21日に東京のスペイン大使館で開催されました。今回はコロナ禍で続けられてきた行動制限も大幅に緩和され、予選・本選とも一般の観客を会場に受け入れての開催となりました。東京と大阪で行われた予選を通過したバイレ部門15名、カンテ部門10名のファイナリストらが顔を揃え、踊りに歌唱に全力で取り組みその技術と表現を披露しました。
各賞の受賞者の皆さんのコメントをご紹介します。
なお、来年はこのコンクールも5周年を迎え、現時点の情報では来年4月に開催を予定しているということです。
主催:全日本フラメンココンクール事務局
後援:スペイン大使館、公益財団法人日本スペイン協会
編集/金子功子
Edición por Noriko Kaneko
写真/大森有起
Fotos por Yuki Omori
【第4回全日本フラメンココンクール】
[カンテ部門]
優勝 中里眞央
準優勝 許 有廷
[バイレ部門]
優勝 内田好美
準優勝 石川慶子
小松原庸子特別賞 佐藤心晴 平田かつら
[カンテ部門]
優勝 中里眞央
【中里眞央さん受賞コメント】
「どこまでも暗く、深い深いフラメンコの海を、わたしは日々愛おしく感じます。いつもギターの音色で寄り添ってくださる斎藤誠さん。右も左もわからないヒヨッコ舞踊団員だった私を信頼して育て続けてくださった鍵田真由美先生、佐藤浩希先生。感謝してもし尽くせません。いただいた賞に恥じぬよう精進し、日本フラメンコ界、ひいてはフラメンコ界全体に貢献できる表現者となれるよう、これからも足掻き、迷いながらも進み続けます。」
準優勝 許 有廷(ホウ ユウジョン)
【許有廷さん受賞コメント】
「今回は2度目の挑戦だった。昨年はカンテ部門が新たに設けられたのでチャレンジしてみたいと思いエントリーしたが、コンクールの前に母を亡くし精神的に辛い日々が続き練習に励むことが出来ず、自身の勉強不足もあり、結果的に良い成績を収めることが出来なかった。今年も随分迷ったが、もう一度チャレンジしてみることにした。バイレの伴唱も引き受けていたのでかなりのプレッシャーはあったが、バイレの方の頑張る姿に刺激を受けながら自身も頑張ることができた。大変有難いことに受賞することができて正直とても嬉しい。が、これまで以上に厳しい現実が待っているかも知れない。本業の傍らでフラメンコと両立するのは大変ではあるが、無理をせず今までやってきた経験や気持ちを忘れず、一生修行の身で努力していきたいと思う。」
[バイレ部門]
優勝 内田好美
【内田好美さん受賞コメント】
「第4回全日本フラメンココンクールにおいて、優勝できたこと、とても光栄であり、嬉しいです。私の踊りを支えてくださったミュージシャンの皆さまには感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。『優勝』という言葉はとても特別です。気持ちを引き締めなおして、フラメンコと向き合い、自分を体現していきたいです。諦めないで、丁寧に踊る。これからもこの気持ちを大切にして頑張っていこうと思います。」
準優勝 石川慶子
【石川慶子さん受賞コメント】
「岡田昌巳先生が亡くなった。早く踊らないと、と思った。2015年スペイン・ウニオンでのコンクールは死ぬ気で準備した。その甲斐あってうまくいった、ところもあるが、実際はいろんな方から怒られた。それからずっと自分のタラントを探している。昌巳先生は面識もなかった私に真剣に意見をくださった方だ。だから今回は死ぬ気じゃなくて、産む気で頑張った。そしたら、私の方こそ新しい自分を発見したかのような驚きと喜び、そしてフラメンコへの新鮮な憧れを手に入れた。生まれ変わったのか?若い子に賞を譲る、気はない。でもそろそろ、評価を他人基準から自分基準に変えていかないといけないな。だってもうこのタラントのお母さんだから!」
小松原庸子特別賞
佐藤心晴(さとう こはる)
【佐藤心晴さん受賞コメント】
「この度は小松原庸子特別賞をいただき、とても嬉しく光栄に思います。エントリーのきっかけは、昨年のコンクールで同世代の方達が活躍されたことに刺激を受け、私も挑戦したい!と思ったことです。コンクールに向けて、学校から帰宅後、バイトのある日以外は自宅のそばの集会所を借りて練習しました。今回受賞できたことで、指導してくださった先生や応援してくださったスタジオ生の方々がとても喜んでくれたことが何より嬉しかったです。受賞に恥じないよう、これからもフラメンコにまっすぐ向き合っていきます。ありがとうございました。」
小松原庸子特別賞
平田かつら
【平田かつらさん受賞コメント】
「コンクールに向けてミュージシャンと一緒に予選と本選、2曲のヌメロ(曲種)を追求し、コミュニケーションした時間は学びや気付きの宝庫でした。河内さおり先生、カンテの許有延さん、ギターの宇田川卓俊さんと貴重な経験が出来たことに感謝致します。また、私が奨励賞をいただいた第30回新人公演はコロナ禍の影響で無観客でしたので、今回は家族や友達に見てもらえて最高に嬉しかったです。憧れても憧れても近づけないフラメンコの道、これからも一歩ずつ精進します。ありがとうございました。」
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