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沖仁デビュー20周年アルバムリリース記念ツアー「20 VEINTE」東京公演

(sabado, 10 de junio 2023)


2022年11月23日(水祝)

第一生命ホール(東京)


文/金子功子

Texto por Noriko Kaneko

写真提供/株式会社ジンズアクション

Foto por jinsaction co. Ltd.


(写真)リハーサルでの演奏

 昨年フラメンコギタリストとしての活動20周年を迎え、その集大成として発表されたオリジナルアルバム『20 VEINTE(ベインテ)』リリース記念ツアーの東京公演が行われた。会場となった由緒あるクラシックホールは男女問わずあらゆる年齢層の観客で満席となり、幅広い層のファンに支持されているのが伝わる。


 オープニングを飾るのは、今回のアルバムからギターソロ曲「ススペ」。サイパン島の街の名前を冠したこの曲は、戦争の爪痕が残る現地を訪れたときの印象をソレアで表現したという曲。そのメロディーを正確で繊細なタッチで奏で、曲の世界観を表現する。

 1曲目を弾き終え、沖は満面の笑顔で観客を迎えた。最初のMCから表情は喜びに満ちていて、「(今日のステージは)お祭り騒ぎをしつつ、心に残るステージになったらいいなと思います」と語った。

 次の曲も同アルバムから、「サパト・ビエホ」というサパテアードの曲。伊集院の踊りが加わり、パーカッションには長年のパートナーである大儀見が参加。パルマやステップが刻むリズムも軽快で、息の合った3人のアンサンブルが楽しい。


 次のMCで沖はこの20年間の活動を振り返り、「フラメンコギターの可能性を開拓したいと思ってきました。そしてもう一つ、みなさんに聴くだけでなく弾いてほしいとも思っていました。でもフラメンコギターは習得に時間がかかるので、それでは合奏ならいいのでは、と思いワークショップを行ってきました」と語る。そして今回の公演で、その参加メンバーでアンサンブルを結成。その名も『沖仁フラメンコギターアンサンブル』として、晴れて共演の機会となった。演奏は、合奏によるブレリア。沖と一緒に4人で、それぞれのフレーズでギターソロを披露する。メンバーらは初々しさが残りながらもプロのギタリストに見劣りしない腕前を見せ、憧れの師匠との共演に楽しそうで満足そうだった。彼らの活動は、今年から本格的に始めるという。


 ここでスペシャルゲストとして、今注目のバイオリニストNAOTOが登場、公演に花を添えた。3歳からバイオリンを始め、東京藝術大学を卒業しメジャーデビューして17年(当時)という彼は、沖とは10年来の付き合いだと言う。「Respeto y orgullo ~誇りと敬意~」というファルーカを、かっこいいデュオで披露。さらに人気曲の「チャールダーシュ」ではバイオリンの本領を発揮する素晴らしい演奏を聴かせ、フラメンコギターとの相性も良く極上のハーモニーを楽しませてくれた。


 ゲストステージの後は、ファーストアルバムからグアヒーラ「La lluvia limpia el aire」を演奏。太陽と海をイメージした照明がステージの雰囲気を演出する。山本がキレの良い踊りを魅せ、躍動感ある足技が光る。眩しい景色が目に浮かび、20年前の瑞々しさがそのまま感じられるようだった。

 そして、新曲の「ランドセル」からライブでの定番曲、そして活動中期のお気に入りの曲へと続くメドレーを披露。また、ライブ恒例という観客との掛け合いのコーナーも行われ、沖が奏でるリズムを真似して手拍子で応え、会場は和やかな一体感に包まれた。


 アンコールは、活動初期から演奏し続け進化を重ねてきたというブレリアを披露。フラメンコギタリストとしての20年間の様々な足跡を見せ、磨き抜かれた1曲を聴かせてくれた。ゲストのNAOTOも再び登場し、全メンバーによるアンサンブルに多くの客が立ち上がり盛大な拍手を送った。


 舞台のラストは、沖のギターソロ。弾き始める前に、この20年間のキャリアについて「目の前にあることにいつも必死に取り組み続けて、ここまで来ました」と振り返る。また、高校時代には自作の音楽カセットテープを3作くらい制作したことや、20歳頃にはそれらを横浜などで手売りもしていたというエピソードも聞かせてくれた。そして2002年7月に発表したファーストアルバム『ボリビアの朝』は手作り感あふれる作品で、これがフラメンコギタリストとしての出発点だったと語る。

 演奏は、2011年の東日本大震災後に見上げた満月をもとに作ったという曲「スーパームーン」。ステージの前方まで出てマイクを通さず、真摯でいて渾身の演奏をギターの生音で観客に届けた。


 全ての曲を演奏し終えて、客席に向かって心からの感謝を伝える沖の笑顔は、清々しくまっすぐだった。その姿は、きっと10代の頃からそうだったように、ただ純粋にギターが好きでたまらない少年のままであった。



【出演】

沖 仁 フラメンコギター

大儀見 元 パーカッション

藤谷一郎 ベース

須藤信一郎 ピアノ

伊集院史朗 パルマ/踊り

山本 玲 パルマ/踊り


沖仁フラメンコギターアンサンブルより

青木 優 高松宏至 吉良 剛


(スペシャルゲスト)NAOTO バイオリン


【沖仁公式サイト】


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