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リレー連載:私の新人公演 -2022年の挑戦- 9

第9回 三枝雄輔

【カンテ部門/奨励賞】


(viernes, 16 de junio 2023)


フラメンコを志し、さらに高みを目指すために目標として掲げられる大舞台、新人公演。

昨年の入賞者に、挑戦へのきっかけや本番でのエピソード、自身の経験や思いなどを語ってもらいました。

最終回となる第9回目は、カンテ部門で奨励賞を受賞した三枝雄輔さんです。


編集/金子功子

Edición por Noriko Kaneko


 フラメンコをやる上で、カンテの勉強は必須なので、ずっと勉強してきました。新人公演のカンテ部門には過去にも出演したことがあるのですが、そこから何年かたって、今勉強している自分はどんな感じなのかなと思って、今回エントリーしました。あと、何かに向けて勉強するのも、モチベーションが上がりますし。また、エミリオ(マジャ)との勉強がすごく自分の為にもなったので、そういう時間を作りたいと思っていました。実際にこれまでも、彼からはたくさん勉強させてもらいました。


 エントリーするにあたっては、出演するからにはそこに賞があるので、もちろん頂けた方がうれしいから受賞は考えました。でもそのために何か対策を取るとか、計画を立てるとか、受賞を意識して何かをやったとかは、特に無いです。ただ、今まで積み重ねたものを舞台で披露したらどうなのか、ということに関心がありました。


 本番当日やリハの事は、あまり覚えてないですね…。もう1年近く前だし、時間が経ち過ぎて、全然覚えてないです。ただ、普通にできることしかできないですから、出来ることをやろうと思って臨んだと思います。

 あと、これはいつもと変わらない事でもありますが、僕は今回エミリオに伴奏してもらって二人でステージに立ったんですけど、彼に楽しんでもらうことを何より一番優先して考えて、ステージに挑みました。僕がどうとか、お客様や選考委員の方たちがどうとかではなく、隣にいるエミリオが一番喜んでくれることを心掛けて歌いました。だって、フラメンコは彼のものですから。彼らスペイン人のものであり、彼らの生き方を歌っているものですから。だからレトラの歌詞を選ぶのも、エミリオと話し合って決めました。いつも、そういうスタンスでいます。


 奨励賞を受賞しての変化は、特に無いです。これまでと何も変わりません。

 受賞はもちろんうれしいですし、これまでにもいくつか賞を頂きましたが、むしろ頂いた後の方が大変だな、とは思っています。内面的にも調子に乗ることなく、謙虚であり続けるべきだと思いますので。受賞は単なる過程であって、通過点に過ぎませんから、より気を引き締めていかないとならないと思っています。


 僕たちは日本で、日本人としてフラメンコをやっていますけど、ちょっと勝手に創作してというか…ジャパニーズ・フラメンコというか…、本場のフラメンコに目を向けていないように感じられることが時々あります。僕自身、本来のフラメンコの形を大事に勉強したいですし、みんなともしていきたいと思っています。

 これは別にカンテに限らず、バイレもギターもあり方も、すべてに言えると思います。ただ、僕も何ができるわけではないですが…。

 日本にもスペイン人はたくさん住んでいるし、最近では毎月のようにスペインのアーティスト達が来日していますから、そういう勉強をもっとしていかないといけないと思っています。そういうのは敷居が高い、と思っている人もいるようですけど、異国の文化だから敷居が高いのは当たり前ですし、難しい所に目を背けないでやってほしいと思います。別に習わなくても、一緒にいるだけでもいい。勉強しようとか思わなくていいから、本当のフラメンコの勉強とは何なのか、みんなと一緒に考えていきたいと思っています。

(写真)自身(一番左)も新人公演に出演する傍ら、和泉冴英香さん(左から2人目)のパルマ伴奏も務めた


【プロフィール】

三枝雄輔(Yusuke Saegusa)/バイラオール・パルメーロ、1980年4月12日東京生まれ。

21歳の時、ベニート・ガルシアの踊りに感動しフラメンコを習いはじめる。2006年文化庁海外留学派遣制度の研修員として2年間渡西。国内外の多くの賞を受賞。スペインの一流アーティスト達も彼を認めるのは、12歳からスペインに住み現地の習慣や文化を理解しているからである。現在はアーティスト業に加え、創業50年を誇るタブラオ「エスペランサ」を経営する。


【新人公演とは】

一般社団法人日本フラメンコ協会(ANIF)が主催する、日本フラメンコ界の発展向上のため、次代を担うフラメンコ・アーティストの発掘および育成の場として、1991年から毎年夏に開催されている舞台公演。

プロフェッショナルへの登龍門として社会的に認知される一方、「新人公演は優劣順位をつけるためのものではなく、新人へのエールを送るために存在する」という当初からの理念に基づき、すべての出演者が主役であるとの考えから順位付けは行われません。

バイレソロ、ギター、カンテ、群舞の各部門に分かれ、若干名の出場者に奨励賞、またはその他の賞が与えられます。

(*一部、ANIF公式サイトより引用)


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