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リレー連載:私の新人公演 -2022年の挑戦- 7

第7回 Kumamotoフラメンコボーイズチームolé

【バイレ群舞部門/話題賞】


(viernes, 2 de junio 2023)


フラメンコを志し、さらに高みを目指すために目標として掲げられる大舞台、新人公演。

昨年の入賞者に、挑戦へのきっかけや本番までの道のり、自身の経験や思いなどを語ってもらいました。

第7回目は、バイレ群舞部門で話題賞を受賞したKumamotoフラメンコボーイズチームoléさんです。


編集/金子功子

Edición por Noriko Kaneko


 熊本フラメンコボーイズは、お母さんのレッスンにいつもついて来ていた小さな男の子たちでした。スタジオのサロンスペースで、ミニカーやパズルで遊んでいた姿が、今でも思い出されます。


 そんなボーイズたちも数年のうち驚くほど成長し、体格だけは大人と違わないほどになっていきました。

 コロナが少しずつ日本へ忍び寄って来た頃、学校では行事がことごとく中止になり、思うような学校生活も難しく、子ども達は何かに熱中する機会すら少ない状況でした。

 そんな時期に開催した発表会は、以前に比べて参加人数が少なかったにもかかわらず、盛り上がりを見せてくれました。それには、キッズメンバーが今までにない成長を見せてくれたことが要因に上げられたと思います。スタジオでは子ども達中でも男の子達の存在がここ数年で大きくなっており、「今後の成長が楽しみだ」という声をよくいただいていました。

 そういう経緯から、彼らをどうにかいい形で育てられないかと頭の中に思いを巡らせた末、私自身(林田)何度も挑戦した日本フラメンコ協会主催コンクール“新人公演”出場を目標に考えるようになりました。


 メンバーは小5から中3までの男子5名。指導には以前よりクルシージョを通して、子どもたちにも数回指導をしてもらっていたSiroco(黒田紘登)氏にお願いしました。日本フラメンコ界を牽引する彼に、5 名の手を是非引っぱってほしいという思いでした。


 準備に向けた半年間のハードな練習は、彼らにとって高すぎる壁だったかもしれません。今までとは求められるレベルが全く違い大変だったと思いますが、何かに熱中して懸命に努力するといういい機会となったようです。彼らの様子はコロナ禍のスタジオの雰囲気までもポジティブに変えてくれるような影響力があり、同時に頼もしくもあり大きな成長を感じました。



(練習について)


10年前からしていたフラメンコですが、新人公演に向けて練習し始めたのは半年前でした。それからは多いときには週に5日練習しました。きつい時もありましたが、チーム5人で助け合い切磋琢磨してきました。僕たちは本当に仲がいいと自分でも思います。この5人だったからこそ新人公演に出れたし、話題賞を受賞できたと思います。(渡辺里翔)


新人公演の練習が始まってからは、正直苦しいと感じることが多くありました。周りはみんな中学生だったので、同じことを練習しても僕にとってはとても難しくて大変でした。でも5人で自主練をする時間がいつも楽しかったので、やめたいと思ったことはありませんでした。「話題賞」を受賞したと聞いた時は、頑張って本当によかったなと思いました。(大森陽太)



(新人公演について)


新人公演に出て、フラメンコを踊ることがとても楽しいことだと改めて感じることができました。新人公演の日、踊る前はとても緊張していました。しかし、シロコ先生やバックアーティストの方が本番の前に優しく話しかけてくださり、その緊張はほぐれました。そして、本番では緊張せずに踊れました。踊っている時は、とても楽しかったです。一緒に踊っていた他の4人も良い表情をしていました。練習の成果を存分に発揮できたと思います。そして、話題賞を受賞できてとても嬉しかったです。この貴重な経験はこれからの人生においてとても役立つと思います。これからもフラメンコを楽しく踊っていきたいです。(渡辺里翔)


僕はフラメンコを6年間やっていますが、いまだにその炎は消えていません。そしてまた自分は反抗期や思春期などの気難しい時期でもありますが、フラメンコはこれからも頑張っていこうと思います!(宮川駿)


(写真)シロコ先生(写真一番左)とバックアーティストの皆さんと


【プロフィール】

Kumamotoフラメンコボーイズチームolé/熊本市のエストゥディオ・アレグリアス(林田紗綾主宰)在籍で、小学5年〜中学3年(*出演当時)までの5名で構成されたボーイズチーム。未就学〜低学年よりレッスンをスタートし現在に至る。2022年開催の新人公演群舞部門初出場。


【新人公演とは】

一般社団法人日本フラメンコ協会(ANIF)が主催する、日本フラメンコ界の発展向上のため、次代を担うフラメンコ・アーティストの発掘および育成の場として、1991年から毎年夏に開催されている舞台公演。

プロフェッショナルへの登龍門として社会的に認知される一方、「新人公演は優劣順位をつけるためのものではなく、新人へのエールを送るために存在する」という当初からの理念に基づき、すべての出演者が主役であるとの考えから順位付けは行われません。

バイレソロ、ギター、カンテ、群舞の各部門に分かれ、若干名の出場者に奨励賞、またはその他の賞が与えられます。

(*一部、ANIF公式サイトより引用)


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