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リレー連載:私の新人公演 -2022年の挑戦- 5

第5回 Las Mieles

【バイレ群舞部門/奨励賞】


(viernes, 19 de mayo 2023)


フラメンコを志し、さらに高みを目指すために目標として掲げられる大舞台、新人公演。

昨年の入賞者に、挑戦へのきっかけや本番までの道のり、自身の経験や思い、これから挑戦する人に伝えたいことなどを語ってもらいました。

第5回目は、バイレ群舞部門で奨励賞を受賞したLas Mielesさんです。


編集/金子功子

Edición por Noriko Kaneko


 フラメンコをやっている方で、新人公演に挑戦してみたい!と考える方は少なくないと思います。私達のメンバー内にも過去の新人公演参加経験者、今後ソロで参加する事を考えている者が居ました。

 2021年、教室の一部のクラスで参加したイベントがあり、そこでは広い舞台を存分に使うフォーメーションの面白さや、仲間と息を合わせる一体感の心地よさを経験し、『新人公演に挑戦したいけど、1人では自信がない…』『次の新人公演に群舞で参加したい!』そんな思いを抱いたメンバーからの提案で、2022年の新人公演参加を目標とし、クラスの枠を越えた7人が決まりました。『ソロとは別の大変さがあるけど、群舞ならではのやりがいがあるはず!』、『この7人なら、きっと一緒に頑張れる!』と一致団結し、篠田三枝先生に指導をお願いし、曲はカーニャでエントリーすることとなりました。


 コロナの影響で、2020年は開催中止、2021年は無観客開催であり、はてさて2022年は一体どうなるのか…?という不安はありました。また、コロナに感染しないか等の体調管理や、仕事や家庭との両立等、本番に向けて様々な生活上の調整が必要でした。7人全員が揃って練習できる日や練習スタジオの確保もなかなか難しいものでした。また、メンバー7人の年齢幅は広く、フラメンコ経験年数も異なりますので、楽しく仲良く、でもお互いの意見をしっかりと言い合える関係を築けるよう心掛けました。

 三枝先生からたくさんの意見を頂き、メンバー個々のアイデアを交えつつ、より良いものになるよう試行錯誤しながら、カーニャの構成やフォーメーションを作っていきました。個々の技術向上はもちろんですが、群舞では一人一人が良いだけでは意味がなく、7人の動き、向き、位置、意識、イメージ等全てが揃うよう、とことん練習しました。

 準備期間中の大変だった点のひとつとして、『椅子の運搬』がありました。舞台に立体感を出そうと椅子を用いる事となり、自前で同じ椅子を5脚購入し、練習スタジオが毎回異なるためその都度分担して椅子を運び、人目も気にせず電車移動したことは、今となっては良き思い出となりました。


 当日までにいくつかのハプニングはありましたが、メンバー7人、三枝先生、アルティスタのお2人、みんな万全の状態で本番当日を迎えることが出来ました。よりによって当日は台風が接近し朝から悪天候でしたが、無事会場入りできました。

 場当たりや照明の打ち合わせは、限られた時間内に効率良く確認できるように予めポイントを絞り、『場当たりの練習』をしておいたことが功を奏しました。他の出演者の方々のリハーサルをモニターや舞台袖から観て震え、大変緊張しましたが、これまでの練習を思いだし、自分たちができることを精一杯やりきろうと!思いました。

 本番中はメンバー全員、お互いにわかる程物凄く集中力があり、歌とギター、三枝先生のパルマやハレオを一身に浴び、あっという間の7分でした。『みんなで踊れて良かった!』という熱い気持ち、『ああ、終わってしまう~』という淋しさ、最後のポーズで涙しながら客席からの拍手を聴いたこと、今もあの感動は忘れません!


 審査発表の日は皆で一緒に結果を聞こうと、7人のメンバー全員と三枝先生で集合しました。

 『奨励賞をとれなくても、今までやってきたことは無駄じゃない』と思いつつ、結果を知った後はみんなで抱き合って大泣き、大喜びでした。安堵の思いと、受賞して終わりではなく、これからもより一層フラメンコに真摯に向かい合っていきたいと感じました。


 挑戦する事はとても勇気がいるかと思いますが、本番までの練習や様々な苦労は、決して無駄になりません。新人公演に出ることが目的ではなく、自分自身や仲間と苦労したり悩んだりしながら、成長することが目的だと思います。

 私達7人、フラメンコを通して泣いたり笑ったりしながら、学生時代に戻ったかのような熱い青春を過ごせたことは、一生ものの財産となりました。

 新人公演に挑戦することで、フラメンコをやって良かったと、1人でも多くの方に思ってほしいです。

(文/細谷桃代・松尾菜摘)


(写真)三枝先生、アルティスタのお2人と


【プロフィール】

Las Mieles/フラメンコと(篠田)三枝さんとビールをこよなく愛する7人が、新人公演のためにクラスを超えて集結。年齢も性格も異なる7人だが、それぞれの個性を活かしつつ、心をひとつに、Las Mieles《Miel(蜂蜜)と三枝(みえ)をかけて》となった。


【新人公演とは】

一般社団法人日本フラメンコ協会(ANIF)が主催する、日本フラメンコ界の発展向上のため、次代を担うフラメンコ・アーティストの発掘および育成の場として、1991年から毎年夏に開催されている舞台公演。

プロフェッショナルへの登龍門として社会的に認知される一方、「新人公演は優劣順位をつけるためのものではなく、新人へのエールを送るために存在する」という当初からの理念に基づき、すべての出演者が主役であるとの考えから順位付けは行われません。

バイレソロ、ギター、カンテ、群舞の各部門に分かれ、若干名の出場者に奨励賞、またはその他の賞が与えられます。

(*一部、ANIF公式サイトより引用)


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