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"ラ・レポンパ"&ミゲル・アンヘル・エレディア グループ公演

(martes, 3 de diciembre 2024)


2024年7月19日(金)~7月30日(火)

Show レストランGARLOCHÍ (東京・新宿)

 

写真/近藤佳奈

Fotos por Kana Kondo

文/金子功子

Texto por Noriko Kaneko


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 今夏のガルロチでのスペイン人によるフラメンコショーは、雰囲気のある力強い踊りが人気のラケル "ラ・レポンパ"と、マヌエル・リニャンの舞台作品 "VIVA!" への出演でも注目を集めるミゲル・アンヘル・エレディアを中心とするグループの公演が行われた。

 カンテには来日経験が豊富で熟成された歌声が魅力のエル・ガジと、昨年のガルロチ公演で多くの人気を集めたイバン・カルピオ、そしてギターは職人気質でバイレやカンテの魅力を巧みに引き出すラモン・アマドールと、頼もしいミュージシャンらが舞台を支えた。


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 この日の演目はAプログラム。オープニングはミディアムテンポのタンゴ。レポンパとミゲルがそれぞれ一振りずつ踊り、曲を味わいながら醸し出すグルーヴに会場の熱気も高まってくる。

 カンテソロはファンダンゴ。端正でクリアな輪郭を持つギターの音色。余韻溢れる美しいメロディーは、いつまでも聴いていられる心地良さ。野性味を感じさせるイバンの歌声と、熟練の技が光るガジがともに見事な歌唱を聴かせた。


 ミゲルのソロはタラント。その凛とした立ち姿だけで、感動のあまり泣きそうになる。長い手足を生かした踊りはダイナミックでいて美しく、緩急のコントロール抜群の足技に観客も魅了される。最後にジャケットをマントンのように回すシーンは、鮮やかな印象を残した。

 レポンパのソレアは、エネルギーが全身に満ち溢れた圧巻の踊り。軽やかで正確な足技は木のようなまろやかな音色を響かせ、ステージにみなぎる存在感は神がかっていた。


 第2部はテーブルを5人で囲んでのブレリアからスタート。レポンパもミゲルもそれぞれフェステーロのように歌い踊り、二人でデュオを聴かせたりと楽しい場面を演出。

 カンテソロはイバンのシギリージャ。その伴奏を務めたのはまさかの、歌い手のガジ。しかもギターが上手いのにも驚いた。この思いがけない共演は、観客としては幸運なサプライズだった。


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 バイレソロでは、ミゲルが男性舞踊手ではあまり観る機会のないバンベーラを披露。美しい音楽を情感豊かに踊る姿がとても芸術的。

 レポンパのソロはグアヒーラ。音楽面の構成では様々なリズムを織り交ぜたりと、この日限りの特別な一曲を楽しませてくれた。


 スペイン国内だけでなく世界各地でも活躍する一流のフラメンコアーティストらがこうして来日し、そのステージを日本にいながらにして観られるというのは本当に幸運というものだろう。本場でしか味わえない舞台の熱気と感動を、フラメンコ好きならばぜひ現地に足を運んで、自身の五感でどうか体感してほしい。



[出演]

バイレ(踊り)

ラケル "ラ・レポンパ"/ミゲル・アンヘル・エレディア


カンテ(歌)

ダビ・エル・ガジ/イバン・カルピオ


ギター 

ラモン・アマドール


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