マヌエル・リニャン来日公演2025
- norique
- 2025年12月14日
- 読了時間: 3分
BAILAOR/BAILAORA
(domingo, 14 de diciembre 2025)
2025年12月9日(火)~18日(木)
ShowレストランGARLOCHÍ(東京・新宿)
写真/近藤佳奈
Fotos por Kana Kondo
文/金子功子
Texto por Noriko Kaneko

2025年いっぱいで閉店が決まったガルロチ最後のスペイン人グループ公演となる、マヌエル・リニャンのグループによる公演が始まった。
今回はBAILAOR(男性ダンサー)としての踊りと、タブラオでは世界初となるBAILAORA(女性ダンサー)として舞う姿と、リニャンが持つ二つの魅力がそれぞれ楽しめるプログラムが用意される。
共演には昨年の来日公演と同じメンバーを揃え、伝統を大切にしながらも常に創造的な挑戦を続ける彼がどのような舞台をみせてくれるのか期待が高まる。
公演初日は女装によるプログラム。オープニングはカンテ二人によるマルティネーテ。フアン・デ・ラ・マリアの伸びやかな張りのある歌声と、ホセ・マヌエル・フェルナンデスの野性味ある魂の叫びのような歌声で、それぞれ極上のカンテを交互に歌い繋いでいく。歌い終えると二人で抱き合い、相手を称え合う姿に胸が熱くなる。

しっとりと美しいギターのメロディーから始まるグアヒーラ。曲調がアップテンポに変わると、赤いドレスの貴婦人がステージに現れる。バイラオーラ、マヌエル・リニャンの登場だ。赤いアバニコをはためかせ、リズムの波を遊ぶように踊る。茶目っ気たっぷりにコケティッシュな仕草を見せるのもチャーミング。バイラオーラとして踊りながらも、彼の魅力である足音の力強さや鍛え上げられた身体のキレのある動きはしっかり健在だ。
フランシスコ・ビヌエサのギターソロはリブレのテンポから、厚みのある音色と豊かな響きをたっぷりと聴かせてくれる。ノスタルジックな印象の情感あふれるメロディーを奏で、フラメンコギターの魅力を存分に堪能させてくれた。
黒地に白の水玉模様のドレスで踊るロマンセもまた、少しアップテンポなリズムで展開。ペソが感じられながらもスピード感と切れ味のある踊りで、ファルダが動くたびに姿をのぞかせる赤いカンカンが鮮やかだ。落ち着いた曲調に変わって抑制を利かせた踊りになると、女性らしい雰囲気が一段と濃く感じられる。
カンテソロでは即興的な楽しさ溢れるタンゴを披露。3人が伸び伸びと持ち味を発揮し、舞台を盛り上げた。
最後の曲はアレグリアス。ステージは青のライトに照らされ、メロディアスなギター前奏が静かな雰囲気を醸し出す。リニャンは淡いエメラルドグリーンのバタデコーラをまとい、爽やかなグリーンのマントンを鮮やかに翻す。多彩なマントンの技を繰り出しながら、躍動感あふれる動きで踊りが目まぐるしい展開していく。足技では安定感のあるリズミカルな音色を奏で、これぞアレグリアス、といった楽しさとともに、少し勢いを押さえたときの踊りの美しさが印象的だった。
衣装や髪形、メイクもしっかり「バイラオーラ」としてステージで踊り舞うリニャンの満ち足りた笑顔は、ありのままの自分自身を表現できる安堵感が表れているかにみえた。
女性の装いでも男性の装いでも、リニャンはリニャン。ガルロチ最後のスペイン人グループ公演の主役を務めるラストダンサーとして、唯一無二の踊り手としての存在感を堂々と見せつけた。
公演は12月18日まで。この二度とない舞台を、ぜひ記憶に焼き付けてほしい。

【出演】
B.Manuel Liñán
C.Juan de la Maria
C.Jose Manuel Fernández
G.Francisco Vinuesa
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