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スペイン発☆志風恭子のフラメンコ・ホットライン

(miércoles, 5 de julio 2023)


文・写真/志風恭子

Texto y fotos por Kyoko Shikaze


 セビージャも本格的に暑くなってきました。アンダルシアは通常、秋冬によく雨が降るのですが、今年はほとんど降らなかったせいでダムなどの貯水量が通常の4割ほどにしかならず、水不足の危機と言われています。もう20年以上前でしょうか、セビージャでも取水制限が行われ、夜中0時以降は蛇口から水がでないという時期がありました。普段はスペインでも屈指の美味しさと言われるセビージャの水ですが、当時は水質も落ちて飲用水は買わざるを得なかった記憶が。6月には珍しい雨も少しはあったというものの、まだまだ水不足ということで心配です。


【夏のフェスティバルはじまる】

 6月になるとアンダルシア各地でフラメンコ・フェスティバルが開催されます。1957年から開催されているウトレーラのポタヘ・ヒターノが最も古いフェスティバルと言われていて、これがフェスティバル・シーズンの開幕を飾る、という感じだったのですが、フェスティバルが増えるにつれ、ウトレーラよりも早い時期に開催されるフェスティバルもあるようになりました。また、以前は一晩にたくさんのアーティストが出演し夜明けまで続く、といった形がスタンダードだったのですが、今ではビエナルの影響もあるのか、数日間にわたって開催されることも多くなってきました。


 セビージャ県アラアルのアルグルグーもそんなフェスティバルの一つです。今年で第21回と言いますから、ウトレーラやレブリーハ、モロン、マイレーナ、プエブラといった伝統的なフェスティバルに比べるとまだ新しい方に入りますが、数日にわたって開催されるこのフェスティバルは毎年、一流のアーティストが出演するフェスティバルとして、フラメンコ・ファンの間にも認識されているように思います。今年は6月8日から17日までの開催で、トマティートやアントニオ・レジェス、ダビ・パロマールのリサイタルなどが市立劇場で行われました。

セビージャ県アラアルの第21回アルグルグー

 この町出身の新進ギタリスト、ダビ・デ・アラアルもウエルバ出身の歌い手サンドラ・カラスコとの共演で『レコルダンド・ア・マルチェーナ(マルチェーナを思い出して)』を上演。

セビージャ県アラアルの第21回アルグルグー

 最終日には、このフェスティバルが毎年フラメンコの功労者に送る『ベルデ・ケ・テ・キエロ・ベルデ』賞を受賞したエバ・ジェルバブエナが踊りました。

第21回アルグルグーで『ベルデ・ケ・テ・キエロ・ベルデ』賞を受賞したエバ・ジェルバブエナ

第21回アルグルグーで『ベルデ・ケ・テ・キエロ・ベルデ』賞を受賞したエバ・ジェルバブエナ

第21回アルグルグー

 なお、6月17日には一晩中フラメンコ公演が行われるコルドバのフラメンコの白夜、24日はポタヘ・ヒターノが開催され、7月2日はモロンのガスパチョ、6日からはレブリーハのカラコラー、8日はプエブラのレウニオン・デ・カンテ・ホンドと伝統のフェスティバルも続々開催予定です。



【フラメンコ才能コンクール カンテ部門】

 第一線で活躍する数多くのフラメンコ・アーティストを輩出しているクリスティーナ・ヘーレン財団。この財団が主催する16歳以上30歳以下の若手を対象にしたコンクルソ・タレント・フラメンコ、フラメンコ才能コンクール。カンテ、バイレ、トーケ(伴奏)の3部門があり、そのカンテ部門の決勝が6月19日、セビージャの財団の劇場で行われました。

 財団の芸術学校でかつて教授を務めていた歌い手、ナランヒート・デ・トリアーナの名を冠したこのコンクール、今年の優勝はウエルバ出身のマリア・アンヘレス・ゴンサレス。2位はセビージャ県アラアル出身のアントニオ・ロペス、3位はマルタ・ボガドでした。

©Fundación Cristina Heeren


 なお、6月18日には同劇場で舞踊部門の準決勝が行われ、参加者10人の中から、セビージャ、グラナダ出身が各2名のほか、マドリードとロシア出身の6人が7月18日に行われる決勝に進むこととなりました。またギター伴奏部門は7月10日コルドバで決勝が行われます。



クラウディア・ルイス・カロの写真展『ラ・ルス・コン・エル・ティエンポ・デントロ』

【写真展『ラ・ルス・コン・エル・ティエンポ・デントロ』】

 セビージャ観光の中心地、サンタ・クルス街、ムリージョの家にあるインスティトゥート・アンダルース・デ・フラメンコで、クラウディア・ルイス・カロの写真展『ラ・ルス・コン・エル・ティエンポ・デントロ』が5月24日から開催中。


 ビエナルのオフィシャル写真家を務める彼女は1993年バルセロナ生まれ、ヘレス在住。ビエナルでの写真とは全く違う、白黒で描いたアーティスティックな写真はここ数年で撮影されたものなのに、何十年も前のフラメンコの香りがしてくるのが不思議です。きっと彼女の中に確固たるフラメンコ観とでもいうようなものがあって、それにあう写真を、瞬間を探しているのかもしれない、という気もします。

 入場無料なのでお近くにお越しの際はぜひ。


Instituto Andaluz de Flamenco.

住所calle Santa Teresa, 8 Sevilla

(月)〜(金)08:30〜15:00 土日祝休

クラウディア・ルイス・カロの写真展『ラ・ルス・コン・エル・ティエンポ・デントロ』

【筆者プロフィール】

志風恭子(Kyoko Shikaze)/1987年よりスペイン在住。セビージャ大学フラメンコ学博士課程前期修了。パセオ通信員、通訳コーディネーターとして活躍。パコ・デ・ルシアをはじめ、多くのフラメンコ公演に携わる。


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